すぐわかる|化学業界とは?総合化学メーカー8社の売上や特徴を解説
2025/12/12
目次
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「化学業界への就職に興味を持っているが、対策は何をすればいい?」
「総合化学メーカーって何してるの?」
とお悩みも就活生も多いのではないでしょうか?
本記事では、化学業界の概要や将来性から、総合化学メーカー8社のランキングなど、化学業界への就活に役立つ内容を解説しています。
化学業界の志望動機もご紹介していますので、この記事を読んで、化学業界の理解を深めていきましょう!
化学業界とは?
化学業界・化学メーカーとは、化学反応を利用して製品(化学製品)を生み出す企業のことです。ちなみに、ここでいう化学製品とは、樹脂やゴム、合成繊維を指します。
化学業界には、他産業に材料を供給する上流の事業から、最終的な製品の製造を行う下流の事業まで多様な事業があるため、事業内容は企業によって異なることが多いです。
化学業界の市場規模
化学工業における2024年の製造品出荷額は33兆3846億円、付加価値額は11兆9708億円と、どちらも製造業の中で2位と、高い割合を占めています。一方で、2022年度から2023年度で成長率はわずかに下がっている状況です。
化学業界は近年激しく変化しているため、随時確認しておくようにしましょう。
【参考】経済産業省『2024 年経済構造実態調査二次集計結果<製造業事業所調査>』
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化学メーカーの分類と特徴
化学業界の構造について、下記の図をご覧ください。
化学メーカーは以下の3つの分野に分かれています。
▼化学メーカーにおける3つの分野
①総合化学メーカー
②誘導品化学メーカー
③電子材料化学メーカー
各分野の特徴について、詳しく説明していきます!
①総合化学メーカー
総合化学メーカーとは、基礎原料、中間材料、最終製品の各種製品まで、一貫して生産を行う企業のことです。特徴として、上流から下流までを一貫して自社で行うことができ、技術力が非常に高いことが挙げられます。
また、事業規模が大きいことから、大量生産することが可能で、コスト面での競合優位性が高いことが強みです。
▼総合化学メーカーの代表的な企業
三菱ケミカルホールディングス、住友化学株式会社、旭化成株式会社
誘導品メーカーとは、基礎材料を使用して中間材料を生産している企業のことです。②誘導品化学メーカー
中間材料とは、生産過程において他の材料が完成するまでの、中間で使用される材料のことで、最終製品を作るためには重要な役割を担っています。
それぞれの分野に特化した中間材料を製造しているため、独自性が高く、利益率が高いといえます。
製造した製品は最終製品メーカーやほかの誘導品メーカーへ販売するため、BtoBビジネスが中心です。
▼誘導品化学メーカーの代表的な企業
▼誘導品化学メーカーの代表的な企業
信越工業株式会社、三菱ガス化学株式会社、株式会社ダイセル
③電子材料化学メーカー
電子材料メーカーとは、基礎材料や誘導品を購入し、半導体やディスプレイなどの電子材料の製造を行う企業のことです。スマートフォンやパソコンなどに電子材料メーカーが製造している製品が使用されていて、私たちの生活に身近な存在であるため、欠かせません。
製品は、主に携帯電話を作っている会社など、企業に販売することが多いため、BtoBビジネスが中心です。
▼電子材料化学メーカーの代表的な企業
富士フィルムホールディングス、日東電光株式会社、昭和電光エマテリアルズ株式会社
化学業界の今後の動向3選
化学業界は今後どのように展開していくのでしょうか。志望している業界がある場合、その業界の今だけでなく今後について理解しておく必要があります。
▼化学業界の今後の動向5選
▼化学業界の今後の動向5選
①半導体市場が継続して拡大
②脱炭素への取り組みが加速
③植物由来サステナブル素材への注目
④生分解性プラスチックの開発
⑤ベンチャー企業の出現
特に化学業界は、社会情勢に影響されやすく、昨今大きく変化しているため、必ず見ておきましょう。
①半導体市場が継続して拡大
