【鉄道業界】JRの事業内容とは|採用情報とともに解説

2024/12/26
業界の仕事内容
鉄道業界
インフラ業界
目次
1.
JRとは?
2.
JRの事業と仕事内容
3.
【企業研究】JR各社の特徴
4.
JRの新卒採用情報
5.
私鉄大手5社の特徴と採用情報
6.
もっと深く鉄道業界について知るために
7.
さいごに
皆さんがいつも利用している鉄道はどこの会社が運営しているか知っていますか?日本には様々な鉄道会社が存在していますが、その中でも大手として名を挙げるのが「JR」です。鉄道業界を志望している学生の中では、JRへの就職を目指している人も多いでしょう。

そこで本記事では、JRの事業内容や売上高、採用情報等を詳しく紹介していきます。また、大手私鉄5社の情報についてもまとめていますので、私鉄と比較してJRについての理解を深めましょう。

JRとは?

そもそもJRとはどんな企業なのでしょうか?

JRとは、かつての国鉄(国が所有・経営する鉄道)が分割民営化された企業です。大きな一つの事業体であった国鉄が6つの地域に密着する形で分離し、経営を行っています。

▼JR系列の6つの会社
・JR北海道(北海道旅客鉄道)
・JR東日本(東日本旅客鉄道)
・JR東海(東海旅客鉄道)
・JR西日本(西日本旅客鉄道)
・JR四国(四国旅客鉄道)
・JR九州(九州旅客鉄道)

それぞれの会社の担当エリアは下図をご覧ください。
JR各社のエリア区分
JRは上図のように6つのエリアに分かれています。基本的には県境でエリアが分けられていますが、一部例外(図の灰色の都道府県)があります。

・新潟県ーJR東日本とJR西日本
・長野県ーJR東日本とJR東海
・山梨県ーJR東日本とJR東海
・三重県ーJR東海とJR西日本
・福岡県ーJR西日本とJR九州

現在では、JR各社で独自の事業が行われています。各社独自の取り組みについては、『【企業研究】JR各社の特徴』でご紹介していますので、確認してみてください。

私鉄とは?

一方で、JRと比較して表現されることの多い『私鉄』とは民間の資本で事業を展開してきた鉄道会社のことです。JR各社よりも事業エリアは限定され、会社ごとに多様な事業を展開しています。

▼私鉄大手5社
・東京メトロ(東京地下鉄株式会社)
・東急電鉄(東京急行電鉄株式会社)
・東武鉄道(東武鉄道株式会社)
・小田急電鉄(小田急電鉄株式会社)
・近鉄グループ(近畿日本鉄道株式会社)

私鉄大手5社の情報については『私鉄大手5社の特徴と採用情報』でご紹介していますので、確認してみてください。

JRの事業と仕事内容

ここからは、JRの主な事業内容について解説していきます。

JRが展開している事業で核となるのは、やはり鉄道事業です。在来線や新幹線は地域経済、日本経済に大きな影響を与えています。

しかし、日本の人口減少が進む中で鉄道事業の飛躍的な業績向上は見込めません。そこでJR各社は私鉄のビジネスモデルに倣い積極的に多角化を進めています。

以下ではJR各社の主だった事業とそこで働く人たちの仕事をご紹介します。
▼JRの主な事業内容
鉄道事業
・在来線
・新幹線
非鉄道事業
・流通・サービス
・不動産
・その他

以下で詳しく解説していきますので、JRの理解をさらに深めていきましょう。。

鉄道事業

JR各社の核となるのが鉄道事業で、地域ごとに在来線や新幹線を擁しています。

この事業で、非常に重要になってくるのが安全対策です。経営の最優先課題とも言えるこの安全を、技術系社員や駅員、車掌、運転士といった現業職員などの多くの社員が支えています。日本の鉄道は安全性、またダイヤの確実性で世界的にも高い評価を受けていますが、それらは現場で働く社員によって担われているのです。

在来線

多くの会社にとって大きな収益源となるのが在来線です。

JR東日本は首都圏に地盤を持ち、山手線など様々な路線で大きな収益を獲得しています。また、JR九州は各地に観光列車を走らせ、人気を博すなど各社独自の展開を行っています。

