読み手を納得させるES(エントリーシート)の志望動機の書き方

2019/02/08
ES対策
志望動機の例文
志望動機の書き方
目次
1.
志望動機の納得感を高めるために
2.
‌志望動機を書く前に押さえておくべき2つのポイント
3.
人事が志望動機から見極める2つの要素
4.
‌一目見て「会いたい」と思わせる志望動機の構成
5.
‌志望動機の例文
6.
志望動機の深堀をしたい人へ・・
7.
さいごに

志望動機の納得感を高めるために

エントリーシート(以下ES)で必ずと言っていいほど聞かれる志望動機。みなさんは説得力のある志望動機を書くことができますでしょうか?

‌志望動機で最も大切なことは、いかに採用担当者に納得感を与えることができるか。‌納得感は、「この企業でないといけない理由」を論理的に伝えることで高まります。みなさんの志望動機に共感し、熱意を感じてくれれば、「面接で話してみたい」との評価を得ることができるでしょう。

‌この記事では、ESで納得感のある志望動機を書くための方法を説明します。構成や少しの言葉遣いで与える印象は大きく変わるもの。ここでお伝えするコツをマスターして、次の選考へと進めるような志望動機を書いてください。

‌志望動機を書く前に押さえておくべき2つのポイント

みなさんが志望動機の作成に取り掛かる前に、ぜひ、知っておいて欲しいESの裏側についてお伝えします。

‌①大手企業のESは一瞬で合否の結果が決まる

もちろん企業にもよりますが、特にエントリー数の多い人気企業では数人の採用担当が数万にも及ぶESを添削しなければなりません。ESは面接に進んでもらうかどうかを判断する、いわば「足切り」の選考。ただでさえ、普段の人事業務で忙しいため、1人あたりにじっくりと時間をかける余裕はないのです。超大手クラスの企業だと、1人のESにかける時間は1分足らずという所もあります。

‌それゆえ、みなさんが意識すべきことは、少ない字数の中で、より伝わる志望動機を作成すること。面接のように、途中で話を付け加えることはできません。パッと見て「会いたい」と思わせるESに仕上げましょう。

‌②面接はESを元に行われる

1度提出したESは基本的に変更することはできません。提出したESをもとに、1次面接〜最終面接まで継続して行われます。つまり、応募をする段階で、志望動機を完璧に近い状態まで固める必要があるのです。もしESに書いた内容と面接で話す内容に乖離があれば、面接官は不審に思うはず。ESで書いた志望動機を軸に、一貫性を保って最後の面接まで乗り切れるよう、ESを書く段階で深堀する必要があるのです。

人事が志望動機から見極める2つの要素

もう1点、人事が志望動機から判断するポイントについて押さえておきましょう。人事の意図がわかれば、志望動機の構成を考えやすくなります。どの企業の人事も見極めるポイントは総じて同じ。今回は(株)リクルートキャリアの就職みらい研究所がリリースした『就職白書2017』をもとに、人事の視点について2つお伝えします。こちらを参考に、採用視点で自分を客観視するよう意識してください。

‌①業界・企業への熱意があるか

『就職白書2017』のデータによると、76.1%の企業が採用で重視する要素として「業界・企業への熱意」を挙げています。つまり、どうしてその業界・企業に興味を持ったのか。もっと言うと、その業界、企業でなければならない理由があるか、を見極めているのです。ここしかない理由を探すのに、業界研究と企業研究は必須。普段からどれだけ情報収集をして、どんな考えを持っているのか、志望動機を見れば、その本気度が一瞬で分かります。深い業界・企業研究が、志望動機の納得感を醸成し、熱意として伝わることを心に留めておきましょう。

