【地方銀行】企業から高評価な志望動機の書き方|例文付きで解説

2025/03/27
銀行
金融業界
各業界の志望動機
志望動機の例文
志望動機の書き方
面接対策
ES対策
地方銀行
目次
1.
地方銀行とそのほか銀行の違い
2.
銀行の業務内容
3.
銀行の職種
4.
銀行業界の現状・課題・動向
5.
銀行業界の将来性がないと言われる原因は?
6.
銀行業界で働く人に話を聞きにいこう
7.
地方銀行の志望動機を作成する準備3STEP
8.
‌【県内・県外】地方銀行の志望動機例文
9.
銀行業界の志望動機に向かないアピール内容
10.
銀行の志望動機に関するよくある疑問
11.
OB・OG訪問で志望動機を添削してもらおう!
12.
さいごに
銀行業界を志望して就職活動をしている就活生も多くいることかと思います。そんな中で「志望動機に何を書くべきかわからない」「地元じゃないけど入社できるのだろうか…」といった悩みを抱えている人もいるでしょう。

この記事では、銀行業界の中でも地方銀行の選考を受けようと考えている人に向けて、志望動機の作り方や他の銀行と差別化できるポイント、ES/面接で使える例文などを詳しく解説していきます。

この記事を読めば、地方銀行の志望動機が作成できるはずです。ぜひ最後まで読んで、企業に熱意が伝わる志望動機が作成できるようにしましょう!

地方銀行とそのほか銀行の違い

銀行業界には、地方銀行のほかにもメガバンクやネット銀行など様々な種類の銀行があります。それぞれの銀行の特徴を知り、「その他銀行ではなく、なぜ地方銀行を選んだのか」という質問に答えられるようにしましょう。

▼【一覧表】各銀行の特徴
銀行の種類ごとの特徴を示した図

地方銀行の特徴

地方銀行は特定の地域を中心に営業活動を行います。メガバンクに比べて顧客との距離が近く、地元企業や地域住民のニーズに合わせた細かいサービスを提供しています。

地域経済に大きな影響力を持ち地域経済に貢献するほか、休暇が取りやすいなど、働きやすい環境が整っていることが特徴的です。

メガバンクの特徴

メガバンクは、全国規模で展開する大手銀行で、預金や貸出金の規模が非常に大きいです。総資産が1兆ドルを超える巨大銀行グループで、大企業や上場企業が主な顧客です。

全国・海外に多くの支店を展開し、グローバルな金融市場で影響力を持ちます。三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行は三大メガバンクとも呼ばれ、日本の経済を支える支柱となっています。

ネット銀行の特徴

ネット銀行は、インターネットを通じてサービスを提供する銀行で、店舗を持たないことが特徴です。手数料が低く利便性が高い一方で、店舗を持たないためオンラインでしか顧客サポートを受けられないため、インターネットの利用に抵抗感を持たない人によく利用されています。

信託銀行の特徴

そもそも「信託」とは、委託者が信頼できる人(受託者)に対して財産を移転し、受託者がその財産を委託者の設定した目的に従って管理・処分する法的な仕組みです。

一般的な銀行は金融取引に関するサービスに特化していますが、信託銀行は委託者が設定した目的に沿って財産を管理します。具体的には資産運用、相続、不動産管理などの、より包括的な資産のコンサルティングを担います。

信用金庫・信用組合の特徴

信用金庫は、地域住民や中小企業を対象とした非営利の金融機関で、会員の出資によって運営されています。銀行とは異なり、利益を追求するのではなく、会員の利益を優先します。中小企業と個人に限定して融資を行っており、地域経済への貢献が使命です。

外資系投資銀行の特徴

外資系投資銀行は、国際的な金融市場で活動する銀行で、企業の資金調達やM&A(合併・買収)などのアドバイザリー業務を行います。大企業やファンドが主なクライアントで、大規模な国際間の取引を扱います。

銀行の業務内容

ここでは銀行の3大業務について解説します。業務内容を知り、志望動機で必ず問われる「入社後にやりたいこと」を具体的に考えましょう。

▼銀行の業務内容
➀預金業務
②貸付業務
③為替業務

それぞれ解説していきます。

➀預金業務

預金業務は、個人や企業からお金を預かる仕事です。たとえば、普通預金、定期預金、当座預金といった口座を管理します。預金は銀行の資金源となり、お客様からの預金を元に融資を行うことができます。

