【広告代理店】仕事内容や企業、就活事情を徹底解説!5分で理解!

2023/04/05
業界の仕事内容
広告業界

【広告業界 目次】

‌第1章

‌第2章
広告代理店とは?-就活生が知っておくべき仕事内容←Now

‌第3章

‌第4章

第5章

知ってる?広告代理店の仕事内容

電通や博報堂など、就活生から圧倒的な人気を誇る広告業界。この記事のテーマは、広告代理店の仕事内容です。

「広告代理店」と聞くと、面白いCMを企画したり、深みのあるコピーを書いたりするイメージを抱いている人は多いのではないでしょうか?

‌事実、みなさんが想像するような仕事も広告代理店の仕事の1つ。しかし、このようなイメージだけを持って広告代理店を志望するのは危険です。なぜなら、クリエイティブな職種はあくまで広告代理店の仕事の一部に過ぎないから

‌この記事ではその種類や職種など、広告代理店を志望するなら最低限知っておかなければならない知識をお伝えします。ぜひ最後まで読んで、広告代理店に対する理解を深めてください。

そもそも広告代理店とは?

そもそも広告代理店とはどのような企業なのでしょうか?ここでは図を用いて、広告代理店の機能をお伝えします。

広告代理店の仕事内容を示す図

‌これは、広告主が広告を出すまでに関わるものを図式化したものです。広告代理店が担う役割を端的にまとめると、以下の3つになります。

‌①広告主の要望に合わせて広告のプランニングを行い、実際に出稿をするまでの流れを推進する。

‌②CMをはじめとする広告のアイデアを企画し、必要に応じて制作している会社に発注する。

‌③テレビや新聞といったメディアの広告枠を、メディアに代わって販売する。

‌広告主とメディアの間に立ち、双方に対してメリットを生むのが広告代理店の役割であると考えてください。

‌広告代理店の種類とは?

広告代理店の仕事内容である、マーケティングの様子‌そもそも広告代理店とはどんな企業なのかを理解できたところで、広告代理店の種類についてお伝えします。

‌広告代理店の種類は、「総合広告代理店」、「専門広告代理店」、「ハウスエージェンシー」の3つ。以下でそれぞれの特徴をお伝えします。

(1)総合広告代理店

まずは総合広告代理店。学生に大人気、みなさんご存知の電通や博報堂は総合広告代理店に該当します。

‌総合広告代理店の特徴は、1つのメディア媒体にとらわれず、あらゆる種類の広告枠を扱うということ。先ほどの図にもあったように、新聞や雑誌、テレビなど、メディアの種類は様々な種類があります。

‌総合広告代理店は、これらのメディアを網羅しているため、複数のメディアに横断的にアプローチをすることが可能です。

(2)専門広告代理店

専門広告代理店は、総合広告代理店のようにあらゆる媒体を扱うのではなく、1つの媒体に特化した広告代理店です。

‌具体的には、新聞の広告枠を専門的に扱う広告代理店や、屋外広告を専門に扱う広告代理店、インターネット広告を専門に扱う広告代理店などがあります。それぞれ専門的なノウハウを有し、その広告枠で理想的な費用対効果を出すことに強みを持ちます。

急成長するインターネット広告市場

広告業界の今を語る上で、インターネット広告の急成長を無視することはできません。以下のグラフをご覧ください。

電通が発表している、広告業界における各媒体の伸び率の画像です。
‌出典:株式会社電通「2018年 日本の広告費|媒体別広告費」(2019年10月15日参照)
‌‌
‌これは、媒体別の広告費の伸び率を示したグラフです。

‌他のメディア媒体が下火の中、
スマートフォンの普及やインターネット環境の充実によってインターネット広告の市場規模が急成長を遂げています。

スマートフォンの普及により、人々がインターネットに接続する時間が爆発的に伸びたことが大きく影響。インターネット広告代理店の代表的な企業には、サイバーエージェントGMOアドウェイズセプテーニなどがあります。

(3)ハウスエージェンシー

最後に説明するのは、ハウスエージェンシー。ハウスエージェンシーとは、平たく述べると、特定の企業専属の広告代理店のことです。

‌具体例として、ハウスエージェンシーのJR東日本企画(以下jeki)を紹介しましょう。jekiは、JR東日本のハウスエージェンシーです。JR東日本が出稿している広告は基本的にはjekiが広告代理店としての役割を担います。

