理系の職業一覧|おすすめの特徴と選び方を完全解説

2026/06/18
職種研究
業界の仕事内容
就活準備
著者
Matcher編集部
OB・OG訪問サービス「Matcher」の編集チーム。就職活動やキャリア選択に関する情報を、学生の視点に立ってわかりやすく発信。Matcherの運営を通じて蓄積した知見をもとに、自己分析、業界研究、企業研究、ES・面接対策など、就職活動に役立つコンテンツを企画・制作する。
監修
西川 晃平
Matcher株式会社代表取締役。OB・OG訪問サービス「Matcher」の立ち上げおよび運営を担う。就職活動における情報格差・機会格差の解消を目指し、学生が社会人に気軽に相談できる仕組みを構築。自身も学生からの就職活動相談に応じ、自己分析、ES添削、面接対策、キャリア選択など幅広い領域で支援を行う。
目次
1.
理系の職業とは
2.
理系の職業一覧
3.
理系の職業の年収
4.
理系の職業の選び方
5.
理系に求められる能力
6.
将来性のある理系の職業
7.
理系に役立つ資格
8.
なりたい職業がない場合の対処法
9.
よくある質問
10.
まとめ
理系の職業には、研究開発やIT、医療、環境エネルギーなど幅広い分野があり、「自分にはどんな仕事が向いているのか」「専攻をどう活かせばいいのか」「将来性や年収はどうなのか」と悩む理系就活生も多いでしょう。

本記事では、理系の職業一覧年収職業の選び方をはじめ、理系に求められる能力将来性のある職業について詳しく解説します。さらに、理系に役立つ資格や、なりたい職業がない場合の対処法などについても紹介しています。

自分に合ったキャリアを見つけたい方は、ぜひ参考にしてください。

理系の職業とは

理系の職業とは、理学・工学・医学・農学・薬学など、自然科学分野で学んだ知識や技術を活かして働く職業のことです。大学や大学院で培った専門知識をもとに、研究成果や技術を実用化へとつなげていく役割を担います。

文系職が営業・企画・事務・マーケティングなど「人や情報を扱う仕事」が中心である一方、理系職は「技術やデータを活用して課題を解決する仕事」が多い傾向にあります。ただし、近年はIT化やDX推進により、文系職でも理系の知識が求められる場面が増えています。

理系職に適性がある人の特徴としては、以下のような点が挙げられます。

▼理系職に適性がある人の特徴
・新しい技術やアイデアを生み出すことが好き
・データや根拠をもとに論理的に考えられる
・課題に対して粘り強く改善や検証を続けられる
・専門知識を学び続けることに抵抗がない
・研究開発や技術革新に興味がある
・チームで協力しながらものづくりや開発を進められる
・新規事業やスタートアップなど、新しい挑戦に関心がある
・製造・インフラ・ITなど社会基盤を支える仕事にやりがいを感じる
・医療・金融・サービス業など幅広い業界で専門性を活かしたい

近年は、理系職に対して「研究者・技術者」だけでなく、イノベーション創出や新規事業、DX推進など多様な分野での活躍が期待されています。そのため、専門知識だけでなく、課題発見力やコミュニケーション力、変化への対応力なども重要になっています。

理系の職業一覧

理系の職業は、専門分野や活躍領域によって主に「理工学系」「医療・生命科学系」「情報技術系」「環境・資源系」の4つに分けられます。

それぞれの代表的な職種は以下のようになります。

▼理工学系の代表的な職種
・機械設計者
・電子回路設計者
・製造技術者

▼医療・生命科学系の代表的な職種
・医師
・薬剤師
・MR
・バイオエンジニア

▼情報技術系の代表的な職種
・AIエンジニア
・SE
・データサイエンティスト

▼環境・資源系の代表的な職種
・環境技術者
・資源開発技術者
・再生エネルギー技術者

次から、これらの職種について詳しく解説します。

理工学系の職業

理工学系の職業は、ものづくりや製品開発を支える業務が中心です。

代表的な職種として、機械設計者・電子回路設計者・製造技術者があります。以下で各職種の業務内容・必要なスキル・平均年収をご紹介します。

◯機械設計者
機械設計者は、自動車や産業機械、家電などの機械製品を設計・開発する職種です。顧客の要望や市場ニーズをもとに、設計図を作成し、安全性やコスト、性能を考慮しながら製品開発を進めます。

