【就活生必見】印刷業界の今後がまるわかり!企業の取り組みや課題も
2023/12/28
目次
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印刷業界の将来性は?
みなさんは印刷業界と聞いて何をイメージしますか?
「新聞や雑誌を印刷する会社」
「電子書籍などに取って代わられて衰退しているのでは?」
こういった漠然としたイメージを持った人も多くいるのではないでしょうか?
そのような人へ向けて本記事では、印刷業界の現状や今後の動向について紹介します。また、印刷業界の仕事内容や、各企業の時代に即した取り組みなども解説しているので、ぜひ就職活動の参考にしてみてください!
【参考】【業界研究】就活生が知るべき印刷会社の仕事内容
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【図で解説】印刷業界の仕組み
印刷業界が伝統的に担ってきた事業は出版印刷と商業印刷です。そのいずれも担う規模の大きな印刷会社を一般的に総合印刷会社と呼びます。
また、高い技術が必要となる証券印刷を担っている企業もあります。
出版印刷
出版印刷は、出版社や新聞社などが発行する商業出版物、つまりコミックや単行本といった書籍や雑誌、また地図、教科書、学習参考書などを扱う印刷です。
出版社から発注を受け、印刷、加工、製本を行い、その際には紙の種類やサイズ、色使い、そして製本方式などを要望に合わせて提案します。それらの過程を経た後、取次、書店を介して読者のもとに本が届くのです。
このような出版印刷を主に取り扱う印刷会社は出版印刷会社と呼ばれます。
商業印刷
一般企業やさまざまな団体の事業に用いられる印刷物を扱うのが商業印刷です。
商業印刷は大きく宣伝用印刷と業務用印刷の2つに分かれます。宣伝印刷はチラシやパンフレットのように販売促進のための製品。業務用印刷ではカタログ、社内広報、名簿など社内業務やコミュニケーションに用いられる製品を扱います。
印刷会社は企画段階からチラシに関わり、デザインやマーケティング、ブランディングにまでその業務範囲は及びます。そこから、印刷し発送の段階までサポートし、在庫管理まで行う場合もあり、総合的にサポートする役割を担っているといえるでしょう。
証券印刷
金銭に代わる値打ちのある印刷物のことを指します。具体的には、郵便切手や株券、商品券、チケット、クレジットカードなど複製を防ぐための工夫を凝らしたものです。
ラベル&パッケージ印刷とは、私たちが日々目にする、商品のパッケージやラベルなどの印刷物です。
製品や商品に関する情報を印刷したり表示するためのラベルやパッケージを作成するプロセスを指す一般的な用語です。
商品の認識やブランドの表示、法的な要件への適合など、商品を正常に販売する上で重要な情報がかかれています。
帳票印刷
特定の情報やデータを整理して印刷するためのプロセスを指します。
通常企業や組織は様々な業務で発生するデータをまとめ、整理して文書として印刷する必要があります。
この際に使用されるのが帳票印刷です。
【最新版】印刷業界の今後の動向
ここでは、需要の減少などを受けて印刷業界がどのような動きをとっているのか解説していきます。
【参考】北海道コカ・コーラボトリング株式会社
・印刷業以外の事業展開
・デジタル関連市場への注力
・海外展開
(1)印刷業以外への事業展開
最初に伝統的な印刷業界の事業を説明しました。しかし、紙媒体の市場はインターネットの普及などの影響によって縮小傾向にあります。そのため、多くの印刷会社が新たな事業を展開しているのです。
その新たな事業というのが以下の3つです。
・情報コミュニケーション事業
・生活・産業事業
・エレクトロニクス事業
以下でそれぞれについて詳しく解説します。
①情報コミュニケーション事業
ビジネスフォームやITを駆使した販促システム、また電子書籍事業などが含まれます。具体的には、DM(ダイレクトメール)の受注だけでなく、入力から印刷、さらには顧客のデータ管理といった企業のアウトソーシング業務を一括して請け負っています。
この背景には戦略的なアウトソーシングが一般化したことがあります。印刷という単体のサービスだけでなく前後に発生する業務も印刷会社が請け負うことで、顧客はより自社の業務に集中することが可能です。経営の合理化が進められていく中で、アウトソーシングの一括受託は非常にニーズが高まりました。
また、印刷会社が積極的に乗り出している事業に電子書籍事業があります。紙媒体の市場が縮小傾向の中でも、電子書籍は成長市場となっています。大手印刷会社が書店を傘下に収めるなど積極的な進出が見られ、今後の主力事業となることが期待されています。
②生活・産業事業
