
一貫性は必須?差がつくガクチカと自己PRの書き方を例文付きで解説
2023/01/10
ガクチカと自己PRに一貫性は必要?
そもそも、「ガクチカと自己PRの一貫性」とは何なのでしょうか。一貫性の意味を調べてみると、
「一貫性とは、最初から最後まで、ブレずに芯が通っていることである。」
上記のようになります。
すなわち、「ガクチカと自己PRの一貫性」とは、ガクチカと自己PRでエピソードが違っても、そこから得られる人間像は同様のものになるという意味に解釈できます。
それを踏まえたうえで、ガクチカと自己PRに「一貫性」は必須なのでしょうか。
結論としては、「必須ではないがあればより高い評価を得られる」です。
なぜなら、ガクチカと自己PRで異なる強みをアピールするよりも、1つの強みを強調した方がその強みに対する説得力が増すためです。
また1つの強みをアピールすることで、面接官の印象にも残りやすくなります。
「私はこんな人間です」と一言で言える強みをアピールすることで、面接官に覚えてもらいやすくなるということですね。
しかし、ガクチカと自己PRで違うエピソードを使いながら同じ強みをアピールするのが難しいという方もいるかと思います。
そんな方に向けて次章以降では
・ガクチカと自己PRで見られるポイントの違い
・自己PRとガクチカに一貫性を持たせる書き方
を紹介していきます。
ガクチカと自己PRで見られるポイントの違い・共通点

ベストなESを書くために、まず自己PRとガクチカでの違いや共通点を確認しましょう。
ガクチカと自己PRの違い
ガクチカと自己PRの違いは、①評価軸の違い
③時間軸の違い
の大きく2つに分かれます。
①評価軸の違い
まずは、評価軸の違いからです。
評価軸が違うということは、採用担当者に見られるポイントが異なるということです。
この違いを踏まえて文章を書かないと、
「せっかく頑張ってエントリーシートを書ききったのに、書類選考すら全く通らない…。」
なんてことになりかねません。
これからガクチカ・自己PRを書く方も、もう書いた方も是非参考にしてみてください。
〈ガクチカで見られるポイント〉
ガクチカで企業がチェックするポイントは、「その体験をどう業務に生かせるか」です。
つまり、会社に貢献できるポテンシャルを裏付ける学生時代の経験が求められているわけですね。
ただ、自分が熱中していた経験を書くだけでは良いガクチカとは言えません。
より説得力を持たせるために、論理性や客観性を意識することが重要です。
また、事実を並べるだけでなく、「なぜそれに打ち込んだのか」「その経験から何を得たのか」など、自分の考えを述べる事も大切です。
面接官としては、疑問が解消されることで納得感のある文章になります。
〈自己PRで見られるポイント〉
自己PRで企業がチェックするポイントは、学生の強みや能力です。
とはいえ、ただあなたの長所を並べただけでは効果的な自己PRとは言えません。
大切なのは、その強みが企業の求める人物像にどれだけマッチしているかです。
そのため、事前に志望企業の求める人物像を調べておくとよいでしょう。
また、ガクチカと同様に事実だけでなく、具体性や客観性を意識し、自分の考えを書くことで納得感のある文章を目指しましょう。
②時間軸の違い
次に、時間軸の違いについて説明します。
ガクチカと自己PRはどちらも自分のポテンシャルや強みを示す場です。
しかし、ガクチカは「過去」の経験から企業に貢献できるポテンシャルを問われているのに対して、「現在」の強みを問われているのが自己PRです。
まとめると、下記のようになります。
〈ガクチカと自己PRの時間軸の違い〉
①ガクチカは「過去」の経験から学生のポテンシャルを見ている
②自己PRは「現在」の学生の強みを見ている
この点も意識して書くとよりよいガクチカ・自己PRが書けると思います。
是非参考にして見てください。
ガクチカと自己PRの共通点
ガクチカと自己PRは別物として捉えられがちですが、1つ共通点があります。
それは「どちらも企業に貢献できるポテンシャルがあるかを見ている」という点です。
そのため、ガクチカも自己PRもその強みや経験をどう入社後に生かせるかをアピールできていなければ意味がないのです。
逆に言えば、企業から欲しい人材と思われるようなアピールさえできれば、ガクチカと自己PRの一貫性に悩む必要はないのです。
よって、ガクチカと自己PRを書く際には、それぞれ企業に見られるポイントを把握したうえで、最終的に企業に貢献できるポテンシャルをアピールすることを意識しましょう。
書き始める前に!一貫性のあるガクチカと自己PRを書くための2つの準備
ここでは、ガクチカと自己PRを書く前にするべき準備を解説します。
①自己分析を深めて、強みを明らかにしておく
1つ目は、自己分析を深めて、自分の強みを明らかにすることです。
一貫性のあるガクチカ・自己PRを書くには、1つの強みをいろいろなエピソードから説明する必要があります。
そこで自己分析を深めることで、自分の強みを初めて感じたエピソードや、その強みを発揮したエピソードなど、1つの強みを多面的に説明することができるようになります。
これにより、一貫性のあるガクチカ・自己PRを書くことができるのです。
また、自己分析はガクチカや自己PRを書く際だけでなく、就活全般に良い影響をもたらします。
例えば、面接で自分の性格や価値観、その背景となったエピソードを説明する際により説得力のある回答ができるでしょう。
また、志望企業が本当に自分にマッチしているか判断する際にも役立つはずです。
志望企業に評価されるため、そして就活全般をうまく進めるため、自己分析を深めましょう。
効果的な自己分析の方法は、下記記事でも解説しています。
②志望企業の求める人物像をチェックする
2つ目は、志望企業の求める人物像をチェックしておくことです。企業が求める人物像が分からなければ、ガクチカや自己PRで何をアピールするのが効果的か分かりません。
せっかく自己分析を終えて一貫性のあるガクチカ・自己PRが書けても、志望企業が求める人物像と全く合わない強みをアピールしてしまったらもったいないですよね。
例えば、伝統を重んじる社風の企業で、発想力や好奇心をアピールしたところで、自社に合わない人物と判断される可能性が高いでしょう。
そのため、まずは企業研究、OB・OG訪問で志望企業が求める人物像を把握することをオススメします。
下記記事も参考にしてみてください。
すぐマネできる!ガクチカと自己PRに一貫性を持たせた例文!

