一般職とは?総合職との4つの違い【新卒】

2023/07/18
玉手箱
目次
1.
一般職とは?
2.
一般職に求められる能力
3.
一般職と総合職の違い4つ
4.
国家公務員における総合職、一般職の違い
5.
一般職に応募する際の注意点
6.
一般職と総合職で悩んだ時に考えること
7.
Matcherを活用して一般職に就職したOBOGの話を聞こう
8.
一般職の年収
9.
無くなる?一般職の将来性
10.
なぜ2つの採用コースがあるのか
11.
おわりに

一般職とは?

一般職とは、
「企業で、主に一般業務に当たる職。原則として転勤はないが、昇進は限られる」
職種のことです。(デジタル大辞泉より)

基本的な事務作業から、営業アシスタント業務まで、幅広い仕事を担います。

総合職を支える縁の下の力持ち的存在といえそうです。

転勤がないこと、残業が少ないといった特徴があり、結婚・出産後も働き続けたい女子学生からの人気が集まっています。

仕事内容


一口に一般職といっても仕事は多岐にわたります。

ここでは主な業務について説明していきます。

一般事務

一般事務とは、企業活動によって生じる基本的な事務作業のことです。

具体的には、
・資料作成
・来客対応
・電話対応
・データ入力
などの作業があります。

作業のスピード感と正確性が求められる業務です。

営業事務

営業事務とは、外回りが多い営業担当者の社内の事務作業をサポートする仕事です。

企業によっては「営業サポート」「営業アシスタント」と呼ばれることもあります。

具体的な業務内容として
・請求書の作成
・受発注データの入力
・社内会議の準備

などがあげられます。

営業事務も内勤が中心の業務です。

仕事をする一般職

経理事務

経理事務は、社内で扱うお金の管理や記録を担います。

業務は社内で完結し、外回りはほぼないといってよいでしょう。

具体的な業務内容は
・経費精算
・資産管理
・予算管理
・伝票作成

などがあり、業務によっては簿記の知識が求められる場合があります。

貿易事務

貿易事務とは、貿易業務に伴う作業のことです。

一般事務と異なり、高い専門性やコミュニケーションスキルが求められます。

主な業務内容は
・輸出入に関する申請業務
・輸送船の手配
・海外との連絡業務

などです。

商社やエネルギー企業によく見られる業務になります。

秘書業務

役員の庶務をサポートし、より高度な業務に集中してもらうのが秘書の仕事です。

具体的な仕事内容として
・スケジュール管理
・会議や商談の準備
・アポイント設定
・社内外の人とのやり取り

などがあげられます。

秘書業務は求められる能力が高く、企業の内部の理解が必要なため、入社歴が長い一般職が配属される場合が多いようです。

一般職に求められる能力

スキルのイメージ

ここまで一般職の仕事内容について説明してきました。
こういった業務を円滑に行うためにはどのような能力が必要なのでしょうか?

