【徹底解説】EC業界の仕事内容とは?求められるスキル3選
2023/07/18
目次
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EC業界とは
EC業界とは、電子商取引に関わるツールやサービス(EC・通販サイト)を提供している企業・業界です。
インターネット上での電子商取引を指します。
ECサイトは企業が運営している場合が多いですが、個人で運営している例も多いです。
経済産業省の調査によれば、
令和3年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)の市場規模は、前年比7.53%増の20.7兆円
令和2年の日本国内のBtoB-EC(企業間電子商取引)市場規模は前年比11.3%増の372.7兆円
と全体的に市場規模が拡大していることがわかります。
コロナウイルスの流行やキャッシュレス化が追い風となり、今後も更に伸びる見込みです。
BtoB-EC(企業間電子商取引)
BtoB-ECとは企業間ビジネスを指し、企業が企業に向けて展開するECのことです。
標準化された商品を取引することが多く、商品カタログに掲載されているような既製品が該当します。
企業がECを活用し取引を行うことで、電話やFAX、メールなどと比較して迅速に受発注の処理が可能です。
また、Web検索やWeb広告からの流入によって直接営業にいかなくても販路拡大を図れるため、新たな顧客獲得に繋がります。
代表的なBtoB-ECのモール、サイトは
・モノタロウ(工業用間接資材)
【企業HP】モノタロウ
・アスクル(オフィス用品)
【企業HP】アスクル法人向け公式サイト
・ヘッドスプリング(美容医療クリニック)
などです。
BtoC-EC(消費者向け電子商取引)
BtoC-ECとは、企業と消費者間の取引を指し、企業が消費者に向けて展開するECのことです。
ECと聞くと、私たちの生活に最も身近なtoC-ECを思い浮かべる方が多いでしょう。
企業が消費者向けにECを活用することで、買い物が簡単になる、対象顧客の規模が拡大するだけでなく、消費者の動向をデータで統計化や商品の口コミを集めることが可能です。
また近年販売方法は様々で、口コミサイトやSNSから商品購入に繋げるECサイト、ツールもあります。
代表的なBtoC-ECのモール、サイトは
・Amazon
・楽天市場
・ヤフーネットショッピング
です。
文系でもEC業界への就職は可能か?
EC業界はインターネット上での取引が基本となるため、ITスキルを持った人や理系学生が採用されやすいのではないかと思う方も多いかもしれません。
しかし、ECを運営する企業には営業や企画といった業務も中心となっているため、文系学生も毎年多く採用されています。
ただ、職種別採用によるエンジニア職採用だと、経験者や理系学生が採用されやすいです。
【種類別】EC業界の運営方法3選
EC業界は運営方法によって主に以下の3つに分類されます。
①モール
②ショッピングカート
③ECサイト
私たちが普段ECサイトを利用するとき、一見ECサイトだけで完結しているようですが、実際はそれぞれの機能やサービスが組み合わさっています。
EC業界の中心となる、運営方法3つを詳しく解説します!
①モール
ECモールとは、ECサイト上に多くの事業者が出品・出店しているインターネット上のショッピングモールのことです。
私たちがECサイトと聞くと、まず思い浮かべるのがモールでしょう。
ちなみにユニクロやニトリなどの通販は、自社ECサイトは基本的に自社の商品のみを扱うため、ECモールとは異なります。
代表的なモール
Amazon、楽天市場、ヤフーショッピング、ZOZOTOWN、Qoo10など
②ショッピングカート
ショッピングカートは、ユーザーがECサイトで商品を購入するときに、合計金額の計算や決算、注文確認メールを自動配信するシステムです。
単純に購入手続きのみを行っているのではなく、合計金額の生産やポイント付与、割引制度の適用などを自動で行いユーザーに提示します。
ちなみに、ショッピングカートは
・総合カート
・リピートカート
の2つに分類されます。
代表的なショッピングカート
【総合カート】shopify、MakeShop、futureshop、メルカートなど
【リピートカート】ecforce、リピートPLUS、リピスト、楽楽リピートなど
③ECパッケージ
ECパッケージとは、ECサイトの運営に必要な機能があらかじめパッケージされた製品を指します。
ECサイトの基本機能として商品や在庫の管理、さらにページの見た目やユーザーの導線を整えるための編集機能など、サイトひとつのパッケージとしてセットされたものです。
ECパッケージが存在することで、もし何か不具合が起きたときの対処がスムーズに行われます。
代表的なECパッケージ
SI Web Shopping、W2Commerce、salesforce、ecbeingなど
EC業界の5つの業務内容
EC業界で働く人は一体どのような業務を行っているのでしょうか。
今回は、モールや自社ECサイトを運営している企業の業務内容について解説します!
