面接で伝えるのにちょうどいい短所の選び方【例文あり】
採用面接で短所を聞かれたら
新卒採用を行う企業のうち、なんと94.5%が「人柄」を採用面接で重視すると回答しています。学生がどのような人なのかを知りたいという企業が多いからこそ、面接で短所や長所を聞かれます。
【参考】株式会社リクルート 就職みらい研究所『就職白書2022』
一方で、選考を通過して、内定をもらいたいみなさんにとっては、短所は聞かれると苦しい質問なのではないでしょうか?面接に落ちることがないように無難な短所を挙げる人も多いはず。
しかし、それでは短所としての説得力がなく「本当のことを答えていない」と逆に悪印象になってしまう可能性も。
この記事では、面接において自分の短所が問われる理由と、適切な回答方法について説明します。消極的に捉えられがちな短所ですが、自己PRや学生時代頑張ったことと同様、みなさんの魅力を伝えるうえで大切なものです。
採用面接で話すのにちょうどいい短所の選び方
基本的には正直に短所を伝えるのが説得力もあるため一番良いです。
とはいえ、「コツコツと努力できる」人を探しているのに、「すぐにだらけてしまう」短所のある人を採用しないですよね。もし採用するなら「頑固」なところが短所だけど、「努力できる」長所のある人です。
採用面接で話す短所を考える際は、企業が社員に求めることから逆算して決めていくことがベストです。
これからご紹介する4つのアプローチ方法からいくつか自分の短所を探してみて、それから面接で話すのにちょうどいい短所を選んでみてください!
(1)モチベーショングラフを使って自己分析をする
モチベーショングラフとは、時間の流れを横軸に、モチベーションの起伏を縦軸にとったグラフのことです。モチベーショングラフを作ることによって、自分の人生に大きな影響を与えているエピソードを見つけ出すことができます。
そのエピソードを振り返ったときに、思い出した短所は、具体的な事象を踏まえて説明できるので、面接で話す内容としておすすめです。自己分析の詳細のやり方は、下記記事を参考にしてください。
(2)周りの人に他己分析をお願いする
短所を見つけるのにあたって、他己分析をお願いするのもおすすめ。
他己分析とは、自分を知ってる他者に自分の良いところや悪いところを聞くことで自己理解を深める手法です。
他己分析をお願いする際は、親御さんや仲の良い友達だけでなく、そこまで気心がしれていない人にもお願いしてみると良いでしょう。
距離感の違いによって、自分の長所や短所がどのように変化するのか知ることができます。
(3)自分の長所から短所を考える
人の性質は、良いものと悪いもの、簡単に分けられるものではありません。
長所として捉えられる性格は、短所としても捉えられることが多々あります。自分が長所だと感じていることが短所になってしまうのはどのような場面か考えてみると、面接で伝えられる短所が見つかるかもしれません。
また、長所から短所を考えることで、そこに一貫性が生まれるというメリットもあります。
(4)極端な短所は避ける
いくら正直に短所に向き合うとはいえ、どう考えても深刻に捉えられる短所は言うべきではないでしょう。
例えば、営業職なのに「人と話すことが嫌いなこと」という短所を言うのは、そもそも営業職の適性を疑われるでしょうし、「ストレスがかかると体調不良になる」といった短所も、選考に致命的なマイナスポイントとなるはずです。
このように、入社後に深刻な問題としてイメージされる短所は、面接では避けるべきでしょう。
採用面接でNGな短所の答え方
ここでは採用面接で避けた方がよい短所の答え方をご紹介します。
難しいとは思いますが、採用面接では、取りつくろいすぎることも、正直に話しすぎることも、なるべく控えましょう。
(1)「特に短所はありません」
自分の良い面をとにかくアピールしたい!という気持ちが強すぎるあまり、短所はないと答えてしまうパターンです。
企業側はみなさんの人柄を知るために質問をしています。それに対して短所がないと回答することは、ぶっきらぼうで、真摯さがないように見えてしまいますよね。
どんな人にも長所があるなら、短所もあるはず。短所がないという回答から「自己分析が足りていない」と判断されてしまう可能性もあるので、必ず自分の短所を伝えられるように準備しましょう。
(2)「人と関わることが苦手です」
応募している職種の特性によってはOKなこともありますが、総合職として新卒採用を受けている場合は避けた方がよい回答です。
仕事をする上で、人とのコミュニケーションは避けられないことが多いです。どのような仕事にも必須とされているような素質を短所として挙げることは、あまりオススメできません。
