衰退業界ってほんと?百貨店業界の今と将来性を徹底解説
2024/03/19
目次
2.
百貨店業界は衰退業界って本当?
百貨店業界に興味を持つ就活生にとって、将来性への不安は大きな課題です。
地方百貨店の閉店や統合が相次ぎ、業界全体の衰退が進む現状に悩むのも当然です。
以下のグラフを見ると、日本の百貨店の全国売上高は2000年がピークで、そこから年々売上高も店舗面積も縮小しています。
以下のグラフは2021年から2024年のデータです。
地方百貨店の閉店や統合が相次ぎ、業界全体の衰退が進む現状に悩むのも当然です。
以下のグラフを見ると、日本の百貨店の全国売上高は2000年がピークで、そこから年々売上高も店舗面積も縮小しています。
以下のグラフは2021年から2024年のデータです。
【参考】百貨店売上高|日本百貨店協会
「なぜ百貨店業界の売上が低迷しているのか」「今後の百貨店の再編について」を理解し、百貨店で働く理由を明確にすることができます。
本記事では、百貨店業界の動向、人気企業ランキング、そして業界衰退の理由を徹底解説します。
「なぜ百貨店業界の売上が低迷しているのか」「今後の百貨店の再編について」を理解し、百貨店で働く理由を明確にすることができます。
本記事では、百貨店業界の動向、人気企業ランキング、そして業界衰退の理由を徹底解説します。
まずは、百貨店の売上高が低迷している原因はなぜなのでしょうか。百貨店業界の衰退理由を見ていきましょう。
①地域経済の衰退
大正初期から昭和の中ごろまでは、鉄道が日本の交通の主力を担っていました。都心で駅チカの高級百貨店は、当時日本の流通を盛り上げていた場所です。
しかし、高齢化社会や人口減少が進み、若者の百貨店離れが起きていることで、百貨店の市場が縮小してしまったのが理由の1つとして挙げられます。
コロナ禍を経てインバウンドの影響で売上は回復見込みではあるものは大都市だけであり、地方はそうはいきませんでした。
②ライフスタイルの変化
インターネットの普及や共働き世帯の増加により、消費者のライフスタイルは大きく変化しました。
かつてのように百貨店で時間をかけて買い物をする人が減り、手軽に買い物ができるスーパーやコンビニエンスストア、ネットショップなどが利用されるようになりました。
また、社会全体が交通網の整備により、モータリーゼーションやクルマ社会の波にも影響があると考えられます。
特に、モータリーゼーションの進展やマイカーへの依存は地方ではより顕著であり、従って地方都市では、郊外に出店した大型ショッピングセンターや沿道沿いの店舗に集客が寄ってしまっています。
「あなたが百貨店を利用しない理由について」の調査では、近くに百貨店があると答えた人の中で、最も回答が多かったのは「価格が高いから」で66.1%。続いて「他の店舗でも十分に欲しいものが手に入るから」は27.1%。「インターネットでも十分に欲しいものが手に入るから」が23.7%でした。
これらの結果から、価格の高さと、利便性の高い他の店舗やネットショップの存在であることが百貨店離れの大きな理由だと分かりますね。
③建物の老朽化
多くの百貨店は、老朽化した店舗を抱えています。地方の百貨店は、1970年代に建てられた百貨店が多いです。
そのため、改修工事となると、耐震工事が必要になるため、建物の維持管理費がかさみます。
それだけではなく、現代的な消費者のニーズに合致した店舗づくりが難しいという課題もあります。
④大型郊外店舗との競争激化
先ほども言いましたが、小売業界の競争は激化しています。
ららぽーとなどの大型ショッピングセンターや、家電量販店や衣料品専門店など、特定の商品に特化した専門店が増え、百貨店よりも品揃えや価格で優位に立つようになりました。
また、ネットショップの浸透により、Amazonや楽天市場などは、24時間いつでもどこでも買い物ができる利便性に加え、価格競争力も高いため、百貨店にとって大きな脅威となっています。
百貨店業界の現状
ここでは百貨店業界の現状をお伝えします。企業の取り組みと合わせて、業界の動きをおさえましょう。
北海道・帯広の百貨店「藤丸」が閉店