以下で3つ紹介していますので参考にしてみてください。

①コミュニケーションスキル

一般職は、来客対応や、電話対応など会社の顔として外部のやり取りを行う場面が多数あります。

加えて社内でも様々な部署や立場の社員のサポートをする必要があるでしょう。

そのため高いコミュニケーション能力が一般職には必須になります。

②PCスキル

一般職の業務である書類作成やデータ入力等は基本的にPCを活用して行います。

事務処理をスムーズに進めるためにはWordやExcel等のソフトを使いこなせるようにならなければなりません。

業務を通じてPCスキルを磨いていくことで、業務の効率化や自身のスキルアップにつながります。

③正確性・スピード

一般職の業務の本質は「総合職のサポート」です。
そのため、依頼された業務を素早く、正確に遂行する必要があります。

一般職の仕事は、マニュアルがある定型業務が中心です。

繰り返しの仕事であってもミスをしたり、スピード感を失わない高い集中力が求められるでしょう。



一般職と総合職の違い4つ

働き方の違いのイメージ
一般職と総合職の違いを4つ解説していきます。

①仕事の範囲

一般的に総合職は、様々な職務を経験するゼネラリスト
    一般職は、担当業務が絞られるスペシャリスト

として業務を行うことになります。

総合職の場合

総合職は「会社の経営幹部候補」として採用されます。

そのため、定期的に転勤を伴う異動によるジョブローテーションがあり、さまざまな職場を経験することになるでしょう。

営業や総務などバックオフィスを経て、管理職に昇進していくことになります。

一般職の場合

一般職はサポートが中心の仕事になるため、異動は多くなく、業務が変化することは多くありません。

また総合職に比べて業務の負担が軽いため、ワークライフバランスを維持しやすいことが特徴です。

②転勤の有無

総合職と一般職では転勤の頻度も変わります。

総合職の場合

総合職は、企業の将来を担う立場になるため、入社後は2〜3年スパンで転勤を伴う異動があります。

転勤場所は企業側が指定する場合が多く、全国に支社がある企業の場合、縁のない土地に配属する可能性も高いです。

一般職

一般職は、事務作業が中心となるため、転勤や異動は多くありません。

地元に残りたい人や、同じ場所で長期的に働きたい人は一般職のほうが働きやすい環境といえるでしょう。

③賃金

業務の内容や転勤の有無などの影響で、一般職は総合職よりも賃金が低い傾向にあります。

④昇進スピード

総合職は一般職に比べて、利益を出すことを求められるためプレッシャーがかかる一方で、その成果が昇進に繋がりやすいことが特徴です。
一般職は、補助業務が中心のため昇進は緩やかになります。

国家公務員における総合職、一般職の違い

国家公務員のイメージ
ここまでは民間企業における一般職の性質について解説してきました。

以下では国家公務員での総合職と一般職の違いについて説明します。

試験形式

総合職、一般職どちらも一次試験→二次試験→官庁訪問のルートを経る必要があります。

一次試験の出題内容に大きな差はありません。

しかし二次試験において、
総合職は、政策立案力を測る論文試験や、選択した区分(法律・経済・国際政治)の論述試験
一般職は、表現力や理解力を測る「一般論文試験」

が出題されるという違いがあります。

なお、倍率は総合職(法律区分)が15.7倍、一般職は3.4倍となっています。

仕事内容

国家総合職と国家一般職では業務内容に大きな違いがあります。

‌総合職

総合職は、霞が関本省において、政策立案や答弁作成、予算編成を行うなど国の政策決定の根幹を担います。

一般職

一般職は、本省、もしくは採用された地域の出先機関において、総合職が策定した政策を実際に運用する業務を行います。

キャリアパス

国家公務員は入口によって、出世のゴールが異なります。

総合職では40代で課長級、活躍によっては事務次官クラスにまで昇進することができます。

一方で、一般職は最も出世するとしても、課長級までです。

また、給料も総合職のほうが一般職よりも高くなります。

国家公務員についてもっと詳しく知りたい方は以下のサイトも参考にしてみてください。


一般職に応募する際の注意点

注意点‌ここまで民間企業、公務員の一般職について解説してきました。

ワークライフバランスを実現できる一般職はとても魅力的な職種です。

しかし、応募をする際にはいくつか注意点があります。

注意点を確認して、後悔のないファーストキャリアを選びましょう。

男性の応募も可能

「男子だから一般職は無理だろうな」と応募前に諦めていませんか?

