【海運業界】志望者必見!仕事内容や企業情報・気になる将来性を解説

2023/12/27
海運業界
職種研究
業界の仕事内容
目次
1.
海運業界志望者へ
2.
海運業界とは
3.
職種別の仕事内容を解説
4.
【企業一覧】大手5社を紹介
5.
【例文】海運業界の志望動機
6.
海運業界の気になるアレコレ
7.
まとめ
8.
Matcherで海運業界の方に実際に話を聞こう

海運業界志望者へ

世界をも舞台に、物流を担う業界である海運業界。その魅力に強く惹かれている人もいるのではないでしょうか。

そうはいっても、身近ではないため、
「具体的にどんな業務をするのか」「どんな人が求められているのか」
などの疑問を持っている人もいると思います。

この記事では、海運業界の仕事内容や企業情報、今後の動向などを幅広く徹底解説していきます。ぜひ参考にして、海運業界の企業研究に役立ててください。

海運業界とは

船を表す画像
海上輸送は、日本の貿易量の99%以上を占めています。一度に大量の貨物を運ぶことができることに加え、輸送コストが比較的低いため、最も重要な輸送手段となっています。

そして、海運業界とはこの海上輸送を担う業界であるため、とても影響力の大きい業界と言えます。

海運業界のビジネスモデル

海運業界のビジネスは大きく2つあります。

①船舶の取引き

物資を運ぶための船舶の売買や賃貸が業務の1つです。船舶の量が企業の事業規模にも大きく直結するため、重要なビジネスと言えます。

具体的には、多くの船を所有している海運業者が、船の足りない業者に貸出し・売りつけを行います。また、自社で保有できる船舶の数には限りがあるため、船の賃貸を行う会社から一時的に借り、船の数を増やすこともあります。

②物資輸送

海運業界のビジネスモデルを表す図
上記が物資輸送のビジネスモデルです。

食品業界やアパレル業界、自動車業界など様々な顧客(荷主)から貨物を預かり、受取主へ輸送します。最初に述べたように、航空などと比較して安価かつ大量の荷物を運ぶことが可能であるため、様々な業界にとって不可欠な存在であると言えるでしょう。

日本国内の海での輸送を「内航海運」、海外の海での輸送を「外航海運」と言います。

海運業界の今後

海運業界とは、世界の情勢に左右される業界であるため、今後の動向などが気になっている人もいるのではないでしょうか。そこで、海運業界の近年の動向を簡単に解説します。

‌・売上高の改善

2020年頃、海運業界はコロナの影響により、収益が大幅に落ち込みました。しかし、以下のグラフに示す通り、その状況は改善されつつあります。
海運大手3社の売上高を表す図

・ECの拡大が成長要因に?

近年、EC事業の拡大によって、国内外問わず気軽に商品を購入することができるようになりました。

そのため物流量が増加することを考えれば、海運業界も成長する可能性があると言えるでしょう。

・収益の安定に向けて事業拡大

世界情勢などの影響を受けやすい海運業界ですが、各社、市況の変動に左右されにくい事業に注力し始めています。

例えば、洋上風力関連事業に取り組んだり、自社で資源開発に取り組んだりと各社は事業範囲を広げています。

職種別の仕事内容を解説

船乗りを表す画像

上記で述べたように、船を動かすには様々な業種や職種が関わっています。

ここでは、複雑な海運業界への理解をさらに深めるため、職種別に仕事内容を解説していきます。

陸上職

海運業界の陸上職とは、陸から貨物の輸送をサポートする職種です。専門資格を必要としない場合が多いため、文系理系関わらずに選考を受けることができます。また、海上職とは違い、朝に出勤して夜に退勤するというスタイルで働きます。