例文①1つの強みを強調する
最初に、1つの強みを強調するパターンについて解説します。
こちらはガクチカと自己PRで使っているエピソードは異なりますが、結果的には「負けず嫌い」をアピールしている例文です。


いかがでしょうか。
上記の例ではどちらも「負けず嫌い」をアピールしています。
同じ強みですが、違う側面からアピールすることで強みがより強調されますよね。
面接官側としても、複数の強みをバラバラに説明されるよりも、1つの強みを強調して説明された方が印象に残りやすいです。
「私はこんな人間です」と一言で言える強みをアピールすることが大切なんですね。
例文②似た強みをアピールする
次に、似た強みをアピールするパターンについて説明します。
こちらはガクチカと自己PRで別のエピソードを使いつつ、結果的には類似性のある強みをアピールしている例文です。


いかがでしょうか。
ガクチカでは「相手を理解しようとする力」、自己PRでは「周囲の状況を把握する力」をアピールしています。
一見すると異なる内容に思えますが、「周囲の状況を把握する」ためには、ヒアリングを行うなどして「相手を理解しようとする」必要があります。そのため、自分が置かれた状況を適切に分析し改善する提案ができる人材として、面接官の印象に残せるでしょう。
ガクチカと自己PRが同じネタになってしまう時の対処法
ガクチカと自己PRの内容がどうしてもかぶってしまう…。
そんな時、どうすればよいのでしょうか。
ここでは、2つの対処法をご紹介します。
①「事実」と「強み」で分ける
1つ目の対処法は、同じエピソードを「事実」と「強み」で分けることです。
ガクチカは「事実」を中心に、自己PRは「強み」を中心に書くとよいでしょう。
「事実」を中心に書くとは?
「事実」を中心に書くとは、あくまで自分が力を入れたことや、その結果どうなったのかという「事実」を書くことです。

上記の例では、「自分が何に力を入れたのか」「どんなことをしたのか」「その結果どうなったのか」という事実を中心に書いています。
「強み」を中心に書くとは?
「強み」を中心に書くとは、「事実」を通して得た「強み」や、「自分が大切にしている価値観」を中心に書くことです。

