【就活】証券会社とは?仕事内容を職種や部門別にわかりやすく解説

2025/08/29
業界の仕事内容
証券業界
金融業界
目次
1.
証券会社とは
2.
‌‌‌証券会社のビジネスモデル
3.
‌証券会社の主要業務
4.
‌証券会社の職種①|リテール部門
5.
‌証券会社の職種②|リサーチ部門‌
6.
‌証券会社の職種③|インベストメントバンキング(IB)部門
7.
‌証券会社の種類
8.
証券会社の代表的な企業5社の売上高・年収
9.
証券会社を志望する就活生の併願先
10.
証券会社を志望する就活生のよくある疑問
11.
おわりに
‌証券会社について簡潔に言うと、株式や債券などの取引仲介人です。取引の仲介人として証券会社はさまざまな部門・業務に分かれその役割を果たしています。

今回は「リテール部門」、「リサーチ部門」、「インベストメントバンキング部門」といった部門別・業務別に各々の仕事内容についてわかりやすく解説していきます。
‌ぜひ最後まで目を通し、証券業界に対する理解を深めてください。‌

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証券会社とは

証券会社とは、企業と投資家をつなぎ、資金の流れを仲介する金融機関です。

証券会社の仕事内容を理解するには、まず「金融」という仕組みを知っておくことが大切です。

金融の仕組みには大きく分けて 「直接金融」 と 「間接金融」 の2つがあります。両者の違いは、資金のやり取りにおいて金融機関が仲介するかどうかにあります。
直接金融と間接金融の違いを例を使いながらまとめた表

‌直接金融

直接金融
直接金融とは、「資金を借りたい人」と「資金を貸す人」が互いに条件を提示し、銀行などの仲介人を介さずに資金の貸し借りや投資を行う仕組みです。証券会社は、この直接金融に該当します。

「借りる」側の企業は株や社債を発行して資金を調達し、「貸す」側の投資家はその対価として配当や利息、値上がり益を得ます。証券会社はその仲介役として、取引や手続きをサポートしますが、あくまで企業と投資家が直接結びついている点が特徴です。

つまり資金の流れは「投資家⇔企業」であり、証券会社は橋渡しにすぎません。銀行のように資金を一度引き受けて貸し出すのではなく、企業と投資家が直接取引するから「直接金融」と呼ばれるのです。

間接金融

間接金融

間接金融とは、銀行のような金融機関が間に入って資金をやり取りする仕組みです。

預金者は銀行にお金を預け、銀行はそのお金をまとめて企業や個人に融資します。お金を貸しているのはあくまで銀行であり、預金者と企業が直接契約するわけではありません。

このように銀行が「お金の貸し手」としてリスクを負い、預金者には利息を支払うのが特徴です。資金の貸し手と借り手が直接つながらないため「間接金融」と呼ばれ、銀行業務の根幹となっています。

‌‌‌証券会社のビジネスモデル

以下の図が証券会社を取り巻く証券の流れを表したものです。

証券会社のビジネスモデル

‌証券会社の最も重要な役割は「資金が必要な企業」と「資金を増やしたい企業」を結びつけることです。
企業は株式や社債を発行して事業に必要な資金を調達し、投資家はその証券を購入することでリターンを得ます。証券会社はその仲介役として取引を成立させ、スムーズに進めるためのサポートを行います。

この仕組みによって企業は成長のための資金を得ることができ、投資家は資産を増やす機会を得られます。そして、その過程で発生する仲介手数料こそが証券会社の収益源となっています。

証券会社は「企業の成長」と「投資家の資産形成」の双方を支える存在であり、経済全体にとって欠かせない役割を担っているのです。

‌証券会社の主要業務

ここでは証券会社の「ブローカー」「ディーラー」「アンダーライター」「セリング」業務について解説します。これら4つの業務すべてを行っている証券会社は、「総合証券会社」と呼ばれます。

各業務の仕事内容を知り、自分がどの業務に興味があるのか理解していきましょう。

ブローカー業務

ブローカー業務
ブローカー業務では、投資家から株式や債券の売買注文を流通市場に取り次ぐ業務です。トレーディング業務と言い表すこともできます。
また、「外国為替ブローカー」と呼ばれる、為替市場において銀行間での取引仲介も行っています。取引の仲介を行った際に得られる手数料を主な収入源とする業務です。