②貸付業務

貸付業務は、銀行が預かったお金を企業や個人に貸し出す仕事です。例えば、企業の事業資金や個人向けの住宅ローンなどがあります。この仕事では、貸す相手の信用や返済能力をしっかりと審査することが重要です。

③為替業務

為替業務は、銀行が顧客間のお金のやり取りを仲介する仕事です。具体的には、振込や口座振替、手形や小切手の決済などがあります。この仕事は、国内でのお金の移動(国内為替)だけでなく、海外とのお金のやり取り(外国為替)も含まれます。

為替業務は国際貿易や投資を円滑に進めるために重要な役割を果たすため、経済活動を支える重要な役割を担っているといえるでしょう。

銀行の職種

ここでは銀行の主な職種について解説します。職種への理解を深めて、志望動機で問われる「入社後やりたいこと」に具体的に答えられるようにしましょう。

銀行の職種は主に以下の4つがあります。

▼銀行の職種
1.営業職
2.一般職
3.バックオフィス担当
4.融資事務担当

それぞれ解説していきます。

1.営業職

営業業務は銀行の収益を直接生み出す職種で、主に法人向けと個人向けの営業に分かれます。

・法人営業
具体的な仕事内容としては、企業から融資の相談を受けること・融資業務を行うことです。財務知識や分析能力が特に求められるでしょう。

・個人営業
一般家庭向けに行う仕事です。具体的な仕事内容としては、金融商品の販売や個人的な融資を行います。コミュニケーション能力やライフステージに合わせた提案力が特に求められるでしょう。

どちらも幅広い金融知識が必要で、顧客の潜在的なニーズを把握し的確に提案するスキルが求められます。

2.窓口・受付業務

「窓口/受付業務」は主に一般職で採用された人が担当します。

銀行の「顔」としてお客様と直接接する職種です。店舗に訪れたお客様の応対や、預金、引き出し、振込などの基本的な取引を担当します。笑顔や丁寧な接客に加えて、窓口・受付が混雑することが想定されるため、効率的な作業が求められるでしょう。

また窓口/受付業務では、窓口で案内するだけではなく、窓口を閉めてからは金額の計算なども担当します。金額の計算は、正確に算出しなければならないため責任感・精緻さが必要です。

3.バックオフィス担当

バックオフィス業務は、銀行の内部で事務処理やサポート業務を行う職種です。営業職や窓口担当者を支える「縁の下の力持ち」の役割を果たします。様々な書類を作成したり保管したり、投資元本の管理、運用商品の管理なども行なっています。

4.融資事務担当

融資事務担当は、融資業務はお客様から預かった資産を、資金が必要な企業や個人に融資する業務です。融資に関する書類作成や審査、契約手続き、返済状況の管理などを担当します。

お客様の信用力や返済能力を審査するため、慎重かつ正確な判断が求められるでしょう。
また、法律や規制に基づいて業務を行うため、専門知識も必要になります。

地方銀行とメガバンクの業務の違い

基本的に、業務に関して大きな違いはありません。
あえて違いを言うならば、地方銀行ではより地域に合わせた業務が特徴です。
地域に影響力を持って情報を集め、それらを生かした仕事を行うことが地方銀行だといえるでしょう。

銀行業界の現状・課題・動向

ここでは銀行業界の現状・課題・動向について解説していきます。銀行業界の現状や課題を理解することで、具体的で説得力のある志望動機を作れます。

たとえば「貴社で〇〇に挑戦したい」と伝えるよりも、「業界課題である〇〇を解決するため、大学時代の〇〇の経験を生かし取り組みたい」と、相手のニーズに沿った形でやりたいことを伝える方が熱意を伝えることができるでしょう。

銀行業界の現状

銀行業界の現状には以下のようなものがあげられます。

▼銀行業界の現状
・顧客への幅広い本業支援
・海外事業の推進

それぞれ解説していきます。

顧客への幅広い本業支援

日本では少子高齢化と大都市圏への人口流出によって地方の人口が減少しています。後継者不足から廃業に至る企業も多く、地方の事業者数も大きく減少しています。

そのため、地方の支援を最前線で支援する地方銀行には今まで通り資金を供給するだけではなく、企業の経営課題を解決するような幅広い支援が求められています。そのため多くの銀行は、経営改善支援・M&A支援・DX支援・SDGs支援など、さまざまな取り組みを行ってきました。