その一方で、地方ローカル路線の多くが赤字に陥っており、問題を抱えた路線が多数あるのもまた事実です。このような現状から収益にも地域差が生まれています。

新幹線

新幹線は、JRのみが展開している高速鉄道です。東京と大阪を結ぶ東海道新幹線を擁するJR東海は鉄道事業による収入の大半を新幹線が占めるなど、新幹線を持っている会社の売上に大きく貢献しています。
九州新幹線はJR九州の鉄道事業における収入の3分の1以上を占めており、大きな収益の柱に成長しています。また、JR西日本の北陸新幹線開通によって北陸地方は大きな盛り上がりを見せました。‌新幹線は大きな利益をもたらすことから、JR各社だけでなく、全国の自治体の期待も非常に高くなっています。

‌そして、今後の大きな目玉となるのが2027年に予定されているリニア中央新幹線の開通です。東京ー大阪間を約1時間で結ぶ新ルートの開通は大きな経済効果を生むことが期待されています。

‌こういった事業には技術系の社員のみならず、事務系の社員も関与します。工程の管理や用地買収、また資材調達も文系社員の仕事です。リニア中央新幹線のような国家レベルのプロジェクトは文理を問わず様々な人たちが関わりながら進められています。

非鉄道事業

JR各社は大手私鉄に比べて、非鉄道事業が占める割合は大きくありません。しかし人口減少が進む中で、鉄道事業の収益が今後飛躍的に伸びるとは考えにくいのが現状です。ゆえにJR各社も、近年は人が集まる『駅』という好立地を生かして積極的に新たな事業を展開しています。

流通・サービス

JR各社は、駅に付随する商業施設の展開を進めており、流通・サービス業にも力を入れています。

‌弁当や軽食を販売している小型売店のキオスクが全国に展開されているほか、JR東日本ではニューデイズというコンビニエンスストアが多くの駅に出店され、利便性が高いことから利用者に好評です。これ以外にも駅ナカと呼ばれる、駅構内に展開する商業スペースを積極的にリニューアルするなど商業施設の収益拡大が進められています。

‌また、JR東日本はショッピングセンター事業の海外出店、アジア等の都市鉄道事業者と連携した駅構内の開発など鉄道事業を展開していない地域に向けた商業施設の進出を模索中です。事業のエリアを駅から市中、さらに海外にまで拡大させつつあります。

不動産

非鉄道事業の中で非常に大きな利益をもたらすのが不動産事業です。駅ビルにおける賃貸オフィスフロアや商業施設のテナント料が収益となるほか、社宅跡地を再開発し分譲マンションとして展開しています。また賃貸マンションの運営まで行っている会社もあります。

‌不動産事業の利点は事業単体での売上のみならず、沿線人口や駅利用者の増加によって鉄道事業との相乗効果も望める点です。例えば、JR九州では、駅周辺の再開発を積極的に行い、不動産事業が鉄道事業をしのぐ勢いで成長しています。

その他

沿線や駅の価値を高めるための事業は以上の2つだけではありません。より住みよい街にするための事業としてJR東日本は託児所を展開しています。住みやすい街を鉄道会社が主導して作り出していくことで、鉄道事業、不動産事業との相乗効果も狙えるのです。

‌そのほかにも、ICカードを利用した電子マネー事業やクレジットカード事業も展開するなど、人々の生活に密着した事業を幅広く展開しています。JR各社は鉄道だけでなく、様々な方面から人々の暮らしをサポートしています。

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ここまで簡単に鉄道業界(JR・私鉄)についての情報を簡単にご紹介してきました。鉄道業界を志望している学生は、業界研究を進めて鉄道業界への理解を深めましょう。

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【企業研究】JR各社の特徴

ここからはJR各社の情報を比較しながらご紹介します。
JR各社の特徴
採用情報については、「JRの新卒採用情報」でご紹介していますので、そちらをご確認ください。

それでは、JR各社の特徴を見ていきましょう。

JR北海道

JR北海道は、北海道と青森県の一部に営業エリアを持っています。

北海道という広大な土地をカバーするという使命の中で、人口減少や厳しい自然環境の影響を受け、近年は経営状態が厳しい状況が続いています。

2016年3月には、新青森と新函館北斗間を結ぶ北海道新幹線が開通しました。2030年には新函館北斗から札幌間が開通する予定で、新幹線事業の拡大による収益増加が期待されています。

