
【就活】銀行と信用金庫の違い|特徴・年収などわかりやすく解説
2025/05/28
目次
8.
銀行も信用金庫もお金を預かる業務など、共通する業務が幾つかあります。しかし、成り立ちや考え方に大きな違いがあるのです。
この記事では銀行と信用金庫の違いを具体的に開設します。しっかりとそれぞれの仕組みを理解し、正しい選択ができるようにしましょう。
銀行と信用金庫の違いは?
銀行と信用金庫の違いは、設立目的・運営主体・エリアの広さ・顧客層・業務範囲にあります。

設立目的
銀行が守らなければいけない法律は「銀行法」に、信用金庫が遵守しなければならない法律は「信用金庫法」にまとめられています。
これらの法律によると、銀行の設立目的は「国民経済の健全な発展に資する」ことであり、信用金庫の設立目的は「国民大衆のために金融の円滑を図り、その貯蓄の増強に資する」ことです。
つまり、銀行は営利を目的として金融サービス全体を安全かつ健全に提供することが使命であり、信用金庫は非営利目的で地域の中小企業や住民に貢献する役割が与えられています。
【参考】e-gov法令検索『銀行法』
【参考】e-gov法令検索『信用金庫法』
運営主体
銀行は「株式会社」として設立されており、株主が出資者です。そのため、銀行の運営を通して利益を得ることが最大の目的であり、経営方針も株主の意向を反映して決定されます。
信用金庫は「協同組織」という形をとっており、地域の中小企業や住民が会員となって出資します。地域社会への貢献が優先事項であるため、営利目的の銀行が取り扱わないような小規模な融資にも柔軟に対応し、地域経済を下支えします。
エリアの広さ
三菱UFJ、みずほ銀行などのメインバンクは、全国展開に加え、海外にも支店を持っています。大きいスケールのなかで働くことができますが、転勤や異動も広域にわたる可能性も高いです。千葉銀行や静岡銀行といった地方銀行は、本店所在地の都道府県を中心に、周辺地域にも展開しています。メガバンクほど広域ではないものの、県外への転勤可能性も考えられます。
信用金庫は、法律で原則として地域を限定するように定められています。そのため限られた市区町村内で営業を行います。そのため、特定の地域に密着し、同じ場所で長く働き続けることが可能です。
顧客層
銀行は個人から法人まで幅広い顧客を対象としています。大企業や富裕層、海外との取引も多く、取引額も大きくなりやすいです。
信用金庫は営業地域が限定されているため、中小企業や地域住民が顧客となります。小規模な融資がメインとなるため、個別の相談にも親身に対応することが可能です。
業務範囲
銀行では、預金・融資・為替といった金融機関の基本業務に加え、投資信託や保険、外国為替、信託業務など幅広いサービスを提供します。特にメガバンクでは、法人向けのM&A支援や海外取引など、専門性の高い業務も行います。
一方で信用金庫では、預金・融資・為替といった基本業務が中心です。銀行に比べて業務範囲は限定されますが、その分、顧客との距離が近いといった特徴があります。
銀行と信用金庫に共通する業務内容
銀行と信用金庫に共通する基本業務である「預金業務」「貸付業務」「為替業務」について、それぞれどのようなものかをご紹介します。預金業務
預金業務は、分かりやすく言うと私たちのお金を預かってくれる業務。みなさんが口座を開設したり、窓口でお金をおろしたりするときは、この業務を担当している人にお世話になっています。基本的には一般職の人がこの業務を担当することが多いようです。貸付業務
貸付業務は、「融資業務」とも呼ばれ、法人や個人にお金を貸し出す業務。お金を借りたい人について調査し、実際に貸してもちゃんと返済してもらえそうか検討し、返済ができると判断した場合に融資の実行を行います。為替業務
為替業務とは、口座の送金や小切手や手形の受け取りをお客さんに依頼されることによって行う業務。身近な例としては、電気代や水道代の引き落としがあるでしょう。銀行が代わりに利用者から電力会社の口座に送金することで、手間をかけずに料金を徴収することができます。【最新版】銀行と信用金庫の年収・働き方・就活対策を比較