実際に、金融庁が「支店の業績評価の配点割合」を87の銀行に調査したところ、全体の割合が最も大きいのは「融資」でしたが、2019年から2022年にかけて割合が最も増えたのは「本業支援」でした。

また、10年前に比べて
・「銀行との付き合いがより深くなった」
・「事業に対するメインバンクの理解が深くなった」
と回答した企業が、そうではない回答をした企業より増えたという結果が出ています。

このように地方銀行は「本業支援」に力を入れる機会を増やしており、その成果が顧客にも実感されるほど広がっていることが分かります。

海外事業の推進

銀行業界では、海外事業の推進を行っています。
日本企業は1990年代以降、海外現地法人の数を増やし、海外展開を進めてきました。銀行もこうした日本企業の海外進出を支援するため、企業の国際展開を支援する取り組みを強化しています。
たとえば、千葉銀行は2025年1月に34年ぶりとなる海外新規拠点としてシンガポール支店を新設し、海外展開を進める企業へのサポート体制を強化しました。
このように、金融機関も国内企業の海外進出の影響を受けて海外事業を推進してきたことを抑えておきましょう。

銀行業界の課題

ここでは銀行業界の課題について2つの視点から解説します。

▼銀行業界の課題
・銀行の施策と企業のニーズのギャップ
・人材不足

それぞれ解説していきます。

銀行の施策と企業のニーズのギャップ

企業のニーズと銀行の施策にはギャップが見られています。金融庁の『地域銀行による顧客の課題解決支援の現状と課題』の調査の結果からそのギャップを見ていきましょう。

まずは、『地方銀行が注力する本業支援分野』を見ていきます。最も注力している支援内容は「M&A・事業承継」で29.2%でした。続いて「SDGs」が20.5%、「経営コンサル全般」「DX、IT」「人材紹介」と続きます。
地方銀行が注力する本業支援分野のデータ
次に、企業のニーズを確認していきましょう。『企業が金融機関に手数料を払ってでも受けたいサービス』では、「取引先・販売先の紹介」が42.0%でトップとなりました。地方銀行が注力している「M&A・事業承継」に関しては4位で20.3%、「SDGs(脱炭素化に関する支援)」に関しては10位の5.1%という結果となりました。
企業が金融機関に手数料を支払ってでも受けたいサービスのグラフ
また、DX・ITや人材といった一部の支援分野では、企業側のニーズと金融機関の取り組みとの間にギャップが見られます。そのため銀行には既存の活動に加えて、一部のギャップを埋める取り組みが必要になってくるでしょう。

人材不足

銀行業界に求められる企業支援の幅は近年広がっており、専門的な分野での顧客ニーズは増えています。このような背景に対して、専門性の高い人材の育成が銀行内で追いついていないことが金融庁の『地域銀行による顧客の課題解決支援の現状と課題』にて指摘されています。

また支店においても、人員や体制の見直しが進められているなかで期待される業務に職員数が追い付いていないとの声が多く上がっているようです。

このように、「人材確保・人材育成をどのように進めていくか」「どのように人材を配置するか」といった人的リソースに関する課題への対応が銀行には求められています。

銀行業界の今後の動向

銀行業界の今後の動向はどうなっていくのでしょうか。
今後の動向について以下のようなものがあります。

▼銀行業界の今後の動向
・地方銀行の再編
・ネットバンクの急成長
・フィンテックの発展
・金利引き上げによる影響

それぞれ解説していきます。

地方銀行の再編

地方銀行はビジネスモデルの再編を進めています。地方銀行の再編の目的は、地方銀行の収益悪化を止めるためです。銀行の規模に関わらず、収益を上げるために地方銀行で再編が行われてきました。

例えば、横浜銀行と東日本銀行が統合してできた、コンコルディアフィナンシャルグループ、常陽銀行と足利ホールディングスの統合によって生まれた、めぶきフィナンシャルグループなど、合併することで競争力や影響力を増しているのです。