セグメント別売上高比率

JR北海道セグメント別売上高

JR北海道は、運輸業に次いで小売業が16.7%の売上比率を誇っています。北海道は冬季の降雪量が多く、外出が困難になる場合があります。そのため、駅の中で買い物を完結することができるエキナカの商業施設は、利用者からの支持が高いのです。

今後の注力事業

JR北海道では、地域密着型の観光列車の運行を継続し、各地域の観光開発に貢献するための取り組みを強化しています。東急電鉄が所有する豪華列車を「THE ROYAL EXPRESS~HOKKAIDO CRUISE TRAIN~」として運行中です。また、2020年度に新造した多目的車両を活用し、北海道を4日間で周遊する「HOKKAIDO LOVE! ひとめぐり号」の運行も行っており、北海道という世界的な観光地という強みを活かした事業を拡大させています。

また、コロナウイルスの拡大が明け、国内のインバウンド需要が上がっていることを受け、外国人旅行へのプロモーションにも力を入れていく方針です。

JR東日本

JR東日本は関東、甲信越から東北まで、1都16県という広範囲に営業エリアを持っています。輸送人員は年間約65億人であり、この数字はインドの鉄道会社に次いで世界で2番目に多いです。

セグメント別売上高比率

JR東日本セグメント別売上高

2024年3月期(2023年度)の営業収益は約2兆7,301億円で、日本の鉄道業界の中で最も多いです。営業収益が2番目に多いJR東海にも約1兆円の差をつけています。

先述したように営業エリアは広範囲に及び、また不動産・ホテル事業や流通・サービス事業においても高い収益を持っています。JR東日本は、規模の大きい案件と関わりやすいところが魅力です。

今後の注力事業

JR東日本グループの経営ビジョン『変革2027』によると、会社発足から30年の間は鉄道事業を中心に売上や利益を創出してきました。今後10年は成長余力の大きい生活サービスやIT・Sucia事業に経営資源を重点投入していくそうです。

またその他事業において、JR東日本のMasSサービスアプリを軸にグループ内外のサービスを連携し、自宅から目的地までのシームレスな移動を実現するための取組みも行っています。

シェアカーやレンタルサイクルの提供会社、航空会社などと協力しながら、一つのアプリで複数のモビリティの手配や決済が完了できるプラットフォームの開発もしており、IT・Sucia事業に注力していることが分かります。

JR東海

JR東海では、東京〜名古屋〜大阪を結ぶ東海道新幹線と、名古屋・静岡地区の都市圏輸送を中心とした12線区の在来線を運営しています。

JR東海のマーケットエリアである東京・名古屋・大阪地域は、世界の主要国の経済規模に匹敵するほどであり、市場規模が大きいという強みを持っています。

セグメント別売上高比率

JR東海セグメント別売上高

2023年度の営業収益は約1兆4,002億円と、JR東日本に次いで2番目に大きく、JR各社のなかで近年一番成長している会社です。特に、東京と大阪をつなぐ東海道新幹線が主力の事業となっており、サービスの充実によってさらなる売上の向上を見込んでいます。

今後の注力事業

品川〜名古屋間を約40分で繋ぐ超電導リニアによる中央新幹線の開通も2027年以降に控えており、注目が高まっています。
1964年の東海道新幹線開業により一貫して東海道新幹線の輸送サービスを向上させてきました。開業時点で東京〜大阪間の移動時間はそれまでの6時間30分から3時間10分へと短縮され、現在では2時間22分となっています。リニア新幹線が開通したら1時間7分へと短縮される予定です。

JR東海の魅力は、このような新幹線による輸送サービスの改善に努めているところであるといえるでしょう。

JR西日本

JR西日本の営業エリアは、北陸〜近畿〜中国〜九州北部までの2府16県におよびます。この区間内の在来線に加え、東海道山陽新幹線、山陽九州新幹線、北陸新幹線の運行もしています。

2005年4月に106名の乗客と1名の運転手が死亡した福知山線列車事故の発生以降、JR西日本は安全性向上に特に力を入れ、「JR西日本グループ鉄道安全考動計画」を策定しました。

