テレビ業界は赤字?ビジネスモデルや民放キー局今後の収益構造を解説

2026/03/04
テレビ業界
業界の仕事内容
目次
1.
‌【図で解説】テレビ局のビジネスモデルとは?
2.
テレビ局の主な収入源を解説
3.
‌テレビ局は赤字?今後の収益構造を解説
4.
【比較】テレビ局大手5社の収益構造を解説
5.
さいごに
‌日テレやフジテレビなど、多くの人気企業を擁するテレビ業界。毎年沢山の就活生がテレビ局の選考を受けています。
この記事のテーマは、テレビ業界の儲け方。みなさんはテレビ業界の企業がどのようにして利益を出しているかご存知でしょうか?

‌「CMを頻繁に見るから広告収入がメインだ!」
‌「受信料もあるのでは・・?」


テレビ局には様々な収益源があり、1つだけが正解という訳ではありません。‌
‌この記事では、テレビ業界がどのようにして利益を上げているのかを説明します。テレビ業界を志望するのであれば、必須の知識。ぜひ最後まで読んで、テレビ業界への理解を深めてください。

‌【図で解説】テレビ局のビジネスモデルとは?

‌テレビ局を志望していても、ビジネスモデルについて具体的に知らない方も多いのではないでしょうか。まずは下の図をご覧ください。
テレビ局のスポンサー収入
図の左側に書かれている電波料とは基本的に公共の電波を使用した人が総務省に支払うもので、電波の利用料金のことです。
テレビ局の放送事業は総務省からの免許制度をもとに行われており、県域免許制度になっています。この制度によって基本的に1つのテレビ局は1つの県域にしか番組を放送することができないので、全国放送の場合などはローカル局(図で言うと、A局、B局、C局)にも電波料が支払われます。
‌次に制作費についてです。この製作費とは番組制作を行う上でかかる費用のことで、最終的にはタレント出演料であったり、映像を撮るスタッフの人件費、技術代等になります。
民法テレビ局は視聴者から直接受信料をもらっているわけではなく、スポンサーと呼ばれる企業のCMを制作・放送しその広告料が収益となっています。
そのため民法テレビ局では、多くの人がテレビをつけて見るような番組制作が求められているのです。

NHKと民放テレビ局で収益構造は大きく異なる

視聴者からの受信料が一切かからない民放テレビ局と反対に、NHKは受信料を主な財源としています。
NHKは「NHKの運営財源は、受信設備を設置された全ての視聴者のみなさまに公平に負担していただくよう放送法で定められています」としており、スポンサー料や団体の出資は受けつけていません。
【参考】NHK『NHKとはどういう事業体なのか | よくある質問集(FAQ)』

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テレビ局の主な収入源を解説

テレビ局を表す画像‌テレビ局の大まかなビジネスモデルについて解説しましたが、テレビ局、主に民法テレビ局の収入源は様々です。
ここでテレビ局の主な収入源について、詳しく解説します。

▼テレビ局の主な収入源
①広告収入
②受信料
③ライツ収入
④配信事業
⑤不動産事業

以下で詳しく解説していきます。

①広告収入

テレビ業界の1つ目の利益の上げ方は、CMなどの「広告収入」です。
ビジネスモデルで解説した通り、民法テレビ局にとって大きな収入源になります。
基本的なお金の流れは、

広告を出したいスポンサー➡広告代理店➡テレビ局➡CM制作会社
という流れです。
CMには2種類の契約方法があります。

タイムCM

タイムCMとは、企業が番組の枠を購入してスポンサーとなりCMを放送することです。
スポンサーに就くことで、番組中にCMを何度も放送できたり、契約によってCMの放送秒数を決めたり、番組の企画に関わることもできます。

番組途中に流れる「この番組は〜の提供でお送りしています」という番組提供で表示された企業がタイムCMを契約した企業(番組スポンサー)に該当します。

契約期間は6か月以上が多く、短期間での契約はできないことがほとんどです。
人気番組やゴールデンタイムの番組などには、タイムCMが付いていることが多いです。

スポットCM

スポットCMとは、発注金額や期間、放送時間を自由に考えて放送ができるCMのことです。

主にキャンペーン紹介や新商品のPR時など認知度拡大や集客のために利用されています。
タイムCMのように、提供表示や具体的な番組の選択はできませんが、利便性が高いことが特徴です。

‌収入源と視聴率はどんな関係?

就活生の中には「テレビは視聴率が大事」と聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
‌実は視聴率と収入源には密接に関係しているのです。

視聴率とは「テレビ所有世帯のうち、特定のテレビ番組やCMをどのくらいの世帯や人が見ていたかを示す割合」を指します。視聴率が高い番組は、多くの世帯・視聴者に届いているということになり、同時に番組内で流れるCMもより多くの人の目に触れます。そのため、視聴率の高い番組の方が高い広告効果が見込めるでしょう。

‌したがって、視聴率が高い番組ほど広告単価が高くなります。ここから、視聴率の高さは広告収入に直結し、テレビ局の売上を左右する重要な指標であると言えるでしょう。

‌テレビ業界の広告収入の未来は?