現在、5G通信や生成AIの発展により半導体の需要が急増しています。世界半導体貿易統計(WSTS)によると、2026年の世界半導体市場について、前年比26.3%増の9,755億ドルに達すると予測されており、右肩上がりに成長していくと見込まれるでしょう。
それに伴い、半導体の製造に必要な化学素材の需要も高まっています。日本では半導体製造装置の世界シェアが高く、半導体関連の素材を提供している多くの化学メーカーも恩恵を受けると考えられます。
製造業の中でCO2排出量が多い化学業界にとって、カーボンニュートラルの実現は最優先課題です。製造プロセスの省エネ化に加え、燃料を水素やアンモニアに転換する動きや、排出されたCO2を回収して資源として再利用する「CCUS技術」の開発が進んでいます。
日本政府によるGX実行会議でも、今後10年間で官民合わせて150兆円超のGX(グリーントランスフォーメーション)投資を行う方針を掲げており、環境技術が企業の競争力を左右します。
※カーボンニュートラルとは…
温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを指します。2020年10月、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。
※GX(グリーントランスフォーメーション)とは…
産業革命以来の化石燃料中心の経済・社会、産業構造をクリーンエネルギー中心に移行させ、経済社会システム全体の変革を行うことを指します。日本では、政府や民間企業がGXに取り組んでいる状況です。
石油資源の枯渇リスクや環境負荷低減の観点から、原料を石油から植物(バイオマス)へ転換する動きが活発です。特に、植物由来で鋼鉄の5倍の軽くて強い「セルロースナノファイバー(CNF)」などの新素材は、自動車部品などへの実用化が始まっています。
日本でもバイオものづくりに関する政策が推進されており、2030年には46.2兆円、2040年には114.8兆円の市場規模が推計されています。その中でも化学工業は全体の約5分の1を占め、今後期待ができる分野と言えるでしょう。
近年、生活の中で発生したプラスチックごみが海に大量に流れ出し、生態系に影響を及ぼす「海洋プラスチック」が問題視されています。その解決策として期待されているのが、自然界の微生物によって水と二酸化炭素に分解される「生分解性プラスチック」です。

株式会社カネカの「生分解性バイオポリマー Green Planet®」などが代表例であり、レジ袋やカトラリーへの採用が拡大してきました。
⑤ベンチャー企業の出現
近年、革新的なデジタル技術をコアにしたベンチャー企業が注目されています。取り組みの遅れていた素材産業においても、ベンチャー企業の育成が進むとともに、それらを積極的に活用する動きが活発化しました。
取組事例として、マイクロ波を活用した製品製造プロセスの高度化・合理化などを行うスタートアップ企業「マイクロ波化学株式会社」は、2021年6月から三菱ケミカルグループと事業化に向けた実証試験を進めています。
ベンチャー企業と大手化学メーカーが協業することによって、化学業界の可能性の幅を広げているのです。
ベンチャー企業と大手化学メーカーが協業することによって、化学業界の可能性の幅を広げているのです。
次に、化学業界の将来性について説明します。
▼化学業界の将来性
・化学品の主要需要先が海外中心へシフト
・半導体・EV・リチウムイオン電池の成長
・「脱石油」の動きに注目
以下で詳しく解説していきます。
化学品の主要需要先が海外中心へシフト
日本の化学メーカーにとって、国内市場は人口減少により成熟化していますが、海外市場には大きな成長機会が広がっています。特にアジアを中心とした新興国の人口増加や経済発展に伴い、化学品の需要は今後も拡大し続ける見込みです。
多くの大手化学メーカーも多くの海外拠点を有するなどグローバル展開が顕著になっており、地産地消の推進やグローバルサプライチェーンの強化が、企業の収益安定と成長に不可欠な要素となっています。
半導体・EV・リチウムイオン電池の成長
化学業界では、今後デジタルとグリーン領域での成長が見込まれます。特に半導体製造工程に不可欠な部品や、電気自動車(EV)に搭載されるリチウムイオン電池のセパレーターなどは、日本企業が世界的に高いシェアを持つ分野です。