他にも、地域価値の向上のため、瀬戸内における一大周遊エリアの創出や、地域ビジネスの創造や育成等を通じて、交流人口や沿線の定住人口の拡大にも取り組んでいます。

セグメント別売上高比率

JR西日本セグメント別売上高

JR西日本のセグメント別売上高比率を見ると、運輸業の占める割合がJR東日本と比べて少ないことが分かります。運輸業の内訳は、新幹線が53.3%、在来線が46.7%となっており、新幹線が在来線を上回る結果となりました。

『その他』には鉄道事業と相乗効果の高いホテル業や旅行業、建設工事業などが含まれています。ホテル業では、客室リニューアルや各種イベントの実施等による販売拡大、旅行業では、インターネット販売の充実や鉄道利用商品の販売拡大に取り組んでいます。

今後の注力事業

JR西日本は近年、観光列車の運行と大阪近郊の再開発に注力しているようです。

観光列車に関しては、単なる移動手段としてではなく、海外インバウンド需要の増加を見込んで、日本の分化や歴史、自然を体験できる魅力的な旅の提供を目指しています。

大阪は関西の経済中心地であるため、再開発を積極的に進めることで新たな収入源の創出につながります。また、大阪駅を起点とする観光列車を運行することによって、周辺商業施設やホテルが利用され、相乗効果も期待できるでしょう。

JR四国

JR四国の営業エリアは四国地方で、四国4県(香川県、徳島県、愛媛県、高知県)の交通の要です。

四国は瀬戸内海、太平洋、豊かな自然など、美しい景観が広がっており、これらの魅力を活かした観光列車を多数運行しています。また、四国は人口が少なく、過疎化が進んでいるため、地域に根ざした鉄道会社として、地元住民の生活を支えています。

セグメント別売上高比率

JR四国セグメント別売上高

JR四国の売上高は、JR各社の中で最も少なく、約533億円です。人口減少や少子高齢化により、鉄道の利用者が大きく減少しているため、厳しい財政状況が続いています。運輸業だけでなく建設業やビジネスサービスにも力を入れ、財政状況を立て直すことを目標としています。

今後の注力事業

JR四国は、困難な財政状況を立て直すべく、不動産事業拡大や特急列車リニューアルに注力する方針です。

松山駅周辺の再開発により、駅ビルや分譲マンションの建設を進めており、運輸業だけでなく、建設業・不動産業での売上アップを期待しています。

また、より多くの観光客を集めるために観光列車の企画・開発も強化しています。四国の美しい自然と文化を体験できる魅力的な鉄道の旅の提供のため、「アンパンマン列車」をはじめとして様々なテーマの観光列車の運行を行っていく予定です。

JR九州

JR九州の営業エリアは九州地方で、過疎化が進む地域との連携を深め、地域活性化に貢献しています。近年は、海外展開にも力を入れており、台湾やタイなど、海外での鉄道事業にも参画しています。

観光列車やクルーズトレインの運行、駅ナカの商業施設の開発など、新たな収益源の開拓に力を入れています。

セグメント別売上高比率

JR九州セグメント別売上高

JR九州は不動産・ホテル業の売上比率が高くなっています。JR九州では新長崎駅のビル開発や、旅館の開発、民家を改修した宿泊施設の開業など、JRのほかの会社と比較して不動産業に注力していることがうかがえます。

今後の注力事業

JR九州では、シームレスな移動の提供に向けた、西九州新幹線運行や新駅整備に今後注力していく方針です。九州全域に鉄道が通っていない現状を解決し、移動時間をさらに短縮することが目的です。また、それに伴って駅周辺の再開発も進めており、相乗効果が期待されています。

JRの新卒採用情報

ここからは、JRに就職したいみなさんに役立つ、募集職種や採用スケジュール、年収などの情報をご紹介していきます。

JRで募集している職種

様々なビジネスフィールドに携わり、将来的に各部門のマネジメントをすることが期待される「総合職」と、鉄道部門において安全な運行のために技術面から支える「プロフェッショナル職(=エリア職)」。JRで募集しているのは、これらの2つの職種が主となります。

