5分でわかる|Web・インターネット広告業界の年収や将来性を解説

2025/11/25
IT業界
広告業界
業界の仕事内容
目次
1.
‌そもそもWeb・インターネット広告って何?
2.
【図で解説】Web・インターネット広告業界の仕組み
3.
‌Web・インターネット広告業界の仕事紹介
4.
Web・インターネット広告業界の売上ランキング
5.
Web・インターネット広告業界の平均年収は高い?低い?
6.
Web・インターネット広告業界が高年収のワケ
7.
Web・インターネット広告業界の現状・今後の動向
8.
Web・インターネット広告業界に求められる人物像
9.
Web・インターネット広告業界志望者がすべき、3つのこと
10.
‌Web・インターネット広告業界の理解をもっと深めたい方へ
Googleで何か検索したときや、Youtubeで動画を見ようとしたときなど、みなさんがインターネット上で広告に触れる機会は、決して少なくないでしょう。後で詳しく説明しますが、インターネット広告の市場は、爆発的な勢いで拡大しています。

この記事では、そもそもインターネット広告業界とは何なのか、業界構造や仕事内容に触れながら説明します。広告業界やIT業界を志望しているのであれば、知っておくべき情報ばかり。ぜひ最後まで読んで、業界に対する理解を深めてください。

‌そもそもWeb・インターネット広告って何?

インターネット広告業界のビジネスモデルや業界の構造を知る前に、まず、インターネット広告そのものを知っておきましょう。

インターネット広告とは、インターネット上のWebサイトやメールを媒体として表示する広告です。
‌下記の2枚の写真をご覧ください。

‌画像で表示される「バナー広告」

「バナー広告」では、検索エンジンやサイト内などにある設定された広告枠に、広告の画像や動画が表示されます。広告のかたちは正方形、長方形など広告枠によって様々です。

‌「バナー広告」をクリックすると、他のWebページへ遷移されます。画像やイラストなどを用いてターゲットに訴求を行う方法です。
バナー広告の例を示す画像

検索結果に連動して表示される「リスティング広告‌」

「リスティング広告」では、ユーザーが検索したキーワードに連動して、広告としてWebサイトのページを表示します。検索結果の上位にサイトが表示されることで、多くのユーザーの目に触れやすくなるというメリットがあります。

‌検索結果画面では広告であることがユーザーに区別されるように「スポンサー」「広告」として表示されています。
リスティング広告の例を示す画像‌上記のバナー広告やリスティング広告のように、インターネットを利用していたらWebページに表示されるものをインターネット広告として捉えてください。

以下の記事では、インターネット広告の種類や知識を紹介しています。もっとインターネット広告を詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

【図で解説】Web・インターネット広告業界の仕組み

インターネット広告について理解できたでしょうか?ここからが本題です。インターネット広告はどのような業界構造になっているのでしょうか?

まず、以下の図をご覧ください。
インターネット広告代理店の構造

‌こちらはインターネット広告業界の構造を簡単に表した図です。1つ1つ解説していきましょう。

①広告主

「インターネット上に広告を打ち出し、自社のモノやサービスを広めたい」と考えているのが広告主です。ただ、広告主にインターネット広告に対する十分な知識が無いため、広告代理店に発注をかけます。

②広告代理店

広告主(クライアント)から、まず依頼を受けるのが広告代理店です。広告主の要望を聞き出し、目標達成のための施策を考えます。どのような広告をどのようなメディアに対して打ち出すのか、戦略を策定。方針を決めた後、メディアレップに対して依頼を行います。

代表的な広告代理店

電通(電通デジタル)、博報堂DYホールディングス(博報堂DYデジタル)、アサツーディ・ケイ、サイバーエージェント、オプト、セプテーニ

③メディアレップ

広告代理店から依頼を受けたメディアレップ。そもそもメディアレップとは何なのでしょうか?

メディアレップとはmedia representativeの略称であり、メディアの代理人という意味です。彼らは、広告主が打ち出したいインターネット広告が、最も影響力を持つようなメディアを選定することが役割。

通常のマス広告(テレビや雑誌等)にはない役割であり、インターネット広告業界固有のものとなります。それでは、なぜインターネット広告業界にのみ、メディアレップは存在するのでしょうか?

