出版社の仕事内容とは?職種や向いている人の特徴、業界の動向を解説
2023/11/28
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毎年多くの学生が入社を希望する「出版社」
しかし「実際にどのような仕事をするのか」「就職するためには何をすべきなのか」と多くの学生が疑問に思っているのではないでしょうか。
本記事では、
・出版社の仕事内容
・出版社の就職状況
・就職のためにすべきこと
・出版社の採用状況
について詳しく解説しています。
出版社への理解を深め、自身の就職活動に役立てましょう!
出版社への就職は難しい!?
出版社は毎年多くの学生から人気を集めるものの、採用人数が少なく、就職難易度が高いのが実状です。
また、近年紙媒体の出版物の需要が減り、デジタルに移行するなど、大きな転換点にいます。
そのような出版社の実態を解説していきます。
出版社の市場動向
インターネットやスマートフォンの普及により、若い世代を中心に活字離れが進んでいます。
みなさんの日常生活の中でも、電車で多くの人がスマートフォンを利用していることを実感できるでしょう。
また、本や雑誌を紙媒体で読む人は減少傾向にあり、いわゆる「出版不況」がささやかれています。
一方で、電子書籍やWEBメディアが急激に増加傾向にあります。
特に電子コミックが大きくシェアを占めるようになっているのです。
出版社の採用事情
上記のように出版不況が叫ばれる中で、出版社で正社員を固定的に持たず、企画単位でフリーランスと契約をし、記事や書籍を作成することが一般的になりつつあります。
なるべく人件費を削減しつつ、質の高いコンテンツを世に生み出そうというのが狙いでしょう。
ということは、新卒で採用する人数も少なくなっている傾向にあります。
採用数の多い大手出版社でも数十人というのが相場です。
募集人数が少ないのにも関わらず、毎年多くの学生から人気を集めているため、出版社への入社難易度は極めて高いといえるでしょう。
出版社への入社に学歴や学部は関係ある?
「就職するのが難しいってことは学歴の高い人しか入れないのでは?」
「文学部に所属していないと内定をもらえないのでは?」
と不安に感じる学生もいると思います。
しかし、学歴が選考に関係する、選考に有利な学部があるということはないと考えられます。
4年生大学の卒業が見込まれれば、全学部が対象となります。
一方で「高学歴が選考に有利」というイメージがあるのは、出版社独自の選考フローにあるのかもしれません。
出版社の選考には、何問にも及ぶ独自のESや筆記試験などがあります。
そのため、学歴と相関関係にあるということも事実かもしれません。
出版社への就職には日常から対策が必要
上記で出版社の選考フローは特殊であるということを説明しました。
具体的には
「10問程度の独自のES」
「企業オリジナルの筆記試験」
「4回以上と多くの面接」
が選考フローとしてあります。
ESでは、学生時代に力を入れたことや志望ジャンルの他に、仕事観や当社作品とどのように関わってきたか、注目しているエンターテインメントなど、出版社に関わる多くの質問が設けられています。
ESの時点でかなり激しい絞り込みがされることが考えられます。
また、面接では出版物の購買率を上げる施策を問われたり、コンテンツのデジタル移行に関する考え方など、出版業界特有の質問がされます。
このように出版社の選考フローは特殊であり、独自の対策が必須です。
では、どのように対策をすればよいのでしょうか。
出版社への就職に向けて取り組むべき4つのこと
出版社への就職に向けては以下の4つに取り組むことが有効です。
①普段から本や雑誌などのメディアに触れる
②食べ物やファッションなどさまざまなことに興味や関心を持つ
③出版社が開催するインターンシップに参加する
④OB・OG訪問をしてESや面接の対策をする
以下で詳しくみていきましょう。
①普段から本や雑誌などのメディアに触れる
「普段からあらゆる分野の本や雑誌に触れること」が重要です。
名作から話題の新刊、ファッションやスポーツ誌など多種多様なジャンルのメディアに触れましょう。
また、志望する出版社のメディアには必ず目を通すことが大切です。
面接では「最近読んだ本」や「当社の出版物に関する考え」など、本や雑誌に関するあらゆる質問がされます。
この時に、自信をもって回答できるように、日頃から自分が興味のない分野の出版物にも触れる習慣をつけてみましょう。
②食べ物やファッションなどさまざまなことに興味や関心を持つ
出版社への就職には「食べ物やファッションなどさまざまなことに興味や関心を持つ」ことが重要です。
出版社が刊行する出版物は、ファッションやアイドル、ラーメンと多岐に渡ります。
そのため、選考官も筆記試験や面接を通して、幅広い興味や関心があるかどうかを見ています。
例えば、筆記試験では「時事問題」や「一般常識」に加え「エンタメ知識」「料理」「ファッション」「スポーツ」に関するオリジナルな設問が問われます。
そのため、自分が今まで興味がなかった分野での情報収集が欠かせません。
大切なのは、日頃からアンテナを張り、多種多様なジャンルにおける情報収集を怠らないことです。
普段から新聞やテレビを見たり、本屋に足を運んだりしてメモをとる習慣をつけましょう。