また、2021年に銀行法が改正され、「銀行以外の業務」も子会社による参入が認められました。例えば、中国銀行を傘下に持つちゅうぎんフィナンシャルグループ(FG)は再生可能エネルギー事業の新会社を立ち上げました。このことから、事業の多角化が進んでいくと予想されます。

ネットバンクの急成長

店舗を持たないネットバンクの急成長は止まることなく、日々口座数が増えているのが現状です。ネットバンクの大手である楽天銀行は、2023年6月17日(土)に、預金口座数が1,400万を突破しました。

手数料の安さやコンビニなどのATMですぐにお金を下ろすことができるネットバンク。ネットバンクのメリットは実店舗を持たないため、手数料が安く金利が高い点です。キャッシュレス化が進む今、今後もネットバンクは銀行業界に大きな存在感を残していくことでしょう。

フィンテックの発展

フィンテック(FinTech)とは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語です。金融サービスと情報技術を組み合わせた革新的な動きを指します。

身近な例として、キャッシュレス決済やクラウドファンディング、クラウド会計サービスなどです。これまで銀行でしか行うことのできなかったサービスがオンライン上で可能になったり、銀行を経由せずにやりとりが可能になったりと、銀行の存在意義の低下が見られています。

そのため、銀行業界は新たなビジネスモデルへの転換が求められています。

金利引き上げによる影響

2025年1月24日、日本銀行(日銀)は政策金利を0.5%に引き上げる追加の利上げを決定しました。これを受けて、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行の大手4行は現行の年0.1%から、0.2%に引き上げると発表しました。

これは2008年11月以来の約17年ぶりの水準で、銀行にとって収益機会にもなります。

銀行は、お客様から預金を集め、その預金を基に企業や個人にお金を貸し出すことで収益を得ています。このとき、預金金利(お客様に支払う利息)よりも貸出金利(お金を貸したときに受け取る利息)のほうが高いため、この差(「利ざや」)が銀行の利益となります。

金利が引き上げられると、貸出金利が上昇しやすくなるため、利ざやが広がる可能性があります。その結果、銀行の収益が増えることが期待されます。

とはいえリスクも抱えており、どうなるかはわからないため銀行業界を志望する方は最新の情報を集めておくのがよいでしょう。

銀行業界の将来性がないと言われる原因は?

銀行業界の将来性がないと言われる原因として、以下のようなものがあげられます。

・AIによる仕事の減少
・採用人数の減少

それぞれ解説していきます。

AIによる仕事の減少

先ほど説明したように、フィンテックの普及によってAIが銀行の業務を行うようになると、銀行の業務減少が予想されます。全ての業務をAIが代行することは難しいですが、AIによって銀行の業務が減少することは明らかでしょう。

採用人数の減少

ネットバンクの普及や、AIの普及によって採用人数の減少がみられています。以前と比べ、銀行業界では将来性が低くなっているといえるでしょう。

銀行業界で働く人に話を聞きにいこう

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地方銀行の志望動機を作成する準備3STEP

ここでは地方銀行の志望動機を作成するための準備3STEPを解説します。

【STEP1】志望動機に必要な要素を把握する
【STEP2】銀行業界の求める人物像を把握する
【STEP3】志望動機のフレームワークを知る

それぞれ解説していきます。

【STEP1】志望動機に必要な要素を把握する

まずは志望動機に必要な要素を把握しましょう。志望動機に必要なのは、「なぜその企業でなければならないのか、その必然性を伝えること」です。

以下の5つの理由を考えることで、その企業を志望する必然性が採用担当者に伝わります。

‌▼志望動機に必要な5つの要素
①金融業界を志望した理由
‌②銀行業界を志望した理由
‌③地方銀行を志望した理由‌
④特定の1社を志望した理由
‌⑤自分に適性があると思う理由
特に重要なのが、③番と④番。地方銀行はメガバンク(三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行・りそな銀行)や信用金庫と優秀な学生を取り合うことが多く、お互いがライバル視しているため、これらの違いを理解する必要があります。
‌それぞれの要素でどのような内容を伝えるべきか、以下でさらに詳しく解説していきます。

①金融業界を志望した理由

まずはなぜ金融業界を志望しているのかについて考えましょう。

「資産」「お金」「経済」「投資」「将来設計」など、金融業界に関するワードのなかで自分が気になるものを見つけてみましょう。そして、なぜそのワードが気になったのか、という要因を考えてみてください。