それは、インターネット広告を打ち出せるメディアの種類が非常に多いため、広告代理店だけではカバーしきれないからです。マス広告を打ち出すためのTV番組や雑誌の種類は数に限りがあります。

一方で、Webメディアの数は大量。様々な種類のブログやメディアが存在するため、選択肢が多すぎるのです。だからこそ、様々なメディアに詳しいメディアレップが仲介する方がビジネスは円滑に進むため、必要とされています。

メディアレップは、広告代理店から依頼を受けた広告に適したメディアを選定し、メディアの広告枠を購入することが役割です。

代表的なメディアレップ

サイバー・コミュニケーションズ(CCI)、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)、ADKデジタル・コミュニケーションズ(ADDC)・D2C・mediba

‌④アドテクノロジー企業

Googleなどのプラットフォームに掲載される広告をパーソナライズ化する役割を担います。

ユーザーに最適な広告を配信することで、広告の効用を最大化できます。

代表的なアドテクノロジー企業

株式会社フリークアウト・ホールディングス、Supership株式会社、ユナイテッド株式会社、株式会社グッドライフ、株式会社フルスピード、株式会社ジーニー、株式会社VOYAGE GROUP

⑤メディア

広告主の広告を実際に表示する媒体となるのがメディアです。Youtubeなどの動画メディアや、Instagram等のソーシャルメディア、ブログなど多くの種類があります。

ここで広告主の広告が表示され、広告主のモノやサービスの認知度拡大、購買促進が行われるわけです。

代表的なメディア

Google、Yahoo!JAPAN、LINE、Facebook、Twitter、Instagram、Youtube、SmartNews、Gunosy、NewsPicks

‌Web・インターネット広告業界の仕事紹介

インターネット広告業界の構造を理解していただけましたでしょうか?ここからはインターネット広告業界における具体的な仕事内容について紹介をします。インターネット広告代理店の仕事は主に以下の4つです。

①営業

営業は広告主に向けてWeb・インターネット広告の提案をすることで、受注に繋げます。
ヒアリングを通して広告主のニーズを把握し、それをチーム内や社外の関係者に伝える役割を担っています。広告主と広告代理店やそれ以外の関係者を繋ぐ架け橋のような存在であると言えるでしょう。

②マーケティングプランナー

マーケティングプランナーは、クライアントの課題を解決するための戦略を描きます。
‌ソーシャルメディアや動画メディア、検索エンジンなど、メディアごとに担当が分かれていることが主です。

‌動画のマーケティング担当であれば、動画広告の企画から運用、分析までを担当します。
‌ソーシャルメディア担当であれば、SNSアカウントの立ち上げから運用なども行っています。

クライアントの課題を解決するための戦略を描きあげる、ブレインのポジションと言えるでしょう。

③クリエイティブ

クリエイティブは、広告のデザインやWebサイトの設計等を担当します。マーケティングが描いた戦略を、実際に形にする役割を担います。
バナー広告・動画・Webサイト・リッチメディア等、多様な表現方法を駆使し、人の心を動かせる点が魅力的なポイントです。

④エンジニア・データサイエンティスト

エンジニア・データサイエンティストは、サービス開発や業務改善のためにシステムを設計し、データを分析して課題を可視化する職種です。大量のデータから価値を導き出し、企業の意思決定やプロダクト成長に直結する役割を担います。

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Web・インターネット広告業界の売上ランキング

これまでは、インターネット広告業界の仕事内容や職種などをみてきました。

続いてインターネット広告業界に属する企業の「売上ランキング」を紹介していきます。

1つの参考として、各企業の売上高を見て頂けますと幸いです。
Web・インターネット広告業界の売上ランキング
※「D.A.コンソーシアムホールディングス(DAC)」は 博報堂グループに吸収され、現在は「Hakuhodo DY ONE」となっています。個別企業としての売上データが開示されていないため、ランキングでは対象外としています。

【参考】株式会社サイバーエージェント『価証券報告書-第27期(2023/10/01-2024/09/30)
【参考】トランスコスモス株式会社『価証券報告書-第39期(2023/4/01-/2024年3/31)
【参考】バリューコマース株式会社『価証券報告書-第29期(2024/1/01-2024/12/31)』
【参考】株式会社セプテーニ・ホールディングス『価証券報告書-第34期(2024/01/01-2024/12/31)』
【参考】株式会社デジタルホールディングス『価証券報告書-第31期(2024/01/01-2024/12/31)』

Web・インターネット広告業界の平均年収は高い?低い?