2023年1月31日、北海道帯広市の百貨店「藤丸」が122年の歴史に幕を閉じました。
藤丸は、1900年に呉服店として創業。その後、百貨店に業態変更し、道東唯一の百貨店として親しまれてきました。
2022年1月に民事再生法を申請し、再建を目指していましたが、買い手が見つからず、閉店となりました。
最近では、2024年1月14日に、島根県にあった唯一の百貨店が閉店しました。
地方百貨店は、1999年は213あったのに対して、2023年には110と半分近くが閉店となっています。
北海道は11あったものの、残り1店舗が函館に、東北は28から10に、四国は9から4となり、地方百貨店の閉店は相次いでいます。
そごう・西武売却
2023年9月1日、そごう・西武はアメリカの投資ファンドであるフォートレス・インベストメント・グループに売却されました。
今回の売却により、そごう・西武はセブン&アイ・ホールディングス傘下から離れ、フォートレス・インベストメント・グループ傘下となります。
今回の売却により、そごう・西武はセブン&アイ・ホールディングス傘下から離れ、フォートレス・インベストメント・グループ傘下となります。
売却理由は、セブン&アイ・ホールディングスは、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの小売事業を主軸に展開しており、百貨店事業は主軸事業ではないと判断したからです。
また、百貨店業界全体が低迷しており、そごう・西武も業績が悪化していたため、売却を決断しました。
フォートレス・インベストメント・グループは、そごう・西武の再建を目指します。今後のそごうの動きに注目です。
百貨店業界で働く社員に話を聞きにいこう
百貨店業界の現状や働き方について、ネット上で数々の情報が存在する中で、最も信頼性の高い情報源は、実際に働いている社会人からの話です。実際に働いている社会人からの情報は、リアルな経験や生の声であることから、非常に貴重な情報となり得るため、OB・OG訪問をすることが大切です。数々のOB訪問アプリなどツールがある中でも、就活生にはMatcher(マッチャー)がおすすめです。
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詳しくは下記の記事と合わせてご覧ください。
MatcherでOB訪問できる相手を探してみる(無料)百貨店業界の今後はどうなるの?
百貨店業界の動向は理解できたでしょうか。みなさんが1番気になることは業界の将来性についてですよね。ここでは、百貨店業界の動向や、それぞれの企業の取り組みを紹介します。
①脱店舗型!?EC事業の強化
百貨店業界の再建に向けて、戦略の1つとしてあげられているのは、脱店舗型を狙い、ECサイトの運営に力を入れることです。
特にマルイは、EC事業の強化に力を入れていることで、有名です。
マルイのECサイトでは、ネットショッピングができるだけではなく、ネットで注文した商品を配送料0円で店舗に取り置きしてもらうサービスを行っています。
EC事業の強化によって、実店舗での買い物離れを防ぐ取り組みでもあります。
②DX取り組みの強化〜仮想都市空間で買い物などの体験ができるVRアプリ〜
三越伊勢丹が提供する、仮想都市のコミュニケーションスマホアプリ「REV WORLDS(レヴ ワールズ)」。VRを活用したスマートフォンアプリは、新宿をイメージした仮想都市に、仮想伊勢丹新宿店が出店していて自分のアバターを使って、買い物をすることができるサービスです。
化粧品や雑貨、食品、婦人服と幅広い商品の中からアプリ上で商品をクリックすることで、三越伊勢丹オンラインストア等へ移動して、実際の商品が購入できます。
また、チャット機能を使って、友人や家族、初めて知り合ったユーザーとも一緒に買い物をすることができます。
③店頭と全国をつなぐリモートショッピングサービス
阪急阪神百貨店が取り組むリモートショッピングサービス「Remo Oeder」。阪急阪神百貨店が取り扱っている商品を、家や外出先でも注文し商品を購入することができるのです。
例えば、「先日見て迷っていた商品を買いたい」「リピートしている商品がほしい」と思ったら、アプリの操作で担当店舗のスタッフに繋いでくれます。