◯電子回路設計者
電子回路設計者は、スマートフォンや家電、自動車などに搭載される電子回路基板を設計する職種です。製品の仕様書をもとに、電子機器が正しく動作するよう回路を設計し、シミュレーションや試作品の検証を繰り返しながら製品化を目指します。

◯製造技術者
製造技術者は、食品・電機・機械・化学メーカーなどで、生産工程の設計や品質管理、生産効率の改善を行う職種です。製品を安定して大量生産できるよう、生産ラインや設備の管理・改善に携わります。

‌また、新製品の開発段階では、生産方法や設備計画を検討し、量産化に向けた工程設計を行うこともあります。

各職種に必要なスキルと平均年収は以下の通りです。
理工学系の職業に必要なスキルと平均年収

医療・生命科学系の職業

医療・生命科学系の職業は、人々の健康や医療を支える業務が中心です。

代表的な職種として、医師・薬剤師・MR・バイオエンジニアがあります。以下で各職種の業務内容・資格要件・将来性を紹介します。

◯医師
医師は診察や治療、手術などを通じて患者の健康を支える職種です。資格要件は、医学部卒業後の国家試験合格と臨床研修修了です。

将来的には、高齢化により需要が高まる一方、医師数増加による競争激化も想定されます。

◯薬剤師
薬剤師は病院や薬局で調剤や服薬指導、薬の管理を行う職種です。資格要件は、薬学部卒業後の国家試験合格です。

将来的には、供給過多の可能性があり、地域によって競争が生じると考えられます。

◯MR
MR(医薬情報担当者)は製薬会社の社員として医薬品情報を医師などに提供する職種です。資格要件は特にないですが、多くは入社後にMR認定試験を取得します。

将来的には、AIや医療情報サイトの普及により訪問型営業の重要性が低下し、必要数が減少すると想定されます。

◯バイオエンジニア
バイオエンジニアは生物の機能を活用し、医療・食品・環境分野で研究開発を行う職種です。資格要件は特にないですが、理学・薬学・農学・工学などの専門知識が求められます。

将来的には、再生医療や創薬などで需要が拡大し、官民投資の拡大も背景に成長が期待されます。

情報技術系の職業

情報技術系の職業は、ITやデータを活用して社会や企業の課題を解決する業務が中心です。

代表的な職種としてAIエンジニア・SE・データサイエンティストがあります。以下で各職種の特徴・求められるプログラミング言語を紹介します。

◯AIエンジニア
AIエンジニアはAI(機械学習・ディープラーニング)を活用し、画像認識・自動運転・医療診断・異常検知などのAIシステムを開発する職種です。

膨大なデータを用いた学習や高性能な計算環境が必要で、最新論文の調査など継続的な知識更新が求められる点が特徴です。

AIエンジニアに求められる主なプログラミング言語は以下の通りです。

▼求められるプログラミング言語
・Python
・Julia
・JavaScript
・C言語
・C++
・R
・Java
・Haskell
・Matlab

◯SE
SE(システムエンジニア)は、顧客の要望や社会のニーズに基づいて、情報システムやWebサービスを設計・開発する職種です。

業務は要件定義から設計、開発、テスト、導入、運用・保守までと幅広く、システム開発の全工程に関わる点が特徴です。

SEに求められる主なプログラミング言語は以下の通りです。

▼求められるプログラミング言語
・Java
・JavaScript
・Ruby
・PHP
・Python
・C言語
・GO言語

◯データサイエンティスト
データサイエンティストは、ビッグデータ(大量のデータ)を分析し、新たな商品・サービスの創出や業務プロセスの改善に貢献する職種です。

ビジネス環境の変化に応じてモデルを継続的に改善する必要があり、分析から実装・改善までの一連の流れを繰り返し行う点が特徴です。

データサイエンティストに求められる主なプログラミング言語は以下の通りです。

▼求められるプログラミング言語
・Python
・R
・SQL
・Julia
・Java 
・Scala

環境・資源系の職業

環境・資源系の職業は、環境問題の解決やエネルギー・資源の有効活用に関わる業務が中心です。

代表的な職種として環境技術者・資源開発技術者・再生エネルギー技術者があります。以下で各職種の社会貢献度の高さを紹介します。

◯環境技術者
環境技術者は、大気・水・土壌などの環境状態を調査・分析し、環境問題の解決や自然環境の保全に技術面から貢献する職種です。

環境技術者の具体的な社会貢献事例は、以下の通りです。

▼環境技術者の社会貢献事例
・工場の排出ガスや排水などを調査し、大気汚染や水質汚染の防止に貢献している
・河川や海、土壌の状態を分析し、自然環境や生態系の保全を支えている
・騒音や化学物質などの公害調査を行い、人々が安心して暮らせる環境づくりを支えている
・企業や自治体へ環境対策の提案を行い、持続可能な社会づくりに貢献している

