【不動産・業界研究】ディベロッパーとハウスメーカーの特徴と違い

2023/03/22
不動産業界
業界の仕事内容
目次
1.
はじめに
2.
そもそも住宅事業とは?不動産事業と何が違う?
3.
デベロッパーとハウスメーカーの事業内容
4.
デベロッパーとハウスメーカーの特徴
5.
あなたに向いているのはデベロッパー?ハウスメーカー?
6.
住宅事業をもっと詳しく知りたい方へ

はじめに

この記事のテーマは、デベロッパーとハウスメーカーの特徴と違いです。
‌‌みなさんは両者の違いを的確に説明することができますか?

‌▼デベロッパーの代表的な企業
‌‌三井不動産レジデンシャル、三菱レジデンス、野村不動産、東京建物
‌▼ハウスメーカーの代表的な企業
住友林業、積水ハウス、大和ハウス、旭化成ホームズ
ハウスメーカーは「住宅事業」、デベロッパーは「不動産事業」にあてはまるため、それぞれの事業の違いを理解しておくことは、不動産業界を知る上でとても大切になります。

‌‌不動産業界‌に関わりたい方は、デベロッパーに就職して不動産事業に関わる場合と、ハウスメーカーに就職して住宅事業に関わる場合で、どんな仕組みや業務の違いがあるのかをこの記事を通して理解していきましょう!

そもそも住宅事業とは?不動産事業と何が違う?

では、そもそも「住宅事業」とはどのような事業で、「不動産事業」との違いは何でしょうか。
‌どちらも不動産「業界」ですが、住宅事業と不動産事業には、それぞれ以下の特徴があります。
住宅事業と不動産事業の違い
‌住宅事業とはその名の通り、「住まいに関する事業」のことで、新たに作る一戸建てを主に扱います。
一方、不動産事業は「土地や建物に関する事業」のことで、既に完成している建物を提供したり、駅や商業施設、街の開発を行ったりします。
今回の記事でいうと、
ハウスメーカーは「住宅事業」
デベロッパーは「不動産事業」にあてはまります。

‌不動産事業における他の系統の業界について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

デベロッパーとハウスメーカーの事業内容

‌ここでは、デベロッパーとハウスメーカーの事業内容をさらにくわしく分類します。
デベロッパーとハウスメーカーは、それぞれ3つの事業に分けられます。
デベロッパーとハウスメーカーの事業内容

デベロッパーの事業内容

‌デベロッパーの事業は、「街づくり」「都市再生や基盤整備」「マンション、戸建て開発」の3つに分けることができます。
それぞれくわしく見ていきましょう。

①街づくり

最大手のデベロッパーによって、マンションや駅、商業施設、リゾート施設などを幅広く開発します。
このような企業は「総合デベロッパー」と呼ばれ、三井不動産・住友不動産・野村不動産・東急不動産・三菱地所などがあてはまります。
みなさんも、一度はCMで目にしたことがあるのではないでしょうか。
ちなみに、デベロッパーが企画、開発管理を行った大きな施設を建設する企業は「ゼネコン」と呼ばれます。
これらを行う組織は「公的デベロッパー」と呼ばれ、国土交通省が管轄している独立行政法人の、「UR都市機構」が含まれます。
インフラ整備に関わる大きな再開発や都市再生などは、公的デベロッパーが中心になることが多いです。


③マンション、戸建て開発

総合デベロッパーの他にも、マンションや戸建て開発を扱うデベロッパーが存在し、中小企業の多くのデベロッパーは「マンションデベロッパー」と呼ばれます。
住宅事業もマンションや戸建てを扱うことがありますが、デベロッパーは街づくりの一環として扱うため、個人販売を主な目的としていないことが大きな違いです。

‌ハウスメーカーの事業内容

‌ハウスメーカーの事業は、「注文住宅事業」「分譲住宅事業」「賃貸住宅事業」の3つに分けることができます。
デベロッパーと同様に、それぞれくわしく見ていきましょう。

①注文住宅事業

注文住宅とは買主の希望をいかして建築する新築住宅のことです。
買主がオーダーメイドをし、外観、間取りや構造を含めて自由に設計することができます。
‌そのため、対象となる物件は個人向けの戸建住宅(一軒家)になることが多いです。

②分譲住宅事業

分譲住宅事業とは、不動産会社の経験・ノウハウを活かして戸建・マンションを建て、個人に販売する事業のことです。
注文住宅と異なり、すでに出来上がった戸建・マンションを販売します。
‌買主側からは、モデルルーム等で実際の物件を見学してから購入できるというメリットがあります。

③賃貸住宅事業

賃貸住宅事業は、マンション・アパートの賃貸料から継続的に収益をあげる事業のことを指します。
この記事を読んでくださっている方の中にも大学に通うためにひとり暮らしをしている人が少なくないでしょう。
大学を卒業したら、勤務地に合わせて引っ越そうと考えている人も多いのではないでしょうか?
このように個人の一時的なライフスタイルに適応できるのが賃貸住宅の特徴。
個人の一時的なニーズに対応する物件になるため、分譲住宅に比べると規模は小さくなります。
賃貸住宅の画像

