【面接・選考対策】大日本印刷と凸版印刷の違いを徹底比較

2023/07/18
印刷業界
業界の仕事内容
企業研究のやり方
目次
1.
‌はじめに
2.
‌デジタル化が進む現代における印刷業界の捉え方
3.
例文あり│志望動機の作り方
4.
‌‌ウェブで集めきれない情報‌は「OB・OG訪問」で
5.
‌もっと深く印刷業界について知りたい方へ

印刷業界の2大巨頭とも言える大日本印刷(DNP)と凸版印刷。

この記事では、2社に関する情報の集め方や志望動機への作り方に至るまで分かりやすく解説します。
しっかりと情報収集を行い、適切な志望動機を作れるようになりましょう。

また、しっかりと企業研究をして、面接に向けて面接対策に臨みましょう。

‌はじめに

印刷業界と聞いてどのような事業を思い浮かべるでしょうか。
‌もちろん印刷事業が本業なのですが、近年は事業を多角的に展開。様々な分野に進出しています。

‌そのような業界の多角化において中心的な役割を担っているのが大日本印刷(以下DNP)凸版印刷です。
‌印刷業界では25,000を超える事業所が存在しますが、シェアの約80%は上述の大手2社によって占められています。
この記事では業界において非常に重要な位置を占める2社を中心に、企業を選ぶうえでの情報収集、そして志望動機への結び付け方について考えていきます。しっかりと読んで、選考突破に活かしてください。‌

‌デジタル化が進む現代における印刷業界の捉え方

印刷業界における「印刷」には様々な種類があります。

・雑誌や小説など出版されるものを印刷する「出版印刷」
・一般企業や団体の事業活動向けの印刷をする「商業印刷」
・パッケージなどの包装を印刷する「包装印刷」
・伝票などの事務用品を印刷する「事務印刷」
・紙幣、有価証券、郵便切手など証券類を印刷する「証券印刷」

このように様々な種類の「印刷」がありますが、近年のデジタル化の流れを受けて需要が減少しています。

日本印刷産業連合会の調査によると、印刷・同関連業(印刷産業)の2020年の製品出荷額は、4兆6,630億円(対前年比▲6.7%)でした。

また以下のグラフを見てわかる通り、1999年以降から、印刷産業の出荷額は減少傾向にあります。

このような変化を受け、DNPと凸版印刷は20世紀後半から紙類への印刷以外の分野にも進出してきました。

現在では、両社とも「印刷」をベースとしながら、情報コミュニケーション分野、生活・産業分野、エレクトロニクス分野を展開しています。「印刷業界」といっても、紙類への印刷がメインではなくなってきていることを前提として知っておきましょう!
【最新版】大日本印刷(DNP)と凸版印刷の基本情報を比較
多くの学生が目にすることになる新卒採用ページ。
‌これをしっかりと読み込むことによって、数多くの有益な情報を手に入れることができます。以下では着目すべき項目を挙げました。DNPと凸版印刷の違いをそれぞれ見ていきましょう。

‌①求める人材について

企業メッセージは抽象的であるがゆえに軽視されがちですが、実は非常に有益な情報を提供してくれるものです。‌企業からのメッセージは社長や人事からのメッセージ、あるいは求める人材像というかたちで表れています。

求める人物像に関する情報を、自己PRで伝えるエピソードの選定といった就活の実践的側面にも活かすことができます。‌就職後に活躍するイメージを面接官が持てるようになかたちで、新たな挑戦をした経験を伝えていきましょう。

それでは‌DNPと凸版印刷の企業メッセージを比較してみましょう。

DNP│求める人材

「DNPが求めているのは、“高い志を持ってビジョンを描き、「未来のあたりまえ」を体現できる人”。」

DNPの求める人物像として、以上の文言が採用サイトに記載されています。

今までの価値観などが大きく変化するパラダイムシフトが起こっている中、需要の変化に適応した企業となるべく、未来を創造し、実践していく力を持つ人が求められているのだと考えられます。

凸版印刷│求める人材(凸版印刷)