◯資源開発技術者
資源開発技術者は、石油・天然ガス・レアメタルなどの天然資源を安定して確保するために、探査や採掘、技術開発などを行う職種です。

資源開発技術者の具体的な社会貢献事例は、以下の通りです。

▼資源開発技術者の社会貢献事例
・資源の探査・生産における生産性および経済性の向上
・未利用資源の開発・有効活用の推進
・資源開発時の環境負荷を低減する新技術の開発
・資源国への先端技術の提供および技術支援の実施

◯再生エネルギー技術者
再生エネルギー技術者は、太陽光発電や風力発電、蓄電池、地熱発電などの再生可能エネルギー関連設備の設計・導入・保守管理を行う職種です。

再生エネルギー技術者の具体的な社会貢献事例は、以下の通りです。

▼再生エネルギー技術者の社会貢献事例
・再生可能エネルギーの導入・普及による脱炭素社会の実現への貢献
・再生可能エネルギー設備の保守・管理による安定したクリーンエネルギー供給の支援
・海外資源への依存度低減を通じたエネルギー安全保障の強化
・蓄電池や分散型エネルギーシステムの普及による災害時のエネルギー供給体制の強化

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ここまで、理系職を4つの分野に分けて代表的な職種を紹介しました。しかし、理系職には他にもさまざまな職種があります。

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理系の職業の年収

独立行政法人経済産業研究所の調査によると、男性の文系出身者の平均年収は559.02万円(平均年齢46歳)であるのに対し、理系出身者は600.99万円(平均年齢46歳)となっています。このことから、理系職は文系職と比べて年収水準が高い傾向にあるといえます。

また、理系職種の高収入職種や業界別の比較ポイントは以下のとおりです。

▼高収入職種のポイント
・高度な専門性や資格が必要
・社会的責任が大きく、安定性が高い
・社会インフラや人々の生活を支えている

▼業界別比較の要点
・IT業界:スキル次第で大きく年収が伸びる
・医療業界:職種による年収差が大きい
・製造業界:安定性が高く中程度の年収水準
・金融業界:安定性と高年収の両面を持つ

以下で詳しく解説します。

高収入な職種ランキング

先ほども紹介した通り、理系職は文系職と比べて年収水準が高い傾向にあるといえます。

以下はその中でも特に年収の高い理系職種トップ5です。

▼高収入な理系職種トップ5
1位:医師|約1,460万円
2位:航空機操縦士(パイロット)|約1,362万円
3位:大学教授(高専含む)|約1,096万円
4位:歯科医師|約1,091万円
5位:大学准教授(高専含む)|約868万円

理系職種の中で高収入となる職種は、いずれも長期間にわたる専門教育や実務経験を通じて培われる高度な専門性や資格が必要であることが分かります。また、医療や教育、航空など社会的責任が大きく、安定性が高い職種が多い傾向にあります。さらに、社会インフラや人々の生活を支える重要な役割を担う職種ほど年収が高い傾向にあることも読み取れます。

ここからは、特に就活生に人気な医師・クオンツ及びアクチュアリー(※)・AIエンジニアそれぞれの詳細な年収を紹介します。

各職種の平均年収は以下のようになりました。
医師・クオンツ・AIエンジニアの詳細年収
※クオンツ・アクチュアリーとは…
クオンツとは、高度数学や金融工学を用いて市場動向の分析や金融商品の開発・投資戦略立案を行う専門職です。アクチュアリーは、確率論・統計学などの手法を用いて保険や年金などの分野における不確定な事象を扱います
どちらも数理的手法を活用し、金融分野のさまざまな仕事に携わることができます。