ディーリング業務

ディーラー業務
ディーリング業務では、投資家と同様に証券会社が自社資金で株式や債券などの売買を行う業務です。

証券会社がこの業務を行うメリットは主に2つあります。

1つ目は、単純に利益を増やせることです。証券会社独自のノウハウを使うことによって、ブローカー業務やアンダーライター業務などで得た資金をさらに増やすことができます。
2つ目は、売買が活発になることによって取引相手を見つけやすくなることです。

アンダーライター業務

アンダーライティング業務

‌アンダーライター業務は、言い換えると「引受および売出し」の業務です。具体的には、株式会社や国が新規に発行する株式や国債などを買い取り投資家への販売を行います。
しかしアンダーライター業務では、買い取った株式や国債が売れ残ってしまうリスクがあります。

そのため、売れ残りリスク回避を目的とした「引受シンジケート団」と呼ばれる、複数の証券会社が団結し株式の買い取り・売買を行う集団を作る場合があります。

セリング業務

セリング業務
セリング業務は、企業からの委託を受け新規、既存の証券を一般投資家へ販売する業務です。

‌一見アンダーライター業務と似ていますが、売れ残った場合証券を引き取らない点がアンダーライター業務との違いです。

‌証券会社の職種①|リテール部門

次に、証券会社の3つの職種についてご紹介していきます。

まず紹介するのは、証券会社のリテール部門。
‌「リテール」とは、小売のことで、個人を対象とした営業職のことを指します。
リテール部門について解説した図

業務内容

‌営業職の中でも特徴のあるリテール部門の仕事は、大きく分けて以下の2つです。
‌・口座開設の営業
‌・株式提案のコンサルティング営業

‌それでは順に業務内容を見ていきましょう。

‌‌口座開設の営業‌‌

新入社員として入社した場合、多くの証券会社ではまず、新規の獲得営業から仕事を始めます。これは、自社の証券会社口座を作ってもらうように開拓営業をすることです。「月に〇〇件、口座開設してもらうこと」といった具合にノルマが課せられます。

‌基本的に訪問する先は、資産を保有しているお金持ちの方たちがメインです。

‌新入社員として営業に行く相手としては少し気が引けますが、営業ノルマを達成するために、どの社員も全力を尽くします。

株式売買のコンサルティング営業

‌口座を開設していただいたら次に運用が始まります。この運用では、お客さんの資産を増やすことを目的として、今後株価が上がりそうな株をお客様に自ら提案。それと同時に早く売った方が良い株式についても説明します。

‌どのような会社の株を提案するかは、個人の営業マンに任せられるため、責任重大です。ただその分、株価が上がり感謝された際の嬉しさは計り知れないそうです。

リテール部門の特徴

証券会社の営業職であるリテール部門。数多ある業界の営業職と比較して、リテール部門にはどのような特徴があるのでしょうか?

‌ここでは、証券会社のリテール部門の特徴となる点を3つご紹介します。‌‌

‌‌商品差がほとんどない

証券会社が販売する商品は、主に有価証券です。有価証券とは簡単に言えば、ある特定の会社の株式のことを指します。

‌正直にお伝えすれば、野村證券から有価証券を買おうが、大和証券から買おうが、ネット証券会社から買おうが、全く商品の差はありません。もちろん、株式購入の際の手数料等は各社変わってきますがそれを重要に感じない人もいるでしょう。

‌ここで重要になるのは、営業マン1人1人の人間的な魅力です。商品差がほとんどないため、いかにプロフェッショナルとして信頼され、任せてもらえるか。営業マンの力量が求められます。

販売できる商品数が膨大

‌販売できる商品数も幅が広いこともリテール部門の仕事の特徴です。基本的には、金融系の商品などは全てお客様に提供できるため、相続税対策の保険商品なども販売でき、商品のラインナップは多岐に及びます。‌

‌株式売買に関する裁量が大きい

‌先ほども説明した「株式売買のコンサルティング営業」では裁量を持って働くことができます。

‌日系大手金融と聞くとどうしても「言われた仕事をきちんとやるだけ」というイメージを抱く方もいらっしゃるかもしれませんが、個人の裁量がかなりあるというのも特徴です。自分の力で、目の前の方の人生を明るくしていきたいという方に向いていると言えるかもしれません。