デベロッパーとハウスメーカーの特徴

住宅事業と不動産事業の違いについて解説してきました。
それでは、ここからが本題です。
‌デベロッパーとハウスメーカーには、どのような特徴があるのでしょうか?
‌両者の違いは、大きく分けて「住宅をつくるスタンス」「注力するエリア」「仕事内容」の3つです。

①住宅をつくるスタンス

デベロッパー

不動産業界に属する企業には、不動産の企画・開発や土地や物件の流通(売買・賃貸)、不動産の管理など様々な業務があります。

タワーマンションの開発や戸建住宅の集合による1つのコンセプトを持ったエリア開発など、その規模の大きさが最大の特徴です。
‌一部のデベロッパーでは、商業施設やホテルを取り入れた、複合型住宅施設や、駅直通のタワーマンションのような地域に密接に関わる大規模な住宅施設を手がけることもあります。

ハウスメーカー

デベロッパーの住宅事業では、街づくりを意識した住宅開発が行われていましたが、ハウスメーカはーどちらかと言うと物件の買主に重きが置かれます。
‌そもそもハウスメーカーとは住宅建設を行い、個人に住宅を売ることを目的とする不動産会社。
‌経験やノウハウを生かし、買主のニーズに合わせた住宅の提供を行なっています。

‌また、デベロッパーの扱う物件には商業施設のような大規模なものがありますが、ハウスメーカーが扱う物件のメインは戸建住宅です。
‌ハウスメーカーの商品(家)自体はある程度規格化されているため、商品(家)を短期間で建てることができます。

②注力するエリア

デベロッパー

先ほども述べた通り、デベロッパーの目的は街づくりです。
‌そのため、人がたくさん集まり、影響力を与えることができるエリアに注力をしていきます。
そこで、大切なのが立地認識
‌立地認識とはその土地の歴史調査やマーケティング調査・分析を行うことです。
‌立地認識から、その土地の価値が今後上がっていく(街の価値向上)エリアかどうかを判断します。

ハウスメーカー

ハウスメーカーは顧客に住居を販売する目的から、エリアを絞らず全国的に展開しています。
‌そのため、様々な顧客の経験・ノウハウが蓄積されており、住居へのニーズを踏まえた提案が強みです。
ハウスメーカーが手掛ける住宅の画像

③仕事内容

デベロッパー

デベロッパーは「街づくりのプロデューサー」です。
‌まず、不動産開発を行うための用地を取得し、次に実際の事業の企画をしていきます。
‌そして、プロジェクトの設計図の作成や実際に工事を行い建物を建てることは設計会社やゼネコンといった専門家にお願いをします。彼らの進捗管理を行うのがデベロッパーの仕事なのです。

ハウスメーカー

デベロッパーが企画や進捗管理以外を専門とする企業に外注するのに対し、ハウスメーカーは住宅施設の企画から設計、施工までの全てをその会社で実施します。
‌そのためハウスメーカーには、デベロッパーの職種にはない技術職があります。

技術職専門知識や資格が必要になってくる職種。
‌具体的には、設計図の作成や建設を担い住宅の施工を担います。
‌実際にでき上がった住宅を顧客に提案し販売することが営業職の役割です。

あなたに向いているのはデベロッパー?ハウスメーカー?

住宅事業に携わる、ハウスメーカーとデベロッパーの特徴について解説してきました。
「自分はハウスメーカーとデベロッパーのどちらに向いているんだろう?」
こんな疑問を抱えている方は、仕事を通して自分がやりたいことに目を向けてみましょう。
自分のやりたいことが見つからない人は、以下の記事を参考にしてみてください。

とにかく大規模な仕事に携わりたい、街をより良くしたい、どちらかというと建設より企画がやりたい、そんな人はデベロッパーがおすすめです。
一方、ひとりひとりに目を向けたい、設計から施工までやりたい、ライフスタイルに寄り添った住宅に興味がある、そんな人はハウスメーカーが合っているのではないでしょうか。
企業によってもできることが異なるため、自分がデベロッパーかハウスメーカーのどちらに興味があるのかを考えられたら、企業研究をしてみることをおすすめします。
企業研究を進める上で知りたい情報として、「実際の仕事内容」と答えた学生が最も多く、全体の83.5%でした。
この記事で業種ごとの仕事内容を理解できたら、ぜひ企業研究を通してやりたい仕事を見つけてみてください。

住宅事業をもっと詳しく知りたい方へ

ハウスメーカーとデベロッパーの仕事内容について、具体的なやりがいや苦労を聞きたいときにおすすめなのが、OB・OG訪問。
OB・OG訪問では、インターネットでは集められない情報を聞くことができたり、説明会では聞きづらいことが聞けたりと、多くのメリットがあります。
‌OB・OG訪問をするのにおすすめなのが、就活相談マッチングサービスのMatcher(マッチャー)です。
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