‌ハウスエージェンシーには、jekiの他にも東急グループの広告を担う東急エージェンシーや、トヨタの広告を担うデルフィスなどがあります。気になる人はぜひ調べてみてください。‌

‌‌大手広告代理店3社を解説

‌広告代理店といえば、電通・博報堂・ADKの3社を思い出す方も多いのではないでしょうか。

「名前はよく聞くけど、実際どんなことをしているのかは知らないな」
「それぞれの会社の特徴ってどんな感じなんだろう」

このような疑問にお答えする前に、まず簡単に「売上高」と「平均年収」についてまとめてみましたのでご覧ください。

株式会社電通グループ

売上高:約4.49兆円(対象期間:2020年1月1日〜2020年12月31日)
平均年収:約1341万円(対象期間:2020年1月1日〜2020年12月31日)
日本で一番規模の大きい広告代理店が、株式会社電通グループです。「an invitation to the never before.」というビジョンを掲げながら、145の国と地域に展開しています。

【電通の主な事業領域】
・マーケティング
・デジタルマーケティング
・クリエイティブ
・セールスプロモーション
・メディア
・コンテンツ
・パブリックリレーションズ

このように事業領域が並べられても、実際にどのようなことを行っているのか想像しにくいですよね。そこで、株式会社電通グループが関わっている具体的な事例を集めてみました。

・大塚製薬株式会社のポカリスウェットCM
・北海道日本ハムファイターズの新スタジアムを中心とした街づくりプロジェクト
・気象データから季節の造形を生み出す「サイバー和菓子」プロデュース
・台湾での「MOVE 生きものになれる展」開催

‌広告代理店といえば「広告制作に関わる仕事」だと思っている方もいるかと思いますが、イベントの開催から街づくりなど、とにかく幅広いスケールで事業を行っているのが電通です。

また2013年3月にイギリスの広告代理店であるAegis Groupの買収に成功した後、海外への事業展開に注力していることも特徴です。2020年には米国独立系で最大級のデータマーケティング会社であるマークル社の完全子会社化にも成功しています。

‌【参考】株式会社電通グループ

株式会社博報堂DYホールディングス

売上高:約1.29兆円(対象期間:2020年4月1日〜2021年3月31日)
平均年収:約1090万円(対象期間:2020年4月1日〜2021年3月31日)

‌【参考】株式会社博報堂DYホールディングス「2021年3月期 有価証券報告書」
‌「生活者と社会に新たな価値を創造する。」というビジョンを掲げる株式会社博報堂DYホールディングスは、1895年に創業されました。

【博報堂の事業領域】
・マーケティング
・クリエイティブ
・アクティベーション
・PR
・コンサルティング
・事業開発/イノベーション
・メディア&コンテンツ
・テクノロジー・R&D

具体的な事例としては、以下の通りです。

・日清食品ホールディングスの日清ラ王CM
・生活者共創型のまちづくり「shibuya good pass」プロジェクト
・トヨタ自動車の 防災給電プロジェクト
・新たなアート鑑賞サービス「ZOOOOOM ART MUSEUM」プロジェクト

これらを見ると、博報堂でも幅広い事業内容に関われることが分かりますね。博報堂の特徴の一つとして、クリエイティビティの高さが評価されていることがあります。

‌「日清 ご褒美ラ王 天使の兄妹篇」という幼い兄妹がラ王の新商品名を噛みながら紹介しているCMを見たことがある人もいるのではないでしょうか?

このCMは、日本最大級の広告領域アワードであるACCにてグランプリを受賞しました。コカ・コーラ、フォード、マイクロソフトなどをクライアントにもつアメリカのデザイン・イノベーション企業であるIDEO社の一部事業を買収し、さらにクリエイティブ領域を強化しています。

株式会社ADKホールディングス

売上高:0.35兆円(対象期間:2017年1月1日〜2017年12月31日)
平均年収:約756万円(対象期間:2016年1月1日〜2016年12月31日)
2018年3月に非上場化したADKは、DX領域の推進や環境意識の高まりといった人々の価値観の変化に対応するべく、グループ再編などを行いながら大きく変革しています。