結論インターネット広告業界の平均年収は高いです。
ここからは平均年収の高い企業、年収が高くなる要因について解説します。

Web・インターネット広告業界の平均年収ランキング

インターネット広告業界の平均年収ランキングは以下の通りです。
Web・インターネット広告業界の平均年収ランキング‌2024年度のインターネット広告業界の平均年収ランキングは、サイバーエージェントが882万円で第1位、ユナイテッドが693万円で第2位、デジタルHDが687万円で第3位、セプテーニHDが664万円で第4位、ジーニーが649万円で第5位でした。

‌働く上でどれほどの給与がもらえるのか、というのは企業を選択する重要な指標のひとつだと思います。平均年齢や福利厚生も見ながら、自分にあった働き方ができる企業を探してみてください。‌

‌【参考】株式会社サイバーエージェント『有価証券報告書-第27期(2023/10/01-2024/09/30)』
‌【参考】株式会社デジタルホールディングス『有価証券報告書ー第31期(2024/1/1/ ー 2024/12/31)』
‌【参考】株式会社セプテーニ・ホールディングス『有価証券報告書ー第34期(2024/1/1/ ー 2024/12/31)』

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Web・インターネット広告業界が高年収のワケ

インターネット広告代理店はベンチャー企業が多いにもかかわらず、他業界に比べ平均年収が高い傾向にあります。

ここからは、なぜインターネット広告代理店は高年収なのかについて解説していきます。

実力主義的な企業風土

‌インターネット広告業界は新しい業界のため、ベンチャー企業が多いです。そのため年功序列ではなく、実力・成果に応じた給与体制がしかれています。インターネット広告は若い世代のほうがなじみあり、若手が活躍しやすいことから、若手から実力をつけて活躍する人が多くなるようです。

一方で、実力がなければ昇給が見込めない業界であるため、人材の流動性も激しいです。活躍できない社員が企業を去ったことで、高い平均年収が上がっているという厳しい側面もあります。

拡大期にあり勢いがあるため

インターネット業界は広告に限らず、ビジネスの幅が広いです。その幅の広さが理由となり、ビジネスの拡大に対して人員充足が追いついていない現状があります。

そのため、インターネット広告で活躍される人材は重宝され、年収が高く設定されているのです。

Web・インターネット広告業界の現状・今後の動向

インターネット広告業界の仕事内容について解説してきました。
ここからはインターネット広告業界の現状・今後の動向を説明します。
Web・インターネット業界の現状と今後の動向を表すキーワードは以下の3つです。
▼Web・インターネット業界の現状と今後の動向を表すキーワード
・Web広告・インターネット広告の台頭
・デジタルシフトの潮流
・業界再編

それぞれについて詳しく解説していきます。

Web広告・インターネット広告の台頭

コロナ禍の影響によりデジタルシフトが進行した結果、インターネット広告費の総計は、前年比121.4%の2兆7052億円に到達しました。

この数値は、マスコミ四媒体広告費の総計2兆4538億円を上回るものです。

インターネット広告費がマスコミ四媒体広告費を上回ったのは、1997年の推定開始以来初となります。

インターネット広告費とマス広告費の推移
 さらに、2024年の国内インターネット広告費は 3兆6,517億円(前年比109.6%) に達しました。
媒体別広告費の推移
‌一方、マスコミ四媒体広告費(新聞・雑誌・ラジオ・テレビ)は 2兆3,363億円(前年比100.9%) となり、過去に比べて成長が鈍化しています。 
 この結果、インターネット広告費がマスコミ四媒体広告費を上回る構図が改めて鮮明となっています。
※マスコミ四媒体広告費とは、「新聞」「雑誌」「ラジオ」「テレビメディア(地上波テレビ+衛星メディア関連)」の媒体費と制作費の合算したものを意味しています

デジタルシフトの潮流

企業は昨今インターネットに広告をシフトさせつつあります。その要因は以下の2点です。

安価である

既存の広告に比べて安く広告を出稿できるため、中小企業でも活用できます。

ターゲティングも容易であるため、費用対効果の高い広告運用を行え、大企業のCMに劣らない広告成果を出せる場合もあるようです。

緻密な分析ができる

また、定量的な効果測定がしやすいのもネット広告の強みです。

広告の表示やクリック数、さらにサイト誘導後のユーザー行動、性別や年齢といった情報をリアルタイムで分析することができます。

効果測定のしにくいマス広告から、分析のしやすいネット広告に企業がシフトしていくのは当然の流れといえるでしょう。

業界再編

電通は2018年の「セプテーニHD」との資本提携、並びに「VOYAGE GROUP」と「サイバーコミュニケーション」との経営統合を発表しました。
加えて、2022年1月にはセプテーニ・HDを買収しました。
この買収に伴い、電通はインターネット広告分野においてもトップの位置に着ける見通しです。