これは包装紙やパッケージ、壁紙、床材などを扱う事業です。パッケージは医療や食品、産業資材にまで幅広く展開し、壁紙や床材も印刷で培ってきた技術を応用して傷のつきにくい製品を販売するなど売り上げを伸ばしています。
生活・産業事業は大手印刷会社の売上の約4分の1を占め、収益の柱として成長していると言えるでしょう。
③エレクトロニクス事業
大手印刷会社ではディスプレイや半導体の部品を取り扱っています。
具体的には液晶カラーフィルターや光学フィルム、タッチセンサーなどが扱っている製品です。これらは一見、印刷会社とはかかわりのない事業と思われがちですが、印刷で培われた技術が応用されています。
(2)デジタル関連市場への注力
デジタル印刷とは、パソコンなどに表示されるデジタルイメージを直接印刷する手法のことです。
新聞販売店が新聞に折り込んで家庭へ届ける「折り込みチラシ」は印刷業界が受注している業務の一つです。近年はこうした「折り込みチラシ」を、印刷会社がスマートフォンやパソコンで読める「電子チラシ」としてインターネットで配信しています。
具体的には、電子チラシ大手といわれる『Shufoo!(シュフー)』は凸版印刷が、『オリコミーオ!』は大日本印刷が手掛けています。
また、街中で見かけるデジタルサイネージをご存じですか?表示と通信にデジタル技術を活用した電子看板のことで、ビル壁面の巨大ディスプレーや広告用動画ディスプレーなどで広く利用されています。
高い技術力を誇る印刷会社が、デジタル技術を使ってデジタルサイネージの販売事業を始めている事例も多くあるようです。
(3)海外展開
凸版印刷、大日本印刷は国内市場が縮小していることを考慮し、アジアを中心とした海外にも販路を広げています。
凸版印刷は香港、タイ、シンガポールに拠点を構えており、今後はインドネシアやベトナム、ミャンマーなどで事業拡大を図る予定です。2019年6月にはタイに現地法人を設立し、ASEAN諸国のデジタル化支援を展開し始めました。
大日本印刷は中国やシンガポール、ベトナムなどのアジア、豪州、米国、デンマークやフランスなど欧州での展開を進めており、今後はアジア地域での事業拡大を目指し、東南アジアの包装事業やICカード事業を強化する予定です。
各企業の取り組み事例・実績
ここまで印刷業界の現状の動向などを述べてきましたが、従来のビジネスモデルでは、厳しい時代を迎えています。そこで、各社は高い技術力を生かし、新たな取り組みを行っています。
ここでは、その具体的な事例について紹介します。
①凸版印刷
凸版印刷は、日本の総合印刷会社で、国内印刷業界2強の一角を占めています。主に「印刷テクノロジー」をベースに「情報コミュニケーション」「生活・産業」「エレクトロニクス」の3分野にて展開しています。
最新の取り組みとしては、軽量でフレキシブルな電波反射シートを開発しました。これによって、場所によって電波が届きにくいという現象を解消します。オフィスや工場などの壁紙としての利用の他、さらに開発が進めば屋外での利用も可能になるかもしれません。
②大日本印刷
大日本印刷株式会社は、日本の総合印刷会社で、国内印刷業界2強の一角を占めています。主に「印刷事業」を中心に、「情報コミュニケーション部門」「生活・産業部門」「エレクトロニクス部門」からなる事業を展開しています。
大日本印刷の売上高の数パーセントは、飲料部門が占めています。
グループ会社として北海道コカ・コーラボトリング株式会社を持ち、独自の製品開発、自動販売機事業や量販店向けの販促活動などもおこなっています
【参考】北海道コカ・コーラボトリング株式会社
以下の記事では、印刷業界大手2社の凸版印刷と大日本印刷の違いについて解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
【参考】【面接・選考対策】大日本印刷と凸版印刷の違いを徹底比較
以下の記事では、印刷業界大手2社の凸版印刷と大日本印刷の違いについて解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
【参考】【面接・選考対策】大日本印刷と凸版印刷の違いを徹底比較
③NISSHA:サステナブルな生地作り
近年「アパレル産業の環境負荷の高さ」が指摘される中、環境負荷軽減の観点から注目されているプリント技術「昇華転写」の活用で、サステナブルな素材・生地作りを進めています。
プリント技術を上げることで環境に優しいモノづくりに繋げているのです。
Matcherを使って印刷業界の今後について詳しく知ろう
印刷業界各企業は、今後印刷業は続けつつ主要事業については変えていくことが見込まれます。
各企業の取り組みや、そもそも印刷業界が今後どのように変化をするのかを是非Matcher(マッチャー)のOB訪問を使って、実際に働く社会人に聞いてみてください!