‌②学生のビジョンが企業で実現できるか

みなさんの持つ「今後の可能性」も採用における重要な判断軸の1つ。68.8%の企業が採用で重視する要素として挙げています。つまり、新卒学生に期待するポテンシャルがその企業で発揮できるかを、1つの採用基準として見極めているのです。仮にどれだけ優秀な学生でも、ビジョンと会社の未来の方向性が合致しなければ、ミスマッチが発生します。この場合、「今後の可能性」に期待できないでしょう。学生の能力や適性が求める採用要件を満たしていて、かつ学生の成し遂げたいビジョンが、会社の成長とリンクしていることが、人事の目指す理想の採用です。

‌一目見て「会いたい」と思わせる志望動機の構成

ここまで、採用活動全体におけるESの重要性と、人事視点から見る志望動機の判断軸についてご説明してきました。ここからは本題。一目見て、面接で会いたいと思ってもらえる志望動機の書き方についてご紹介します。それぞれに、伝えたい想いや熱意はあるはずです。ここで、大切なのは「どう見せるか」。早速、構成について見ていきましょう。

①自分が成し遂げたいことと、その背景

志望動機のはじめには、自身が人生において成し遂げたいこと(ビジョン)を簡潔に伝えましょう。成し遂げたいことが具体的かつ魅力的なものであれば、ぐっと聞き手の興味を惹きつけることができます。

‌仮に「やりたいこと」が見つからなくても、「どうなりたいか」「どんな働き方がしたいか」など身近な視点から考えると良いでしょう。特に、業界や企業への思い入れ、熱意を組み込むことで、最初のインパクトは大きくなります。自身の想いを率直に伝えることを意識してください。

‌次に、成し遂げたいことが醸成された背景を伝えます。過去に経験したことが、今のビジョンのきっかけになったと根拠を示せば、一貫性を証明できるはず。就活マニュアルのような、他人の言葉を借りた動機でなく、「自己理解」を踏まえた想いの強さを伝えることができるでしょう。

‌そうは言っても、自分のビジョンを明確にできていない人も多いはず。そんな人にオススメしたいのが自己分析です。自己分析の目的は、過去の経験を振り返り、どんなことにやりがいを感じてきたのかを理解すること。これによって、将来携わりたい、業界や業種が見えてくるはずです。

‌自己分析のやり方は以下の記事を参考にしてください。

②成し遂げたいことを企業で実現できる理由

自分が成し遂げたいこととその背景の後には、なぜその企業でそれを実現できるのかを説明します。
‌「それ、他の会社でも実現できるよね?」
‌‌上記のような突っ込みをされることがないよう、その企業でなければならない理由を的確に伝えなければなりません。企業や仕事内容の情報収集を徹底し、その企業で働きたいと考える理由を根拠をもって書き上げるようにしてください。

‌みなさんの将来のビジョンと企業の目指す方向性が一致していて、かつ、その企業でなければならない理由があれば、面接官も納得感を持ってくれるはずです。目指す業界は決まっても、その中でどんな企業が自分にとってベストかを判断するのは難しいもの。また、1人で企業研究を深めるのも限界があるでしょう。

‌そこで、企業の情報収集のやり方と、企業のリアルを知る上で最もおすすめしたい、OB・OG訪問についての記事をまとめました。ぜひ参考にしてみてください。

③具体的な行動計画

最後に、入社したら具体的にどんな仕事をしていきたいのかをアピールします。入社後のキャリアパスについて、真剣に考えていることが伝わるので、企業に対する志望度を理解してもらえるはずです。

‌また、行動計画を書くことで、その学生の業界への理解度や企業の仕事内容への興味を知ることができます。ここが、業界・企業の理解度に最も差がつく部分。言うなれば、熱意が伝わる瞬間です。事前のリサーチと未来へのイメージを明確にして、志望動機を完成させましょう。