業界別の平均年収比較

本項では理系職の中でもIT・医療・製造・金融業界の平均年収を比較し、それぞれの業界を選択するうえでのポイントを紹介します。

各業界の平均年収は以下のようになりました。

▼IT・医療・製造・金融業界の平均年収
・IT業界 →約611万円
・医療業界→約356万円
・製造業界→約521万円
・金融業界→約682万円

各業界の平均年収を比較すると、それぞれに特徴的な傾向が見られます。‌
金融業界は平均年収が高く、安定しており、IT業界もスキル次第で高収入を目指せます
‌一方で製造業界は安定性があるものの年収は中程度の水準となり、医療業界は職種によって大きく差があり、医師などの専門職を除くと年収は低水準となっています。

ただし、これらは業界全体の平均値であり、実際の年収は職種・スキル・資格・勤務先などによって大きく変動します。そのため業界選択では、年収の高さだけでなく、自分の興味や適性、将来性、働き方との相性などを総合的に考慮することが重要です。

理系の職業の選び方

理系の職業選びでは、「得意分野との適合性」と「働き方の希望」の観点が重要です。自分の専門性や興味に加え、どんな働き方をしたいのか踏まえて選ぶことで、長期的に満足度の高いキャリア形成につながります。

選択する際の優先順位は以下のようになります。

▼選択する際の優先順位
1位:得意分野との適合性
2位:働き方の希望

以下で詳しく解説します。

得意分野から選ぶ

理系の職業選びの1つ目の方法は「得意分野から選ぶ」です。

専攻分野で培った知識やスキルを活かせる職種に就くことで、学びと仕事の連続性が生まれ、業務理解がスムーズになり、成果も出しやすくなります。また、自分の強みを発揮できるため、仕事への納得感が高まり、長期的に満足度の高いキャリア形成につながりやすいです。

以下は各理系学部に適した職種を表にまとめたものです。キャリア選択の参考にしてみてください。
理系の学部別おすすめ職種

理系学部では多くの学生が「製造業」に進みますが、その内容は学部ごとに異なります。工学系は自動車・電機などのものづくり農学系は食品・飲料理学系は化学・半導体保健系は製薬・医療機器分野との相性が良いです。

また、「情報通信業界」も幅広い理系学生の進路先となっています。システム構築に直結する工学系だけでなく、理学系や農学系など、今や多くの理系学生が専門性を活かして挑戦できる業界となっています。

さらに保健系は、「医療・福祉分野」で国家資格を活かして働く人が多いです。

働き方から選ぶ

2つ目の方法は「働き方から選ぶ」です。

‌仕事内容だけでなく、リモートワークの可否、転勤の有無、残業時間などの働き方によって、仕事の満足度や生活の充実度は大きく変わります。自分が「安定した生活を送りたい」「私生活も重視したい」など、どのような働き方を理想とするかを明確にしたうえで職種を選ぶことが大切です。

ワークライフバランス重視の理系職種には以下のようなものがあります。

▼ワークライフバランス重視の理系職種
・社内SE
・品質管理・品質保証
・データサイエンティスト
・公務員技術職
・大学職員・研究支援職
・医療機器メーカーの技術職

厚生労働省の労働時間データを見ると、2025年度の月あたりの労働時間は、教育・学習支援業(122.3時間)や医療・福祉(128.4時間)は、比較的短いのに対し、製造業(155.5時間)情報通信業(156.9時間)は比較的に労働時間が長い傾向があります。これ以外にも有給休暇率やリモートワークの可否、転勤の有無なども確認したうえで自分に合った働き方ができる職種を選ぶことが重要です。

理系に求められる能力

理系職種で主に重視される能力は以下の通りです。

▼理系職業で重要な能力
・論理的思考力:物事を整理し、根拠に基づいて結論を導く力
・問題解決能力:原因を分析し、改善策を考えて実行する力
・専門知識の習得力:知識や技術を継続的に学び、変化に対応する力
・チーム協働力:周囲と連携し、役割分担や情報共有を行いながら成果を生み出す力

また、各能力を向上させる具体的な方法は以下の通りです。

▼論理的思考力向上の方法
・フレームワークを学ぶ
・結論から分かりやすく伝える練習をする
・実践的な課題に挑戦する
・第三者からのフィードバックをもらう

▼問題解決能力向上の方法
・なぜなぜ分析を行う
・PDCAサイクルを実践する
・ロジカルシンキングを鍛える
・クリティカルシンキングを身につける
・ゼロベース思考を意識する