汎用品の競争が激化する中、こうした技術的障壁の高い「機能性化学品」への集中投資が、利益率の向上と将来の競争力を左右します。
2050年のカーボンニュートラル実現に向け、化学業界では「脱石油」が急務です。従来のナフサ(原油由来)依存からの脱却を目指し、植物由来のバイオマスプラスチックの開発や、廃プラスチックを原料に戻すケミカルリサイクルの実用化が進んでいます。
また、製造過程でのCO2排出を減らす燃料転換(アンモニアや水素の活用)など、環境負荷低減への取り組み自体が、ESG投資を呼び込むための重要な指標となっています。
今まで、化学業界の動向や将来性について解説してきました。ここでは「将来性の高い」化学メーカーを探すためのポイントをご紹介します。
企業HPのIR資料や有価証券報告書を見て、以下のポイントに注目してみましょう。
「◯◯(企業名) 利益率」などで検索すると、簡単に調べることができます!また、この後に企業ごとの利益率や、若手から高年収がもらえる度もご紹介しています。
▼将来性の高い化学メーカーを探すポイント
・利益率
・売上高
・社員の平均年収
・石油製品以外の取り扱い
・市場シェアの高さ
・有望な市場の製品
◇利益率
利益率とは、売上のうち手元にいくら利益が残るかを示す指標です。 特に「営業利益率」が高いと、薄利多売のビジネスモデルよりも環境変化に強く、安定した収益基盤を持っていると判断できます。
◇売上高
企業の規模や業界内での影響力を測る指標です。巨額の投資が必要なプラントの維持や、次世代技術への投資力を測る上で重要なポイントです。
◇社員の平均年収
平均年収は実際に働く上で重要なポイントの一つです。総合職の平均年収については、四季報なども確認してみましょう。
◇石油製品以外の取り扱い
従来の石油化学製品(汎用品)への依存度が高いと、原油価格の変動や脱炭素への規制リスクを直接的に受けやすくなります。「高機能材料」「電子材料」「ライフサイエンス」など、石油に依存しない事業をどれだけ構築できているかは、今後の成長性を見る上で非常に重要です。
◇市場シェアの高さ
特定の分野で世界シェアNo.1、あるいは国内トップの製品(ニッチトップ)を持っている企業は非常に強力です。代替が効かないため、景気に左右されずに安定した利益を生み出し続けることができます。
◇有望な市場の製品
その企業が注力している製品が、今後伸びる市場(半導体、EV・電池、ヘルスケア、環境エネルギーなど)向けのものかどうかを確認しましょう。成長産業に不可欠な素材を提供している企業は、その市場の拡大とともに自動的に業績が伸びていくことが期待できます。
ぜひさまざまな観点で、将来性の高い化学メーカーを検討してみましょう。
化学業界の今後の課題5選
化学業界が抱えている課題を、下記の5点から解説します。▼化学業界の今後の課題5選
①国内市場の縮小
②原材料市況の影響
③DX化におけるデジタル人材の獲得・活用
④M&A
⑤環境問題への取り組み
詳しく解説します!
①国内市場の縮小
化学メーカーに限らず、少子高齢化による国内市場の縮小は、あらゆる業界に影響を与えています。その中で化学メーカーは、海外シェアの拡大や高付加価値製品の開発、環境配慮の強化などで、対策を進めています。
②原材料市況の影響
原材料である原油や天然ガスなどの価格は近年値動きが激しく、収益・価格の安定という課題があります。
【出典】THE WORLD BANK 価格変動に対する課題への対策として「フォーミュラ制」が浸透しています。「フォーミュラ制」とは、原材料価格を自動的に製品の販売価格に転嫁させることです。ただ、機能製品分野でいまだフォーミュラ制の導入があまり進んでいないため、制度の整備が課題となっています。
③DX化におけるデジタル人材の獲得・活用
化学製品や材料の開発工程では、従来の経験と勘に頼った手作業中心の開発が、時間やコストの面で課題となってきました。今後は、DXを推進しデジタル人材を活用することで、工程設計の最適化や実験コスト削減を図る必要があります。
実際に近年では、化学メーカーでもDX・IT部門の設立・採用が活発に行われています。
④M&A