同様に博報堂においても、2019年に「D.A.コンソーシアムHD」を完全子会社化し、同年11月には「アドウェイズ」との資本業務提携の締結を発表しました。

‌さらに2024年、デジタルマーケティング強化のため、DAC とアイレップを統合した「デジタルコア新会社」を設立しました。
外部企業の買収ではありませんが、グループ内のデジタル領域を再構築する大規模な組織再編であり、広告業界全体のデジタル化を背景に進む“業界再編”の流れを象徴する動きといえます。


先述の通り、インターネット広告の需要は拡大しており、資金力のある大手広告代理店の買収による業界再編は急速に進むでしょう。

Web・インターネット広告業界に求められる人物像

‌それでは、Web・インターネット業界に求められる人物像とは、どのようなものなのでしょうか。Web・インターネット業界に求められる人物像は主に以下の4つです。

▼Web・インターネット広告業界に求められる人物像
・Web・インターネットに興味がある人
・データ分析などの作業が得意な人
・コミュニケーション能力がある人
・好奇心旺盛な人

以下で詳しく解説します。

Web・インターネットに興味がある人

Web広告業界は、検索エンジン、SNS、動画配信、ECなど最新のインターネットサービスと深く関わる業界です。
新しいプラットフォームや広告フォーマットが次々と登場するため、「新しいサービスが好き」「ネットの仕組みに興味がある」というマインドは必要不可欠であると言えます。
特にAI広告運用の普及やプライバシー規制の変化など、業界における変化の動きがはやいため、変化を前向きに楽しめる人ほど活躍しやすい傾向があります。

データ分析などの作業が得意な人

Web広告は、クリック数・CV数・ユーザー行動データなど、日々大量の数値を扱います。
「数字を見ることが苦にならない」「結果を分析して改善点を考えるのが好き」という人は非常に向いています。
データ分析は単なる作業ではなく、企業の売上を左右する重要業務のため、分析力が高いほど評価されやすい業界です。

コミュニケーション能力がある人

広告代理店の仕事では、クライアントへの提案、社内の制作チームとの連携、改善案の共有など、常にコミュニケーションが発生します。
専門用語をただ使うのではなく、相手の理解度に合わせて説明できる能力が重要です。

好奇心旺盛な人

‌インターネット広告は、プラットフォームの変化がとても速い業界です。新しいSNSの登場、アルゴリズムのアップデート、AI広告の新機能など、情報の移り変わりを追い続ける必要があります。

そのため、「知らないことを調べるのが好き」「流行をよくチェックする」といった好奇心の強さが大きな武器になります。

好奇心が高いほど、成果につながる改善アイデアや新しい提案を生み出しやすく、キャリアの成長スピードも速くなるでしょう。

Web・インターネット広告業界志望者がすべき、3つのこと

ここまでの記事を読んで「インターネット広告業界で働いてみたい!」と思った人もいるかもしれません。

そんな方に向けて、今日から始められるネット広告対策をご紹介します。

①大手にこだわらずに応募する


インターネット広告業界にはベンチャー企業も多数存在します。
自己分析を進め、自分自身にあった企業に規模を問わずに応募するとよいでしょう。

‌【参考】自己分析シート8選|自己分析のやり方・就活への活用方法を解説

‌②情報収集を欠かさない


インターネット広告は、トレンドや技術の発展がはやい業界です。

そのため、企業側もトレンドへの感度が高く、好奇心旺盛な人材を求めています。

日ごろから流行りのコンテンツやニュースには好き嫌いせず接するようにしましょう。

‌③OBOG訪問を徹底的に行う


‌OBOG訪問を徹底することで、現場の生の声や、裏事情を聞くことができます。

インターネット広告業界は人気が高いので、ぜひOBOG訪問をして、ほかの就活生と差をつけましょう。

‌Web・インターネット広告業界の理解をもっと深めたい方へ


‌インターネット広告業界の構造を理解し、さらに理解を深めたいと思った方におすすめしたいのが、Matcher(マッチャー)です。
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【利用者の声】
・なかなか想像のつきにくい広告業務内容を丁寧に教えてくださり、ますます志望度がアップしました。
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ぜひ実際に話を聞きに行き、みなさんの就活の糧としてください。
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