‌下のグラフはテレビメディアとインターネットの広告費の推移です。
テレビメディアとインターネット広告費の推移
‌【参考】総務省『令和7年版 情報通信白書|広告』

2024年まで、テレビメディアの広告費がゆるやかに減少しているのがわかるでしょう。さらに、急激に伸びているインターネット広告費には、2019年に逆転されており、以降現在まで差が開いています。
グラフからもわかるように、近年の日本の広告費はインターネット広告が勢いを見せており、テレビメディアの広告費は縮小しています。
‌この原因は一言で言えば、テレビを‌視聴する人・時間が減ったからです。‌
総務省の2024年の調査によると、テレビ(リアルタイム)の平均視聴時間は、全年代平均でインターネットの利用時間を下回っています。以前は「若者のテレビ離れ」と言われていましたが、現在では全年代でテレビ離れが進んでいると考えられるでしょう。

‌テレビ局の「スマホ移行」に対する打ち手とは?

‌上の調査結果からわかるように、近年では全年代平均で「テレビ離れ」が進行しています。

テレビ局もこの現状を把握していて、テレビからスマートフォンへの移行に様々な手で対策を打っています。
‌例えば、テレビ朝日。テレビ朝日は、大手IT企業のサイバーエージェントと提携し、AbemaTVというインターネットテレビ局を運営しています。
‌日本テレビが動画配信サービスのHuluを買収したのも、広告収入の現象に対応するための打ち手と言って良いでしょう。
‌現状のこの広告収入モデルが数年後に破たんするといったことは考えにくいですが、収益減に対応すべく、新たな収益モデルを作り出すことになりそうです。‌

②受信料

冒頭でもお伝えした通り、受信料を主な収入源としているのはNHKのみです。2024年度の受信料収入は6,125億円で、事業収入全体の96.4%を占めています。
テレビ広告費の現象で民放のテレビ局が悩まされる中、NHKは広告費の変動の影響をほとんど受けていません。

‌しかし視聴者のテレビ離れで、そもそもテレビを持たない人の増加・人口の減少が大きく影響してくるでしょう。実際NHKの受信料収入は、前年比6.7減となっており、例年減少し続けています。

‌‌‌③ライツ収入

ライツの収入とは、テレビ局が作った番組などのコンテンツを二次利用して得た収益のことです。
ライツ(Rights)とは、アニメやドラマ、バラエティのグッズや番組DVDのことを指します。

具体的には、海外にコンテンツを輸出したり、その番組についてのグッズを作ったりして出した収益を指します。番組人気の有無などによってライツを展開するか否かも異なりますが、特にテレビ東京はポケモン・妖怪ウォッチなどアニメ事業に強く、グッズ化やDVD化などが強いコンテンツです。

④配信事業

配信事業とは、インターネット経由でドラマや映画などを視聴できるサービスです。
代表的なサービスはTVer、Netflix、Hulu、U-NEXTなどが挙げられます。サブスクリプション型のビジネスモデルが大半で、どれだけ多くの利用者を呼び込めるかが重要なサービスです。

テレビで放送した番組だけでなく、その媒体でしか見られないオリジナルドラマなども配信することによって集客を図っています。

⑤不動産事業

‌‌副収入という言い方は少し語弊があるかもしれませんが、特に民放キー局は、サブ事業として広告分野を離れたビジネスを保有しています
例えば、TBSの2024年度売上高2,962億円のうち、168億円は不動産事業の売上であり、増収増益を記録しています。

その他各社のメディア以外の事業は「【比較】テレビ局大手5社の収益構造を解説」の章で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

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‌テレビ局は赤字?今後の収益構造を解説

収益構造を表す画像‌テレビ局の主な収入源について解説しましたが、テレビ離れに伴う広告収入の減少で今後どのような収益構造になっていくのでしょうか。

▼テレビ局の現状と今後の収益構造
・番組制作にかかる費用の削減
・配信コンテンツの利用
・案件番組の活用

以下で詳しく解説していきます。

番組制作にかかる費用の削減

制作予算は年々減少傾向にあり、テレビ局・制作現場ともに厳しい状況です。テレビ局は広告収入の減少により、番組制作費の削減を余儀なくされています。また、制作費削減の影響を受けるのは、番組制作会社も同じです。

低予算かつ高クオリティの番組制作を続けるのは、テレビ局・番組制作会社ともに持続性が低く、新たな収益構造・価値創出が求められるでしょう。

配信コンテンツの利用

先ほど紹介した通り、配信事業が今後大きな収入源になるでしょう。コロナの終息後も配信サービスの利用者数は増加し増益が期待できる一方で、競争率が激しくなってきていることも事実です。
テレビ広告費とテレビメディア関連動画広告費の推移