‌証券会社の職種②|リサーチ部門

証券会社のリサーチ職とは、株式や債券などの金融商品に関わる情報を調査・分析し、投資家や営業部門に発信する役割を担う仕事です。
証券会社のリサーチ部門について解説した図

業務内容

リサーチする内容は大きく分けて2つあります。
‌・金融経済に関するリサーチ
‌・株式に関するリサーチ
順に各項目の詳細について確認していきましょう。

‌金融経済に関するリサーチ

‌リサーチする内容は2つと説明しました。いずれのリサーチも、目的とするのは将来的に売れそうな株銘柄を予想することです。そもそも株価は経済状況によって変動することが多いため、国内外問わず経済状況や経済動向を調査・分析します。

‌時々新聞などで、アナリストリサーチというものが掲載されていることがありますが、この金融経済に関するリサーチがそれにあたります。

‌基本的にこのリサーチ結果は、社内外問わず発信されることが大半です。そのため自分が調査・分析した結果で世の中に強い影響を与えることがあります。責任重大ですが、そういったやりがいを感じる人は適していると言えるでしょう。

‌株式に関するリサーチ

‌‌各国の経済動向を確認したあとは、株式に関してのリサーチが必要です。あくまでリサーチの目的は、将来的に値段が上がりそうな株の予想をすること。会社の業績結果や金融経済に関するリサーチの結果をもとに、株価予想をします。イメージとしては以下の図の通りです。
証券会社の株式リサーチの仕事内容1週間後の株価予想だけではなく、1年後の株価を予想することもあるそうです。緻密に分析をして、論理的に予想を展開する、そういった能力が求められます。

‌この株価予想の情報は主に社内に向けて発信されます。先ほど登場した、リテールの営業マンは、このリサーチ結果を参考にしながら、お客様に株式提案を行なっていきます。目の前のお客様に触れる機会は少ない仕事ですが、より多くの人に影響を与えられるでしょう。

‌どの職種も責任重大で、その分ハードです。ただ特にこの株価予想のリサーチに関しては、予想を外し続けるとお客様が他の証券会社に移ってしまう可能性があるため、責任の重い仕事です。

‌リサーチ部門の特徴

営業やインベストメントバンキング部門を支える“裏方の頭脳”といえるリサーチ部門。
‌ここでは、証券会社のリサーチ部門の特徴となる点を3つご紹介します。‌‌

市場や企業を分析する専門職

リサーチ部門は、株式市場や債券市場の動向、さらには個別企業の業績や業界のトレンドを調査・分析する専門職です。

企業の決算データや経済統計を読み解き、将来の見通しを予測することで、投資判断に役立つ情報を提供します。市場を冷静に観察し、データを根拠に結論を導き出す姿勢が求められます。

営業・IB部門の判断材料になる

リサーチ部門の成果は「リサーチレポート」としてまとめられ、証券会社の営業部門やインベストメントバンキング(IB)部門に活用されます。営業担当はこのレポートを基に投資家へ提案を行い、IB部門は企業の資金調達やM&Aの助言に役立てます。

つまりリサーチ部門は、他部門の戦略を支える“判断材料を提供する存在”といえます。

高い専門知識が必要

リサーチ職には、経済や金融に関する専門的な知識と、高度な分析力が求められます

例えば株式アナリストは特定業界に精通し、企業の将来性を評価しますし、債券アナリストは金利や為替の変動を予測します。

また、複雑な情報をわかりやすく整理し、説得力ある文章で伝えるスキルも欠かせません。専門性が高いため、研究職的な働き方に魅力を感じる学生には適性がある部門です。

‌証券会社の職種③|インベストメントバンキング(IB)部門

‌‌最後に紹介するのは、インベストメントバンキング部門(以下IBと表記)です。

IB部門は、証券会社の中でも企業の経営や成長に深く関わる部署です。M&A、IPO、資金調達など、企業の将来を左右する大きな意思決定をサポートする役割を担っています。
証券会社におけるIB部門の役割について解説した図

業務内容

IB部門の業務内容は、主に以下の3つです。
・M&Aのサポート
・IPOのサポート
・資金調達のサポート
それぞれの業務内容を、以下でわかりやすく解説していきます。