①商品・サービス企画
フロント業務のなかでも1番重要な部分となる商品企画です。
当然ですが、ECサイトで利益を出すためには商品が売れることが大前提となります。
そのために、ユーザー需要のリサーチやトレンド・季節を考慮したうえで、売れる商品やイベント、掲載する商品などを企画・検討することが大切です。
また、近年は消費者の行動や商品購入者の年代・性別など細かくデータを収集することができ、そのデータを用いてビジネスプランを立てます。
②仕入れ・製造
事前に立てた販売計画に基づき、商品の仕入れや製造を行います。
時代の流れが早い現在は、計画をしてたとしても販売する頃には売れなくなったり、予測以上に売れて在庫がなくなったり、機会損失の可能性があるのです。
そのため、迅速に対応するために物流や製造など各部門での連携が重要になります。
③サイト制作・更新管理
ECサイトの制作・運用・更新管理は、ECを運営する上で土台となるためとても重要な業務です。
自社が売りたい商品や販売している商品に合うデザインか
ユーザーが使いやすい機能が備わっているか
サイト内に不具合がないのか
など、常にサイトを管理しなければなりません。
ECを運営する上で、③の業務が重要である理由は、ECサイトが非対面かつ競合が多いため、ユーザーが使いづらさを感じればすぐに離脱してしまうからです。
④プロモーション
自社が運営するECサイトを選んで使ってもらうためには、プロモーションが重要です。
ECサイトにおけるプロモーションとは、WEBマーケティングによる広告運用が中心になります。
代表的なプロモーション手法は以下の5つです。
・リスティング広告
・ディスプレイ広告
・アフィリエイト広告
・コンテンツマーケティング
・SNSマーケティング
インターネット上で広告を出すことで、その広告からすぐにECサイトへ飛ぶことができるためWEBマーケティングによる広告運用が中心になります。
ちなみに、広告の内容や広告バナー制作なども担う場合が多いです。
⑤営業
営業はECモールに多く、業務内容は主に
・出店や出品の数を増やすための営業活動
・出店しているショップ、商品の売上向上の提案
・新商品開発の提案
などを行います。
ECモールは、サイトやツールがあっても出品している商品が少なかったり、売れなかったりすれば、当然利益は出ません。
そのため、出品しているブランド、メーカーとも協力しながら売れる仕組みを考えています。
EC業界で求められるスキル3選
EC業界ではどんな人が採用されているのでしょうか。
ここで、EC業界で求められるスキルについて以下の3つをご紹介します。
①リサーチ・マーケティングスキル
②コミュニケーションスキル
③基礎的なWeb・ITスキル
それぞれ、具体的に解説していきます!