上記の例では、「自分がその経験を通してどんな価値観・強みを得たのか」ということを中心に書いています。
簡単な例ですが、同じ「焼肉屋でのアルバイト」というエピソードでも、「事実」と「強み」に分けることで内容がかぶってしまうことが防げます。
それどころか、同じエピソードを違う側面から説明することで、より自分の魅力を面接官に伝えることもできます。
ガクチカと自己PRの違いをきちんと意識して、それぞれに適した文章を書きましょう。
②正直に伝える
これはどちらかというと面接で使えるテクニックになりますが、正直にガクチカと自己PRの内容が同じであると伝えてしまうという手もあります。
重要なのは、伝えるときに「なぜガクチカと自己PRが同じエピソードなのか」という理由を面接官に伝えることです。
きちんと理由を伝えれば、面接官も納得してくれるはずです。
例えば、ガクチカの後に自己PRを聞かれて答える際に、
「先ほどのエピソードとかぶってしまいますが、私が大学生活で唯一真剣に向き合い、取り組んできたことなのでお話します。」
「先ほどのエピソードと被ってしまいますが、それほど私の人生に影響を与えた出来事なのでお話します。」
という一言があるだけで、印象がかなり変わります。
どうしても困った時は、使ってみてください。
ガクチカと自己PRの書き方
この章では、「ガクチカ・自己PRってそもそもどう書けばいいの?」という方に向けて、ここではガクチカと自己PRの基本的な作り方を解説します。
「もうガクチカや自己PRは完成しているよ!」という方も、自分のガクチカや自己PRをチェックする目的で目を通して見てください。
まずは、ガクチカの書き方についてご紹介します。ガクチカの書き方
ガクチカの文章構成
自己PRにも共通することですが、いきなり書き始めるのではなく、最初に文章構成を作ることが重要です。
文章構成を決めずに書き始めると、最終的に何を言いたいのか全く分からない文章ができてしまうためです。
ガクチカを分かりやすく伝えるフレームワークに、「S・T・A・R」というものがあります。
S・T・A・Rは、「状況」、「課題」、「行動」、「結果」を意味する英語の頭文字を取ったものです。
・Situation(詳細な状況)
・Task(抱えていた課題)
・Action(起こした行動)
・Result(そこで得られた結果)
ガクチカをこのフレームワークに当てはめて考えることで、エピソードを整理して伝えることができます。
より詳しい作り方については下記記事でも解説しているので、是非参考にしてみてください。
ガクチカが書けない人の対処法
「ガクチカで書けるエピソードがない!」という方も多いのではないでしょうか。
でも実は、ガクチカは誰でも書けます。
ガクチカが書けない本当の原因は、エピソードがないのではなくガクチカの認識を間違っているからです。
本人にとっては何気ないことでも、それが他の人から見たら「力を入れている」行動と思われることは多々あります。
これを明確にするために、自分が普段何気なく取り組んでいる活動をとにかく言語化して挙げてみることが大切です。
自己PRの書き方
次に、自己PRの書き方についてご紹介します。
自己PRの文章構成
自己PRをわかりやすく伝えるには、下記の文章構成で書くのがオススメです。
①結論(自分の強み)
②強みの根拠となる経験
④自分の価値観・信条
③強みがどう生きるか
まずは、自分の強みは何かという結論を書き出しましょう。
そこに根拠となるエピソードを加えることで説得力を持たせ、自分が普段から大切にしている価値観や・信条、入社後にその強みがどう生きるかなどを加えることで、より評価の高い自己PRを作れるでしょう。
自己PRが書けない人の対処法
自己PRもガクチカと同様に、華々しい経歴やとびぬけた経験でなければならないと思い込んでいる方が多いです。
しかし、自己PRにおいて大切なのはあなたの強みを入社後どのように活かせるか、すなわち「企業に貢献できるポテンシャルがあること」を企業に伝えることです。
そのため、特殊なエピソードは必要ありません。
自分が日常で大切にしている価値観や、日常的に行う習慣から、その人の強みはいくらでも見つけることができます。
まずは、どんな細かいエピソードでも構わないので、とにかく思いつく限り自分の性格が出るエピソードを書き出してみましょう。
そして、その中でやりがいを感じたことや、楽しかったこと、感情が動いたことを思い出してみましょう。
その中に、あなたが大切にしている価値観や、普段の習慣から現れる自分の強みが見えてくるはずです。
また、下記記事ではそれぞれの強みに合わせた自己PRの例文を掲載しています。
是非参考にしてみて下さい。
ガクチカと自己PRを書く時に注意すること