凸版印刷ではDNPのように「求める人物像」として明示しているものはありませんが、企業がどのような人材を欲しているのかは採用HPを見ると想像できます。

まずこちらは、採用担当者メッセージとして提示されている文章です。

「想いや夢は、大事にしてほしい。けれど、可能性を一つに絞る必要はない。今はまだ見えない可能性が、世の中にはたくさんあるから。それは僕らも同じだ。あらゆる業種の顧客と仕事をし、今までにないモノやコトを創り出す。新しい可能性をデザインし、広げ続けていく。君たちも、僕らも、可能性を絞るにはまだまだ早い。」

印刷の需要減少を踏まえた上で、可能性を一つに絞らず、新たな事業を展開していくための「開拓者」となる人材を求めていることが分かります。
「新しいチャレンジにはトラブルがつきものです。私自身もそうですが、周囲を見渡しても、新しいチャレンジに前向きな社員が多いからか、大小さまざまな問題が日々勃発しています。だからなのか、ピンチに向き合う底力が備わった人が多いように思います。想定外の事態が起こっても、戸惑うそぶりもなく、解決法を考えることに集中する上司や先輩は頼もしいし、かっこいいなと思いますね。」

こちらの文章は情報コミュニケーション事業本部の営業職に所属している社員の方のインタビューから抜粋しました。「チャレンジ精神」だけではなく、もし何か問題が発生した時に適切に対応できる力なども重視されていることが分かります。

今までご紹介した文章から、DNPでも凸版印刷でも「新しいことへの挑戦」がテーマとなっていると考えられます。

自己PRや長所を書く際は、「チャレンジ精神がある」「柔軟性がある」「臨機応変に対応できる力がある」「課題解決力がある」といったことをアピールすると良さそうです。

‌②事業構成

‌DNPには子会社である北海道コカ・コーラボトリングの「飲料部門」が加わりますが、それ以外の「情報コミュニケーション部門」「生活・産業部門」「エレクトロニクス部門」は凸版印刷の事業構成と同一です。

一方で、各部門の中で行っている内容はそれぞれ少しずつ異なります。

ここから詳しく事業構成とセグメント別売上高の割合を見ていきましょう。

DNP│事業構成

DNPの事業は「印刷事業」をベースとした情報コミュニケーション部門、生活・産業部門、エレクトロニクス部門と、北海道コカ・コーラボトリング株式会社の「飲料事業」で構成されています。

○情報コミュニケーション部門
DNPの情報コミュニケーション事業部門は、出版関連事業、情報イノベーション事業、イメージングコミュニケーション事業から構成されています。

印刷・加工、電子出版、デジタルマーケティング、決済、認証・セキュリティなど多岐に渡る範囲を担当しています。

情報コミュニケーション部門はセグメント別売上高が最も高く、6989億円です。全体の売上高の約5割に相当します。

この部門は、企業の課題解決、生活者の感動体験や利便性向上につながる新しい価値を提供していくことが軸になっています。

○生活・産業部門
DNPの生活・産業部門は、包装、生活空間、産業資材の3分野の事業で構成されています。セグメント別売上高は2番目に高い3870億円で、全体の28.7%を占めています。

快適な暮らしに欠かすことができない製品・サービスの「ユニバーサルデザイン」と「インクルーシブデザイン」に取り組み、より安全や安心につながるものとして開発、提供していることが特徴です。

生活者の日常に密着した身近な製品・サービスを国内外に数多く提供するとともに、企業の製造プロセスに深く関わっています。

例えば包装関連事業では、食品や飲料、日用品・医薬品などのパッケージを環境負荷を抑えるものや保存可能期間を延長できるものにする高機能化や、安定的な供給に努めています。生活空間関連事業では印刷技術を活かし、住宅や商業施設などの空間を構成する材料・部材を提供しています。

