【化学業界】就職する企業の選び方-志望動機はどう伝える?

2023/07/18
メーカー
化学業界
志望動機の書き方
志望動機の例文
各業界の志望動機
目次
1.
化学業界の志望動機を書く上で
2.
見落としがち?新卒採用ページに書かれた重要な情報
3.
IR資料で会社の事業と目指す将来像を理解しよう
4.
化学メーカーの志望動機の作り方
5.
化学業界の就職で後悔しないために

化学業界の志望動機を書く上で

素材や製品を製造し、多くのメーカーを支える化学業界。サランラップでお馴染みの旭化成、住友財閥の中核である住友化学など、歴史ある大企業が名を連ねます。ただ、企業名は聞いたことがあるものの、企業ごとの違いが全くわからない方も多いのではないでしょうか?

この記事では、数ある化学メーカーの中、みなさんが就職する企業を選択する上で参考になる情報の集め方を解説します。また、その情報を志望動機に生かしていくポイントについても解説。効率よく企業の情報を集めて、就職する企業を選ぶ際に参考にしてください。

見落としがち?新卒採用ページに書かれた重要な情報

早速、化学業界の企業を選ぶ上で重要となる情報源を見ていきましょう。

まず、化学業界の企業を選ぶ上で欠かせない情報源が「新卒採用ページ」です。

‌みなさんの中には、新卒採用ページを見ないまま、エントリーをしたり、マイページにログインしてしまったりする人も多いのではないでしょうか?これは非常に勿体ない。新卒採用ページには、実は非常に有益な情報がまとめられています。

‌そもそも新卒採用ページが作られるのは、企業が就活に取り組む学生のために、自社についてわかりやすく伝えたいから。分かりにくい化学業界について理解する際にはもってこいの情報源なのです。

‌以下では、新卒採用ページの中でも、特に意識して確認すべき項目を紹介します。

‌①企業メッセージ

企業メッセージには、企業の人事部や社長が求める人物像が記されていることが多々あります。志望動機や自己PRを考える上で、アピールすべきポイントはここで把握できると言えるでしょう。

ここでは例として、化学業界の売上高ランキング上位である、三菱ケミカルホールディングス、住友化学、旭化成のメッセージを比較してみます。

三菱ケミカルホールディングスの企業メッセージ-求める人物像

多様な価値観を理解し
世界を舞台に活躍するために、国内の現状だけにとらわれることなく、グローバルな視点を持つ。国や文化の違い、個々人の考え方を理解し、尊重し合う。

‌自ら課題を見つけ
激しい環境変化の中で、既存の概念にとらわれず「こうしてみたい」、「こうありたい」というやわらかな発想を持つ。社会のニーズを的確に捉え、本質的な課題を自ら見出す。
周囲を巻き込みながら
決して1人では完遂できない課題だからこそ、周囲の協力を得るために、積極的にコミュニケーションを図る。そして、異なるアイデアを持つ人、異なる立場の人にも働きかけ、同じ目標に向かってチームワークを発揮する。
挑戦し続ける人
転んでもただでは起きないしぶとさをもって、妥協せずしっかりと考えながら成果を生み出す。誇りと使命感を持ち、次のステージに向かって新たな挑戦を続ける。

出典:三菱ケミカルホールディングス「IDEAL PERSON 求める人材像」(参照日:2018年3月26日)

‌住友化学の企業メッセージ-人事部長からのメッセージ

住友化学の社員に必要な、大きな3つの資質があります。

‌1つ目は、起業家精神に溢れていること。新人から管理職に至るまで、それぞれのタスクやミッションの中で自ら考え、提案し、実行できる。さらに、創意工夫を凝らすことで常に現状からの飛躍を目指し、より高度な技術やビジネスを生み出せる人間であること。

‌2つ目は、日本国内に限らず、世界に目を向けることができること。世界を市場として発想し、海外で活躍する勇気やたくましさを持ち、実際にさまざまな国や人種の人々とともに、ものづくりやビジネスを実行できること。

‌3つ目は、住友の事業精神、「自利利他、公私一如」の考え方に共感できること。自社の利益のみを考えるのではなく、お客様はもちろん、事業を通じて広く社会に貢献するという気持ちを常に持ち続けられること。