①リサーチ・マーケティングスキル
ECサイトはトレンドや季節などに合わせて常に変えていかなければなりません。
加えて、競合他社やユーザーの動向、価格相場についても調べる必要があります。
また、リサーチだけでなく、出品している商品が売れるような仕組みづくりも重要です。
今からリサーチ・マーケティングスキルがなくても、
・新しい情報に触れることが好き
・マーケティングに興味がある
といった人は、EC業界でも活躍できると評価されるでしょう。
②コミュニケーションスキル
ECサイトは非対面式のビジネスモデルですが、結局は「客商売」です。
ユーザー=お客様との信頼関係を構築する上で、コミュニケーションスキルは欠かせません。
また、ECサイトの運営では社内の他部署はもちろん、外注業者や出店しているショップの人との関わりが多いです。
人とのコミュニケーションが上手く取れる人は、周囲との関係性を築きながら仕事を進めることができると評価されるでしょう。
③基礎的なWeb・ITスキル
エンジニア職など技術職以外の職種の人でも、HTMLやCSSなど基礎的なWeb知識は必要です。
例えば、自社が提供しているサービスについて外部の関係者に話す際に、技術面の知識があることで、より具体的に話せるでしょう。
また、Web知識があることで、商品が売れる仕組みについて考えやすくなります。
高度でなくてもかまいませんが、基礎的なWeb・ITスキルを持っていると、志望度の高さをアピールできるでしょう。
OBOG訪問ができるサービスMatcher
Matcherとは、出身大学、学部、学年関係なく、自分の志望する業界、企業で働く人にOB・OG訪問ができるサービスです。
実際にEC業界で働く人に話を聞くことで
「どんな人がいるのか」
「どんな人が活躍しているのか」
「求められるスキルはなにか」
について知ることができます。
是非、Matcherを利用して就活を進めてみてください。
【社会人の所属企業(一部)】
Amazon、ヤフー、楽天、W2ソリューション、セールスフォース、メルカリ
Matcherに登録する(無料)EC業界の今後の動向
本記事の冒頭でも説明しましたが、EC業界の規模は年々拡大しています。
では、今後はどうなるでしょう。
コロナによる制限が完全に解除され、街中に人が戻ってきた情報のなか、今後のEC業界の動向について詳しく解説します。
是非、EC業界を視野に入れている人が抑えてほしいことは以下の3つです。
①家電やPCなど物販系が好調
②AIと5Gによる購買体験の変化
③O2OとOMOの違い
①家電やPCなど物販系が好調
BtoC-EC市場のなかでは「生活家電、AV機器、PC・周辺機器」など物販系分野がもっとも大きな規模です。
経済産業省の「電子商取引実態調査」によると、2021年物販系ECの市場規模は前年比8.6%増の13兆2,865億円でした。
今後は、コロナによる制限が解除されたことで、好調だった食品、飲料などの分野が下がる可能性はあります。
ただ、リモートワークが主流となった昨今、生活家電やAV機器、PCなどは引き続き伸びることが予想できるでしょう。
②AIと5Gによる購買体験の変化
2020年から5G通信が始まり、より多くのデータが瞬時に転送できるようになりました。
5Gの通信速度は4Gの20倍、遅延は4Gの1/10で、4Gの10倍のデバイスを同時に接続できます。
5Gの持つ超高速広帯域での伝送能力で、これまでEC業界が抱えていた
・VR(仮想現実)/AR(拡張現実)におけるレンダリング(数値などから画像などイメージ生成能力)不足
・インタラクティブ体験の弱み
・モバイル端末変更による機能低下
といった課題を解決できるとされています。
中国では、既に導入されており、より現実に近いライブコマースで顧客体験の向上が図られているのです。
京東(JD.com)は中国電信(チャイナテレコム)と2019年に提携し、世界初の5G電波を活用した体験店「京東電気超級体験店(JD E-SPACE)」を重慶にオープンしました。
また、JD.comは「オンラインの仮想空間で見たものを変える」というECサイトでのコンテンツマーケティングを推進しています。
ECの市場が拡大していることや、高齢化社会の背景から、日本で実現される日も近いかもしれません。
③O2OとOMOの違い
O2Oとは「Online to Offline」を略した表現であり、オンラインからオフラインへ購買行動を促すマーケティングの手法を指します。
例えば、インターネット上で取得したクーポンを、実店舗へ行って利用したりSNSで得た情報から足を運んだりすることです。