例えば・・・

・祖母が年金では暮らせないと話していたこと、少子高齢化が急速に進んでいることなどから老後に困らないための資産運用が今後もっと重要になってくると感じたため

・地元の過疎化が進んでいる現状を憂いており、経済学部で学んだ経験を生かして金融の面から地域貢献できるのではないかと考えたため

このように自分の実体験と繋げながら、金融業界に興味を持ったきっかけは何だったのかについて思い出してみてください。

②銀行業界を志望した理由

次に、なぜ銀行業界を志望しているのかについて考えていきます。

通常の預金・貸金といった業務から、投資信託・ 生命保険・遺産信託・証券の仲介など金融業界のなかでも1人の職員が取り扱える商材が多いのが銀行の特徴です。

「なぜ、証券業界ではないのか?」
「なぜ、保険業界ではないのか?」

そういった質問にも答えられるようにしておくことが重要です。そのため、金融に属する他の業界である証券や保険、カード業界では行えないことについて着目してみるのもよいでしょう。

③地方銀行を志望した理由

資金量の多いメガバンク、テクノロジーを駆使したネット銀行などではなく、なぜ地方銀行を志望するのかという理由について考えます。

地域社会と密接に関われるからというのも理由になり得ますが、その場合は、「なぜ信用金庫ではダメなのか」についても明確にしておきましょう。

④特定の1社を志望した理由

地方銀行のなかでも、なぜその1社に決めたのかという理由を考えることで、志望動機の説得力が上がります。

特定の1社を志望した理由を見つけるためには、各地方銀行が行なっている取り組みなどを企業ホームページなどで調べて見るとよいです。

例えば千葉銀行の企業ホームページでは、以下のことが千葉銀行ならではの強みとして挙げられています。

強み1:厚みのあるお客さま基盤と千葉県の成長性による「強固な営業基盤」
強み2:高い健全性と効率的な事業運営による「強固な財務基盤」
強み3:TSUBASAアライアンスや千葉・武蔵野アライアンス、千葉・横浜パートナーシップなどの「アライアンス戦略」

気になる地方銀行のホームページを見ながら、その地方銀行ならではの特徴や取り組みを見つけてみましょう。

⑤自分に適性があると思う理由

「自分は貴行に向いており、だからこそ入行したいです」ということが伝わる一文を加えることで、志望動機がより強いものとなります。

自分の適性を伝えるためには、学生時代の経験と該当の銀行での業務がいかに能力的な面でリンクをしているのかについて伝えることが効果的です。

「学生時代に〇〇をしていた経験から△△に向いていると気づき、その能力を活かせる環境が貴行にあると感じているため志望しました」というように、具体的な経験をアピールしましょう。

【STEP2】銀行業界の求める人物像を把握する

次に銀行業界の求める人物像を把握しましょう。
第一に地方銀行は、地域密着型の金融機関として、地域社会や経済の発展に寄与する役割を担っています。そのため、大前提として地域経済や住民の生活を支えることに意義を感じ、自らの役割を積極的に果たしたいと考える人が求められています。

そのうえで、銀行業界が求める人物像として以下の資質をもった人材が挙げられます。

▼地方銀行の求める資質
➀誠実さ・信頼性
②正確に物事を進める力
③傾聴力

それぞれ解説していきます。

➀誠実さ・信頼性

地方銀行は地域社会と密接な関係を持つため、顧客との長期的な信頼関係構築が不可欠です。また金融機関として高い倫理観を持ち、顧客の利益を第一に考える姿勢が求められます。

そのため言動に一貫性があり、約束を守ることで信頼を獲得してきた経験や、お客様のことを真摯に考えてそのために努力をしてきた経験をアピールできるとよいでしょう。

②正確に物事を進める力

金融業務では正確性が極めて重要です。自分の業務が顧客の財産に直接影響し、ミスが許されない環境だからです。

▼正確性と関連する能力
・細部まで注意を払い、ミスを最小限に抑える「注意力」
・複雑な取引や手続きを正確に遂行する「管理力」
・締め切りを守り、効率的に業務を進める「時間管理」