▼専門知識の習得力向上の方法
・学びたい分野を明確にする
・学び続ける姿勢を持つ
・自分に合った学習方法を選ぶ

▼チーム協働力向上の方法
・情報共有の徹底
・フィードバックの仕組み化
・業務外コミュニケーションの促進
・役割分担と裁量の明確化

以下でそれぞれ詳しく解説します。

論理的思考力

論理的思考力は、データ分析や問題解決において重要な能力です。例えば、研究開発では、実験結果や数値データから原因を整理し、根拠をもとに仮説を立てる場面が多くあります

論理的思考力を高める方法は以下の通りです。

◯フレームワークを学ぶ
MECE(※1)やロジックツリー(※2)を活用し、情報を整理する練習を行います。また、ファクトベース(※3)やゼロベース(※4)で考える習慣をつけることで、根拠をもとに考える力を身につけられます。

◯分かりやすく伝える練習をする
本や論文、ニュースなどから得た情報を整理し、「結論→理由→具体例」の順で説明する練習を行います。研究発表やレポート作成で実践すると効果的です。

◯実践的な課題に挑戦する
ディベートやフェルミ推定(※5)に取り組むことで、限られた情報から仮説を立て、論理的に考える力を鍛えられます。

◯第三者からフィードバックをもらう
課題に取り組んだ後に周囲から改善点をもらうことで、自分では気づきにくい思考の偏りや説明不足を把握できます。

(※1)MECE:情報を漏れなく・重複なく整理する考え方
(※2)ロジックツリー:問題や原因をツリー状に分解して整理する手法
(※3)ファクトベース:事実やデータをもとに考えること
(※4)ゼロベース:先入観にとらわれず考えること
(※5)フェルミ推定:限られた情報から概算を導き出す思考法

問題解決能力

問題解決能力は、研究開発や品質管理、システム開発などで重要な能力です。例えば、製品不良や実験失敗が起きた際には、データをもとに原因を分析し、仮説を立てながら改善を進めます。この際に活用されるのがPDCAサイクルです。

▼PDCAサイクルの流れ
・Plan(計画):原因分析と改善策の立案
・Do(実行):実験や改善策の実施
・Check(検証):結果を分析し効果を確認
・Action(改善):課題を修正し再実行

問題解決能力を高める方法は以下の通りです。

◯なぜなぜ分析を行う
問題が起きた際に「なぜ?」を繰り返し、原因を深掘りする方法です。表面的な原因ではなく、根本原因を特定する力を身につけられます。

◯PDCAサイクルを実践する
「計画→実行→検証→改善」を繰り返し行うことで、継続的に改善する力を養えます。研究や開発現場でも広く活用されています。

◯ロジカルシンキングを鍛える
MECEやロジックツリーを活用し、情報や原因を整理する練習を行います。論理的に考えることで、問題解決や意思決定の精度が向上します。

◯クリティカルシンキングを身につける
「本当に正しい前提か?」と疑いながら考えることで、思考の偏りや先入観を減らし、客観的に判断する力を養えます。

◯ゼロベース思考を意識する
既存の考え方にとらわれず、白紙の状態から考える習慣をつけることで、新しいアイデアや改善策を生み出しやすくなります。

専門知識の習得力

専門知識の習得力は、継続的な学習と技術トレンドへの対応が求められる業界で重要な能力です。例えば、医療や化学分野では、新薬や新技術の研究が進むため、論文や学会を通じた継続的な知識の更新が欠かせません

専門知識を高める方法は以下の通りです。

◯自分が学びたい分野を明確にする
将来の目標や興味のある分野を定めることで、学習の方向性を明確にできます。

◯学び続ける姿勢を持つ
論文・ニュース・学会などを活用し、技術トレンドを常に把握し続けることが重要です。

◯自分に合った学習方法を選ぶ
本・動画・セミナーなど自分に合った方法で継続的に学習することで知識の定着が進みます。また、研究室の教授や現場の技術者などの人脈を広げ、専門家から直接学ぶことも有効です。

チーム協働力

チーム協働力は、研究開発やシステム開発などのプロジェクト型業務で重要な能力です。例えば、医薬品の研究開発では、研究担当者が実験データを共有し、品質管理担当や製造担当と連携しながら、安全性や成分の改善点を検討します