一方でOMOとは「Online Merges with Offline」を略した表現で、オンラインとオフラインの統合したマーケティング手法を指します。
例えば、実店舗で商品を購入する際、スマートフォン決済を利用すると、購入情報がお客様のIDと紐づけられ、セールの案内などが届き利用継続を促すことです。
日本での代表的なOMOは、マクドナルドで実施されている「モバイルオーダー」が挙げられます。
公式サイトやアプリから、事前に希望の商品、受け取り店舗と支払い方法を指定すれば、店舗到着後にレジに並ぶことなく商品を受け取ることができるサービスです。
今後は高齢化に伴い、生鮮スーパーなどでOMOが導入されることが期待できるでしょう。
【徹底解説】EC業界の代表的な企業3選と選考方法
EC業界の仕事内容や、市場について理解できたのではないでしょうか。
ここで、EC業界の代表的な企業3つと、各企業の選考方法についてご紹介します。
是非、気になっている方はご覧ください。
①Amzon
世界的に大きな影響力を持つ外資系プラットフォーマー「GAFA」の中の1社でもある「Amazon」は日本のEC業界の中でも利用者数や売上は1位です。
名前を聞いたことがない人は、いないでしょう。
【Amazonの選考フロー】
①応募する⇒②書類選考⇒③面接(3-4回)
Amazonの面接では、Amazonが求める人物像であるリーダーシップ・プリンシプル(LP)を発揮した過去の具体的な事例について聞かれます。
面接官に当時の様子をイメージさせられるように、話すことが重要です。
②楽天グループ
楽天市場を展開する楽天グループは、グループ採用になるため、必ずしも希望の部署に採用・配属されるわけではありません。
楽天市場は、楽天グループの「コマース&マーケティング」という部門に位置します。
楽天グループは毎年多くの応募者が集まっているため、難易度が高いと言えるでしょう
【楽天グループの選考フロー】
①エントリーシート⇒②WEBテスト⇒③面接(2-3回)
楽天は日本だけでなく、グローバルな企業としての成長を図っているため、その一員になれる素養があることをアピールできるといいでしょう。
【出典】楽天グループ「新卒採用」
③Zホールディングス
Zホールディングスとは、ソフトバンクグループ参加の日本最大級のテクノロジー企業、持株会社です。
グループ会社には、アスクルやZOZOTOWN、YAHOOなど代表的なECサービスを提供する企業が集まっています。
他にも、商品のレビュー、紹介記事から購入へ繋げる「mybest」など、新しいマーケティングスタイルを用いたサービスを展開する企業も傘下に入りました。
売上高ランキングでは、Amazonや楽天に続く3位を誇り、今後も拡大していく見込みです。
Zホールディングス内の会社は、各社選考方法が異なるため、ここではヤフーショッピングを展開するYAHOOの選考方法をご紹介します。
【ヤフー株式会社の選考フロー】
①プレエントリー⇒②エントリーシート+適性検査⇒③面接(複数回)
ヤフーも楽天グループ同様、会社全体での一括採用になるため、必ずしもヤフーショッピングなどEC事業に関われるとは限りません。
ちなみに、ヤフーショッピングはヤフー部署内の「コマース」に位置します。
ヤフーの新卒採用では「ポテンシャル採用」を導入しており、能力だけでなく
入社後どのように活躍できるか、したいか
そのためにこれまでの経験をどのように活かすのか
といった説明が必要です。
EC業界の売上ランキング(2021-2022年)
EC業界に採用されるために
今回はEC、eコマース業界について詳しく解説しましたが、いかがだったでしょうか。
EC業界と一言でいっても、運営方法によって仕事内容は大きく変わります。
ECサイトをよく利用するという背景から気になっているものの、仕事内容や求められるスキルは想像と異なっていたという方もいるかもしれません。
そうならないためにも、早いうちから企業研究や業界研究に取り組むことは、重要です。
是非、企業研究や業界研究に取り組み、EC業界内で自分がやりたいことに取り組みましょう。
Matcherを使って就活をしよう
Matcherは出身大学、学部、学年関係なく、自分の志望する業界、企業で働く人にOB・OG訪問ができるサービスです。
MatcherのOB・OG訪問では企業研究に関わらず
・選考対策
・就活相談
など、就活全体をサポートしてくれます。
是非Matcherを使って、就活を進めてみてください。
【社会人の所属企業(一部)】
Amazon、ヤフー、楽天、W2ソリューション、セールスフォース、メルカリ
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