上記の力を発揮した学生時代の経験を伝えて「正確に物事を進める力」があることをアピールできるとよいでしょう。

③傾聴力

顧客のニーズを正確に把握し、適切なサービスを提供するためには傾聴力は必須のスキルです。

▼傾聴力と関連する能力
・お客様の状況や感情を理解する「共感力」
・言葉だけでなく表情や態度から相手のニーズを読み取った「観察力」
・お客様に適切な質問をして、相手の根本的な悩みごとを捉えた「質問力」

上記の力を発揮した学生時代の経験を伝えて「傾聴力」があることをアピールできるとよいでしょう。

【STEP3】志望動機のフレームワークを知る

最後に志望動機のフレームワークを抑えましょう。フレームワークを用いることで読み手が理解しやすい構成になり、一貫性のある自己アピールができるようになります。

▼志望動機のフレームワーク
①結論
②理由・背景
③自己PR
④入社後のビジョン

それぞれ解説していきます。

①結論

志望動機の冒頭で、なぜその企業に入りたいのかを端的に述べる部分です。面接官に志望動機がすぐに伝わるように、シンプルに表現することがポイントです。

例:
「私は、地域社会の発展に貢献する地方銀行の役割に強い魅力を感じ、貴行を志望しております。」

②理由・背景

その結論に至った理由や、自分の価値観・経験に基づく背景を具体的に説明する部分です。
企業や業界に共感したポイントや、自分の人生経験、学んできたことを交えながら述べると説得力が増します。

例:
「大学時代、地域の商店街活性化を目的としたプロジェクトに参加し、地元企業の課題に触れる中で、金融の力が地域経済を支える重要な役割を担っていることを実感しました。この経験を通じて、地域密着型の金融機関で地域企業や住民を支援したいと考えるようになりました。」

③自己PR

これまでの経験やスキル、強みを具体的に述べ、それがどのように企業の業務に役立つのかを説明する部分です。「企業が求める人物像」に合わせて、自分の強みを結び付けることが重要です。

例:
「大学時代のプロジェクトでは、商店街の経営者たちと協力しながら、課題を分析し解決策を提案する役割を担いました。その中で、関係者との信頼関係を構築しながらニーズを把握する力を磨きました。この経験は、貴行で地域の顧客の課題解決に貢献するうえで活かせると考えています。」

④入社後のビジョン

入社後にどのように貢献したいか、自分の目標や取り組みたいことを具体的に述べる部分です。企業の課題や方針に共感し、それに向けて自分がどう行動するのかを示すことで、熱意を伝えることができます。

例:
「入社後は、中小企業支援や地域の住民に寄り添ったサービス提供に携わりたいと考えています。特に、地域経済を支える企業に対し、丁寧なヒアリングを通じて最適な提案を行い、地域の発展に寄与する存在になりたいと考えています。」

【県内・県外】地方銀行の志望動機例文

ここでは、県内(自分にゆかりのある地域)の銀行と県外(自分にゆかりのない地域)の銀行を志望する場合の例文を用意しています。
県外出身者の方でも、面接官が納得する志望動機が作成できれば選考に不利になることはありません。自分がなぜその銀行に惹かれたのかを説明し、地方出身者に負けない熱意を面接官に伝えることが大切です。

地方銀行の志望動機のポイントを押さえたら、例文を参考にぜひ作成してみましょう。

県内出身者(1)【400文字以内】

私が貴行を志望した理由は、貴行でなら私の理想とする地域社会の活性化を実現できると考えたからだ。幼いころ、私の祖父の商店が資金繰りに苦しみ、銀行の担当者に親身に相談に乗ってもらっていた姿が鮮明に記憶に残っている。それ以来、私は「地域の事業者を金融の面から支える仕事」がしたいと思っていた。そのような中で貴行のインターンシップに参加し、貴行が地域の事業者に対して、融資に加えてデータ分析を活用しながら最適な融資や経営支援を行っていることを知った。これは、資金繰りに悩む事業者にとって本当に必要な支援を提供する仕組みであり、過去に祖父の商店が直面していたような課題を解決できる可能性を感じた。大学で磨いたデータ分析力を活かして貴行で地元企業の経営支援を行うことで、地域経済の活性化を実現できると考え、今回志望した。