‌志望動機の例文

志望動機の書き方や注意点について、理解できましたでしょうか?ここでは、上記をもとにした志望動機の例文を用意しました。構成を意識して、確認してみてください。

‌【例文①】

私は「旅行」という非日常体験を世の中に広める中で、特に日本の文化を発展途上の国に広めていきたいと考えています。私は1年間の留学をした際に、日本の文化に対する解釈力の低さを痛感したと同時に、異なる生活圏の人々に「日本文化の奥深さ」を広げていく楽しみを感じてきました。その中でも、東南アジアを旅して感じた、親日のスタンスと経済の急速な発展に伴う、今後の余暇産業への可能性を感じ、日本文化を知ってもらうきっかけづくりに携わりたいと考えるようになりました。貴社は、国内市場を堅調に維持しつつ、他社に先駆けて、東南アジア・アフリカへ積極的な海外展開をされております。貴社でなら、「旅行」を通じて、日本文化の素晴らしさを途上国の人々に届けられると感じ、魅力を感じております。貴社でお仕事させていただく際には、留学時代に培った語学力と旅を通じて得た異文化への適応力を活かして、海外の駐在員として世界各地のニーズに合わせた、非日常体験のプランニングをしていきたいです。

‌【例文②】

私は「組織の課題解決」を軸に、日本の中小企業の活性化に貢献したいです。私は工場の経営者だった祖父の背中を見て育った背景から、「経営」や「組織」にぼんやりと関心を抱いていました。それが、高校、大学と部活動の主将として、チーム運営と課題の改善に日々取り組んできたことから、「経営層」を相手に「組織の課題解決」ができるコンサル業界が自分の経験を最も活かせるフィールドだと考えています。その中でも貴社を第一志望とする理由は2つあります。1つは、若手社員に「仕事を任せる風土」が浸透しており、実際に入社3年でマネージャーに昇格される方もいるとのことで、早くからマネジメント経験を積めるからです。2つ目は、貴社のクライアント企業の多くが、技術力に強みを持った中小企業であり、祖父が経営していた小さくも誇れる強みをもった企業のスケールにより深く携われると考えたからです。貴社でお仕事させていただく際には、学生時代に培った課題解決のノウハウを活かし、高齢化と売り手市場に伴う労働力不足の中でも、中小企業が成果を挙げる仕組みを生み出したいです。

志望動機の深堀をしたい人へ・・

「働いている社員がどのような理由で会社を選んだのか。」
「実際働いてみてどう感じるのか。」
こうした情報は、採用HPや説明会では、中々知ることができません。
社会人に相談したい。そんなときにおすすめしたいのが、就活相談プラットフォームのMatcher(マッチャ―)
Matcherでは大手、ベンチャー問わず合計5000人以上の社会人・内定者が気軽に相談に乗ってくださいます。こうして、社会人の方が忙しい仕事の合間を塗って、時間を割いてくれるのもみなさんが学生である今だけ。このチャンスをどんどん活かして、就活を優位に、楽しく進めていきましょう!
【社会人・内定者の所属企業一覧(一部)】
みずほ銀行、三井住友銀行、三菱商事、三井物産、住友商事、リクルート、マッキンゼー、電通、博報堂、野村證券、住友不動産、資生堂、日産自動車、ソフトバンク、日本テレビ、講談社、日本マイクロソフトなど1500社。
‌【利用学生の声(一部)】
‌*とても話しやすい方で、人見知りの私でもしっかり話すことができました。ESを書く上でのポイントや、志望動機の意図など、これからの就活で意識して行く部分が見えてきました。
*ESの添削をお願いしました。自分でまとまっていると自信のあった志望動機も、〇〇さんからするとまだまだ甘いとのこと。数段深堀するための視点をいくつか頂くことができました。
社会人に会いに行く

さいごに

‌ESの志望動機の書き方を紹介してきました。みなさんが志望動機を書く際に参考になれば幸いです。志望動機の完成度は、選考の合否に直結する極めて大切なもの。志望動機に納得してもらえるかどうかで面接に進める確率は大きく変わります。これを機に、志望動機の書き方をマスターしてください。

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