激しい国際競争を勝ち抜くため、M&A(合併・買収)による業界再編が活発化しています。自社にない技術を短期間で獲得したり、不採算事業を切り離して得意分野に集中したりする動きが顕著です。
規模の経済を追求するだけでなく、脱炭素技術などを取り込むための戦略的な提携が増加していくでしょう。
⑤環境問題への取り組み
日本国内のCO2排出のうち、35%を産業部門が占め、そのうち化学産業は15%を占めています。年々少しずつ削減しているものの、欧州や米国を中心に動きは広まっているため、業界として無視はできません。
カーボンニュートラルの取り組みも含め、CO2排出量の削減と環境に配慮した製品開発の両面で環境問題に向き合う必要があります。
カーボンニュートラルの取り組みも含め、CO2排出量の削減と環境に配慮した製品開発の両面で環境問題に向き合う必要があります。
化学業界について解説しましたが、いかがだったでしょうか?近年化学業界は、中国が進出しシェア率を伸ばすなど、競争が激化しているため、各メーカーは新しい素材・製品・技術の開発に急いでいます。
そのような状況のなかで、どのような分野に力を入れていくのか、どのような人材が必要かは各メーカーで異なるため、自分が志望する企業で働く社員に聞いてみることがおすすめです。
是非Matcherを使って、志望する化学メーカーの社員・内定者に話を聞いてみてください。
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【社会人の所属企業一覧(化学メーカー一部)】
三菱ケミカルホールディングス、旭化成、東レ、帝人、三井化学、住友化学、クボタなど
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【最新版】化学業界の売上高ランキング
化学業界の中で、どの会社が売上高が良いのか、下記のランキングをご覧ください。売上高は各社の有価証券報告書を参照しています。

化学業界は2023年度に在庫調整や市況悪化で苦戦した企業が多かった反面、2024年度以降は各社とも復調・成長軌道にあることがわかります。
【比較】大手総合化学メーカー大手8社の強みと特徴
ここでは、大手総合科学メーカー8社の強みや特徴を解説します。

また本記事では、以下の形式で各社を紹介しています。
▼各社特徴の紹介形式
売上高 〇〇円
平均年収 〇〇円
初任給 〇〇円(大卒)
平均年齢 〇〇歳
平均勤続年数 〇年
若手から高年収がもらえる度(※1) ◯pt
※1
本記事では、政府の情報をもとに「若手から高年収がもらえる度」を独自にスコアリングしています。このスコアが『1pt』よりも高ければ高いほど、若くして多くの年収を稼ぐことができると予想できますが、あくまで予測であるため、実際にOB・OGを行いながら情報収集することをオススメします。
是非、企業研究の参考にしてみてください。
①株式会社三菱ケミカルホールディングス
売上高 4兆4,074億500万円平均年収 1,059万円
初任給 27.8万円
平均年齢 47.6歳
平均勤続年数 19.3年
若手から高年収がもらえる度 1.43pt(+0.43pt)
主要事業は多岐に渡り、食品や医療品のためのラベルやフィルム、自動車や航空機に用いる高機能ポリマーなど、機能商品が有名で、売上高の4分の1は機能商品が占めています。
三菱ケミカルは、三菱化学、三菱樹脂、三菱レイヨンの合併により、経営資源を最大限に活用しています。そのため、素材を生み出す開発力や技術力の高さは、競合他社と比較をしても圧倒的と言えるでしょう。
【参考】三菱ケミカルグループ『採用情報』
【参考】三菱ケミカルグループ『採用情報』
②旭化成株式会社

売上高 3兆373億1,200万円
平均年収 800万円
初任給 25.535万円
平均年齢 41.8歳
平均勤続年数 14.8年
若手から高年収がもらえる度 1.23pt(+0.23pt)
旭化成は幅広い分野で活躍する中で、特にマテリアル領域に強みを持ち、主要分野であることが特徴です。マテリアル領域のなかで、基盤マテリアル事業・パフォーマンスプロダクツ事業・スペシャリティソリューション事業・エレクトロニクス事業に分けられています。
ケミカル・テクノロジーがベースとなり、独自に発展させた技術を融合させコア・テクノロジーを確立してきました。今後も独自の研究開発で、新しい素材・製品開発が期待できます。