県内出身者(2)【400文字以内】

私が貴行を志望した理由は、貴行でなら私の理想とする中小企業の事業承継支援を実現できると考えたからだ。私は幼いころに、家族ぐるみで親しくしていた地元の老舗菓子店が、後継者不足を理由に廃業する様子を目の当たりにした。長年愛されてきた味や職人の技術が途絶えてしまい、地元の方たちが悲しんでいた状況は今でも記憶に残っている。それ以来、私は「事業の継続を金融面から支え、地域の大切な企業を守る仕事」がしたいと思うようになった。そのような中で貴社のインターンシップに参加し、M&Aや事業承継ファンドを活用することで、後継者がいない企業でも円滑に事業を引き継ぐ仕組みを作っていることに感動した。またOB・OG訪問では、金融の知識だけでなく、経営者との信頼関係を構築する力が求められる業務だと伺った。入行後はこれまで培ったコミュニケーション力や論理的思考力を活かし、地域企業に寄り添った支援を行いたい。

県内出身者(3)【400文字以内】

私が貴行を志望する理由は、貴行でなら地域に根差して、女性の経済的自立支援を実現できると考えたからだ。幼いころ、専業主婦だった母が離婚後の生活に苦労する姿を見て以来、「女性が長期的に安定した生活を築けるよう金融面から支援する仕事」に携わりたいと考えるようになった。そうした中で、貴行のインターンシップを通じて、女性起業家向けの融資制度や金融教育プログラムを知り、資金調達支援の重要性を実感した。また、OB・OG訪問を通じて、金融の知識がなくても事業を継続的に成長させる支援を行っていることを知った。NPOや行政機関も女性支援を行っているが、継続的な資金調達には限界がある。一方、貴行なら金融の力を活かし、事業の成長支援や資産形成を通じて女性が長期的に自立できる環境を整えられると考える。以上の理由から、私は貴行に入行し、女性の経済的自立を支援する仕組みを広げていきたいと考え、志望する。

県外出身者(1)【400文字以内】

私が貴行を志望した理由は、貴行でなら私の理想とする「高齢者の資産管理を含めた生活全般の金融サポート」を実現できると考えたからです。私は幼いころに祖父が詐欺被害に遭い、老後の生活資金に困る様子を見ました。それ以来、私は「高齢者が安心して生活できるよう、資産管理だけでなく日常の金融相談にも応じられる仕事」がしたいと思っていました。そのようななかで貴社のインターンシップに参加し、貴行の高齢者向けの口座管理支援や相続相談の仕事や、地域に密着し、高齢者と日常的な接点を持ちながら金融サポートを行っている点に強く共感しました。信託銀行のような専門的な資産管理も重要ですが、日常の金融相談に対応できる地方銀行だからこそ、お客様の不安に寄り添えると感じました。以上の理由から、貴行に入行することで、私の理想とする高齢者の資産管理を含めた生活全般の金融サポートの実現ができると考え、今回志望しました。

県外出身者(2)【400文字以内】

私が貴行を志望した理由は、貴行でなら私の理想とする若手起業家支援を実現できると考えたからである。私は幼いころに兄が起業を目指しながらも、資金調達が壁となり断念する姿を見た。それ以来、「挑戦する人を金融の面から支える仕事」がしたいと考えるようになった。そのような中で貴行のインターンシップに参加し、クラウドファンディングを活用した資金調達支援や、スタートアップ向けの融資制度など、多角的な視点から起業家を支援する仕組みを知った。入行後は、これらの制度をより多くの若手起業家に活用してもらうための提案業務に携わりたいと考えている。特に、創業間もない企業は適切な資金調達の手段を知らずに苦しむケースも多い。そのような状況に対し、営業の長期インターンで培った相手のニーズを引き出すコミュニケーション力を強みに、最適な資金調達方法や経営支援策を提案し、事業の成長を後押ししたい。

県外出身者(3)【400文字以内】

私が貴行を志望した理由は、貴行でなら私の理想とする金融リテラシー向上の支援を実現出来ると考えたからです。私は幼いころに両親が投資詐欺に遭い、家計が大きく傾く経験をしました。正しい金融知識を持つことの重要性は今でも鮮明に記憶に残っています。それ以来、私は「人々が金融を正しく理解し、安心して生活できる環境を作る仕事」がしたいと思っていました。そのようななかで貴社のインターンシップに参加し、貴行の仕事を知りました。個人向けの資産形成支援や、金融教育セミナーを通じた啓発活動に感動しました。さらに、貴社は地域住民の金融リテラシー向上も目指しており、お金の問題で苦しむ人を減らしたいと考える私が共感できる部分が多々ありました。以上の理由から、貴行に入行することで、私の理想とする金融リテラシー向上の支援の実現が出来ると考え、今回志望しました。