M&Aのサポート

M&Aとは、企業同士が合併したり、ある企業が別の企業を買収することを指します。これらの取引は一社の将来だけでなく、業界全体の勢力図を変えるほど大きな影響を持ちます

たとえば「どの企業を買収すべきか」「合併によって本当に収益が拡大するのか」「リスクはどこにあるのか」といった判断は極めて難しく、企業だけで決めるのは限界があります。

そこで証券会社のIB部門が、業績や市場の動向をもとに分析を行い、最適な戦略を助言します。銀行もM&Aを扱いますが、証券会社はより大規模で国際的な案件を担当することが多いのが特徴です。

IPOのサポート

IPOとは「新規株式公開」のことを指し、企業が証券取引所に上場して株式を一般の投資家に売り出す仕組みです。これにより、企業は多くの投資家から資金を集めやすくなり、新規事業や海外進出といった成長戦略を進めやすくなります

ただし、IPOには厳しい審査や複雑な準備が必要です。証券会社のIB部門は、上場の条件を満たすためのアドバイスから、必要書類の作成、投資家への情報提供までをサポートします。

企業が安心して株式市場に参加できるよう、舞台裏で支えるのがIB部門の役割です。

資金調達のサポート

企業が必要とする資金を得る方法はIPO以外にも多岐にわたります。例えば事業の一部を売却したり、保有している資産を手放したりするケースです。
いずれの選択肢も企業の未来を左右する重要な判断であり、経営陣にとっては大きな決断となります。IB部門はこうした場面でも専門的な知識を活かし、最適な方法を提案・実行までサポートします。‌

‌インベストバンキング(IB)部門の特徴

企業を動かす”戦略部門”ともいえるIB部門は、証券会社の花形と呼ばれることもあります。

ここでは、そんなIB職の特徴をご紹介します。

企業の成長や再編を支える

IB部門は、企業が事業拡大や海外進出をする際の資金調達や、他社との合併・買収といった再編をサポートします。
これらは経営戦略の核心に直結するため、IB部門のアドバイスや提案が企業の未来を左右するといっても過言ではありません
まさに「企業の成長を裏側から支える存在」です。

大型プロジェクトに関わる

IB部門が扱うのは数十億円から数千億円規模の大型案件が中心です。プロジェクトごとに社内外の専門家とチームを組み、長期にわたる支援を行います。規模が大きい分、社会的な注目度も高く、自分の仕事がニュースになることも珍しくありません
経済全体にインパクトを与える仕事に携われる点が大きな魅力です。

激務だが高報酬

IB部門は「激務」として知られています。案件の性質上、締め切り前は深夜や休日も働くことがあり、体力と精神力が求められます。その一方で、報酬水準は他部門に比べて高く、成果を出せば若いうちから大きなリターンを得られる環境です。

ハードワークの中でスキルを磨き、経済を動かすダイナミックな仕事に挑戦したい人には向いている部門といえます。

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‌証券会社の種類

証券会社といってもさまざまな種類があり、取り扱うサービスや商品がそれぞれ異なります。

証券会社の代表企業を紹介する前に、証券会社の種類を解説します。

大手独立系

大手独立系の証券会社とは、他社と資本関係のない大手証券会社のことを指します。

個人投資家を対象とするリテール業務をはじめ、海外を拠点とした業務など、様々な業務を取り扱います。

‌大手独立系の主要企業例

野村證券https://www.nomura.co.jp/
‌大和証券https://www.daiwa.jp/

銀行系

銀行系証券会社とは、メガバンクのフィナンシャルグループに属する証券会社のことを指します。

銀行との連携を強めることで、大手独立系に次ぐ大規模な事業を展開しているのが特徴です。

銀行系の主要企業

三菱UFJモルガン・スタンレー証券https://www.sc.mufg.jp/
‌みずほ証券https://www.mizuho-sc.com/index.html
‌SMBC日興証券https://www.smbcnikko.co.jp/

準大手・中堅系

国内証券会社のうち、国内大手独立系、銀行系に次ぐ規模で事業を展開し、特定の地域に確固たる地位を築いているのが準大手・中堅系の証券会社です。

地域の顧客基盤を活かした地域密着型のリテール業務に力を注ぐ会社が多い点が特徴です。

準大手・中堅の主要企業

東海東京証券https://www.tokaitokyo.co.jp/
‌岡三証券https://www.okasan.co.jp/
‌岩井コスモ証券https://www.iwaicosmo.co.jp/