○エレクトロニクス部門
DNPのエレクトロニクス部門では、ディスプレイ関連製品および電子デバイスの事業を国内外で展開しています。

例えば、光を制御したり、表面を強くしたり、電気を通したりするような機能性フィルムをエレクトロニクス、モビリティ、エネルギーなどのために開発・提供しています。

この部門の売上高は全体の15.7%で2110億円です。

○飲料部門
DNPグループの北海道コカ・コーラボトリング株式会社が、飲料事業を展開しています。

この会社では日本コカ・コーラ株式会社と契約を結び、 原液の供給を受けて、製品の製造と販売を行っています。

DNPの飲料部門の売上高は全体の3.7%です。

【参考】DNP│事業領域

凸版印刷│事業構成

凸版印刷の事業は、情報コミュニケーション部門、生活・産業部門、エレクトロニクス部門の3つで構成されています。

DNPの子会社からなる飲料部門がないだけで、凸版印刷とDNの事業構成はほぼ同一であることがわかります。

○情報コミュニケーション部門
凸版印刷の情報コミュニケーション部門は、「情報の価値を高める」「情報を効果的に届ける」ことを軸としています。

証券類、クレジットカード、セキュリティ管理システムなどを、最先端のセキュリティ技術で、IT時代の情報管理を総合支援するセキュア分野。

パンフレット、チラシ、ポスター制作の他に、Web、映像コンテンツ、スペースデザインなども行うマーケティング分野。

雑誌、単行本、辞書、教科書、電子出版などに携わり、出版文化および出版ビジネスのさらなる発展に貢献するコンテンツ分野。

凸版印刷の情報コミュニケーション部門では、以上3つの分野から成っています。

両企業の主要部門である情報コミュニケーション部門の売上高は、DNPが約6989億円、凸版印刷が約4442億円です。またDNPの同部門の売上高の割合は全体の51.9%でしたが、凸版印刷では全体の57.6%で、DNPよりも若干多いです。

○生活・産業部門
凸版印刷の生活・産業部門では、生活者の「医・食・住」に関わる最適な製品とサービスを展開しています。

紙器、包装紙、ラベル、プラスチック容器、段ボールなどの研究開発からデザインまでトータルに提案するパッケージ分野。

化粧シート、壁紙、木工製品、転写材などの快適な生活空間に欠かせない高意匠・高機能の建装材を提供する建装材分野。

印刷・コーティング技術を応用し、透明ハイバリアフィルム、電子機器用プラスチック成形品など、環境エネルギーやエレクトロニクス分野を中心に高機能・高品質な製品をグローバルに提供する高機能・エネルギー関連分野。

これら3つの分野から生活・産業を支えるこの部門は、全体の売上高の28.31%を占めています。DNPでの同部門は全体の28.7%であり、ほぼ同一の割合です。

○エレクトロニクス部門
エレクトロニクス部門では、「印刷テクノロジー」をベースにディスプレイ関連製品、半導体関連製品を取り扱っています。

カラーフィルタ、反射防止フィルム、タッチパネルモジュールなどを先進の技術と生産力で、高品質なディスプレイ関連製品を提供するディスプレイ関連分野。半導体用フォトマスク、LSI設計/ターンキーサービスなどによってエレクトロニクス産業をトータルにサポートする半導体関連分野。

凸版印刷のエレクトロニクス部門の売上高は全体の14.12%です。DNPの同部門は15.7%であるため、両社においてほぼ同じ割合を占めていることが分かります。

③ユニークな事業内容例

事業構成や事業内容を見ても、実際にどのようなことをしている会社なのか想像しにくいという方も少なくありません。

特に印刷業界の事業は多様化しているため、具体的な事業・製品についてのイメージが持ちにくいです。

そこでここでは、DNPと凸版印刷の採用ホームページで紹介されていたプロジェクト例の一部をご紹介します。

各会社がどのような事業をどのようなアプローチで行っているのかの具体的な例を見ることで、企業選択や志望動機の参考になるはずです。

DNPのユニーク│事業内容例

DNPのユニークな事業内容例として、透明アンテナフィルムの開発があります。

高速大容量・低遅延・多数同時接続のデータ通信を実現する5G移動通信システム用の電波は、ビルの壁、線路や道路の高架など、近くにあるモノの影響を受けやすいため、アンテナ設置場所の自由度が低いという課題がありました。