以下で、陸上職の具体的な職種について解説します。

・事務職
・技術職
・営業職

・事務職

海運業界の事務職は、主にモノや人を運ぶための事務手続きを行います

案件ごとに技術部門や財務部門と連携しながら、どのような船を手配して運行するべきかを考える船舶調達、貨物や燃料補給などの航海計画を指示や入出港の手続きを行う運行管理などを担当します。

・技術職

海運業界の技術職は、造船や船の保守運用に関わる職種です。

実際に船を形にするのは造船会社ですが、船の仕様を検討して発注したり、図案を確認したり、造船会社と連携したりしながら働きます。船の建造が始まれば、実際に建造現場に駐在し、建造現場の品質や工程管理の監督業務を行うことも重要な業務です。

また、新技術の開発を行うのも技術職の役割となっています。

・営業職

海運業界の営業職は、資源・エネルギー会社、メーカーなどとの新規運送契約の獲得のために、顧客との交渉を行う仕事です。また、既存顧客の更改に繋げる交渉も行います。

顧客のニーズを汲み取って最適な運送計画を提案することや、輸送状況などを顧客に伝えたりと顧客と会社を繋ぐ重要な役割を果たします。

海上職

海上職は、実際に船舶に乗って働く職種です。専門知識が求められる職種となるので、海技士免許などの資格を要件とする場合が多いです。ただ、自社養成コースといって専門知識や専門学校に通っていなくとも、入社してから研修を受けることができる会社もあるので、各社の募集要項を確認してください。

また、朝に出勤して夜に退勤、土日祝日が休日という一般的な勤務スタイルとは大きく異なり、特殊な働き方をしています。長期間船で生活し、長期の休暇を取るといったスタイルであるようです。

以下で、海上職の具体的な職種について解説します。

・航海士
・機関士
・通信士
・船員

・航海士

航海士は、実際に船を動かす職種です。中でも最高責任者となるのが、「船長」です。船長は船の進路を決定したり、入港時の操縦指示など全体の統括を行っています。

船長以外にも、一等航海士・二等航海士・三等航海士がおり、積荷の管理や船体の補修、船首や船尾からの指示を出す航海士がいます。

・機関士

機関士は、船舶のエンジンやボイラー、発電機など各種機器を管理する仕事です。航海中は、機関長・一等機関士・二等機関士・三等機関士と交代しながら24時間体制で機器の点検や管理を行い、安全に務めています。

非常に高度な専門知識が必要であるため、資格や免許が必要となります。

・通信士

通信士は、無線電話などで陸との連絡を行う職種で、船舶と陸を繋げる役割を担っています。通信士になるためには資格が必要となりますが、受験資格は特に設けられていません。

また、現在では船長や航海士が通信士を兼任しているケースが増加しており、船舶に同船する専門の通信士は減少傾向にあるようです。

・船員

船舶には上記の他にも多くの人が乗り込みます。船員と呼ばれ、甲板部で航海士の指示を受けて動く人・機関部で機関士の指示を受けて動く人・乗組員の食事を作る人もいます。

【企業一覧】大手5社を紹介

海運業界の大手企業を表す画像
海運業界の基本情報を解説してきましたが、イメージはついたでしょうか?

ここでは、海運業界の5社に焦点を当てて、それぞれの基本情報や特徴を解説します。少しでも企業選びの参考になれば幸いです。

①日本郵船

企業ホームページ▶日本郵船

創業:1885年
本社:東京都千代田区
従業員数:単体35,500名

日本郵船は、「Bringing value to lie.」を理念とし、海上輸送だけでなく、陸上輸送や航空輸送にも事業領域を展開しています。2022年度のセグメント別売上高では、海上輸送が54.9%、陸上輸送が32.8%・航空輸送が7.9%と海上輸送以外にも収益源を持っている点が強みだと言えます。