その後、オンライン接客を受け、商品を配送するか、店舗受け取りにするかを選ぶことができます。
百貨店業界とショッピングセンター業界の比較
百貨店業界のような小売業界に関心がある人は、不動産賃貸業であるSC(ショッピングセンター)業界に興味があるひとも多いのではないでしょうか。
ここでは百貨店とショッピングセンターの違いを比較していきます。
業種
まず、1番の違いが業種です。百貨店は小売業界と呼ばれており、ショッピングセンターは不動産管理業に属します。
一般的に百貨店への出店は「消化仕入れ契約」と呼ばれる契約を結びます。
これは、百貨店が商品を販売した時点で初めて仕入が成立する独特な取引形態です。
具体的には、以下の流れになります。
1.納入業者は商品を百貨店に納品する
2.商品が売れるまで、納入業者が商品の所有権を保持する
3.商品が売れた時点で、百貨店は納入業者から商品を仕入れる
4.百貨店は販売代金から仕入代金を支払い、利益を計上する
百貨店に出店するショップは、シュッエンのコストが抑えられる一方で、常に売上の一定割合を百貨店に支払います。
ショッピングセンターへの出店は「賃貸借契約」です。ショッピングセンターがテナントとして各ショップに場所を提供し、賃貸収入で運営をしています。そのため物を売るのはあくまでテナント自体です。
SCへのショップ出店は、出店の初期コストが高くなる反面、売上げ次第で賃貸料が決まる構造になっているのです。
利用頻度
ここでは、百貨店とショッピングセンターの利用頻度を男女別、年齢別で見ていきましょう。
まず、男性の利用頻度の比較ですが、10代から50代の人は、百貨店よりもショッピングセンターの利用が多いことが分かります。百貨店の利用が最も多い年齢層は20代の4.7回でした。
20代で百貨店の利用が多い理由は、稼ぎが安定した時期で「普段使いではなく少し良いものを買いたい」「会社のイベントや催事の利用」などが関係しているのではないかと考えられます。
一方で、商業施設の利用は、20代から40代の利用が多く、20代の利用は8.9回。百貨店の利用数と比べると、圧倒的な差をつけていますね。
【参考】百貨店業界研究|長期投資家のためのIR情報 バリュートレンド
続いては、女性の百貨店とショッピングセンターの利用頻度の比較です。
続いては、女性の百貨店とショッピングセンターの利用頻度の比較です。
全体的には、ショッピングセンターの利用が、10代から30代が1年に10回以上を超えていて、60代〜70代は百貨店の利用頻度がショッピングセンターの利用頻度を上回る結果になっています。
年齢層が高い高齢者の百貨店の利用頻度が高い理由は、以下の理由が考えられます。
・昔から百貨店を利用している層であり、馴染みがある
・商品の品質やサービスに対する安心感がある
・落ち着いた環境で買い物を楽しみたいというニーズがある
百貨店の利用頻度で気になる点は、20代は3.6回に対して、30代になると12.5回と約4倍に利用頻度が多くなっている点です。「手みやげなどの購入」や「お祝いの品や記念品などの購入」で利用する人が多いことが考えられますが、30代は特に日常的な買い物に加え、特別な目的での利用も多いのでしょう。
以上まとめると、
年代別利用頻度の比較では、
10代〜30代:ショッピングセンター利用が圧倒的に多い。特に20代は3.6回/年と低く、百貨店への馴染みが薄い可能性。
30代〜50代: ショッピングセンター利用が中心だが、百貨店も一定の利用頻度を維持。
60代〜70代: 百貨店利用がショッピングセンター利用を上回る。
以上のことから、百貨店は、高齢者、富裕層、特別な目的を持つ層、ショッピングセンターは幅広い年齢層、日常的な買い物をする人をターゲットにしていることが分かります。
仕事内容
「一見、施設管理の裏方という点では共通している業務もあるのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、百貨店や商業施設の働き方にも違いがあります。ここではそれぞれの職種について紹介します。
百貨店の職種
販売スタッフ