この課題を解決するべく、DNPは見た目を損なうことなく様々な場所に自由にアンテナ機能を設置できる「透明アンテナフィルム」を開発しました。

この開発を通して、社員の一人はインタービューで「DNPが持つ強みは、簡単なものをつくって市場に拡げていくことではなく、難易度の高い開発に挑んで世の中に無いものを生み出すことだと強く感じました。」と答えています。

【参考】DNP│新卒採用サイト『透明アンテナフィルム』‌

‌凸版印刷│ユニークな事業内容例

‌凸版印刷のユニークな事業内容例として、大塚製薬「リポビタンD」と「ラブライブ!」のタイアップがあります。

栄養ドリンク剤売上No.1である「リポビタンD」の売上をさらに伸ばすためには「名前は知っているけれど飲んだことがない」という層に向けて、試してみるきっかけを創ることでした。

そこで主なターゲットである若年層にアクティブなファンを持つコンテンツである「ラブライブ!」とのタイアップを実現するために、それぞれライセンサー/ライセンシーへの説得を凸版印刷の社員が行いました。

凸版印刷が権利に関連するライツビジネスを始めたのは、1990年代です。2004年にはライツを専門にする部門が設置され、漫画やアニメ、アパレルブランドや実際の人物などのライツも扱っています。

④業務内容
印刷業界の企業では総合職系と技術職系の2つの系統の職種があり、それぞれの職種で日々の業務内容は異なります。

DNPの新卒採用では、営業や企画を含む「事務系総合職」、研究開発や製品・プロセス開発を含む「技術系総合職」、デザイン企画を含む「デザイン系総合職」の3つの採用職種の募集があります。

凸版印刷の新卒採用の募集職種は、営業や事業戦略などを含む「営業・事務系」と「企画系」「技術系」の3つです。

各職種の業務内容をネット上で知るためには、採用HPの社員インタビューを参考にすると良いです。以下にリンクを貼るので、ぜひ参考にしてみてください。

待遇
就職するとなると気になるのが初任給や福利厚生。ここではDNPと凸版印刷の待遇について比較します。

初任給

調べてみたところ、大卒・高専卒で大都市圏の勤務となった場合の初任給は、DNPが22.3万円、凸版印刷が23.5万円でした。大差はないですが、若干凸版印刷の方が高いです。

以下に詳細を記載しましたので、参考にしてみてください。また初任給の高さだけではなく、企業全体の年間平均給与も重要です。初任給と企業全体の平均年収の両方を確かめ、入社後の給料の全体像をつかめるようにしましょう。

○DNP│初任給
【大都市圏(2022年実績)】
高専(本科)卒 197,000円
大卒・高専(専攻科)卒 223,000円
修士了 243,000円

【大都市圏以外(2022年実績)】
高専(本科)卒 192,000円
大卒・高専(専攻科)卒 218,000円
修士了 238,000円


○DNP│年間平均給与
767万6582円(※2022年3月31日現在)


○凸版印刷│初任給
学士卒 月給225,000円(2022年実績)
修士了 月給243,500円(2022年実績)
※東京勤務の場合
※都市手当10,500円含む


○凸版印刷│年間給与平均
700万1363円(2022年3月31日現在)

福利厚生や休日など

企業に社員として入社するメリットの一つは、福利厚生などを受けられることです。

企業によってどのような福利厚生があるかは異なります。DNPと凸版印刷ではどのようなものを受けられるのかを比較してみましょう。

○DNP│福利厚生
-福利厚生
企業年金、個人積立年金、提携住宅資金融資、従業員持株会、共済会、財形貯蓄(補助制度あり)、各種団体保険(生保・損保)制度、ジョブ・リターン制度 など

-社会保険
健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険

-休日
完全週休2日制(土・日)、祝祭日、社休日(5月1日、6月16日)、夏期休暇、年末年始休暇 ほか(2021年度 休日数126日)


○凸版印刷│福利厚生
-福利厚生
財形貯蓄制度、財形融資制度、育児休業制度、介護休業・介護勤務短縮制度、持株制度(補助金制度による従業員持株制度)、厚生施設(独身寮、保養所、診療所)など

-社会保険
健康保険、厚生年金保険、労災保険、雇用保険、ほかに労災付加給付制度

-休日
完全週休2日制(土・日)、国民の祝日・休日、創立記念日(6月4日)、夏季休暇、年末年始休暇ほか(年間休日125日 ※2022年度)