信用金庫と銀行どちらを志望するか悩んでいる方に向けて、年収・働き方・就活対策について比較していきます。
▼銀行と信用金庫の比較まとめ
銀行:大規模組織で転勤あり・収入高め・就活難易度高
信用金庫:地域密着で転勤少なめ・安定志向・就活難易度中
銀行と信用金庫の年収を比較
銀行の平均年収は600〜800万円程度とされています。規模によって年収も異なり、地方銀行よりもメガバンクのほうが平均年収は高く、年間給与が1000万円に達する場合もあるようです。例えば、三菱UFJ銀行の有価証券報告書を見てみると、2024年度の平均年収は813万円と記載されていました。
信用金庫の平均年収は400〜500万円程度とされています。経験年数や役職、勤め先によって年収は変化するため、多ければ700万円台に昇ることもあるようです。実際に城南信用金庫の就職サイトを見てみると、2022年度の平均年収は685万円と記載されていました。
銀行と信用金庫の働き方を比較
メガバンクや地方銀行では、営業の範囲が日本全国、場合によっては海外まで、広域に渡ります。そのため転勤や異動も多く、勤務地が予測できません。また、月の平均残業時間は20〜30時間程度であり、成果主義で業務量が大きい部署も多い傾向にあります。規模の大きい仕事や、成長環境があるのがメガバンクや地方銀行であるといえるでしょう。
それに対して信用金庫は、営業エリアが限定された地域内のみであり、その地域に留まったまま働くことが可能です。地域に根ざしているため顧客との長期的な信頼関係が重要であり、一人ひとりに寄り添う営業スタイルが基本です。月の平均残業時間は5〜10時間程度であり、人に寄り添った仕事に加え、ライフワークバランスも取りやすい環境があるのが信用金庫であるといえます。
つまり、全国規模でキャリアアップを目指すなら銀行、地元で安定的に働きたいなら信用金庫、というのが一つの選び方です。
銀行と信用金庫の就活対策を比較
組織の目的が異なるため、銀行と信用金庫では求める人物像も異なります。そのためそれぞれにあった就活対策を行うことが必要です。
メガバンクなどの銀行は、志望する学生も多く、就活難易度が比較的高い傾向にあります。求める人物像としては、論理的思考力や責任感、成長意欲などが重視されるでしょう。「なぜ銀行なのか?」という質問に対しては、「金融を通じて経済に影響を与えたい」「大企業向けの提案営業に興味がある」といった志望動機の軸を持っていることが重要です。
信用金庫は、メガバンクに比べて就職難易度は低い傾向にあります。求める人物像としては、地域貢献への意欲や誠実さ、丁寧に人と向き合える力などが重視されるでしょう。その地域出身者でなくても、「その土地への想い」が伝われば問題ありません。事前に志望する信用金庫がある地域を訪れ、その場所ならではのポイントを見つけておくと、志望度の強さをアピールできます。
銀行業界の選考対策がしたいならMatcher
「信用金庫で働いている社会人に話を聞きたい」「銀行業界の内定者にES添削をしてもらいたい」といったお悩みには、就活関連全般の相談ができるOB・OG訪問サービス Matcherがオススメです!
所属大学や地域に関係なく、気になる社会人や内定者にワンクリックで話を聞きにいけます。相談に乗ってもらえる内容は、業界・企業研究だけではなく、ES添削や面接対策、自己分析など多岐に渡ります。
【登録社会人の所属企業例(一部)】
三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、横浜銀行、静岡銀行、千葉銀行、福岡銀行、城南信用金庫、京都中央信用金庫など
以下のボタンから、志望する銀行に勤める社会人がいるかどうかぜひ確かめてみてください!
以下のボタンから、志望する銀行に勤める社会人がいるかどうかぜひ確かめてみてください!
