「大企業の定義」は一つじゃない?中小企業との違いや特徴を徹底解説

2026/07/09
企業研究のやり方
就活準備
Matcher編集部
[著者] Matcher編集部
OB・OG訪問サービス「Matcher」の編集チーム。就職活動やキャリア選択に関する情報を、学生の視点に立ってわかりやすく発信。Matcherの運営を通じて蓄積した知見をもとに、自己分析、業界研究、企業研究、ES・面接対策など、就職活動に役立つコンテンツを企画・制作する。
西川 晃平
[監修] 西川 晃平
Matcher株式会社代表取締役。OB・OG訪問サービス「Matcher」の立ち上げおよび運営を担う。就職活動における情報格差・機会格差の解消を目指し、学生が社会人に気軽に相談できる仕組みを構築。自身も学生からの就職活動相談に応じ、自己分析、ES添削、面接対策、キャリア選択など幅広い領域で支援を行う。
目次
1.
大企業の定義は一つではない
2.
大企業を判断する基準
3.
補助金・助成金申請時の注意点
4.
大企業の特徴と働く環境
5.
まとめ
6.
よくある質問

大企業の定義は一つではない

「新卒では大企業に行きたい」「憧れの大企業がある」といった就活生も多いのではないでしょうか?

しかし「大企業」と言っても、法律や目的によって定義は大きく異なります。定義の一つとして「中小企業に当てはまらない」企業を大企業と捉える見方があります。

中小企業基本法における中小企業の定義は以下の通りです。
「中小企業基本法における中小企業の定義」の紹介画像。

上記の基準から「資本金3億円以上・従業員数300人以上」の会社が大企業であるとわかります。基準以外にも「大企業の定義」は多くあり、文脈に応じた判断が必要です。

そこで今回は、大企業の定義に関するさまざまな区分をご紹介します。さらに、大企業に就職するメリット・デメリットなど、就活に役立つ情報もたくさん解説していますので、ぜひ参考にしてください。

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大企業を判断する基準

就活で人気の「大企業」ですが、その定義や基準は一つではありません。具体的には、法律ごとに複数の基準が存在します。

▼大企業を判断する基準
・会社法上の区分:資本金5億円以上/負債200億円以上
・税法上の区分:資本金1億円以上
・労働法上の区分:業種ごとに資本金・従業員数で決定

以下で詳しく説明していきます。

会社法上の区分

会社法第2条6項により、以下の条件のいずれかに当てはまる会社が大企業と定義されています。

・最終事業年度の資本金が5億円以上
・負債が200億円以上
※会社法の条文では「大会社」と表記されています。

ただし、会社法による大会社は株式会社にのみ適用されます。合同会社・合名会社・合資会社の定義はありません。

条件に合致するかをチェックするには、最終事業年度に係る貸借対照表の「資本金」もしくは「負債の合計」を確認します。資本金を見る場合は右側下部分の「資本金」を、負債を見る場合は負債の部分の合計(緑色の部分)を確認してください。
「貸借対照表」の紹介画像。
画像の貸借対照表を提示している企業の場合、
資本金(純資産内):3億6,000万円
負債の合計(流動負債+固定負債):4億7,500万円
となり、どちらの条件も満たしていないため、大企業には該当しません。

また会社法では、利害関係人保護を目的として、大企業に対して「会計監査人の設置義務」「内部統制システム決定義務」「損益計算書の公告規制」などの規律を定めています。

税法上の区分

法人税法では、資本金(出資金)が1億円以下の企業は、原則として中小法人等に分類されます。したがって、大企業は資本金が1億円以上の企業であることがわかります。

ただし、資本金が1億円以下の企業でも、資本金5億円以上の大法人の完全子会社である場合は、中小法人に分類されません。

‌【参考】国税庁『No.5759 法人税の税率』

労働法上の区分

労働基準法などにおける「大企業」「中小企業」の判断基準は、先に説明した中小企業基本法の定義を使用します。したがって、大企業は「資本金3億円以上・従業員数300人以上」の会社と定義されます。
「中小企業基本法における中小企業の定義」の紹介画像。
また、厚生労働省の発表している「賃金構造基本統計調査」などにおける調査区分も、よく使われる大企業の定義の一つです。厚生労働省の調査では、常用労働者の人数で企業規模を区分していることがわかります。

▼厚生労働省の調査における企業区分
大企業:常用労働者数1,000人以上
中企業:常用労働者数100〜999人
小企業:常用労働者数10〜99人

補助金・助成金申請時の注意点

国に補助金・助成金を申請する際は、中小企業か大企業かの正確な判定が必須です。制度ごとに要件や定義が異なるため、資本金や株主構成を確認し、必ず最新の募集要項・公募要領を確認しましょう。

厚労省の助成金

厚生労働省が設けている助成金の多くは、企業規模ごとに助成される金額が異なっています。例えばキャリアアップ助成金の場合は、中小企業基本法と同じ基準が設けられています。

なお、助成金の種類によって定義が異なるため、各助成金ごとに設けられている企業区分に注意が必要です。

経産省の補助金

経済産業省の補助金では、ものづくり補助金や事業承継・M&A補助金など、多くの制度で「中小企業者等」であることが申請要件となります。一般的には、先と同じように中小企業基本法に基づく資本金または従業員数の基準を満たす必要があります。

ただし、制度によってはさらに株主構成や支配関係に関する条件が設けられている点に注意しましょう。条件を満たしているかどうかは、自社の資本金、従業員数、出資状況と以下の表を比較することで確認することができます。
「中小企業基本法における中小企業の定義」の紹介画像。