売上高 2兆6,062億8,100万円
平均年収 818万円
初任給 28万円
平均年齢 42.1歳
平均勤続年数 16.3年
若手から高年収がもらえる度 1.25pt(+0.25pt)
住友化学は、幅広い技術基盤を活かした開発力を強みとし、石油化学からエネルギー・機能材料を始め、健康・農業、医薬品と様々な分野で活躍しています。
エネルギーや電子に留まらず、バイオサイエンスの分野でも有名で、国内外でも広く活躍している点が特徴です。幅広い分野で活躍しているため、研究職が活躍できるフィールドが、多彩に用意されています。
今後もソリューション技術を活かした開発力で、新しい素材や製品が作られることが期待できるでしょう。
【参考】住友化学株式会社『採用情報』
③信越化学工業株式会社
信越化学工業は、社会基盤を支える塩化ビニール樹脂やシリコーン樹脂、電子材料の分野が有名ですあらゆる分野で広く利用される塩ビやシリコンなどの汎用素材と、半導体など先端技術分野で使用されるシリコンウエハーなどを主要事業とし、時代の変化に強い経営基盤が強みとしてあります。また、信越化学工業は営業利益率が高いことで有名です。化学業界の営業利益率は平均8%、高くても10%台ですが、信越化学工業は29%と非常に高い営業利益率を誇っています。
【参考】信越化学工業『新卒採用情報』
④三井化学株式会社
三井化学の強みは機能性材料に力を入れていて、自動車向けのバンパー材料や眼鏡レンズ材料、衛生材料用不繊布など、私たちの生活に身近な素材・製品が有名です。国内外でも活躍していて、世界で見たシェアランキングでは、メガネレンズ材料が世界1位、自動車材PPコンパウンドは世界2位、衛生材料用不繊布はアジア2位を誇っています。
現在もグローバルな事業展開に積極的であることも特徴です。
15カ国・地域に拠点を置いており、三井化学発足当時の1997年には17%であった海外売上高比率も、2021年度には48%と拡大しています。
【参考】三井化学株式会社『新卒採用』
⑥レゾナック・ホールディングス株式会社

売上高 1兆3,914億8,000万円
平均年収 1025万円
初任給 26.5万円
平均年齢 46.1歳
平均勤続年数 16.4年
若手から高年収がもらえる度 1.43pt(+0.43pt)
レゾナック・ホールディングス株式会社は、2023年1月に昭和電工と昭和電工マテリアルズ(旧・日立化成)が統合して誕生した会社です。近年では総合化学メーカーから、半導体などの成長領域に特化した機能性化学メーカーへ移行する傾向がみられます。
最大の強みは、半導体を保護する「封止材」や、チップを接着する「フィルム」など、後工程の主要材料での世界トップシェアです。また、鉄のリサイクルに使われる「黒鉛電極」でも世界トップクラスの技術を持ち、脱炭素社会のインフラを支えています。

売上高 1億633億8,200万円
平均年収 795万円
初任給 26.8975万円
平均年齢 38.5歳
平均勤続年数 13.5年
若手から高年収がもらえる度 1.33pt(+0.33pt)
東ソーは財閥系に属さない独立系の化学メーカーで、ソーダ事業からスタートして石油化学、機能商品へと事業を拡大しました。
苛性ソーダ、塩化ビニル樹脂(PVC)などの汎用品と、血液検査装置や試薬、歯科材料の高機能品の両軸で事業展開しており、このハイブリッド経営が強みとなっています。また、山口県に国内最大級の自社工場を有していることも特徴の一つです。

売上高 4,868億200万円
平均年収 774万円
初任給 27.3万円
平均年齢 43.1歳
平均勤続年数 15.8年
若手から高年収がもらえる度 1.16pt(+0.16pt)
もともとは炭鉱から始まり、セメント・機械・化学と事業を広げてきた企業です。2022年に「宇部興産」から現在の社名に変更しました。
UBEの強みは、高い技術力を必要とする高機能素材です。特に、電子材料や合成ゴム、ナイロンなどの素材で高いシェアを誇っています。
【参考】UBE『採用サイト』
職種別|化学業界の仕事内容
ここまで、化学メーカーの事業について解説してきました。ここからは、化学メーカーの製品開発から販売までの流れに沿って、仕事内容を説明します。