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印刷業界の現状と課題
ここでは、印刷業界の現状や課題について解説します。「需要が減って不安定な業界なのではないか」と漠然と感じている人の理解が深められれば幸いです。
印刷業界の市場規模
まず、印刷業界の売上と従業員数の比較は以下の通りです。
総務省統計局の調査によると、印刷産業の出荷額について2009年は6兆9030億円、2020年は4兆6,630億円でした。
従業員数については、2009年から2020年にかけて、約35万人から約24万人へと推移したとのことです。
紙の本から電子書籍といったデジタル化や新型コロナウイルスの影響により、印刷市場は縮小している傾向にあります。
【参考】日本印刷産業連合会「年次動向」
印刷業界が直面している課題
「なんとなく将来性が不安だ」と思っている人もいると思います。ここでは、現状の印刷業界が直面している課題について紹介します。
・縮小する市場
・低価格化による収益構造の悪化
(1)縮小する市場
電子書籍・電子広告・電子新聞などの普及によって、私たちは印刷物に頼ることが少なくなりました。また、人口減少も相まって、印刷物の個人消費が低迷しています。
さらに、近年では環境への配慮が重要な議題となっており、多くの企業がペーパーレス化を促進しています。
(2)低価格化による収益構造の悪化
印刷業界は、低価格化によって収益構造の悪化が進んでいると言われています。この原因は、ネット通販印刷が台頭してきたことです。
ネット通販印刷とは、インターネット上で発注して完成品を宅配便などで送ってもらえる形態のことです。
従来の印刷会社との大きな違いは、コスト面の安さです。印刷会社は、営業担当とお客様がデザインなどを相談しながら作り上げていきます。一方、ネット印刷であれば、ほとんどの場合がオンライン上のやり取りであり、人件費が最大限抑えられています。
利便性も高く安いネット印刷が競合になり、印刷会社が値下げせざるを得ない状況に陥っています。
企業の売上ランキング
業界動向サーチによると、2022年から2023年の企業別売り上げランキングは以下の通りです。
【参考】業界動向サーチ「印刷業界 売上高ランキング」
上の図から分かる通り、1、2位の凸版印刷、大日本印刷が売り上げの大部分を占めています。その他は、凸版印刷の大日本印刷のグループ会社や下請けなど中小企業がほとんどです。
上の図から分かる通り、1、2位の凸版印刷、大日本印刷が売り上げの大部分を占めています。その他は、凸版印刷の大日本印刷のグループ会社や下請けなど中小企業がほとんどです。
印刷業界ならではの強みや魅力とは
印刷業界は、出版や広告などと少し似ている業界のため印刷業界ならではの特徴がつかみにくいかもしれません。
ここでは印刷業界ならではの強みや魅力について解説します!
ここでは印刷業界ならではの強みや魅力について解説します!
印刷業界と出版業界の違い
出版業界の仕事は主に、本の内容、企画、撮影など中身の制作、その後のPR活動などです。
一方印刷業界は、出版社から依頼を受けて印刷、製本を行います。
ビジネス上深い関係にあり、時には印刷会社が雑誌などの企画に参入することもあります。
企画制作から流通、販促まで関われる
印刷会社は、印刷物だけでなく、多彩な切り口で企業と生活者を結ぶ手段になっています。
生活者に効果的に届くように、企業やターゲットに合った手段を選ばなければいけません。
そのために企画制作や流通、販促と、全てのフェーズに関わる必要があるのです。
広告業界とも少し似ている点はありますが、ここまで多くのフェーズで関わることはないので、印刷業界ならではの魅力と言えるでしょう。
デジタル化による領域の拡大
デジタル化により印刷物の必要性が年々なくなる中、近年の印刷業界では様々な生活場面でのDX化に向けて取り組んでいます。
例えば印刷業界大手の大日本印刷は”未来のあたりまえ”ショッピングという、バーチャル空間でのショッピングを提案し、実現に向けて動いています。
他にも凸版印刷はメタバース市場に本格的に参入し、印刷を通して培った表現技術で価値の高いユーザー体験を提供しています。
印刷業界に向いているのはこんな人!
ここまで印刷業界についてお話してきました。事業が多角化している印刷業界。
初めて学んだこともあるのではないでしょうか?
ここまでの内容を踏まえて、以下にあてはまる人は印刷業界に向いている可能性が高いと言えます。
以下の記事では、印刷業界において非常に大きな存在感を発揮している総合印刷会社について解説しています。
印刷業界の多角化をけん引している総合印刷会社。記事を読んで、ぜひ理解を深めてください。
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【業界研究】就活生が知るべき総合印刷会社の仕事内容
初めて学んだこともあるのではないでしょうか?
ここまでの内容を踏まえて、以下にあてはまる人は印刷業界に向いている可能性が高いと言えます。
・自分のアイデアを活かしてものづくりをしたい人
・業界にこだわりすぎず、様々な領域にチャレンジしたい人
・前向きにコツコツ努力を積み重ねられる人
ニーズの変化に伴って柔軟な対応が求められる業界だからこそ、他業界とは違ったアイデアを活かした働き方ができるでしょう。
印刷業界の多角化をけん引している総合印刷会社。記事を読んで、ぜひ理解を深めてください。
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