①エピソードに具体性を持たせる
1つ目のポイントは、エピソードに具体性を持たせることです。
なぜなら、具体性が強いほどエピソードが想像しやすく、企業側も学生を評価しやすくなるからです。
例えば、下記のような具体性のないガクチカではどう力を入れたのか想像しにくく、効果的なガクチカとは言えないでしょう。
【具体性のないガクチカの例】
私が学生時代に力を入れたことは、アーチェリー部の活動だ。試合で勝つために必死で練習を行った。その結果、大会で優秀な成績を残すことができた。
上記の例では、アーチェリー部の活動を頑張っていたことは分かりますが、どれくらい頑張ったのか、どれくらい凄い賞をとったのかイメージがつきにくいですよね。
ここに具体的な数字や行動、成績を入れた例が下記です。
【具体性のあるガクチカの例】
私が学生時代に力を入れたことは、アーチェリー部の活動だ。関東1位を目指すため、週5の部活動の練習に加え、毎日1時間の自主練習を3年間毎日続けた。その結果、練習の成果が実を結び、大学3年の大会では関東1位を達成することができた。
いかがでしょうか。
【具体性のあるガクチカの例】では、「必死で」「優秀な成績」などのあいまいな表現を減らし、具体的な数値や実績を用いています。
誰でも分かる数値や実績を用いることで、より場面がイメージしやすく、魅力が伝わりやすくなりますよね。
エピソードに具体性を持たせることが説得力のある文章を作成するコツです。
②企業が見ているポイントを意識する
2つ目のポイントは、企業に見られているポイントを意識することです。
ガクチカと自己PRの違いで、それぞれ企業から見られているポイントを解説しました。
このポイントからズレないように意識しながらエピソードを書くことが重要です。
ガクチカや自己PRを書く目的は、「自分は企業に貢献できる人材である」ことをアピールすることです。
企業が見ているポイントを知らないと、的外れな回答になり、せっかくアピールしても効果的とは言えません。
質問の意図をくみ取ることは、社会人として働く上でも重要なスキルです。
意図に沿わない回答をしないように、企業が見ているポイントをしっかり意識しながらガクチカ・自己PRを書くことが重要です。
③ガクチカと自己PRで矛盾がないようにする
3つ目のポイントは、ガクチカと自己PRで矛盾がないようにすることです。
基本的に一貫性のあるガクチカ・自己PRを書こうとした際に矛盾が生まれることは少ないでしょう。
ただし、同じエピソードでガクチカ・自己PRを書く際には注意が必要です。
同じエピソードでガクチカ・自己PRを書く場合、面接官はそのエピソードに対する情報が通常の2倍得られることになります。
情報の量は多ければ多いほど想像しやすくなり、矛盾やほころびを見つけやすくなるため、質疑応答の際などには注意が必要です。
自分では気づけないこともあるため、作成した文章を提出する前に誰かに読んでもらったり、深堀りをしてもらったりと、矛盾がないか確認することが大切です。
④語尾をととのえる
4つ目のポイントは、語尾をととのえることです。
意外に思われるかもしれませんが、実際、「です。ます。」と「だ。である。」が混在している文章をしばしば見かけます。
どれだけ優れた文章だとしても、語尾がととのっていないだけで企業からの評価は大きく下がる可能性があります。
外部に提出する文章をチェックしない怠惰な学生だと判断されてしまうからです。
また、一文が長くなりすぎる場合や、同じ語尾がずっと続く文章も違和感を感じやすいため、文章が完成したらこれらを意識して文章を見返してみましょう。
⑤作ったものは添削してもらう
5つ目のポイントは、作成した文章は必ず添削してもらうことです。
自分が作成した文章を自分で読み返しても、違和感を感じにくい事があります。
そのため、自分が作った文章は必ず誰かに読んでもらい、添削をお願いしましょう。
家族や友人、もし可能であればOB訪問で接点を持った社会人の方に読んでもらうのが良いでしょう。
意外な箇所で間違いや矛盾を発見してもらえるかもしれません。
友人や親に見せるのに抵抗がある方は、手軽に見てもらえる大学のキャリアセンターや就活エージェント等を活用することがオススメです。
大学のキャリアセンターも就活エージェントも多数のESの添削経験があるため、気軽に受けてもらえるはずです。
Matcherに登録してES対策をしよう

※Matcherご登録後、登録確認メールの添付ファイルにてお送りいたします。
Matcherとは..
OB訪問機能とスカウト機能を兼ね備えた就活プラットフォーム。所属大学に関係なくOB訪問を行えるほか、プロフィールを充実させるだけでスカウトをもらうことができます。就活対策にご利用ください。Matcherに登録する(無料)