チーム協働力を高める方法は以下の通りです。

◯情報共有の徹底
仕様書・議事録・管理ツールを活用し、情報を誰が見ても理解できる形で可視化します。例えばシステム開発では、仕様変更や課題をチケット管理ツールに記録することで、認識のズレや手戻りを防ぎます。

◯フィードバックの仕組み化
研究や開発では、失敗を個人の問題で終わらせず、実験データやログをもとに原因を分析し、チーム全体で改善点を共有します。これにより、経験が知見として蓄積されます。

◯業務外コミュニケーションの促進
朝会での短い雑談や定期的な交流の場を設けることで、メンバー間の相互理解が深まり、相談や意見交換がしやすい関係性を構築できます。

◯役割分担と裁量の明確化
設計・開発・テストなど役割を明確に分け、それぞれに責任と一定の裁量を持たせることで、意思決定の迅速化とチーム全体の生産性向上につながります。

将来性のある理系の職業

「AI・データサイエンス分野」「医療テクノロジー分野」「再生可能エネルギー分野」は、理系職が活躍している市場の中でも特に高い成長が期待される領域です。

これらの市場が拡大している背景は以下の通りです。

▼AI・データサイエンス分野の市場拡大の背景
・IoT・SNS・マルチメディアなどの普及によるデータ使用量の急増
・AI・ビッグデータなど研究開発投資の拡大による技術革新
・新興国(アフリカ、ブラジル、GCCなど)でのデータ活用基盤の普及

▼医療テクノロジー分野の市場拡大の背景
・政府・企業による医療AI技術への研究開発投資の拡大
・発展途上地域における医療AI導入支援・資金調達の増加

▼再生可能エネルギー分野の市場拡大の背景
・政府による再生可能エネルギーの開発・利用を促進するための法整備の推進
・イギリスによる、インドの再生可能エネルギー事業に対する総額12億米ドルの投資

以下でそれぞれ詳しく解説します。

AI・データサイエンス分野

AI・データサイエンス分野は、IoTやビッグデータの普及を背景に急速な成長を続けています。世界のAI・データサイエンス分野の市場規模は2025年に1,711億6,000万米ドルと評価されており、2034年には9,750億米ドルまで拡大すると予測されています。

こうした市場拡大に伴い、AIモデルの開発・運用を担うAI技術者や、データ分析を通じて企業の課題解決を支援するデータサイエンティストの需要は今後さらに高まると考えられます。

AI技術者には、数学・統計学、Python、機械学習(※1)、ディープラーニング(※2)などの知識が求められます。一方、データサイエンティストには、統計学、Python、SQL(※3)、データ分析のスキルが必要です。

各職種の学習ロードマップは以下の通りです。

▼AI技術者の学習ロードマップ
LEVEL 0:AIや機械学習の基礎を学ぶ
LEVEL 1:数学・Python・機械学習を習得する
LEVEL 2:論文の読解やモデル開発を行う
LEVEL 3:独自の研究・開発に取り組む

▼データサイエンティストの学習ロードマップ
LEVEL 0:AIや機械学習の基礎を学ぶ
LEVEL 1:数学・Python・SQLを習得する
LEVEL 2:データ分析や機械学習を実践する
LEVEL 3:課題設定から分析・提案まで主体的に行う

(※1)機械学習:データから規則性を学び、予測や分類を行う技術。
(※2) ディープラーニング:ニューラルネットワークを用いたAI技術。
(※3)SQL:データベースを操作するための言語。

医療テクノロジー分野

医療テクノロジー分野は、高齢化の進展や医療ニーズの高度化を背景に成長を続けています。世界の医療テクノロジー分野の市場規模は2025年に393億4,000万米ドルと評価されており、2034年には1兆332億7,000万米ドルまで拡大すると予測されています。

こうした市場拡大に伴い、医療機器の研究・開発を行う医療機器開発者や、バイオテクノロジーを活用して医療技術の発展を支えるバイオエンジニアの需要は今後さらに高まると考えられます。 

各職種の高齢化社会における需要増加の具体例は以下の通りです。

▼医療機器開発者の需要増加の具体例
・高齢化による医療需要の増加を背景とした、AI診断支援システムや患者モニタリング機器(※1)の導入拡大
・医療従事者不足への対応に向けた、業務効率化を実現する医療機器の開発
・低侵襲手術(※2)の普及に伴う、手術支援ロボットの開発拡大