2020年には『すべての人に「歓びの体験」を。』というパーパス(社会的存在意義)を新たに策定し、変容する社会に対する自社の立場を明確にしました。

【ADKの事業領域】
・マーケティング
・クリエイティブ
・アニメ

具体的には、このようなことを行っています。

・版権を抱える「ドラえもん」「ワンピース」「クレヨンしんちゃん」などのIPビジネス
・文化庁メディア芸術祭など複数のコンペで受賞した、難病や重度障害で外出困難な人々が、分身ロボットを遠隔操作しサービススタッフとして働く実験カフェの広告制作
・誰もが使いやすいユニバーサルデザインの扇子『hirari』の開発
・理系女性応援番組『天才女子観察バラエティ 没頭ガール』の立ち上げ

ADKは有名アニメの版権を多く抱えていることで有名です。

アニメ作品の企画立案などを行うアニメプロデュースや、キャラクターを広告販促使用する際の窓口業務などを、子会社である株式会社ADKエモーションズが行っています。

広告代理店の職種

広告代理店の種類について説明してきました。ここからは本題。広告代理店にある職種についてお伝えします。入社後のミスマッチを軽減する上でも、職種について理解しておくことは極めて重要。さっそく見ていきましょう。

(1)営業部門

広告代理店の営業職の仕事は、案件獲得進捗管理に分けることができます。

‌案件獲得

‌広告代理店がCMをはじめとする広告を作るためには、企業から依頼を受けなければなりません。広告代理店が案件を獲得するための場が、「競合プレ」です。

‌競合プレとは、広告主である企業が開催するプレゼンテーションの場。各広告代理店が、企業のために広告のアイデアを企画し、提案をします。競合プレで評価されると、晴れて案件を獲得することができるのです。

‌広告代理店の営業は、競合プレで採用されるための準備を行います。広告主である企業から情報を収集。そして、クリエイティブ部門やマーケティング部門の担当者、ときにはCM制作会社のプロデューサーを巻き込んでチームを作り、競合プレで提案する企画を作っていきます。

‌進捗管理

‌広告の案件を獲得したら、提案した企画を実際に制作し、世に出るまでの進捗を管理します。スケジュールはもちろん、想定以上の予算がかからないようにマネジメントすることに責任を持つのが案件獲得後の営業の仕事です。

(2)マーケティング部門

広告代理店のマーケティング職は、市場の分析や調査を行います。分析や調査の結果をもとに、どのような広告が大きな効果を生むのか仮説を立て、戦略に落とし込んでいきます。

‌競合プレに勝つためには、当然企画に対する説得力がなければなりません。マーケティング部門は、自社の企画に魅力を定量的なデータをもって説得力をもたせます。

‌広告案件の獲得後も、実際に広告主の成果を出すために戦略を立案する、非常に重要な役割を果たしているのです。

(3)クリエイティブ部門

クリエイティブ部門は、広告の企画や制作を行う部門です。

‌具体的な職種としては、広告のコピーを考えるコピーライターや、広告のデザインに責任を持つアートディレクター、CMのアイデアを企画するCMプランナー、上記の業務を取りまとめるクリエイティブディレクターなどがあります。

‌(4)プロモーション部門

プロモーション部門は、プロモーションのアイデアと戦略を立案する部門です。具体的には、広告以外のイベントや街頭サンプリングなどのプロモーション方法を利用して広告宣伝を行う仕事です。

多くの場合が、イベントやキャンペーンを外部の制作会社と協力し、運営をします。

(5)メディア部門‌

メディア部門は、消費者のために出す広告のメディア枠の仕入れや広告主の課題解決に向けて適切なメディアの使い方を提案する部門です。メディア枠を仕入れる際は、各メディアを持つ媒体社と交渉を行います。広告主の課題解決も含め、外部の会社との接点が多い部門です。

広告代理店で働く魅力/やりがいとは?

広告代理店で働く魅力ややりがいを合わせて4つ紹介します。

魅力①:幅広い業界の人と仕事ができる
魅力②:世の中に影響を与えられる
やりがい①:達成感を感じることができる
やりがい②:仕事と報酬(給与)が相応である

魅力①:幅広い業界の人と仕事ができる

広告代理店では、幅広い業界に携わることができます。そのため、様々な業界の関係者と近い距離で働くことができます。さまざまな業界の方と接することが多いため、流行や社会について新しい知識や情報を知ることができることも魅力の一つです。

