建設業界の中核を担うゼネコン。事業の大きさから多くの学生が魅力を感じています。この記事ではゼネコンの事業から仕事内容まで解説。ゼネコンについて正しく把握し、キャリア選択の参考にしてください。
【建設業界 目次】
第1章
第2章
【建設業界】ゼネコンの種類と仕事内容←Now
第3章
第4章
社会インフラを担うゼネコン

高層ビルや商業施設からダム、鉄道といった社会インフラまで幅広く手掛ける
ゼネコン。「建設業界」と聞くと、多くの人がこのゼネコンを思い浮かべることでしょう。しかし、ゼネコンの中にある仕事内容について理解している人は決して多くありません。
この記事のテーマは、
ゼネコンの仕事内容。具体的な企業や職種ごとの業務について幅広く解説します。ぜひ最後まで読んで、ゼネコンへの理解を深めてください。
ゼネコンの事業
ゼネコンの事業は種々の土木・建築工事を請負、建設すること。事業の具体的な例としてはダムやトンネルといった社会インフラや、高層ビルや病院、学校、商業施設などが挙げられます。
しかし、ゼネコンの社員が直接工事を行うわけではありません。ゼネコンは専門工事業者に発注し、実際の工事はそれらの業者が担うことになります。現場におけるゼネコンの仕事は、下請けとなる企業を管理・監督し工事を円滑に進めていくことです。
受注先から示された納期は守らなければなりませんが、同時に作業員の安全も確保しなければなりません。建設が納期に間に合わなかったり、工事現場で事故が起きた場合、最終的な責任を負うのはゼネコン。問題が起きないように現場に出入りする様々な企業と連携しながら、着実に工事を進めていくのがゼネコンの役目なのです。
ゼネコンの種類
上でも述べたように、ゼネコンの主な事業は建設物の施工です。しかしひとくちに建設と言っても、ゼネコンによって得意とする分野が異なります。
例えば、大手ゼネコンの竹中工務店。竹中工務店はダムやトンネルといった土木工事は受注せず、建築工事だけを担います。ゼネコンごとに土木と建築の売上比率が異なるほか、建築・土木の中でも得意としている分野をそれぞれの企業で持っているのです。
ここでは規模や得意分野という観点から、特徴的なゼネコンをいくつか取り上げました。ぜひ、自分に合った企業を選択してください。
スーパーゼネコン
日本の建設業界において大きな存在感を発揮しているのが、スーパーゼネコン(以下スーゼネ)と呼ばれる大手ゼネコン5社です。これまでにも、日本を代表するような建造物の工事を数多く手掛けてきました。スーゼネならではと言えるのが、その事業領域の広さと扱う案件の大きさ。施工以外にも設計、エンジニアリング、研究開発、また都市開発の部署を抱え、建設における幅広い領域で高い技術や豊富なノウハウを持っています。
具体的な例として挙げられるのが、開発事業。一般的にはディベロッパーと呼ばれる企業が都市開発の計画を立て、それに沿う形でゼネコンが建設を進めていきます。しかし、スーゼネの中にはその開発計画まで行う企業があります。自前で都市の開発計画を立て、施工まで行うのです。スーゼネは単に工事を請け負うだけでなく、より上流の開発分野にまで積極的に進出していると言えるでしょう。
また、今後の方針としては東南アジアを中心とした積極的な海外展開、そしてエネルギー・環境といった新領域への進出が示されています。将来的には国内の建設需要低下が見込まれる中で、それらの事業が収益の柱となるかが注目されています。
スーパーゼネコン5社
鹿島建設、大林組、清水建設、大成建設、竹中工務店
マリコン
マリコンとは「マリン・コントラクター」の略で、海洋土木工事に強みを持つゼネコンを指す言葉です。具体的には埋め立てや護岸、海底トンネル工事を手掛けています。これらの工事は高い専門性を要する場合が多く、新規参入が難しいのが特徴です。日本のマリコンはその技術を高く評価されており、国内のみならず、世界各地の港湾工事や空港の用地造成を受注しています。
マリコンの代表企業
五洋建設、東亜建設工業、東洋建設
道路舗装
ゼネコンの中には道路舗装を主力事業として据えている会社があります。社会インフラとして必要不可欠な道路。工事の多くは国や地方公共団体から発注された公共工事で、新設のほか、補修などのメンテナンスにもニーズがあります。今後は国内の需要が低下していくことが予想されるため、高い技術力を生かした海外進出や道路舗装周辺領域へ進出していく可能性があります。
道路舗装の代表企業
NIPPO、前田道路、日本道路
ゼネコン社員の仕事内容
学生のみなさんにとって重要なのが、入社した後にどのような仕事をするのかということ。特に事務系の方々はゼネコンでどのような仕事をするのかイメージしにくいのではないでしょうか?
以下では、ゼネコンの仕事内容について解説します。しっかりと把握して、ゼネコンへの理解を深めましょう。
事務系
まず、挙げられるのが現場事務。工事現場では資材費や人件費として大きな金額が動きます。それらを管理するのが現場事務で、経理をはじめ工事現場の総務、人事を幅広く担います。
本社や支店の主な仕事としては、営業と調達があります。
営業は顧客のニーズを的確にくみ取り、最適な提案を行うことで案件を獲得します。建設は顧客にとっても非常に大きなプロジェクトであることがほとんど。受注に向けて、営業には顧客と強固な信頼関係を築くことが不可欠です。
調達は建設に用いる資材を買い付けます。原料の価格や品質はコストや完成した建造物の品質に直結するため、非常に重要な役割と言えるでしょう。
他にも、企業によっては不動産の運用や全社的な方針を考える経営企画を事務系の社員が担う場合があります。また、このようなゼネコン特有の業務以外の、総務・人事・経理といったゼネコンに限らない部署でも事務系社員が役割を果たしています。
技術系
ゼネコンの中には技術系の仕事がたくさんあります。まず挙げられるのが施工管理の仕事です。施工管理には土木・建築・設備といった種類があります。いずれも工事が設計図通りに、かつ円滑に進んでいるかを確認しながら工程を管理する仕事です。
次に挙げられるのが、設計の仕事。建設にあたっては設計図が必要ですが、その作成を担うのが設計の仕事です。これも土木・建築・設備ごとに専門の知識を持った社員が担います。
その他にも、工場といった生産施設の計画段階から実際に操業するまでの過程を包括的に管理するエンジニアリング部門では、様々な分野のエンジニアが仕事にあたります。開発事業部を持つ会社では都市開発の知識を持つ技術系社員が開発計画を立案。さらに、技術系の社員が理系の知識を生かした営業支援を行う場合があり、ゼネコンにおける技術職のフィールドは非常に広いと言えるでしょう。
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