▼バイオエンジニアの需要増加の具体例
・高齢化に伴う慢性疾患患者(※3)の増加による、新薬開発や創薬研究の活発化
・AIを活用した創薬や遺伝子解析の研究開発の推進
・個別化医療の普及に伴う、診断・治療技術の開発

(※1)患者モニタリング機器:心拍数や血圧などを継続的に測定する医療機器。
(※2)低侵襲手術:身体への負担を抑えるため、傷口を小さくして行う手術。
(※3)慢性疾患患者:高血圧や糖尿病など、長期的な治療が必要な患者。

再生可能エネルギー分野

再生可能エネルギー分野は、脱炭素社会の実現やエネルギー需要の増加を背景に成長を続けています。世界の再生可能エネルギー市場規模は2025年に1兆787億米ドルと評価されており、2034年には1兆8,385億7,000万米ドルまで拡大すると予測されています。

‌こうした市場拡大に伴い、再生可能エネルギー関連設備の開発・運用を担うエネルギー技術者や、エネルギー効率の向上や環境負荷の低減に取り組む環境技術者の需要は今後さらに高まると考えられます。 
各職種の脱炭素社会実現貢献の具体例は以下の通りです。

▼エネルギー技術者の貢献事例
・再生可能エネルギー関連設備の設計・開発、運用管理による再生可能エネルギー普及の推進
・スマートグリッド(※1)や蓄電池システム(※2)の開発・導入によるクリーンエネルギーの安定供給の実現
・発電予測技術やエネルギー管理システム(※3)の活用による再生可能エネルギーの効率的な運用支援

▼環境技術者の貢献事例
・エネルギー利用の効率化や省エネルギー技術の開発による温室効果ガス排出量の削減
・再生可能エネルギー設備の導入支援や環境負荷の少ないエネルギーシステムの構築
・電気自動車(EV)や分散型エネルギー資源(DER)(※4)の活用促進による持続可能な社会の実現支援

▼用語解説
(※1)スマートグリッド:ICT(情報通信技術)を活用して電力の需給を最適化し、再生可能エネルギーを効率的に活用する次世代型電力網。
(※2)蓄電池システム:発電した電力を蓄え、必要なタイミングで供給するシステム。再生可能エネルギーの出力変動を補い、安定供給を支える。
(※3)エネルギー管理システム(EMS):電力の使用状況や発電量を監視・制御し、エネルギー利用の効率化を図るシステム。
(※4)分散型エネルギー資源(DER):太陽光発電、風力発電、蓄電池、電気自動車(EV)など、需要地の近くで発電・蓄電を行う小規模なエネルギー設備の総称。

理系に役立つ資格

理系職種では、資格を取得することで専門知識や技術力を客観的に証明できます。

理系向けの資格は、「汎用性が高い資格」「専門性が高い資格」「転職で有利な資格」の3つに分類できます。

▼汎用性が高い資格
・TOEIC:英語力を証明でき、グローバル企業で評価される
・基本情報技術者試験:ITの基礎知識を証明できる
・統計検定:データ分析スキルを証明できる

▼専門性が高い資格
・医師免許:医師として働くために必須
・薬剤師免許:薬剤師として働くために必須
・技術士:高度な技術力を証明できる
・電気主任技術者:電力・エネルギー分野で評価される
・危険物取扱者:化学物質や危険物を扱う業務で役立つ

▼転職で有利になりやすい資格
・応用情報技術者試験:IT分野の応用力を証明できる
・情報処理安全確保支援士:情報セキュリティの専門性を証明できる
・QC検定(品質管理検定):品質管理の知識を証明できる
・公害防止管理者:環境分野の専門知識を証明できる

資格は自身の目指す職種や業界に合わせて取得することで、就職やキャリアアップに役立ちます。



なりたい職業がない場合の対処法

理系学生の中には、「興味のある分野はあるけれど、なりたい職業が決まらない」という人も少なくありません。その場合は、以下の3つのステップで視野を広げてみましょう。

▼【3STEP】なりたい職業がない場合の対処法
・自己分析を行い、自分の強み・価値観・興味を整理する
・インターンシップに参加し、実際の仕事内容や業界理解を深める
・異分野の職種にも目を向け、選択肢を広げる

以下でそれぞれ解説します。

自己分析の深め方

理系の職業選択では、専門知識だけでなく自己分析を通じて「強み・価値観・興味」を明確することも大事です。自己分析が不十分だと、適性のある職種を見逃す可能性があります。