魅力②:世の中に影響を与えられる

広告とは、消費者に商材を知ってもらうために情報を発信することです。そのため、多くの人の目に触れ、社会的影響力が大きいです。社会的影響力が大きいプロジェクトに携われる環境に魅力を感じる方も多いです。

実際に、行政や国際的なスポーツイベントの案件や映画などのエンタメ案件があるため、世の中に影響力を与えていると感じることができます。

やりがい①:達成感を感じることができる

自分の提案やアイディアが形になり、広告を出し、世の中に影響力を与える際に、達成感や喜びを感じることができます。また、外部との会社と連携し広告を作りあげるプロジェクトもあるため、チームとしての達成感を味わうこともできます。

やりがい②:仕事と報酬(給与)が相応である

広告代理店では、実力次第で高収入を目指すことができます。成果を重視する業界であるからこそ、実力が直接収入に反映されます。
やりがいを感じられることはもちろん、報酬としても仕事へのモチベーションを維持しやすい環境です。

広告代理店でのキャリアについて

企業によって、キャリアの歩み方は異なります。しかし、総合職として入社した場合は、大半の企業は、5〜6割が営業、3〜4割がプランナー、残りがクリエイティブやバックオフィス系の部署に配属します。その中でも細かく部署に振り分けがされます。

本人の適性や志向性によって配属先が決まることが多いですが、基本的には2〜4年ほどのスパンでジョブローテーションがあります。

ジョブローテーションを経験することで、営業・マスメディア・デジタルメディア・戦略など、多角的な視点から広告ビジネスを考えるためのスキルが身につきます。
‌プレイヤーとして一連の業務を経験した後は、小規模なチームをまとめるリーダーを経験し、部署全体をまとめるマネージャーへとキャリアアップしていく場合が多いです。

広告代理店で必要とされるスキル

広告代理店で必要とされるスキルは、コミュニケーション能力です。

広告代理店では、他社や他部門と連携をとるプロジェクトが頻繁にあります。

広告主がどのような広告を制作したいと考えているのかニーズを知ること、消費者に伝えたいことは何かを汲み取ることが求められます。そのためには、コミュニケーションをしっかりと取り、相手のニーズを正確に把握することが大事です。

広告主とのコミュニケーションのみならず、他社や他部門とのプロジェクトも多いため、様々な業界の人と円滑なコミュニケーションを取れるスキルも必要とされます。

広告代代理店が求める人物像

広告代理店が求める人物像を3つ紹介します。

①変化を恐れない人

変化を恐れず、臨機応変に対応できることが求められます。

広告主から急な要望やトラブルが発生することがあるため、臨機応変な対応が必要です。また、そのような場面に直面したとしても、冷静にスピード感を持ち対処できるような人物が求められます。

②自己管理ができる人

広告代理店の仕事は、対クライアント業務が多いです。そのため、段階ごとに期日や締切が細かく設定されています。さらに、複数の案件を受け持つことも頻繁にあります。

広告代理店が求めている人物として、自己管理、スケジュール管理ができる人が必要とされています。

‌③傾聴力がある人

広告を制作する上で、傾聴力は欠かせない能力です。広告主がどのようなメッセージを伝えたいのか、どのような要望があるのか的確に聞き出す必要があります。そのため、傾聴力がある人は求められる人物像の一つです。

また、広告主とのコミュニケーションだけではなく、広告を制作していく上で他部署、他社と連携してプロジェクトを進めていくことがあるため、ヒアリング力がとても重要な能力です。‌

‌広告代理店で働く社会人に会いに行こう

ここまで広告代理店の仕事についてご紹介してきました。しかし、具体的な業務ややりがいについてはまだまだ理解が及んでいない範囲も多いかと思います。

‌そこで行っていただきたいのがOB・OG訪問。働き方をイメージしやすくなるだけでなく、選考に使えるような情報をひきだすことが出来ます。ぜひ使っていただきたいのが、就活相談プラットフォームの‌M‌atcher(マッチャー)
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広告業界への理解をさらに深めるために

‌お話ししてきた通り、広告代理店の仕事は、みなさんのイメージ通りクリエティブな側面がある一方、泥臭く地道な業務もたくさんあります。選考を受ける際は、それらの事実も知った上で受けるようにしてください。

‌次の記事では、CM制作会社の仕事内容について説明します。

‌広告に携わることができるのは、広告代理店だけではありません。ぜひ視野を広げて、CM制作会社についても調べてみてください。

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