百貨店とショッピングセンターの仕事で最も異なる点は、販売スタッフの仕事内容です。
実際に売り場に立ち、接客対応、在庫処理、販売スタッフの育成・指導を行います。
百貨店の企業に就職すると、多くの企業は最初に販売スタッフの仕事を経験することが求められます。
バイヤー
バイヤーは、市場の流れを把握して、店舗で販売する商品を買い付ける仕事です。
バイヤーになるためには、専門的な知識が必要になるため、まずは販売員を経験しスキルや経験を得てからバイヤーになることができます。
良い商品を仕入れるために、海外に足を運ぶことも。
仕入れた商品が人気が出たり、お客様に喜んでいただいた時にやりがいを感じます。
外商
百貨店の売上を支える重要な存在である外商は、顧客一人ひとりに寄り添い、商品を提案・販売する仕事です。
顧客との信頼関係構築を重視し、自宅への訪問や一緒に買い物同行するなど、特別なサービスを提供します。
外商の仕事は、顧客との信頼関係を築き、ニーズを引き出すコミュニケーション能力、そして幅広い商品知識を活かした的確な提案力が不可欠です。
外商の仕事は、顧客との深い信頼関係を築き、喜びを届けることができるやりがいのある仕事の1つです。
商業施設の職種
施設管理
商業施設の快適な環境を維持し、円滑な運営を支えるのが施設管理の役割です。
テナントが何年後も何十年後も輝くショップになるよう、テナントの店長や副店長と売上や運営について意見を交わして、より良い店舗づくりを目指します。
また、商業施設のテナントスタッフがより良い環境で働けるように、スタッフが使用するバッグヤードの管理や、スタッフの研修やサポート業務にも携わります。
営業(リーシング業務)
商業施設の重要な収益源であるテナント誘致と契約業務を担当するのが営業(リーシング)です。
世の中の流行や、ターゲットに合わせたテナント企業の選定をして、テナント誘致をし、交渉までを行います。
販売促進
顧客来場促進と売上向上のための企画・実行を担当するのが販売促進です。
具体的には、販売促進キャンペーンやイベントの企画運営や、PRやブランディング業務の仕事を行います。
また、リーフレットの作成や、施設に掲示する広告やポスターを制作することも業務の一環です。
百貨店業界に向いている人3選
百貨店業界の企業が求める人物像を3つ紹介します。
①コミュニケーション力がある人
百貨店業界は、顧客との信頼関係を築くことが重要な仕事です。
お客様や顧客との対話を通じてニーズを引き出し、商品の特徴や魅力を分かりやすく伝える必要があります。
傾聴力があり、共感力も高く、相手に分かりやすく伝え、丁寧で分かりやすい言葉遣いを使えるコミュニケーションが求められます。
②顧客視点にたてる人
1つ目の「顧客との対話を通じてニーズを引き出す」ことに繋がりますが、顧客にとって最適な商品やサービスを提案するために、顧客視点に立てる人が向いている業界です。
顧客のニーズや潜在的な要望を察知する能力があれば、お客様からの信頼を得ることができます。
③人と接することが好きな人
百貨店の仕事は、店舗で取り扱う商品や接客サービスを通じて、お客様に喜んでもらえるように接客します。
百貨店で扱うファッションやコスメに関心があるかどうかも大切ですが、それ以上に人と関わることが好きかどうかも業界で活躍できる人材になる要素です。
人と接することが好きで、自分が相手にしたおもてなしやサービスで、相手の喜んでいる姿を見て、に喜びを感じられる人は、この業界に向いているといえます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
百貨店業界で働く人にぜひ参考になる情報になったら幸いです。
なぜその業界で働きたいのかを明確にすることで、自分にあった企業に内定をもらえる確率が高くなります。
百貨店業界は、将来の存続に向けて試行錯誤し、業界再建を目指しています。
百貨店志望の学生はぜひ、百貨店業界の企業に就職してどんな業務に携わりたいか、百貨店は今後どう在るべきなのかを考えてみてください。
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