強みは「研究や実験で評価された点」「課題解決で工夫した経験」などから整理し、価値観は「安定性」「成長環境」「社会貢献」など仕事に求める軸を言語化します。興味は「どの分野の課題に関心があるか」を基準に具体化することで、適職の方向性が見えやすくなります。

自己分析に役立つ理系向け適性診断ツールは以下の通りです。

▼理系向け適性診断ツール

これらを併用することで、自分では気づきにくい適性も客観的に把握できます。

インターンシップの活用法

理系学生にとってインターンシップは、研究や授業だけでは分からない「実務のリアル」を知る重要な機会です。

理系に特化したインターンシップは、以下のサイトから探すことができます。

▼理系に特化したインターンシップの見つけ方

これ以外にも、マイナビやリクナビなどの大手求人サイトで、「技術職」「研究開発職」「データ分析」などのキーワードを用いて検索することでも、理系向けのインターンシップを見つけることもできます。

また、インターンシップに参加する際は、単なる職業体験で終わらせず、以下を意識することが重要です。

▼業界理解を深めるインターンシップの具体的な取り組み方
・現場社員の業務内容や1日の流れを確認する
・必要とされるスキル・知識を具体的に質問する
・自分の専攻や研究内容がどう活かせるか整理する
・複数企業を比較し業界ごとの違いを把握する

さらに、参加後には「学んだこと」「向き・不向き」「興味の変化」などを言語化することで、業界理解が深まり、職種選択の精度が高まります。

異分野への挑戦方法

理系学生は技術職や研究開発職だけでなく、理系スキルを活かした文理融合職へのキャリア展開も可能です。

代表的な文理融合職は以下の通りです。

▼理系スキルを活かせる文理融合職
・技術営業:製品や技術の専門知識を使いながら、顧客の課題を解決する提案を行う職種
・ITコンサルタント:企業の課題をITやデータを活用して解決する職種
・プロダクトマネージャー:開発・マーケ・営業を横断しながら製品企画を進める職種
・品質保証・品質管理:製品の品質を技術的・顧客視点の両面から管理する職種
・マーケティング:データや技術を活用して市場分析・戦略立案を行う職種

これらの職種では、理系で培った論理的思考力データ分析力課題解決力などが強みとして発揮されます。

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ここまで、理系学生の中で「なりたい職業がない」場合の視野の広げ方を紹介してきました。理系出身者の中には、研究職や技術職に限らず、コンサルティングや企画職など、想像以上に幅広い分野で活躍している人もいます。

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よくある質問

理系に人気の職業ランキングは?

株式会社ビズヒッツによる理系出身者243人を対象にした「理系におすすめの職業ランキング」は以下の通りです。
理系におすすめの職業ランキング
調査結果から、理系出身者は以下のことを重視していると推定できます。

▼理系出身者が職業選びで重視していること
・ITエンジニア・エンジニア・研究職など、高度な専門知識を活かせる職種
・医療職・建築設計など、資格や専門性が重視される職種
・学んだ知識を直接活用でき、手に職をつけた安定的なキャリア
・IT・エンジニア領域など、継続的な学習と成長が可能な環境

理系女性におすすめの職業は?

女性は出産や育児などによりキャリアを中断せざるを得ない場合も多いため、資格やスキルを活かして継続的に働ける職業がおすすめです。

‌そのため、専門性を活かして長く働けることに加え、女性の活躍実績が多いという観点から、理系女性におすすめの職業を5つ紹介します。
▼理系女性におすすめの職業(5選)
・保健師・歯科衛生士:女性99%/男性1%
・保育師:女性97%/男性3%
・栄養師・家政婦:女性96.8%/男性3.2%
・看護師:女性93.7%/男性6.3%
・視能訓練士・言語聴覚士:女性87.8%/男性12.2%

まとめ

いかがでしたか。

本記事では、理系の働き方の特徴や職業の選び方について解説しました。
理系の職業は、専門性の高い知識や技術が求められ、大学で培ったスキルや専門分野の理解がそのまま業務に直結する場合が多いです。一方で、文系的な知識やコミュニケーション力も重要となる場面があり、文理の枠を超えた総合的な能力も理系職種には求められます。

本記事が、理系学生のみなさんの職業選びやキャリア形成の一助となれば幸いです。

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