「総合職」
数年ごと、ビジネス戦略、IT戦略など幅広い分野に渡ってジョブローテーションを行いながら、経営層となるための知識や技術を養う。
「プロフェッショナル職」
駅・乗務員、車両・機械設備などの部門ごとに現場第一線での経験を積み重ね、専門知識や技術を身につける。

JRの採用スケジュール

HPに採用スケジュールの記載が確認できた「JR東日本」と「JR東海」の2025年卒採用のスケジュールをご紹介します。

どちらの企業も就活解禁となる3月1日から応募開始となり、6月ごろから面接が始まっています。これらの採用スケジュールを参考に、JR各社の就活対策を進めてみてください。

▼JR東日本
応募開始
2024年3月1日(金)
エントリーシートの登録および適性検査
第1回締め切り 2024年3月12日(火)
第2回締め切り 2024年4月2日(火)
第3回締め切り 2024年5月9日(木)
第4回締め切り 2024年7月23日(火)
第5回締め切り 2024年10月3日(木)
書類選考合否結果
第1回~第3回応募完了者 2024年6月20日(木)
第4回応募完了者 2024年9月5日(木)
第5回応募完了者 2024年11月20日(水)
順次面接

▼JR東海
応募開始
2023年3月1日(水)
エントリーシート提出締め切り
2024年3月〜2024年5月
※職種・系統により異なります
書類選考合否結果
5月末まで
順次面接

JRの採用人数と倍率

どれくらいの確率で受かるのかについても、就活をする上で気になる点ですよね。

そこで、リクナビに記載された募集人数とプレエントリー数から、2024年卒の採用選考倍率を計算してみました。

▼JR東日本
プレエントリー数:8626名(*2023年3月19日時点)
募集人数:総合職 46~50名、エリア職 201~300名
予想倍率:約25倍〜約188倍

▼JR西日本
プレエントリー数:3307名(*2023年3月19日時点)
募集人数:301名〜
倍率:約11倍

▼JR東海
プレエントリー数:9350名(*2023年3月19日時点)
募集人数:51~100名(昨年度実績)
倍率:約94倍〜約183倍

JR各社の年収

働く上で知っておきたいのが年収の情報。JR各社によって年収も異なります。ここではJR各社の平均年収をご紹介します。

▼JR各社の平均年収
JR北海道 約458万円
JR東日本 約565万円
JR東海  約729万円
JR西日本 約549万円
JR四国  約458万円
JR九州  約517万円

比較してみると、業績が上がってきているJR東海が一番高く、約729万円という結果になりました。また、業績が低迷しているJR北海道とHR四国が約458万円と低いという結果となっています。

年収ももちろん大事な要素の一つですが、自分がやりたい仕事内容や働きたい地域などと一緒に検討してみてください。

JR各社の求める人物像

ここからはJR各社の求める人物像について確認していきましょう。

▼JR北海道
①公共インフラとしての責任を果たす使命感
②北海道に愛着を持ち、地域の発展に貢献する熱意
③新たなのことに挑戦し、新しい価値を作り上げる実行力
④仲間と協力して物事を進めることができる協調性

▼JR東日本
《総合職》
①変革を恐れることなく、いかなる環境にも対応できる柔軟な思考力
②自ら課題を設定し、社内外のさまざまな関係者と調整を行いながら、プロジェクトをマネジメントし、目標を達成する能力
③新たな領域に自ら進んで挑戦し、JR東日本グループの無限の可能性を率先して追い求める熱い探究心
《エリア職》
①「究極の安全」の追求や「サービス品質」の向上に向けた不断の努力。
②さまざまな関係者と協力関係を築き、鉄道事業を支える技術を継承するとともに、より良く改善していこうとする行動力
③視野を広げて、新たな領域にも積極的に挑戦する意欲

《ジョブ型》
①各領域において将来を見据えた事業推進や未知の課題解決を行うための高い専門能力
②自らの専門能力を自律的・能動的に磨き高める向上心
③前例に捉われることなく、JR東日本グループの成長を加速・拡大させるための創造力

▼JR東海
①何か目標を設けて、達成しようと努力できる人
②自分の長所を伸ばすとともに、つねに「何かを成し遂げよう」というエネルギーに満ちた人
③自らの頭で考え、自らの身体で行動する「自律的」な人
※人事部からのメッセージより