信用金庫・銀行に就職するメリット
信用金庫と銀行の業務内容がイメージできたところで、実際に信用金庫や銀行で働くメリットについて紹介していきます。
信用金庫のメリット
信用金庫で働くメリットは、地域の発展につながることをした時にやりがいを感じることができる点です。
信用金庫は地域の方の夢を叶えるためのお手伝いを金融の面でサポートします。
融資をした後も、事業がうまくいく場合や、うまくいかない時もあります。
そこで、どんな時でも顧客との関わりを大切に地域の人々にとって相談相手になる役割を果たします。
このことから、「地方創生や地域活性化の仕事に興味がある!」と思っている人には非常におすすめの職種です。
銀行のメリット
銀行は、その地域に住むたくさんの人のお金を扱う機関です。
そのため、スケールが大きい仕事を任せられる業務が多いです。
また、金融という側面から顧客に最適な提案をすることが求められるため、
自分の行動が社会のためになっていることにやりがいを感じることができる点が、銀行で働くメリットの1つといえます。
また、銀行の魅力は福利厚生にもあります。
土日祝日はお休みで、有給休暇もしっかり取ることができる環境が整っています。
育児休暇や産休も取得する人が多いことからも、充実した待遇や制度を重視している人におすすめです。
【ES/面接】信用金庫の志望動機を書く時の2つのポイント
ここでは、ESや面接で志望動機を聞かれた時の良い例を見ていきましょう。①「なぜ、信用金庫を選んだのか」
信用金庫の志望動機を書く際に鍵となるポイントは、「なぜ銀行ではなく、信用金庫を志望するのか」です。
様々な業種がある金融機関の中で、なぜ信用金庫を選んだのかは面接を通して聞かれることが多い質問です。
そのためにも、まずは信用金庫の理解を深めることが非常に大切です。
②「地域貢献のへの思いを伝える」
上述の通り、信用金庫は、利益の還元先が、地域単位であることが、銀行と大きな違いです。
そのため、地域貢献に興味があることを伝えなければ、「銀行に就職すればいいのではないか」と面接官に思われてしまう場合があります。
信用金庫に就職を考えている人は、自分が生まれた地域や、ゆかりのある地域の信用金庫を志望する場合が多いと思います。
そのため、自分のエピソードと合わせて志望動機を書くと、一気に好印象な志望動機を作ることができます。
また、地域についての特徴や課題などを志望動機で挙げることで、「しっかり地域について考えて、調べている」と面接官に伝えることができます。
信用金庫に勤める社会人にOB・OG訪問をしよう
信用金庫や銀行の就活対策でお困りなら、ぜひMatcherをご活用ください!
Matcherとは、所属大学や住んでいる地域に関係なく、誰でも簡単にOB・OG訪問ができるアプリです。Matcherなら、自分の志望する銀行に勤める社会人からESや面接に関するアドバイスを直接受けることができます!
Matcherをオススメする5つの理由
・大手企業からベンチャー企業の社会人3.5万人が登録している!
・出身大学関係なく、OB・OG訪問できる!
・住んでいる地域に関係なく、オンラインでOB・OG訪問できる!
・ワンクリックで簡単にOB・OG訪問依頼できる!!
・あなたにマッチ度が高い企業のみから特別選考スカウトが届く!!
以下のボタンから登録して、内定獲得への一歩を踏み出しましょう!