化学メーカーの中にどのような業務があるのかを知り、自分が楽しめそうか考えながら読んでみてください。
それでは、順を追って見ていきましょう。
①研究・開発
研究・開発では、新商品の開発に関わる基盤技術の構築です。先程説明した基礎化学品や誘導品の研究開発を行っています。また、製造ラインの最適化を行う製造技術の研究や、化学プラントのエンジニアリング業務など、理系職の分野と言えるでしょう。
②企画
企画では、研究・開発によって得られた「素材」「製品」の機能や性能を最大限に発揮させるためのマーケティングを担当しています。競合他社が存在する中で、自社を選んでもらえるように戦略を立てる業務です。理系職である研究所や工場の技術者とともに、市場の開拓を行っています。
③購買・物流
企画で決定した「素材」「製品」を製造するための設備・原料の調達を担当。製造に必要な機械設備全般の調達等を行います。物流では莫大な量の原料を調達するため、運搬をいかに効率化するかを考えることが求められる業務です。
④生産
生産では、調達した原料を加工し「素材」「製品」にすることを担っています。
ここでは生産計画の立案や実績管理を行うほか、製造コストの管理やコスト削減の推進などが業務の中心です。
⑤営業
生産された「素材」「製品」をクライアントに販売するのが営業です。ここでいう「クライアント」とは自動車部品、衣料品、製薬メーカー等、様々な企業が当てはまります。直接みなさんのもとへ営業を行うのではなく、法人に対しての営業です。
ここでは、ただ製品を販売するのではなく、クライアントに合わせた提案を行う必要があります。そのため、単に自分が担当する商材だけを売るのではなく、クライアントが抱える課題の解決策となる素材を提案することが求められるでしょう。
だからこそ、市場の変化に気を配り、必要となりそうな商材に目を配っている必要があるのです。このように、ただ販売を行うのではなく、企画色の強い仕事であるといえます。
例文付|化学業界の志望理由を紹介
最後に、化学メーカーに応募する際の志望理由をご紹介します。
技術系総合職・事務系総合職に分けて解説しますので、ぜひ自分にあった応募職種の志望理由を読んで、実際に書いてみましょう!
技術系総合職
▼例文|化学業界を志望する理由
化学品の革新こそが最終製品の性能を決定づけ、根本的な社会課題の解決に繋がると確信しているからです。大学で培った化学の専門性を活かし、実験室の研究を量産化へ繋げ、社会の根幹を支えるモノづくりに貢献したいと考え、志望しました。
▼書くときのポイント
・「自分の研究内容をどのように活かせるか」を示す
・「素材=起点」を強調し、完成品メーカーとの差別化を図る
・研究開発だけでなく、製品化して世の中に届ける意欲を見せる
事務系総合職
▼例文|化学業界を志望する理由
産業の最上流にある「化学品」は、あらゆる製品の起点であり、その社会への影響力の大きさに魅力を感じているからです。日本の優れた技術や製品をビジネスの視点から世界中に広め、人々の豊かな暮らしを根底から支えたいと考え、志望しました。
▼書くときのポイント
・上流から社会を支えたい、ことを表現する
・技術を社会へ広める役割を担いたい、という姿勢を示す
・グローバルへの意欲を見せる
この後に「貴社を志望する理由」を付け足せば、すぐに志望動機として提出できるESの文章になります。ぜひ、みなさんなりのアレンジを加えて、化学業界の企業に応募してみましょう。
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【社会人の所属企業一覧(化学メーカー一部)】
三菱ケミカル、旭化成、東レ、帝人、三井化学、住友化学、クボタなど
Matcherをおすすめする5つの理由
・大手企業からベンチャー企業の社会人3.5万人が登録している!
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おわりに
いかがでしたか?
本記事では、化学業界の動向や将来性、総合化学メーカーのランキングなどをご紹介してきました。化学業界や総合化学メーカーへの理解が深まったら、次は化学メーカーの企業研究やES・面接対策を行いましょう。
対策の際はぜひOB・OG訪問アプリのMatcherを使って、化学メーカーで働く社員の方と話てみましょう!