また、グループとして世界的に活躍している社員も多く、国内外問わずキャリアを積みたい人におススメの会社だと言えます。

②商船三井

企業ホームページ▶商船三井

創業:1884年
本社:東京都港区
従業員:単体1,200名

商船三井は、外交海運事業を中心に、資源やエネルギー貨物の輸送を行っています。海外拠点が多く、188名の駐在員を派遣しています。

また、2006年から海上職を社内で養成するコースでの採用を開始しました。2020年には、4年生の大学を卒業し、自社養成コースで就職した方が、船長になったというニュースが出ています

③川崎汽船

企業ホームページ▶川崎汽船

設立:1919年
本社:東京都千代田区
従業員:単体824名

川崎汽船は、国際輸送網を駆使した輸送サービスをメイン事業とする総合物流企業です。

また、陸上職採用において、事務職と技術職が分けられておらず、垣根を超えたジョブローテーションが経験できるため、幅広い知識を身に着けられる点が魅力だと言えます。

④NSユナイテッド海運

企業ホームページ▶NSユナイテッド海運

設立:1950年
本社:東京都千代田区
従業員数:単体215名

NSユナイテッド海運は、鉄鋼原料・エネルギー資源を中心としたドライバルク輸送の専門海運会社です。資源エネルギー輸送では業界の中でもいち早く、環境へ配慮した取り組みを行いました。

‌また、少数精鋭で風通しの良い社風であるようです。

⑤飯野海運

企業ホームページ▶飯野海運

設立:1899年
本社:東京都千代田区
従業員数:単体169名

飯野海運は、海運事業に加え、不動産事業にも強みを持つ会社です。
また、国外にもオフィスを持っており、入社10年以内の総合職社員の25%が海外駐在を経験しているなどとのデータもあり、若いうちから世界を舞台に活躍したい人におススメの企業と言えます。

【例文】海運業界の志望動機

ここでは、海運業界の志望動機例を紹介します。

・海上職


資源の乏しい日本に必要不可欠な生活物資やエネルギー資源などを世界中から届け、安定供給を支える社会的使命を航海士として最前線で果たしたいと考え、海上職を志望しています。中でも、脱炭素化に向けた取り組みや海洋事業への参入など、常に未来を見据えて様々な挑戦を行う姿勢と社会への影響力の大きさ、そして組織やチームワークを大切にする貴社の社風に惹かれ、貴社で社会を根底から支えると共に新たな価値を生み出したいと考えました。入社後は、これまでの経験で培った「タフさ」や「価値観の異なる人を巻き込みながら目標達成する力」を活かして、個人の技量向上に励み、周囲と協力しながら貴社と社会の発展に貢献したいです。

・陸上職


世界中の人々の生活を支えたいという思いから貴社の陸上職を志望します。学生時代の国際交流の経験から、世界の国々がその地域的・文化的背景から様々な問題を抱えていること、その問題の本質を掴むには相手の立場に立って考えることが重要だということを学びました。そこで、私は海上輸送を通じてニーズに応じた国家間のつながりに貢献し、世界中に豊かな未来を創出したいと考えています。中でも貴社は挑戦と改革という精神をもち、エネルギー事業にも着手しており、環境問題という世界共通の課題に積極的に取り組む姿勢は挑戦を続けたい私の想いと合致すると考えます。そのため、海運業との両面から社会基盤を支え、貴社に貢献していきたいです。

海運業界の気になるアレコレ

疑問を持つ就活生を表す画像
最後に海運業界を目指したいと思っている人に向けて、気になる情報をまとめました。

海運業界ってホワイト?ブラック?