信用金庫は余命何年!?気になる信用金庫の将来性
就活生の中では、「信用金庫はなぜ潰れないのか」「信用金庫の未来は危ないのではないか」といった今後の信用金庫の動向を気にしている人も多いのではないでしょうか。そこで、気になる信用銀行の現状や課題について紹介していきます。
信用金庫を危ぶむ人は多い
金融業界は就活生の中でも非常に人気のある職種です。
「金融業界=安定している」というイメージを持っている人も多いかと思いますが、必ずしもそうとは限らないのが現状です。
金融業界の一部の分野では、将来を心配されていることがありますが、信用金庫はそのうちの1つになります。
企業選びをする時の将来性を考えたい時は、信用金庫が置かれている現状や、抱えている課題などを把握することが重要です。
信用金庫が抱える2つの課題


課題①:都市銀行や地方銀行に押され気味
信用金庫のライバルとして考えられるのは、都市銀行や地方銀行です。
業務内容が被っている銀行の影響で、経営を圧迫されている信用銀行も多いです。
信用金庫がある地域に、都市銀行や地方銀行が存在する場合、利用者が集まらないといった問題が起きます。
というのも、信用金庫は非営利であることから競争力が低く、地方企業でも都市や地方銀行を利用することが多いからです。
また、都市銀行や地方銀行は、規模の大きさや幅広いサービス、手厚いサポートが充実しているため、信用金庫が不利な状態にあるのが現状です。
課題②:過疎地域の拡大
日本は少子高齢化が進んでおり、人口減少があらゆる業界に影響を与えています。
信用金庫でも人口減少によって、経営が縮小傾向に陥っていることが課題として挙げられています。
また、地方の人口減少が激化したことにより、過疎地域が拡大していることも信用金庫にとって大きな影響を与える原因の1つです。
信用金庫は人口が減ってしまうと、どうしても運営する力が弱くなってしまいます。
今後も人口減少により、過疎化していく地域が増えることが予想できるため、過疎化した地域では、信用金庫の運営力は弱まっていく可能性が高いです。
今後も人口減少により、過疎化していく地域が増えることが予想できるため、過疎化した地域では、信用金庫の運営力は弱まっていく可能性が高いです。
信用金庫の課題解決に向けて
ここまで、信用金庫の課題についてお話ししてきましたが、それぞれの課題についての対策が考えられています。課題とどう向き合って対策を打つべきか、一緒に考えていきましょう。
1|融資の拡大を行う
融資の拡大を行えば、利用してくれる企業も増えるのではないかという考えです。
融資の拡大が成功すれば、運営状況も改善でき、利益の増大に繋がる可能性があります。
しかしながら、実際に資金を拡大するためには、資金の確保が必要であり、すぐに実行することは非常に困難です。
また、融資の拡大が必ずしも、信用金庫が獲得できる利益になるとは限りません。
場合によっては、不良債権を増やして、失敗に終わってしまう可能性があるため、リスクが高いことが難点です。
2|公共性を活かすことが大切
信用金庫の最大の強みである公共性を活かした取り組みが考えられています。
銀行は、営利を目的に事業を展開しているため、公共性とは真逆の位置にあります。
つまり、公共性を活かした信用金庫ならではの魅力づくりを可能にすれば、都市銀行や地方銀行と十分戦うことができます。
具体的に、公共性を生かした魅力づくりに必要なものは「地方経済の拡大・活発性」です。
地方経済の拡大は信用金庫の活性化に繋がり、反対に信用金庫の魅力や需要によって地方経済が活性化することも考えられます。
以上のことから、信用金庫ならではの強みを活かせるかが、将来性を握る鍵になるといえます。
現状の流れが悪く、課題解決をするには困難な状態ですが、このことが将来性がないということに繋がるわけではありません。
紹介した以外にも将来性を考えるポイントはたくさんあるので、ぜひ自分で理解を深めて、就活活動を進めてみてください。
さいごに
本記事では、銀行と信用金庫の違いについてご紹介してきました。
▼<振り返り>銀行と信用金庫の違い
・銀行は株式会社であり営利目的、信用金庫は非営利で地域貢献重視
・銀行は国内だけでなく海外にも展開、信用金庫は地域密着
・銀行は業務が多岐に渡るが、信用金庫は基本業務のみ
・銀行は成果主義でキャリアアップ志向、信用金庫は地域に留まり安定して生活可能
MatcherでOB・OG訪問をしながら業界や企業についての理解を深め、納得のいく就活をしていきましょう!