銀行業界の志望動機に向かないアピール内容

ここでは銀行業界の志望動機に向かないアピール内容を3つご紹介します。一般的によく使われる表現の中にも、実は効果的ではないものも含まれています。

下記の表現は避けて自身の経験や具体的な志望理由を述べることで、より説得力のある志望動機を作成しましょう。

▼銀行業界の志望動機に向かないアピール内容
➀経済発展に貢献したい
②数字に強い
③待遇が良い

それぞれ解説していきます。

➀経済発展に貢献したい

「経済発展に貢献したい」「経済を動かしたい」といった表現は、銀行業界を志望する就活生がよく使う言葉ですが、志望動機としては薄くなってしまいます。経済活動の発展に貢献しているのは銀行業界だけではないため、このアピールだけでは不十分です。

この言葉を使う際は、具体的にどのような業務を通じて経済発展に貢献したいのか、その業務を行う際に自分の強みや適性をどう活かそうと思っているのかまで踏み込んで説明することが重要です。銀行業界ならではの特徴や取り組みと結びつけて述べることで、より説得力のある志望動機になります。

②数字に強い

銀行業界の仕事はお金を扱う仕事であるため、数字に強いことをアピールしようと考える就活生も多いですが、これだけでは不十分です。現代の銀行業務では、多くの作業がコンピューターを使って行われるため、単に数字に強いというだけでは差別化になりません。

より効果的なアピールをするためには、銀行業界で活用できる具体的なスキルや資格の取得、財務諸表の分析や作成能力など、実務で活かせる能力を示すことが重要です。また、数字を扱う際の正確性や分析力など、より具体的な強みを挙げることで、志望動機の説得力が増します。

③待遇が良い

給与や福利厚生などの待遇面を志望動機として挙げるのは避けるべきです。待遇面を強調すると、「自社の仕事自体には興味がないのではないか」「より良い条件の企業が見つかればすぐに転職してしまうのではないか」といった、志望度の低さを印象づけてしまう可能性があります。

企業は志望動機を通して、応募者の仕事への熱意や志望度を見ています。そのため、志望動機を作成する際は、銀行業界や志望する企業の業務内容に対する興味や、自身のキャリアプランとの関連性など、仕事そのものへの関心を示すことが重要です。待遇面については、あくまでも付随的な要素として捉え、主たる志望理由としては挙げないようにしましょう。

銀行の志望動機に関するよくある疑問

最後に、地方銀行志望者が志望動機を作成するうえで気になるであろう疑問にお答えしていきます。

出身地は関係ある?

地方銀行には、その土地の出身者が受かりやすいと考える人が多いですよね。実際、奈良県をメインに大阪府・京都府にも支店を持つ、南都銀行の内定者割合を見ると奈良県出身者は52%、大阪府が27%、京都府が12%と、やはり地元出身者の内定者が多いようです。

しかし、地方出身者でなければ受からないなんてことはありません。実際、南都銀行の内定者の出身地割合には、「和歌山県」が3%、「その他」が6%いました。その銀行を志望する理由を明確に伝えて、優秀な人材だと思われれば、他の地域出身であっても採用されるでしょう。

銀行志望で有利な学部ってある?

一般的に銀行員として活躍している方の出身学部は、経済学部、商学部、法学部の方がいます。

銀行員として活躍している方の出身学部は、経済学部、商学部、法学部の方が多いそうです。大学の授業で、金融との関わりがあった学部出身者が多い印象を受けます。

最近は、グローバル化によって語学力や国際知識をもつ学部なども活躍されています。また、理系学部も数字に強いことで活躍している行員が多くなっています。

OB・OG訪問で志望動機を添削してもらおう!

上記を参考に志望動機を作成したら、ぜひOB・OG訪問をして志望動機を添削してもらいましょう。
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さいごに

いかがでしたでしょうか。
地方銀行の志望動機を作成したら、ぜひ志望動機を社会人に添削してもらい、より魅力的な内容にブラッシュアップしましょう。

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