外資系

外資系証券会社とは、外国法人または外国人が一定以上の割合で出資を行っている証券会社のことを指します。

リテール業務を行っている企業は少なく、大企業や機関投資家、公共機関などの顧客を対象としたホールセール業務など、収益性の高い業務を得意とする会社が多いです。

外資系の主要企業

ゴールドマン・サックスhttps://www.goldmansachs.com/japan
‌モルガン・スタンレーhttps://www.morganstanley.co.jp/ja/about-us/japan-company-structure

ネット証券会社

対面式の営業店を設置せず、インターネット上で金融商品の仲介を行う証券会社のことを指します。手数料の安さや手軽さによって急成長している証券会社です。

一般的にネット証券会社では、営業系の採用職種は少なく、カスタマーサポートやIT系、企画系の職種をメインに採用活動が行われます。

ネット証券の主要企業

証券会社の代表的な企業5社の売上高・年収

次に、証券会社の代表的な企業の売上高や平均年収などをご紹介します。

代表的な証券会社
・野村証券株式会社
・大和証券株式会社
・‌SMBC日興証券株式会社
・‌みずほ証券株式会社
・三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社

各企業の特徴を知り、ぜひ業界研究に役立ててください。

野村證券株式会社

野村證券の公式HP画像
・売上高:約 8,824 億円
・従業員数:27,242名(連結)
・平均年齢:43.9歳
・平均勤続年数:4.5年
・平均年収:1,376万円

野村證券は、独立系証券会社として証券会社のトップを走り続ける日本最大手の証券会社です。証券会社のランキングのほとんどで1位を獲得しているほど、圧倒的なマーケットシェアの獲得が野村證券の強みです。
また近年ではグローバル化にも注力しており、アジアだけに留まらずアメリカやヨーロッパにも活動を広げています。

‌【参考】野村證券株式会社『2025年3月期 有価証券報告書』
‌【参考】野村證券株式会社

大和証券株式会社

大和証券の公式HP画像
・売上高:約 4,708 億円
・従業員数:14,783名(連結)
・平均年齢:40.9歳
・平均勤続年数:13.7年
・平均年収:1,626万円

‌大和証券は、証券会社と個人との契約で資産運用・管理・アドバイスなどをすべておこなう「ラップ口座」の国内シェアNo.1を誇る証券会社です。

大和証券は1999年から2009年の間三井住友FGと合併しており、三井住友銀行を経由した顧客も持っています。

‌【参考】大和証券株式会社『2025年3月期 有価証券報告書』
‌【参考】大和証券株式会社

SMBC日興証券株式会社

SMBC日興証券株式会社の公式HP画像
・売上高:約 5,068 億円
・従業員数:122,978名(連結)
・平均年齢:39.5歳
・平均勤続年数:14.9年
・平均年収:1,134万円

三井住友フィナンシャルグループに属する銀行系の会社です。そのため、ブランド力と信用の高さから利用者が多いです。

強みは、証券取引の手数料の安さです。取引におけるコストが他と比べて低いことも、多くの顧客を獲得する理由の一つです。

みずほ証券株式会社

みずほ証券株式会社の公式HP画像
・売上高:約 7,297 億円
・従業員数:52,554名(連結)
・平均年齢:41.8歳
・平均勤続年数:16.3年
・平均年収:1,117万円

みずほ証券も銀行系の証券会社です。みずほフィナンシャルグループに属しているため、銀行と信託、両方と提携していることが強みとされています。

信用の高さと実績によって、高い売上高を誇っています。

‌【参考】みずほ証券株式会社『2025年3月期 決算短信』
‌【参考】みずほ証券株式会社

三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社

三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社の公式HP画像
・売上高:約 3,712 億円
・従業員数:7,336名(連結)
・平均年齢:46.6歳
・平均勤続年数:13.3年
・平均年収:1,205万円
三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社は、三菱UFJフィナンシャルグループと外資系金融機関Morgan Stanleyの共同出資により誕生した銀行系証券会社です。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、投資銀行部門に強みを持つ企業です。