働き方

自身のキャリアアップのためには教育制度が、プライベートと仕事の両立のためには多様な勤務制度が整備されている必要があります。

皆さんの今後のライフプランと照らし合わせながら、DNPと凸版印刷での働き方をみてみましょう。

○DNP│働き方
-教育制度
導入教育、職種別専門教育、階層別専門教育、自己啓発通信教育制度、資格取得奨励制度 ほか

-勤務時間
フレックス勤務制(コアタイムなし)


○凸版印刷│働き方
-教育制度
ファーストキャリアプラン(入社前から入社3年目までの体系的育成制度)、トッパンビジネススクール(自己啓発のため選択研修)、海外トレーニー制度、選抜型研修、部門別個別研修など

-勤務時間
標準勤務時間9:00~18:00
※コアタイムのないフレックスの「スマートワーク勤務制度」あり
※在宅・契約シェアオフィス・外出先での「リモートワーク制度」あり

‌⑥海外展開

「いつか海外でも働いてみたい」という思いを持った学生もいるのではないでしょうか?

印刷業界に限らず、人口減少の日本市場だけではなく、成長する海外市場を取り込もうとする動きが見られています。DNPと凸版印刷では、特に包装材や建築材に力を入れながら、グローバル展開をしていく方針です。

それでは各社の海外拠点数や海外での売上などを詳しく見ていきましょう。
DNP│海外展開
2021年8月時点で、DNPには29の海外拠点があります。

海外の売上高は、2016年度に2025億円(全体の14.4%)だったのが、2020年度には2458億円(全体の18.4%)まで伸びています

ディスプレイ用光学フィルム、有機ELディスプレイ製造用メタルマスク、リチウムイオン電池用バッテリーパウチ、写真プリント用昇華型熱転写記録材は世界でトップのシェアを持つ製品群です。

○DNPの海外拠点がある国
北米:アメリカ
アジア:中国、インドネシア、韓国、マレーシア、シンガポール、台湾、タイ、ベトナム
ヨーロッパ:ベルギー、デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア、オランダ

凸版印刷│海外展開
2019年3月末時点で、凸版印刷には159の海外拠点があり、DNPよりも多いです。

2020年度の海外の売上高は約3503億円で、全体の23.9%です。

増大するサステナブル包装需要の獲得や、地産地消体制による建装材市場における地位の確率によって、凸版印刷では海外生活系事業の拡大を目指しています。

凸版印刷ではすべての事業部においてグローバル化が急速に進められており、入社3年目以降には1年間海外子会社で業務を担当しながら経験を積むという「トレーニー制度」を利用することが可能です。

○凸版印刷の海外拠点がある国
北米:アメリカ
アジア:中国、香港、台湾、タイ、インドネシア、シンガポール、インド、
中東・アフリカ:アラブ首長国連邦、南アフリカ
ヨーロッパ:ドイツ、イギリス、スペイン、フランス

【参考】凸版印刷│新卒採用サイト『グローバル』

⑦社風

就活口コミサイトでの情報を元に、2社の社風を調べてみました。

口コミサイトは退職した元社員が書く場合が多いという前提を認識した上で、雰囲気を想像してみましょう。

実際の社風を知りたい方は、OB・OG訪問で社員の話を聞きに行く、インターンシップに参加するなどの方法を取ることがオススメです。

DNP│社風 

「トップダウン気質がある」「年功序列である」「体育会系である」といった口コミが多くみられました。

「体育会系のDNP、文化系の凸版印刷」と言われているように、上下関係が厳しい場合があるようです。

一方で「チャレンジを促進する」「風通しがよい」といった口コミもみられ、後輩の面倒見がよいといった性質も持っているのではないかと推測できます。

凸版印刷│社風

「穏やかな人が多い」「上司部下の関係がフランク」「風通しがよい」という口コミが多くみられました。

新卒採用サイトに掲載された座談会の内容を見ても、就業後に飲みに行ったり、休日に遊びに行ったりする機会が多いことが伺えます。一方でそのような付き合いを強制する雰囲気は内容で、関わりたい人は関われる、という環境になっているようです。