上記のグラフは、テレビ広告費・テレビメディア関連動画広告(TVerなど配信事業)の推移を示しています。配信事業の広告費が増加しており、今後も伸びが期待されています。一方で、放送ビジネス全体を補完するまでには至っておらず、さらなる成長が必要と言えるでしょう。

【参考】総務省『放送局ビジネスの現状と未来』

‌案件番組の活用

広告収入減少を受けて、スポンサー企業が制作に関わって自社製品・サービスを宣伝する「案件番組」を新たな収入源とするテレビ局が増えています。

企業から制作費や協賛費を直接得られるため、従来のCM枠に頼らなくても収益を確保できる仕組みです。番組内容と商品のアピールを組み合わせることで、視聴者に自然な形でPRできるというメリットもあります。

具体的には、旅行会社や観光地がスポンサーとなっている旅番組や、飲料メーカーがタイアップする料理番組などがあります。

【比較】テレビ局大手5社の収益構造を解説

テレビ局全体の収入源や収益構造について詳しく解説してきましたが、ここでは大手テレビ局5社の収益構造を紹介します。
‌2024年度のテレビ局大手5社の売上高ランキングは以下の通りです。
2024年度テレビ局大手5社の売上高ランキング。
1位はフジテレビ、2位は日本テレビ、3位はTBSという結果になりました。
魅力的な番組制作をしている各テレビ局ですが、売上高ベースで見ると、意外と違いがあることがわかります。

以下で各社について詳しく解説していきます。

▼紹介する大手テレビ局5社
①日本テレビ
②TBS
③テレビ朝日
④フジテレビ
⑤テレビ東京

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①日本テレビ

日本テレビの収益構造
日本テレビホールディングスは、子会社をいくつも保有しメイン事業であるメディア・コンテンツ事業のほかに、様々な事業を展開しています。2024年には人材やアパレルの新規事業も立ち上がり、多角化を目指しています。

更に2023年9月には株式会社スタジオジブリを子会社化しました。
今後は、アニメーション映画の制作やイベント事業の規模を広げていく狙いがあります。

②TBS

TBSはこれまでメイン事業であるメディア・コンテンツ事業のほかに、不動産事業が目立っていましたが、昨今は落ち着き、ライフスタイル事業で規模の拡大を図っています。
また社会課題解決に向けた取り組みにも積極的で、「地球を笑顔にするWEEK」というプロジェクトで大型特番を組むなどしています。

③テレビ朝日

テレビ朝日ホールディングスの収益構造
テレビ朝日は近年、報道番組やバラエティの制作に力を入れていて、好調な視聴率を維持しています。また地上波番組とVR空間の連動をするなど、先端コンテンツの導入を図り視聴者への新しい体験づくりに積極的です。

‌2024年にはイベント事業局が新設され、対面イベントの収益力強化を図っています。

‌④フジテレビ

フジ・メディアホールディングスの収益構造
‌売上高1位のフジテレビですが、メインである放送・メディア収入は減収減益が続いています。しかし、催物や映画などコンテンツ・ビジネス事業、都市開発・観光事業が好調で、メイン事業以外での売上を伸ばしていることが特徴的です。フジテレビは、ビルだけでなく水族館やホテルといった施設を保有しており、観光事業が盛んです。

‌なお、フジテレビは2025年1月に不祥事が発覚しており、2025年度以降の決算及びガバナンス体制に注視する必要があります。

⑤テレビ東京

テレビ東京ホールディングスの収益構造
テレビ東京は、他局と対照的に放送事業に注力した経営を行っています。
事業拡大ではなく、スタジオを使わないロケ番組を増やすなどして制作費用を抑えたり、グループ会社全体で組織再編をし新規スポンサーの獲得、配信サイトの活用などをして収益力の強化を図っています。

‌2025年には、テレビ東京が企画するフェイクドキュメンタリーシリーズ「TXQ FICTION」がネット上で話題になるなど、テレビの枠にとらわれないコンテンツ作りが特徴です。

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‌【‌社会人の所属企業一覧(一部)】
フジテレビジョン、日本テレビ、NHK、テレビ東京、テレビ朝日、放送作家、他多数
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さいごに

テレビ業界の利益の上げ方を説明してきました。みなさんのテレビ業界への理解が深まっていれば幸いです。

‌数十年前、携帯電話がなかった時代は、ラジオや新聞、テレビが広告の主導権を握っていました。ただ現在はスマートフォン、タブレット端末、パソコンなどが普及し、コンテンツやそれに伴う広告が見られる媒体が増えました。

テレビ局のライバルは、他のテレビ局だけではなく、多くのコンテンツサービスへと広がっています。ぜひ、テレビを取り巻く環境の変化も把握して、テレビ業界の研究を進めてください。

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