就活で差のつく、「意味ある」業界研究とは?

2019/02/08
業界の仕事内容
目次
1.
はじめに
2.
‌そもそも業界研究とは何か
3.
業界研究を進める手順
4.
業界研究にオススメの4つの方法
5.
さいごに

はじめに

就活において、欠かすことができないのが業界研究。すでに就活を終えた先輩から、「業界研究は早めにしたほうがいい!」とのアドバイスをもらっている人も多いかもしれません。

「業界研究って何をすれば良いの?」
「業界研究をやらなければならない理由が分からない・・」

上記のような疑問を抱えている方は多いのではないでしょうか?
この記事記事では、業界研究の意味や目的を理解した上で、おすすめの業界研究のやり方を4つ紹介します。業界研究は、自分がやりがいを持って働ける企業に入るために重要なもの。ぜひ実践して、就活を有意義に進める糧にしてください。

そもそも業界研究とは何か

業界研究の具体的なやり方を説明する前に、そもそも業界研究とは何なのかをお伝えします。
業界研究とは、端的に述べると、業界全体の景気動向を知り、具体的な仕事内容とともに業界の成長性・将来性を紐解くことです。

‌「グローバルに働きたいから商社で働きたい!」
「クリエイティブでかっこよさそうだから広告代理店を志望しよう!!」

就活生によくありがちなのが、上記のように自分のイメージや憧れで志望業界を決めてしまうこと。このように先入観で企業選びをしてしまうのは、非常に危険です。仮に内定をもらえたとしても、実際の業務が想像と違っていたなんてことも往々にしてあり得ます。

‌業界研究に取り組むことは、イメージだけでなく、仕事内容や将来性を理解した上で企業を選ぶことに繋がるものです。これらを理解した上で魅力を感じる企業に入社することができれば、入社後にギャップを感じるリスクを抑えることができるでしょう。

‌ただし、業界研究は、自分に合った仕事がどんなものなのか理解していることなしに効果を発揮することはできません。なぜなら、いくら業界への理解を深めても、自分に合う合わないの判断ができなければ、自分に合う企業を選ぶことができないからです。

‌業界研究に取り組む前提として、必ず自己分析に取り組むようにしましょう。自己分析では過去の自分を振り返り、どんなときにやりがいを感じ、どんなときにモチベーションが下がったのかを思い返します。思い返したものを元に、自分がやりがいを持って働ける条件を見つけるのです。以下の記事で自己分析のやり方について詳しく紹介しているので、ぜひ読んでみてください。

業界研究を進める手順

業界研究のステップをまとめている図です。‌就活において、業界研究がもたらす効果についてお伝えしてきました。ここからは、実際に業界研究をする上で踏むべきステップについて説明します。業界研究は、以下の2ステップで進めると良いでしょう。

①幅広く業界を知る

自己分析を通じて、自分がやりがいを持って働ける条件を定めたら、その条件をもとに進むべき業界を選んでいきます。ここでの最大の目的は、できるだけ多くの業界について知ること。業界が取り扱う商品やサービスは何か、顧客の形態は「B to B(企業が企業向けに行う)」か「B to C(企業が消費者向けに行う)」かといった視点で調べましょう。業界研究を円滑に行う手法として、「構造分析」という手法があります。詳しくは以下の記事を参考にしてください。
構造分析とは、業界がどのような構造で利益を得ているのか研究し、その構造にとってチャンスは何で、逆にどのような脅威にさらされているのかを分析することです。

人材業界にあてはめると、以下のようになります。

‌人材(紹介)業界は、求職者と企業をマッチングさせ、その仲介料を利益として受け取る。(構造) 景気の上昇と少子高齢化によって、企業の人材不足が顕著となり、人材紹介のニーズが高まっている(機会)。しかし、東京オリンピック後の景気の鈍化に伴うニーズの低下が懸念されている。また、企業と求職者の仲介がAIに代替されつつある。(脅威)

このように、「構造」、「機会」、「脅威」を把握することによって、その業界の大まかな将来性を理解することができます。

②志望業界を深く調べる

幅広く業界の構造を理解し、志望する業界を決めたとします。次は、その業界の深堀りと周辺業界についても目を向けていきましょう。
業界の深堀りについては以下のポイントを参考にしてください。

‌・どんな業種や職種があるのか
・自分の強みが活かせるか
・業界の将来性が目指すビジョンと一致するか
・業界の売上規模、利益率
・平均給与・労働時間
・男女比、平均年齢

こうした細かい点について、詳しく見ていくことで、自分がどんな環境でどんな職種に携わるのが良いかイメージすることができます。
また、周辺業界の調査も大切。例えば、金融業界の中の保険に興味があったとしましょう。保険は生命保険業と損害保険業の大きく2つに分かれます。仮に、生命保険業界を志望するにしても、損害保険との違いや、なぜ金融業界の他の業態でないのか、といった説明が求められます。そのため、似たようなビジネスモデルや働き方を持つ周辺の業界は念入りにチェックすると良いでしょう。

‌上記の2ステップを踏むことで、自分が働きたい業界を見つけることができるでしょう。働きたい業界が見つかったら、そこに属する企業について調べましょう(企業研究)。企業研究のやり方は、以下の記事を参考にしてください。

‌ただし、業界を絞り込みすぎるのは危険。「この業界しかない」と判断し、そこだけを見ていると、選考で受けられる企業が少なくなり、結果として受けた企業に全て落ちてしまうという事態になりかねません。志望業界の他に、自分が希望する働き方に近しいことができる業界はないか、必ず調べるようにしましょう。