また「女性の割合が少ない」「特に技術職は男社会である」といった口コミもありました。

⑧女性の働きやすさ

年収や昇格などに関する男女格差が先進国の中で圧倒的に大きいとされている日本。

そこで、ここではDNPや凸版印刷での女性の働きやすさに関する情報をまとめました。

DNP│女性の働きやすさ

2017年度〜2021年度の従業員の男女構成比は、男性が全体の80.58%〜78.23%、女性が28.65%〜24.11%です。

厚生労働省による総合職正社員の男女比率は男性が81.2%、女性が18.8%となっていることから、日本での基準よりは高いことが分かります。

DNPは、2022年3月末時点までに課長クラス以上の女性の管理職割合を7%以上にする目標を掲げており、2021年度の実績は7.4%でした。一方で5000人以上の従業員数をもつ日本企業における課長相当職の女性割合は2018年度で8.1%のため、目標値自体が低く設定されていたことが分かります。

一方で、2021年度には上位管理職への女性登用を促進するスポンサーシッププログラムが導入され、DNP初の女性取締役も生まれました。これから女性が働きやすい環境へと変わっていく可能性が大きいです。

また産前・産後休業や育児休暇の取得率は、女性のみ100%取得の実績があります。2021年度には82.4%である男性の育休に関しても、取得率100%をめざして活動を進めているとのことです。

凸版印刷│女性の働きやすさ

従業員の男女構成比率にDNPとの大きな差はなく、凸版印刷の2021年度における女性社員比率は23.8%でした。日本における女性正社員の割合である18.8%よりは高いことが分かります。

2021年度の取締役の女性割合は22.2%ですが、管理職割合は4.6%です。取締役の割合はDNPよりも多いことが分かります。一方で管理職割合は低く、今後の改善に期待できそうです。

育児休暇に関しては、年度途中の保育所入所が困難であるという実態を踏まえ、育児休業期間を最大で法定を上回る1歳到達後最初の3月末までに延長しています。また育児をする社員を対象とした勤務短縮制度も、適用期間を法定より長い「子どもが小学校4年修了まで」としています。

⑨採用人数

就職活動を行う上で、選考の受かりやすさにも関係する採用人数について知っておきたいですよね。

ここではDNPと凸版印刷の採用人数についてご紹介します。

DNP│採用人数

23年卒の採用人数は、事務系総合職75名、技術系総合職110名です。
22年卒では事務系総合職が75名、技術系総合職が110名でした。

凸版印刷│採用人数

23年卒の採用人数は、営業・事務系170名、企画系60名、技術系220名です。
22年卒では営業・事務系170名、企画系40名、技術系210名でした。

凸版印刷の方がDNPよりも採用枠が多いようです。

【参考】凸版印刷│新卒採用サイト『募集要項』‌
IRから企業・事業を知ろう
IRは上場企業が公開を義務付けられている諸情報を指します。その企業が目指している方向性を知る客観的なデータと言えるでしょう。DNPも凸版も上場企業なのでホームページ上でIR情報を公開しています。

‌以下にはIRの中でも参考になるものをいくつか挙げてみました。
‌ぜひチェックしてみてください。

‌中期経営計画

‌‌DNP、凸版いずれも中長期的な経営計画を発表しています。
このような経営計画にはその企業が今後力を入れていく事業が示されています。
特に印刷業界は他業界と比べても多角化が著しい業界のため、大いに参考になるはずです。

DNP、凸版印刷が目指す企業の在り方を比較していきましょう。

DNP│中期経営企画

この計画では、2つの基本方針を掲げて、多様な施策を行っています。1つ目の「P&Iイノベーション」による価値創造」では、「IoT・次世代通信」「データ流通」「モビリティ」「環境」の関連事業が挙げられています。

‌2つ目の「成長を支える経営基盤の強化」の基本方針では、行動指針に掲げている「対話と協働」を推進した「人への投資」に注力していくことを掲げています。

詳しくはホームページの企業情報をご覧ください。

凸版印刷│中期経営計画


「Digital & Sustainable Transformation ー「DX」と「SX」によってワールドワイドで社会課題を解決するリーディングカンパニーにー」という中長期計画を掲げています。