多少の苦労は厭わず、世界を相手に新たなマーケットを生み出し、社会に貢献していきたいという高い志を持っている学生の皆さんは、是非住友化学の門を叩いてみてください。

出典:住友化学「人事部長メッセージ」(参照日:2018年3月26日)

旭化成の企業メッセージ

採用担当者からのメッセージ
‌当社の強みである人と技術の多様性にさらに幅と深みを与え、昨日まで世界になかったものを共に創出できる人財に非常に期待をしています。

社員に求めること
挑戦し、変化し続ける
誠実に、責任感を持って行動する
多様性を尊重する

出典:旭化成グループ「旭化成グループについて」(参照日:2018年3月26日)、旭化成「社員の個の尊重」(参照日:2018年3月26日)

以上が化学業界の売上高ランキング上位である3社の企業メッセージでした。これらの情報から、3社とも「挑戦する人物」「多様性を尊重する人物」を求めている事がわかります。志望動機を作成する際は、上記のポイントを考慮して作成すると良いでしょう。

また、実際にOB・OG訪問を通してこのような企業メッセージに対してどのような思いを持っているか聞くことも重要です。ぜひ、OB・OG訪問で社員の方に「挑戦」や「多様性」を推奨することがわかる具体的な話がないか、聞いてみてください。

②仕事紹介

仕事内容の紹介では、職種ごとにインタビュー形式で解説がされています。文系職、理系職で分けて説明がされているため、自分が志望する職種について詳しく知ることができるはずです。生活に馴染みがなく、わかりづらい化学業界。仕事を深く理解し志望度をアピールするためにも、ぜひ仕事内容を把握しておいてください。

なお、仕事内容に関しては以下の記事で簡単に解説をしています。詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

③待遇

最後に見ておくべきなのが、待遇面。基本的に給与面や福利厚生について説明会や面接で尋ねることは失礼に当たるため、採用ページで把握しておきましょう。

‌ついつい初任給や賞与に目が行きがちですが、福利厚生を意識するのもおすすめ。例えば、育児休職制度や介護休職制度は、自分の思い描くライフスタイルに直結する重要な項目です。自分が働く上で重要視する制度が整っているかを確認するため、見ておいたほうが良いでしょう。

IR資料で会社の事業と目指す将来像を理解しよう

就職する企業を選ぶ上で見ておくべきもう1つの情報源。それがIR資料です。

‌IR資料は上場企業が株主に対して公開しているもので、事業の現状や企業が掲げた目標の達成状況が掲載されています。

‌新卒採用ページと異なり、企業の悪い部分も含めた状況を把握するのに極めて有用です。難しそうな資料に思えるかも知れませんが、以外にもそのようなことはありません。図を用いてわかりやすく説明されているものが多いため、ぜひ確認してみてください。

以下ではIR資料にある中期経営計画やアニュアルレポートの中から、就活生のみなさんに役立つであろう情報をピックアップして紹介します。

事業内容

事業内容では、企業が扱う事業分野に関する情報が書かれています。企業毎に事業領域の分け方に違いがあり、同じ化学メーカーではあるものの、企業の特徴を読み取ることができるはず。

ここでは、化学業界の売上高ランキング上位である、三菱ケミカルホールディングス、住友化学、旭化成の事業内容を比較していきましょう。

三菱ケミカルホールディングス

三菱ケミカルホールディングスは事業分野を3つに分類しています。

①機能商品
②素材
③ヘルスケア

また、2015年度における営業利益のデータから、全ての分野においてバランス良く利益を上げていることがわかります。

出典:三菱ケミカルホールディングス「KAITEKI REPORT」(参照日:2018年4月4日)

住友化学

住友化学では事業分野を以下の5分野に分けています。

①石油化学部門
②エネルギー・機能材料部門
③情報電子科学部門
④健康・農業関連事業部門
⑤医薬品部門

住友化学の2015年度における営業利益構成比について見てみましょう。健康・農業関連事業部門の営業利益が全体の45%を占めており、農業分野で大きな利益を上げている事が特徴的です。
出典:住友化学「住友化学 アニュアルレポート2016」(参照日:2018年4月4日)

旭化成

旭化成では事業分野を以下の4分野に分けています。

①マテリアル業域
②住宅領域
③ヘルスケア領域
④その他事業

旭化成で特徴的なのは、ヘーベルハウスで有名な住宅領域と言えるでしょう。素材の力を生かした耐久性の高い「ロングライフ住宅」を開発しており、他の化学メーカーには無い特徴です。