③出版社が開催するインターンシップに参加する
出版社への就職に向けて「インターンシップに積極的に参加する」ことも大切です。
実際に業界や企業の特徴に触れることができるため、志望動機を明確にすることができます。
入社後のミスマッチを防ぐ、ということも学生にとっては重要になるので、実際に足を運んで雰囲気や文化を理解してみましょう。
④OB・OG訪問をしてESや面接の対策をする
「OB・OG訪問をして社会人の方に選考対策をしてもらう」ことは選考突破において重要です。
上記で述べた通り、出版社の選考フローは他業界と比べて特殊で、難易度も高いです。
そのため、ES・面接対策を1人で行うことは非常に困難であると考えられます。
実際に選考を突破したOB・OGの方と対策することで内定獲得に大きく近づくことができます。
ぜひOB・OG訪問を通して、納得する選考を進めましょう。
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MatcherでOB訪問できる相手を探してみる(無料)出版業界は4つに分けられる
以下では出版業界について詳しく説明します。
一般的に出版業界は4つに分けられます。
①出版社
②書店
③出版取次
④編集プロダクション
それぞれ詳しく紹介します。
①出版社
「出版社」は、本や雑誌などの出版物の企画・制作から販売促進までを行います。
その中でも、あらゆるジャンルの出版物を制作する「総合出版」と、経済や学習参考書など専門分野を対象にしている出版社、小説など文芸書を対象にする出版社に分かれます。
出版社では、まず書籍や雑誌の企画・制作を行います。
その際、編集者が本の制作・発行を管理し、校閲者が誤字脱字をチェックします。
そして完成した出版物は、営業が販売促進し、消費者のもとへ届くのです。
②書店
「書店」は書籍の売買をしており、学生の方にも親しみがあるのではないかと思います。
実店舗を持つ「書店」、オンラインで売買ができる「ネット書店」、電子書籍を扱う「電子書店」の3つに分類できます。
書店の役割は、出版社が作成した出版物を販売することです。
③出版取次
「出版取次」は、出版社が制作した出版物を仕入れ、全国の書店へ届ける流通の役割を担っています。
また、ただ出版物を届けるだけではなく、書店の売上データや市場動向を把握し、出版社と書店に提供しています。
それによって効率的な流通の実現も行っているのです。
出版取次は全国に約100社ありますが、実際には「日本出版販売」「トーハン」の2社で約8割のシェアを占めているのが実状です。
④編集プロダクション
「編集プロダクション」は、出版社から仕事を受注し、出版物の制作を行っています。
出版社の外注先と言われるとイメージしやすいかもしれません。
なかには、出版物の企画や校正まで代行するケースもあります。
しかし、出版社と大きく異なる点は「自社で出版物の企画・立案をほとんど行わない」ということです。
つまり、仮に出版物を制作したとしても、その発注元は出版社になります。
出版社の主要な8つの業種
では、出版社は具体的にどのような仕事をしているのでしょうか。
一般的に仕事内容は以下の8つです。
①編集者
②制作・校閲
③ライター
④フォトグラファー
⑤営業
⑥広告宣伝
⑦デジタル推進
⑧事務(バックオフィス)
以下でそれぞれみていきましょう。
①編集者
「編集者」は、本や雑誌など出版物の編集を担当する仕事を行います。
具体的には、書籍や記事の企画や取材、撮影、校正など、制作における全行程に携わります。
また、全体を統括することも求められ、記事の納品が遅れそうなときは、ライターや作家に催促するのも編集者の仕事です。
②制作・校閲
「制作」は、出版物の企画や制作、デザイン編集などを行います。
一方「校閲」は、原稿に目を通し、事実と異なる内容がないか、誤字脱字がないかをチェックします。
制作と校閲は編集者が一貫して行う場合もあれば、編集者以外が担当することもあるようです。
③ライター
「ライター」は編集者が作成した企画に基づいて、原稿の執筆を行います。
その際、企画に目を通すのはもちろん、書籍やインターネットでリサーチしたり、インタビューをしたりして必要な情報を収集することも、ライターの重要な仕事です。
社内に専属のライターを抱えていない場合は、フリーランスに外注するケースもあります。
④フォトグラファー
「フォトグラファー」は、雑誌や本に掲載される写真を撮影します。
スタジオでの撮影を行うだけでなく、インタビューやイベントに出向いて撮影することも多いです。
また、ライターと同様に社内に専属のフォトグラファーを抱えていない場合があります。
その場合は、フリーランスに仕事を発注します。
⑤営業
営業は大きく「広告営業」と「書店営業」の2種類に分かれています。
「広告営業」は、雑誌に掲載する広告の広告主を探し、交渉・提案を行うのが仕事です。
一方「書店営業」は、出版取次や書店に対して自社の出版物により多くの発注してもらえるように働きかけます。
どちらも出版社に属しており、自社の出版物の売上に関わる業務です。
⑥広告宣伝
「広告宣伝」は、自社の出版物をより多く購買してもらうための施策を企画し、実行まで行います。
例えば「プレリリースによる広告」「PRイベントの企画・実行」「SNSを通じた宣伝」などがあります。