男女雇用機会均等法制定以降、性別を理由とした差別は禁じられるようになりました。

厚生労働省が公表した「平成26年度コース別雇用管理制度の実施・指導状況(確報版)」によると、
‌一般職の男女比は、男性17.9%:女性82.1%になっています。

今後も男性の割合は増加していくことが予測されています。

自己分析を通じて性別に関係なく一般職に向いていると考えた方は、是非応募してみてください。

一般職だからといって入社は簡単ではない

なんとなく簡単そうといったイメージがある一般職ですが、実態は異なります。

総合職は200~300人程度採用する大手企業であっても、一般職は20名程度しか採用予定がないという場合が少なくありません。

総合商社丸紅において、毎年一般職を20~50人程度募集しているのに対して、3000人の学生が応募したという事例もあります。

「総合職で内定を取る自信がないから一般職にしておこう」という理由で一般職を志すのはおすすめできません。

倍率の高い一般職の選考を勝ち抜くには志望動機が重要です。

‌以下記事で一般職の志望動機について解説しているので参考にしてみてください。
‌【参考】【一般職の志望動機】ESや面接対策におすすめ|例文付き

併願ができない場合がある

企業によっては総合職と一般職を併願できない場合があります。

総合職の選考に応募する前に、練習のつもりで一般職を受けてしまうと、総合職に応募できなくなってしまう可能性があります。

応募前に必ず募集要項を確認するようにしましょう。

一般職と総合職で悩んだ時に考えること

悩んでいる人
一般職と総合職のメリット・デメリットはトレードオフになっており、決断をするのは簡単ではありません。

選択に悩んだ際は以下の3つのことを考えてみてください。

①自分がキャリアに何を求めるか

自分自身が仕事に何を求めているかは重要な評価要素です。

まずは、企業選びで重視する要素を書き出してみるとよいでしょう。

例えば
「地元に残りたい」
「趣味の時間を多くとりたい」
といったことを考えている人は一般職に向いているかもしれませんね。

自身の適性は何か

向いていない仕事は長く続きません。
そこで、自分自身がどんな業務に適性があるのかを、これまでの経験を踏まえて検討してみることをおすすめします。

以下に一般職に向いている人の特徴をまとめたので活用してみてください。


・事務処理能力が高い
・コツコツと業務に向き合える
・集中力が高い
・周囲の人をサポートしたい
・目立つのが苦手
・協調性がある
・ホスピタリティが高い


自己分析を通じて、自身のキャリアプランや得意不得意を認識し、自分に合ったキャリアを築きましょう。

自己分析の方法については以下の記事を参考にしてみてください。

キャリアチェンジができるか

キャリアチェンジとは「一般職から総合職」「総合職から一般職」にキャリアパスを変更することです。

昨今、少しずつキャリアチェンジを認める企業が増えつつあります。
働いているうちに入社時のキャリア観が変わっていく場合も少なくありません。

そういった際にキャリアチェンジ制度があることで、志向にあわせた人生設計を実現することができます。
そのため、応募先のキャリアチェンジの可否を確認しておくことをおすすめします。

キャリアチェンジ制度があったとしても、実際は、職種転換をすることが難しいという企業も少なくないため、慎重に応募コースを選択しましょう。

Matcherを活用して一般職に就職したOBOGの話を聞こう

Matcher
「どうしても総合職と一般職を決断できない!」という人は、Matcherを利用して、OBOG訪問を行ってみましょう。


Matcherは、出身大学・学年・学部関係なくOB・OG訪問ができるサービスです。

様々なバックグラウンドを持った社会人が登録しているため、一般職の実際の業務内容や、働き方などの話を聞くことができます。

‌‌【社会人の所属企業例(一部)】
三菱商事、伊藤忠商事、みずほ銀行、三井住友銀行、野村證券、日本生命、トヨタ自動車、本田技研工業、東レ、AGC、リクルート、NHK、日本テレビ、DeNA、サイバーエージェント、メルカリ、楽天、財務省、経済産業省、東京都庁など5000社

‌大手企業からベンチャー企業、中央省庁まであらゆる属性の社会人の方々が登録されています。歩まれてきたキャリアも多種多様。志望業界、志望企業に囚われず、様々な価値観に触れてみてください。

一般職の年収

一般職の年収について以下の画像で詳しく説明していますので、参考にしてみてください。
一般職 平均年収職種別年収

無くなる?一般職の将来性

AIに代替されないか不安な人‌「一般職に興味があるけれど、AIに代替されないか不安」とお悩みの就活生もいるかもしれません。

事実IBMではAIによる業務改善によって、バックオフィス業務が必要なくなり、採用を一時停止するとのことです。

しかし、一般職がすぐにAIに代替される可能性は高くありません。

AIの強みはルーティーンワークや単純作業スピード・正確性が強みです。

その一方で
「臨機応変に対応すること」
「わかりやすく説明すること」
「先を読んで行動すること」

などはAIが苦手な領域といえます。

業務内で先回りしてサポートしたり、状況に応じて適切に対応していくことでAIに代替されずに働き続けることができるでしょう。

また、先ほど紹介したように一般職の仕事は一般事務だけではありません。

経理事務や貿易事務の業務を通じて、金融や法律の知識を身に着けて専門性を高めていくことも重要です。


なぜ2つの採用コースがあるのか

「総合職」と「一般職」に採用コースが分かれたきっかけは「男女雇用機会均等法」で男女別の採用が廃止されたことです。

当初は男性=総合職、女性=一般職という風習が根強く残っていました。

しかし、昨今は女性の社会進出が進み、男性一般職も増加しつつあります。

おわりに

いかがでしたでしょうか?
ここまで説明した通り、一般職と総合職どちらを選択するかによって、人生設計が大きく変わります。

自己分析を徹底して、後悔のないキャリア選択を行いましょう。

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