これに関連して「すぐに嘘をついてしまう」「賭け事がやめられない」「逃避癖がある」など、社会人として働く上で求められる傾向にある要件に反する内容も、なるべく避けた方がよいでしょう。
(3)「体調を崩しやすいです」
短所や長所を採用面接で聞くのは、みなさんの人柄、つまり性格について知りたいと考えているからです。
ですので、基本的に短所を聞かれたときは、自分の性格に関する内容について答えるようにしましょう。
もし入社後に配慮が必要な疾患などを抱えている場合は、短所の質問とは別途の機会に伝えるとよいです。
採用面接で短所を聞く企業側の意図
面接でどう考えても長所であることを短所として述べる人がいますが、これは面接官が意図するところではありません。
短所は誰しも持っているもの。あからさまに短所を隠すような回答は、面接官にマイナスの印象を与えます。
面接で短所を回答する際には、面接官が短所を聞く意図を把握し、それを踏まえた回答をすることが重要。面接官が短所を問う意図は、大きく分けて以下の2つです。
(1)適性を判断したい
短所を聞く1つ目の目的は、適性を判断することです。企業で取り組む業務に明らかにマイナスになる資質を持つ人を採用してしまっては、活躍を見込むことはできません。企業に取っても採用された人にとっても不幸なことです。
面接で短所を聞くことで、採用する前にその人の適性を判断することができます。もし相性が良くないと判断されれば、選考を通過することはないでしょう。短所を伝えるときは、企業での仕事を考慮した上で伝えるのが大切。仕事をする上で明らかにマイナスになる短所を伝えるのは避けた方が良いでしょう。
(2)自己理解能力を判断したい
もう1つの目的は、みなさんの自己理解能力を判断することです。
「自分にはどんな短所があり、どういう場面でその短所が出てしまうのか。」
「その短所によってどんな問題が起こり、それを防ぐために何ができるのか。」
上記のように、自分の短所としっかりと向き合い、その対処法を把握していることを伝えられるかが重要なポイントになります。なぜなら、短所を理解していなければ、それを改善するために行動することができないから。
人間誰しも短所を持っています。面接では短所を隠すのではなく、いかにそれと向き合って改善しようとしているのかをしっかりと伝えられるよう準備しましょう。
採用面接向き短所か判断するポイント
(1)努力によって解決/改善できる?
(2)長所とセットになっている?
(3)ネガティブワードを使いすぎていない?
(4)企業の求める人物像に反していない?
短所をうまく伝えるための文章構成
面接で話す短所が決まったら、次はどのようにそれを説明するか考えましょう。短所を伝えるときに大切なのは、短所が出る場面や原因、改善するための行動についてしっかりと説明することです。
上でも述べましたが、面接官は短所を聞くことで、その人がどれだけ短所を自覚し、改善しようとしているかを見ています。
①自分の短所は〇〇です(結論)
②自分の短所が出るときの状況・経験
③短所によって起こってしまう問題
④短所を改善するために実施している取り組み
短所を話すときに再現性を伝えるためには、上記の4点を順序通りに説明することがおすすめです。面接でありがちなのが、具体的なエピソードから先に伝えてしまい、何を言っているのかよく分からなくなってしまうというケース。「私の短所は〇〇です」と、短所から伝えることで、その後のエピソードの意味が理解しやすくなります。
【例文】採用面接に活きる短所の伝え方
面接の短所を考えるポイントを踏まえて、最後に面接本番で活かせる短所の例を紹介します。
短所の例①:優柔不断
私の短所は、他者から多様な意見を受けると、的確な意思決定が出来なくなってしまう点です。私は体育会サッカー部で、練習メニューの管理の担当をしています。メンバーから練習について様々な要望があると、練習メニューの組み方に迷いました。結果として、どっちつかずな練習メニューとなり、満足度が下がってしまうということがありました。
自分の短所を克服するために意識していることは、意見を聞きつつも、自分の頭で考えることです。目的とするゴールから逆算して考えることで、作った練習メニューの理由を説明できるようになりました。これによって、自分の判断に自信を持てるようになりつつあると感じています。
短所の例②:緊張しい
私の短所は、大勢の前で話すときに緊張してしまう点です。私は英会話サークルに所属しており、半年に一度、英語のスピーチコンテストに出場しています。コンテスト当日には大勢の人の前で話すのですが、緊張の結果実力を発揮することができないということがありました。あがり症な性格をカバーするため、事前にイメージトレーニングを徹底しています。頭の中で本番スピーチのイメージを重ねることで、当日の緊張を緩和することが出来るようになりました。