いくら素晴らしい出版物でも読者に届かなければ魅力を伝えきれないため、広告宣伝の仕事は非常に重要です。
なお、専属の広告宣伝担当がいる場合は少なく、多くは編集者がその業務を担っています。
⑦デジタル推進
「デジタル推進」は、既存のメディアや出版物のデジタル化を行います。
WEBメディアや電子書籍が急増したことで、近年その重要性は増してきました。
ただし、すべての出版社にデジタル推進担当がいるわけではありません。
その場合、営業企画や製作スタッフがその業務を担っているケースも多いです。
⑧事務(バックオフィス)
「事務」は他業界と同様にあり、出版社にも欠かせない職種です。
主に「経営企画」「総務」「経理財務」「人事」などがあります。
顧客と直接接することはありませんが、出版物の刊行を裏から支えています。
出版社に向いている人の4つの特徴
では、どのような人が出版社に向いているのでしょうか。
ここでは
①時代のニーズや流行に敏感
②本や雑誌などの活字が好き
③柔軟な発想力と企画力がある
④言語運用能力が高い
について解説します。
①時代のニーズや流行に敏感
出版社では「時代のニーズや流行に敏感」であることが求められます。
出版社で扱うのは多種多様なジャンルの出版物であり、トレンドの情報を読者へ届けるのが仕事です。
そのため常にアンテナを張り、どんなニーズがあり、何が流行っているのかを読み解くことが、ヒットする企画に繋がります。
さまざまなジャンルの出版物を扱う総合出版社であれば、ニーズや流行を広く捉えられる人が向いています。
一方で、ある特定の分野を深く追求できる人は、専門の出版社で力を発揮することができるでしょう。
②本や雑誌などの活字が好き
「本や雑誌など活字を読むことが好きである」というのも重要な特徴です。
出版社では、多くの雑誌や書籍を扱うため、当然活字に触れる機会も多くあります。
そのため、活字を読むことが苦になってしまう人は、業務にストレスを感じてしまうでしょう。
③柔軟な発想力と企画力がある
「柔軟な発想力と企画力がある」という特徴は近年重要性を増しています。
なぜなら、出版業界は大きな変革を迫られているからです。
近年、若者を中心に活字離れが深刻化し、出版不況が続いています。
そのため、デジタル化や異業種とのコラボレーションなど、柔軟な発想で新たな価値を創造できることが求められます。
実際、出版取次大手のトーハンは求める人物像に「常識にとらわれずに新しい価値を生み出す」ということが明記されています。
【出典】株式会社トーハン 採用サイト
④言語運用能力が高い
本や雑誌の刊行には「高い言語運用能力」が求められます。
世の中に刊行される出版物は正確な日本語で書かれていることが必要です。
文章を校正する担当者はもちろん、原稿を執筆する著者やライター、それらを一次チェックする編集者にも高い言語運用能力が求められます。
多くの出版社が独自の筆記試験を設けていることからも、そのことが分かるでしょう。
出版社に求められる4つのスキル
出版社には以下の4つのスキルが求められます。
①コミュニケーション能力
②情報収集力
③企画力
④交渉力
それぞれみていきましょう。
①コミュニケーション能力
1つ目は「多くの人と共通の目的を円滑に達成するコミュニケーション能力」です。
出版物の刊行には、ライターだけでなく、編集者、フォトグラファー、校閲、営業と数多くの人が関わっています。
特に編集者は全体を監督する立場にあり、時に撮影現場を指揮したり、ライターに催促を行ったりします。
そのため、出版社には高いコミュニケーション能力が求められているのです。
②情報収集力
2つ目は「常にアンテナを張りあらゆる情報を収集する能力」です。
出版社は「世の中に求められている情報」「役に立つ新しい価値」を考えることで、ヒットするコンテンツを世に生み出しています。
そのため、普段からアンテナを張り、ニーズや流行など市場動向を捉える必要があります。
また、競合他社よりも一歩先の情報を提供することで、多くの読者にコンテンツを届けることができるのです。
新たな流行の創出、ささいなニーズの変化も機敏にキャッチアップできる気概のある人材が出版社に求められます。
③企画力
3つ目は「世の中にヒットするコンテンツを企画する能力」です。
出版社では、常にヒットする出版物やメディアの企画を目指しています。
また編集者は、編集会議や企画会議を頻繁に行い、数多くの企画を考え比較検討する必要があります。
そのため、常に先を見て、世の中に求められているコンテンツを生み出す能力が不可欠です。
④交渉力
4つ目は「人を納得させて動かす交渉力」です。
交渉力とは、自身と相手の利害を調整してお互いが納得できるゴールを目指すことです。
いくら魅力的な企画、コンテンツを生み出してもこの力がないと、読者に届けることはできません。
例えば、編集者は企画会議の場で、自身の考えた企画を伝える必要があります。
また、営業担当者は、自社の出版物の魅力を伝え、書店に置いてもらうことを目指します。
このように出版社では、自社の企画やコンテンツの魅力を伝え、相手を動かす交渉力が不可欠です。
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