出典:旭化成「旭化成レポート2016年」(参照日:2018年4月4日)

このように、商品の違いがわかりづらい化学メーカーですが、事業領域という観点で見ると違いがわかったのではないでしょうか?将来自分がやりたい仕事が、目指す企業の強みであるかを確認してください。

今後の事業方針

中期経営計画では企業が掲げる3〜5年の目標と行動など、今後の事業方針が示されています。ここでは企業が今後どのような事業に注力していくのかを理解することができるでしょう。入社後のミスマッチを防ぐためにも、注力していく事業と自分がやりたいことが適合しているかを確認してみてください。

ここでは例として、三菱ケミカルホールディングスの中期経営計画から参考になるポイントをご紹介します。

三菱ケミカルホールディングスの今後の方針

三菱ケミカルホールディングスは「ポートフォリオ構成」にて将来注力する予定の次世代事業を掲げていました。その一例として「ヘルスケアソリューション」「ビッグデータ・ICT利用ソリューション」があります。このような領域に関わりたいと考えている人にとって、三菱ケミカルホールディングスは魅力的な企業だと言えるのではないでしょうか?また、海外売上比率を43%から50%にまで拡大することを名言しており、グローバルに活躍したいと考える就活生にとっては魅力的な職場となる可能性が高いことがわかるはずです。

‌出典:三菱ケミカルホールディングス「中期経営計画」(参照日:2018年4月4日)

化学メーカーの志望動機の作り方

ここまで、志望動機を作成するために有効な情報収集方法について説明してきました。ここからは、収集した情報をどのように志望動機に反映させる方法をお伝えします。

以下では例として、三菱ケミカルホールディングスの志望動機をまとめました。集めた情報と自分の経験を上手く組み合わせて、説得力のある志望動機にしてください。

三菱ケミカルホールディングスの志望動機

私が貴社を志望する理由は、様々な産業を下支えし、大きな影響を与えることができるからです。この環境を活かし、世界のヘルスケア事業に大きな影響を与えたいと考えています。

私は学園祭の実行委員として、出演団体をサポートした経験からこのように考えています。当時私は出演団体がパフォーマンスをする華やかな舞台の運営を担当していました。そこでは多くの地道な作業があり、何度も心が折れそうになりました。しかし、日々出演団体の人を支えられているという実感があることで辛い作業も乗り越えることができました。そして学園祭の終了後、様々な出演団体の方から感謝をされた時に、心の底からやりがいを感じました。

この経験から、多くの人々を下支えできる、そんな仕事をしてみたいと強く思います。だからこそ、どの産業にも必要不可欠であり、日本を支えるような存在の化学メーカーで仕事をし、出来る限り多くの人々の生活に貢献したいと考えています。その中でも、人々の健康を支え、生きる上で重要なヘルスケア事業に関わりたいです。

とりわけ貴社を志望する理由は、海外への影響力が強いこと、そしてヘルスケア事業の強化を掲げていることにあります。国内業界1位であり、豊富な資金力を持つ貴社の基盤を生かし、ヘルスケアの側面から世界の人々を支えることができると考えたため、貴社を志望しています。

志望動機に盛り込むべき2つの要素

上記の例では、以下の2つの志望動機が盛り込まれています。

①化学メーカーを志望する理由
②その中でも「三菱ケミカルホールディングス」を志望する理由

数ある業界の中から、化学業界を選んだ理由について述べることが大切です。また、その中でも「その企業でなければならない理由」を伝えておく必要があります。どの業界にも応用できる知識なので、覚えておいてください。

化学業界の就職で後悔しないために

ここまで化学業界の企業に関する選び方、志望動機の伝え方について説明してきました。みなさんが志望動機を考える上での参考になっていれば幸いです。
化学業界の志望動機が考えられたら、飲料業界で活躍する社会人に見てもらい、アドバイスをもらいましょう。
化学メーカーのOB・OG訪問にはMatcher
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【社会人の所属企業一覧(一部)】
三菱ケミカルホールディングス、旭化成、AGC旭硝子など

化学‌業界や企業についての理解が深いため、みなさんの志望動機の妥当性に適切なアドバイスをくださることでしょう。ぜひ話を聞きに行き、みなさんの就活の糧としてください。
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