業界研究にオススメの4つの方法

業界研究を実践するためのステップを説明してきました。では、業界研究を進めるのに際して、どのように情報を収集すれば良いのでしょうか?ここでは、業界研究に役立つ情報収集の手段を4つ紹介します。

‌①四季報・業界地図

業界研究の定番と言えば、この2冊。
東洋経済が出版している「就職四季報 」と日経経済新聞社など複数の出版社が発行している「業界地図」です。

就職四季報では、5000社以上の企業の情報が業界別に掲載され、同業他社との比較をしたり、会社説明会やリクナビ・マイナビといった情報サイトでは収集できない情報にアクセスすることができます。特に、年収や入社後の離職率は聞きづらいもの。四季報を活用し、事前の情報収集に役立てましょう。

業界地図では、各業界内の企業の立ち位置や注力事業、商品などの市場のシェア率を知ることができます。業界の成長度合いや今後の展望など、客観的なデータをもとに知ることができます。イメージに捉われない、事実に基づいた業界研究を進めてください。

②新聞・ニュース

業界研究は日常の生活の中で取り入れることもできるのです。朝ごはんを食べながら、テレビのニュースに耳を傾けたり、電車を待つ5分間で、アプリのニュースに目を通したりと隙間の時間を有効活用しましょう。

‌普段の地道な情報収集の積み重ねが、最終的な大きな成果となります。実際、私も面接をする中で、最近のニュースについての「意見」を求められたことがありました。業界に縛られず、身の回りの出来事に興味を持つこと、そして、それに対して、自分はどう考えるのかという「意見」を持つことが大切です。特に、出版、マスコミ業界への就職希望者は、こうした時事問題の勉強は欠かせないでしょう。

ここで、筆者がオススメする情報収集のためのメディア媒体をいくつかお伝えします。

1)日本経済新聞

就活の定番ともいえる日本経済新聞。一般紙の4~5倍の企業情報が載っているといわれる日経は、リアルタイムの情報を日々追うことができます。
また、多くの経営者や社員も目を通している内容であるため、面接の時事問題への対応に有効でしょう。一面や見出しだけでも毎日追うことで、業界研究では欠けてしまう「今の動向」を補うことができます。

2)NewsPicks 

NewsPicksは、2016年度満足度No.1ニュースアプリ。 国内外の厳選された経済紙情報がアプリ1つにまとめられています。 さらに業界の信頼できる専門家や著名をフォローすると彼らのニュースに対する解釈や意見を知ることができるのです。自分自身の主張を発信することもでき、時事への関心・トレンドへの理解をとと深めるとともに、自分の考えを持つきっかけとなるでしょう。

3)TechCrunch

‌最新のテクノロジーやスタートアップの情報、新しいプロダクトへのレビューをまとめたメディア、TechCrunch。テクノロジーとビジネスの視点でシリコンバレー発の最新ニュースと動向分析を日本語で知ることができます。

‌ベンチャーやスタートアップに興味がある、IT業界に就職したいという学生は、読んでおいて損はないでしょう。

③OB訪問

インターネットや会社説明会の表面的な情報だけでは知ることのできないリアルな情報を手に入れるのに有効であるのがOB訪問。
その業界の最前線で、実際に働いている人の言葉だからこそ、信憑性も高くなります。

・どんな仕事をしているか
・どんな環境で働いているのか
・どんな時にやりがいを感じるか
・つらいことはあるか

といったその人自身について知ることで、自分自身の働くイメージがより鮮明になるでしょう。
本当にその仕事にワクワクするのか、その業界に身を委ねる覚悟があるのか、確かめる貴重な機会となるはずです。
しかし、社会人と接点を持つ機会がないという方も多いかもしれません。そのような方ににオススメなのが、OB訪問のマッチングサービス、Matcher(マッチャ−)です。
Matcherでは従来のOB訪問のような堅苦しいやりとりはありません。知りたい業界の、会いたいと思った社会人に気軽にOB訪問の依頼をすることが可能です。社会人のプロフィールには、自己紹介や、質問できることなどが記入されています。自分が聞きたい質問に答えてもらえそうであれば、OB訪問の申請をしましょう。
また、OB訪問前に質問したいことを事前に伝えることができるので、OBの先輩方もそれを前提にお話ししてくださいます。

‌ぜひ、OB訪問を通じて、業界研究を進めてみてください!
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④会社説明会・セミナー

企業が個別で開催したり、人材会社が主催する業界研究セミナー。業界の中で企業がどの立ち位置にいるのか、どんな特徴を持っているのか見極めることができます。
人材会社が主催するセミナーは大きな会場で行われる、合同企業説明会や業界や会社の規模などのテーマで区切ったセミナーの2つに分類されます。
自分の知りたい情報を収集するために質問したり、働く姿をイメージしながら聴講したりするなど、参加することが目的とならないよう注意しましょう。

さいごに

業界研究をする意味、そしてそのやり方について説明してきました。就活では自分を知るための自己分析と同様に、社会を知るための業界研究も必要です。本記事で紹介した、業界研究の意義や抑えるべき視点、手法が少しでも役に立てば幸いです。

‌業界研究は就職し、社会人として働く上でもずっと継続していくもの。就活をチャンスと捉え、社会や世の流れに積極的に目を向けていきましょう。

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