みなし大企業の扱い

補助金・助成金の申請では、中小企業基本法上の中小企業に該当していても「みなし大企業」と判定されると対象外となる場合があります。資本金や従業員数の基準を満たしている場合でも、以下のフローチャートから「みなし大企業」に該当しないか判定してみてください。
「みなし企業に該当するかの判定フローチャート」の紹介画像。」

大企業の特徴と働く環境

大企業は従業員数や資本金が大きく、教育制度やキャリアパスが整備されており安定感がある一方、組織体制や業務が細分化されている点が特徴です。

ここでは、大企業で働くメリット・デメリットについてご紹介します。ぜひ就職活動の参考にしてください。

大企業で働くメリット

大企業で働くメリットは以下の通りです。

▼大企業で働くメリット
・給与水準が高い傾向にある
・福利厚生が充実している
・雇用が比較的安定している
・研修・教育制度が充実している
・キャリアパスが明確である
・社会的信用が高い
・コンプライアンス体制が整っている
・多様な人材と働ける

大企業で働く大きなメリットは、給与水準や福利厚生が充実していることです。住宅手当や退職金制度、各種休暇制度などが整備されている企業が多く、長期的に安心して働きやすい環境が期待できます。

実際に、厚生労働省の調査による企業規模別の賃金を見ると、大企業の平均賃金が中小企業と比較して高いことがわかります。

▼【企業規模別】令和7年の平均賃金(男女計)
大企業:38万5,100円
中企業:32万6,200円
小企業:30万5,600円

また福利厚生の観点から、有給休暇の取得率も企業規模ごとに異なります。わずかな差ではありますが、大企業の方が有給取得日数や取得率が高い傾向がみられます。
「【企業規模別】令和7年の有給休暇取得状況」の紹介画像。

また、知名度の高い企業で働くことは社会的信用にもつながり、住宅ローンやクレジットカードの審査などで有利になる場面が多いです。さらに、経営基盤が安定している企業が多く、景気の波に左右されにくい点も魅力の一つと言えるでしょう。

安定性やワークライフバランス、長期的なライフプランを重視したい就活生に向いていると言えるでしょう。これらの条件に当てはまる「ホワイト企業」について知りたい学生は、「新卒に人気のホワイト企業ランキングTOP100」
も参考にしてみてください。

大企業で働くデメリット

大企業には安定性や福利厚生など多くの魅力がある一方で、組織が大きいからこそのデメリットもあります。大企業で働くデメリットは以下の通りです。

▼大企業で働くデメリット
・裁量権が限られることがある
・意思決定に時間がかかる
・転勤の可能性がある
・年功序列の文化が残る企業もある

代表的なデメリットとして「裁量権の少なさ」や「意思決定の遅さ」が挙げられます。従業員数が多いため担当範囲が限定されやすく、幅広い業務経験を積みにくいと考えられます。「仕事でどんどん挑戦したい」「大きな仕事を担当したい」という就活生は、大企業以外にベンチャー企業・中小企業も調べてみてください。

さらに、全国・海外に拠点を持つ企業では転勤の可能性も少なくありません。特に会社の都合で望まない転勤・異動も多く、ライフプランに影響することもあるでしょう。

大手企業との違い

「大企業」と「大手企業」は似た言葉ですが、意味は異なります。

▼「大企業」と「大手企業」の違い
・大企業:従業員数や資本金など一定の規模を持つ企業
・大手企業:業界内で高いシェアや知名度、影響力を持つ企業

大手企業には明確な法的基準はなく、定義も人や状況によってさまざまです。就職活動の際はそれぞれの定義を理解し、企業規模だけにとらわれずに業界内のシェアや立ち位置も意識しながら企業研究を進めてみましょう


上場企業との違い

「大企業」と「上場企業」は混同されがちですが、両者は異なる概念です。

▼「大企業」と「上場企業」の違い
・大企業:企業規模を表す言葉で、従業員数や資本金など一定の規模を持つ企業を指す
・上場企業:株式を証券取引所で公開し、一般投資家が売買できる企業を指す

例えば、大企業であっても創業家の方針などから非上場を維持している企業は存在します。一方で、上場企業の中には中小規模の企業も少なくありません。

一般的に、上場企業は情報開示やガバナンスが求められる一方、非上場の大企業は中長期的な経営判断を行いやすい特徴があります。企業選びでは「上場しているか」だけでなく、事業内容や経営方針もあわせて確認することが大切です。

大企業のリアルを知るならMatcher

ここまで、大企業の定義に関するさまざまな内容をご紹介しました。大企業は就活生人気が高く、選考難易度も高いと言われています。そんな大企業の選考を突破するためには、大企業に対する深い理解や、リアルな情報収集が欠かせません。

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まとめ

いかがでしたか?
大企業には明確な定義が一つあるわけではなく、会社法や税法、中小企業基本法など、目的によって基準が異なります。また、給与や福利厚生、安定性といったメリットがある一方で、裁量権の少なさや転勤などのデメリットも存在します。

就職活動では、「大企業だから安心」と考えるのではなく、自分の価値観やキャリアプランに合った企業を選ぶことが大切です。企業研究やOB・OG訪問を通じてリアルな情報を集め、納得できる企業選びにつなげましょう。

よくある質問

従業員1,000人以上の企業は大企業ですか?

定義によって異なりますが、一般的に従業員1,000人以上の企業は大企業と分類されます。

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」などでは、常用労働者1,000人以上の企業を大企業として区分しています。ただし、大企業の絶対的な定義はなく、状況や文脈によって異なる点に注意してください。

大企業で働く人は何人に1人ですか?

中小企業庁の調査によると、従業員数は大企業で約1,438万人、中小企業で約3,310万人という結果になりました。計算すると、全体の3人に1人が大企業で働いていることがわかります。


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