▼JR西日本
《総合職・プロフェッショナル職共通》
①鉄道事業をはじめ、物販・飲食、ホテル、ショッピングセンター、不動産といったさまざまな生活サービスを通して「人、まち、社会のつながりを進化させ、心を動かす。未来を動かす」という志を理解し、共感する方

《総合職》
①不確実性の高い時代に経営を担う重責を認識し、自らが当事者となって人、まち、社会のつながりを進化させる当社グループの持続的発展を担う「覚悟」と「志」を備えた方
②経営環境の変化を的確に捉え、当社グループの持続的発展に資する経営ビジョンを描き、当社グループが掲げる長期ビジョンの実現にリーダーシップを発揮できる方
③既成概念にとらわれることなく、新たな価値やビジネスを創出することに挑戦できる豊かな「創造力」を有する方
④目標達成のために組織を束ね、内外のステークホルダーの皆様に理解を得ながら事業を推進し成果を最大化することができる方

《プロフェッショナル職》
①鉄道の安全と安心を守り続ける使命感をもって、鉄道専門分野を深く追求し、自らの役割を「誠実」に全うできる方
②過去の価値観にとらわれず、常に問題意識をもって、知見や技術の継承にとどまらず、改善や変革に「挑戦」できる方
③相互に敬意と感謝の気持ちをもって、目標の達成のために周囲を巻き込んで、けん引できる方

▼JR四国
①四国に愛着を持ち、四国のために何ができるかという視点と熱意を持った人材
※採用メッセージより

▼JR九州
※HP記載なし
JR九州はHPに求める人物像の記載がありませんでした。JR九州を志望する人は、企業説明会に参加し、採用担当者に質問してみましょう。

私鉄大手5社の特徴と採用情報

ここまで、JR各社の事業内容や採用情報についてご紹介してきました。JRを志望している人の中には、私鉄で働きたいと考えている方もいると思います。ここからは、私鉄大手5社の特徴と採用情報についてご紹介します。
私鉄大手各社の特徴
以下で詳しく確認していきましょう。

東京メトロ

東京メトロとして知られる「東京地下鉄株式会社」は、大手私鉄の中でもダントツの利用者数を誇る会社です。銀座線・東西線・千代田線・南北線・半蔵門線・日比谷線・副都心線・丸ノ内線・有楽町線の9路線を持ち、東京都近郊で生活する人々の生活を支えています。

セグメント別売上高比率

東京メトロセグメント別売上高

東京メトロは、売上の約9割が運輸事業で構成されており、他の私鉄各社と比較して高い数値です。関東においては、JRに匹敵してよく利用されている鉄道であり、今後も運輸業での業績アップが見込まれます。

採用情報

職種
・総合職
・エキスパート職

求める人物像
・「自律」できる人財
高い規範意識のもと、自ら学び、自分の考えを大切にして発信できる
・「挑戦」できる人財
変化の兆しを感じ取り、変化を恐れず行動できる
・「協働」できる人財
異なる価値観を受容・尊重し、周囲と連携することができる

年収
約760万円

初任給
大卒 24万4,800円

東急電鉄

東急は私鉄最大の企業であり、渋谷と横浜をつなぐ東横線や田園都市線などを運営しています。東京都・横浜市・川崎市などに営業エリアを展開しており、この沿線には住みたいまちランキングのTOP常連の自由が丘、目黒、に小玉川といった街が位置しています。

セグメント別売上高比率

東急電鉄セグメント別売上高

東急は交通事業よりも、百貨店などの生活サービスの方が売上高が高いことが特徴です。

交通事業の売上は全体の2割程度である一方で、生活サービス事業は6割近くになっています。この生活サービス事業に含まれているのが、渋谷ヒカリエ内にある商業施設「ShinQs」や東急ストア・東急百貨店などです。加えて、不動産事業で「渋谷ヒカリエ」や「たまプラーザ」などを手がけています。

このように、東急は交通事業だけでなく、鉄道事業を行っている沿線での事業展開によって生活を支えているのです。

採用情報

職種
・総合職
・鉄道エキスパート職
駅係員
車両技術員
電気技術員
土木・建築技術員

求める人物像
・業務に対する「責任感」
・チームへの「協調性」
・ルールを守る「規律性」
高いコミュニケーション能力とホスピタリティマインドを持ち、自ら的確に考え行動できる人材