ホームページには今後注力していく事業分野が細かく示されています。

その中でDX事業においては、保有するデジタル技術と高度なオペレーションノウハウを掛け合わせ ハイブリッドなDXサービスを提供することを掲げています。

そのほかにも様々な分野への進出を図っていることが分かります。

ぜひ、ご自身の目で確認してみてください。

例文あり│志望動機の作り方

今までDNPと凸版印刷の事業から社風などを網羅的に比較してきました。

志望動機では「同業界の中でもなぜその企業に就職したいのか」という理由を、各社の特徴を踏まえた上で説明することが重要です。

ここではDNPと凸版印刷の志望動機例文をそれぞれご紹介します。

DNPの志望動機例文

私が貴社を志望する理由は、貴社が日本を代表する印刷会社であり、その高度な技術力やビジネス展開の幅広さに魅力を感じているからです。
貴社は時代のニーズ変化に合わせて貴社の強みである印刷・情報に関連する技術の応用・発展に努めています。特定の事業に留まらない多様なフィールドかつ影響力の大きいプロジェクトに関わりながら、自らの提案力を試していける環境があるため、魅力を感じました。
またOB・OG訪問をしていく中で、他の印刷業界の企業よりも営業に力のある会社であると感じました。今までの長期インターンにおける営業の経験を活かしながら営業力を鍛え、貴社が行う社会変革に貢献できるのではないかと考えています。

凸版印刷の志望動機例文

貴社を志望する理由は「分野の枠組みを超えた多種多様な事業展開」と「チャレンジを促進する環境」です。
貴社は印刷事業のみならず、国や地域と協力した地方創生、環境負荷の低いプロダクトの開発など、社会的なインパクトの大きい事業を幅広い分野において行っています。印刷事業で培った技術やノウハウを活かしながら、その枠組みを超えた挑戦ができる点に魅力を感じました。「人々の生活を豊かにする、影響力の大きな仕事がしたい」という私の就職活動の軸に合致すると考えています。
また貴社の挑戦を促進させる環境にも魅力を感じています。私は文化祭運営のサークルにおいて、SNSを活用したタイアップする新規企業獲得や資金集めのためのクラウドファウンディングの運営などを提案し、サークルの会長としてそれらの施策を成功させた経験があります。この経験から、今までにないことに挑戦することが業務にあたるモチベーション向上に大きく関係すると思い、就職活動では挑戦環境があることを重要視しています。OB・OG訪問や説明会を通し、社員の方々の前向きで明るい雰囲気を感じ、貴社の社員のチャレンジを促進する環境があることを理解しました。
挑戦をしなければ企業は後退していくと私は考えています。時代や人々の需要の変化に敏感になりながら、人々の生活を豊かにすることに貢献したいと思い、貴社を志望しました。‌

‌ウェブで集めきれない情報‌は「OB・OG訪問」で

‌ここまで、ウェブ上で集められる有益な情報について解説してきました。しかしながら、それでも集まりきらない重要な情報は多数存在します。現に日本の印刷会社の多くが上場していません。上場していない企業のIR情報は公開がされていないことがほとんどです。
‌そういった情報は実際に働く社員から聞くしかありません。
‌そのようなときに有益なのが、OB・OG訪問です。
‌OB・OG訪問で具体的な興味関心に基づく質問をすることで企業をよく知ることができます。こうすることで、事前にミスマッチを防ぐことができるのです。

‌また、ウェブ上で集まらないような情報を基にした具体的な志望動機は他の就活生との差別化が図れ、熱意が伝わりやすくなります。
‌次回の記事ではOB・OG訪問を有効なものにするための質問方法などについてまとめました。しっかりと読んで有意義なOB・OG訪問にしてください。

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実際に志望している企業の社員さんに面接対策や自己分析など幅広い就活相談を行うことができるのもいいですね。

印刷業界で働く社会人の方に会う機会は滅多にないと思いますので、ぜひこのチャンスを活かして積極的にお話を聞いてみてください。
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