世界有数の規模である2社のネットワークやノウハウを自在に活用して、あらゆるターゲットや金融ニーズに多角的にアプローチできる点が最大の強みだと言えるでしょう。

‌【参考】三菱UFJ証券ホールディングス『2025年3月期 決算短信』
‌【参考】三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社

証券会社を志望する就活生の併願先

証券会社を第一志望とする就活生は、選考を受ける際に「併願先」をどう設定するかが大きなポイントになります。証券会社と同じ金融業界を軸にするのか、それとも金融に関連する業界や社会基盤・テクノロジー業界まで視野を広げるのかによって、キャリアの幅が変わってくるからです。

下の表では、証券会社を志望する就活生が併願先を考える際の業界の類似度と、志望理由とのつながりを整理しています。証券会社を志望する就活生が併願先を考える際には、まず「業界・事業領域の近接度」と「志望理由との適合性」という2つの観点から整理すると分かりやすくなります。
証券会社を志望する就活生の併願先例
業界・事業領域の近接度については、証券会社と同じ金融業界を「高」とし、総合商社や不動産デベロッパー、会計アドバイザリーといった金融に関連する業界を「中」、さらにインフラやITといった社会基盤やテクノロジーに関わる業界を「低」として位置づけることができます。

一方、志望理由との適合性については、「企業の成長を支えたい」「投資家を支えたい」「ダイナミックに働きたい」の3つに分けています。証券会社を志望する学生の多くはこのいずれか、あるいは複数を組み合わせて志望理由を語る傾向があり、それに応じて併願先を検討することで一貫性のあるキャリアプランを描くことができます。

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証券会社を志望する就活生のよくある疑問

最後に証券会社への就職を目指す人が抱く疑問を紹介します。懸念点を払拭して、内定獲得を目指しましょう!

Q1. 証券会社のノルマは正直きつい?

証券会社といえばノルマがきついというイメージを持つ人も少なくありません。

‌営業員1人あたりに課せられるノルマは、企業規模やキャリアによって異なりますが月間100万円〜1,500万円とされています。
以下では証券会社のノルマが何から構成されているのかを説明します。

売買手数料

1つ目は株式を取引する際に発生する「売買手数料」です。

手数料は、企業の方針や約定代金(売買が成立することを約定といい、約定した株価×株数を約定代金と呼びます)にもよって変化します。0.5%前後〜1.5%前後の手数料率を設定している証券会社が多いようです。

なお、手数料は買う時と売る時に発生するため、株式を回転させるほど手数料を稼ぎ出すことができます。

募集物

ここでの「募集」とは不特定かつ多数の投資家に対し、新たに発行される有価証券の取得の申込を勧誘することです。(au株コム証券「金融/証券用語集」より引用)


募集物は企業から依頼を受けて引き受けた金融商品であるため、必ず売り切る必要があります。そのため証券会社の営業マンには1人〇株といったノルマが課せられるのです。

預かり資産

「預かり資産」とは証券会社が顧客から預かった資産の時価総額のことです。

1999年に売買手数料が完全に自由化して以来、証券会社は手数料中心のビジネスから変化しています。そこで、新規の預かり資産の実績もノルマとして課せられるようになりました。

Q2. 持っておくと有利な資格やスキルは?

入社するうえで特別必要な資格はありません。しかし、持っていると役立つ資格やスキルがあるので紹介します。

コミュニケーション能力

証券会社に限った話ではありませんが、コミュニケーション能力はとても強みになります。

特にリテール業務においては、顧客の資産運用などの相談役を務めるので、相手の話を聞いてニーズを汲み取った提案をすることが求められます。

分析力・判断力

経済や金融の状況を把握して、株価の動向を正しく分析し行動する能力が求められます。

金融系の資格

・CFP、AFP:フィナンシャルプランニングの専門家であり、民間資格です。
・FP技能士:フィナンシャルプランニングの専門家であり、国家資格です。

おわりに

本記事では、証券会社の仕事内容や代表的な企業についてご紹介してきました。

証券会社は、企業と投資家をつなぐ重要な役割を担い、経済の発展に欠かせない存在です。

就活を進めるうえでは、仕事内容や業界構造を理解したうえで、自分の志望理由と重ね合わせることが大切です。OB・OG訪問などでリアルな情報に触れながら、しっかりと業界・企業研究を行っていきましょう。

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