年収
約777万円

初任給
20万3,500円

東武鉄道

東武鉄道は、浅草、池袋を起点として北関東に路線網を広げる大手私鉄会社です。東京都・埼玉県・千葉県・栃木県・群馬県の1都3県を営業エリアとしており、関東地方の私鉄の中で最も営業範囲が広いことが特徴です。

また、東武鉄道は鉄道事業だけでなく、東武百貨店など、流通、不動産、ホテル、レジャー事業にも力を入れており、東京スカイツリーも東武鉄道が運営しています。

セグメント別売上高比率

東武鉄道セグメント別売上高

東武鉄道は観光・レジャー事業に強みを持っています。代表的なエリアとしては、東京スカイツリー・浅草エリアです。海外インバウンド需要の増加とともにレジャー事業の売上比率は上がってきています。

採用情報

職種
・ポテンシャル採用(総合職)
・プロフェッショナル採用(鉄道専門職)

求める人物像
 既存事業をさらに磨き上げることによる「信頼」と、変革を恐れない新たな発想による「価値創造」により、ビジネスチャンスの開拓を地域社会の持続的成長につなげていく人材

年収
約677万円

初任給
大卒 23万7,000円

小田急電鉄

東急電鉄は新宿を拠点に湘南や箱根といった観光地を結ぶ3つの路線を保有しています。新宿を起点に箱根・小田原を結ぶ「小田原線」、湘南エリアまでを結ぶ「江ノ島線」、多摩ニュータウンまでを結ぶ「多摩線」は、合計して1日に約210万人が利用しています。

セグメント別売上高比率

小田急電鉄セグメント別売上高

小田急電鉄は運輸事業・流通事業を中心に、不動産・ホテル・飲食事業など幅広い事業に取り組んでいます。小田急百貨店の運営を基軸として流通業務にも積極的に進出し、成果を出し続けています。

採用情報

職種
・総合職
・エキスパート職
(運輸・車両・土木建築・電気・IT)

求める人物像
夢を通してお客さまの「かけがえのない時間(とき)」と「ゆたかなくらし」の実現に共に貢献してくれる人

年収
約753万円

初任給
大卒 24万5,500円(総合職)
大卒 22万3,700円(エキスパート職)

近鉄グループ

近鉄グループホールディングスは1910年に創業した関西地方の大手私鉄会社です。大阪・奈良を中心として、京都・三重・愛知にまで2府3県の営業路線を保有しています。約150の企業からなるグループであり、鉄道以外にも様々な事業を展開しています。

セグメント別売上高比率

近鉄グループセグメント別売上高

近鉄グループは、国際物流をメイン事業として、ホテルレジャー・流通・運輸事業を手がけています。

近鉄グループは2015年からあべのハルカスを中心とした事業プロジェクトに力を入れています。インバウンド需要の高まりによって、観光産業が発展し、「ハルカス展望台」や「海遊館」での業績が大幅に伸びたのです。

運輸事業と観光・施設事業を連携させた事業展開で近畿地方の発展に寄与しています。

採用情報

職種
・総合職事務系
・総合職情報系
・総合職建築系

求める人物像
・「何かおもしろいことはないか常に考えている」
好奇心旺盛で、変化を楽しめる。常に物事を前向きに捉え、夢を描ける。
・「簡単には諦めず、最後までやり遂げる」
自分自身が納得し強い思いが持てるまで考えて考え抜ける。当事者意識を持って取り組める。様々な手を考えて、もがける。
・「地域への貢献を意識しながら、収益を生み出せる」
社会貢献を意識して、仕事に取り組む。仲間との協働により、より大きな成果を目指せる。

年収
約780万円

初任給
大卒 25万500円

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ここまでJR各社と大手私鉄5社の情報をご紹介してきました。

JRや私鉄各社の事業内容・採用情報を理解して、実際に働かれている社会人の方にお話を聞きたいと思った方も多いのではないでしょうか?
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さいごに

JR各社の取り組みや採用情報、私鉄各社の特徴についてご紹介してきました。

鉄道以外にも展開している多様な事業についても理解が深まったと思います。ぜひ、キャリア選択の参考にしてください。

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