航海が関わってくる海運業界なので、働き方に疑問を抱いている人もいるのではないでしょうか。

海運業界各社のOpen Workの口コミを見てみると・・・

・乗船中はプライベートのイベントには一切参加できない(海上職)
・長期休暇には時間を気にせず旅行ができる。一方で、子育てや資格取得などの人生設計との両立が難しい部分もある(海上職)
・船上での仕事は時間が不規則。(海上職)

・有給がとりやすく、プライベートとの両立をうまくやっている社員が多い。ただ、業務柄、トラブルが起きると休みや時間関係なく対応が求められる。(陸上職)
・テレワークやフレックスタイム制度など、働き方改革がしっかりと行われている。(海上職)


船は24時間365日動いているため、何か起これば対応が求められるものの、ワークライフバランスは取りやすいと回答している人が多い印象でした。また、海上職の場合、まとまった日数働き、長期の休暇を得るという働き方なので、その間に海外旅行や趣味に没頭できるという回答が多く見られました。

ただ、これらはあくまでも口コミの内容なので、あまり鵜呑みにせず、気になることは直接働いている社員の方に聞いてみましょう!そこでおすすめなのは、Matcherです。

‌Matcherとは?

Matcherを紹介する画像
Matcher(マッチャー)は、所属関係なく気になる業界の気になる社会人に、気軽に訪問依頼を送信し、就活相談ができるサービスです。‌ぜひ、活用して企業の実態を理解しましょう。

【売上ランキング】大手5社を比較

まずは、売上高を比較します。
海運業界の売上高ランキング

グラフからもわかるように、圧倒的な売上高を誇るのが、日本郵船と商船三井となっています。

【年収ランキング】海運業界を比較

以下は、海運業界の年収を比較したものです。
海運業界平均年収ランキング

職種によって年収は異なりますが、海運業界の平均年収は他業界と比較して高給と言えます。

海運業界に求められる人材とは?

次に、海運業界に求められる人物像を紹介します。ご自身と合致する点があれば、積極的にアピールしましょう。

①責任感のある人

海運業界は少数精鋭で働くことが多く、自分に与えられた役割をしっかりと果たすことが求められています。

②リーダーシップのある人

特に、船長や機関長になれば、自身の指示で船や乗組員を動かすことになります。目の前のことだけに目を向けるのではなく、広い視点で状況を把握し、適切な指示を出す力が求められるのです。

③分析力のある人

世界中と関わる海運業界は、世界情勢や市場変動の影響を受けやすいです。そのため、あらゆることにアンテナを張って情報を集め、分析・判断することが求められます。

海運業界には様々な職種があると上述しましたが、先を見通す力はどの職種にも求められる能力と言えます。

④語学力のある人

顧客が海外企業である場合が多く、職種によっては英語力が求められます。

ただ、英語力が無いからといって諦める必要は決してありません。というのも、入社後に、語学学習をサポートしてくれる体制が整っている企業が多いためです。

実際に、日本郵船のホームページには、

採用の基準としては、語学力を特に重視してはいません。しかし、世界を舞台にビジネスを広げる私たちにとって、英語は業務上必要不可欠なツールとなります。海外出張・勤務もあるレベル以上の語学力を必要とします。そのため社内には個々の社員の語学力向上を全面的にバックアップする体制が整っており、ネイティブの講師による英語のレッスンをはじめ、E-mailでの添削指導も実施しています。さらには通信教育、E-Learningやイギリスに4週間程度滞在し、現地の語学学校でインテンシブコースを受講する短期海外語学留学や、英語ミーティング・ネゴシエーション研修、英語によるプレゼンテーション研修などのプログラムも充実しています。

また、飯野海運の採用ページには、

就活時点での語学力よりも、世界を相手に自ら飛び込んでいけるような気概と地道な努力を重視して、採用活動を行っているとしています。

とあります。現状の語学力よりも、それを培おうとする向上心を求める企業が多いことがわかります。

まとめ

海運業界についての理解は深まりましたか?

少しでもみなさんの業界・企業研究の助けになっていれば幸いです。説明会やインターンシップに積極的に参加してさらに理解を深め、物流インフラを担う一員となってください。

Matcherで海運業界の方に実際に話を聞こう

Matcherを紹介する画像
「説明会やインターンシップに参加できなかった・・・」
「参加したけどよくわからない部分がある・・・」

‌そういった人には、Matcherがおススメです。

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