【業界研究】意外と知らないテレビ局の種類と仕事内容

2023/07/18
テレビ業界
業界の仕事内容
目次
1.
はじめに
2.
民放キー局
3.
‌NHK
4.
準キー局
5.
ローカル局
6.
独立放送局
7.
インターネットテレビ
8.
さいごに
9.
‌もっと深くテレビ業界について知るために

はじめに

‌雑誌・新聞・インターネットなど広告媒体が多くある中で、総広告費の約3分の1を占めているテレビ業界。若者のテレビ離れと言われても未だその影響力は強く、志望する学生も多く倍率が高いです。多くの学生は、キー局、準キー局だけを受ける方が多いですが、日本には数多くのテレビ局が存在します。
‌この記事では、テレビ局の種類とその特徴について詳しく説明します。ぜひ最後まで読んで、テレビ局への理解を深めてください。

民放キー局

民放キー局とは、日本テレビ放送網TBSテレビフジテレビジョンテレビ朝日テレビ東京‌の5つのテレビ局のことを指します。英語表記をすると、Key Stationとなり、まさに日本中の放送の「鍵」となるような放送局です。後で詳しく説明しますが、系列局とネットワーク協定を結び、日本中にテレビ番組を放送しています。ネットワークの強さはテレビ業界に限った話ではありません。例えば、フジテレビジョンと産経新聞、日本テレビと讀賣新聞など、新聞社と密接な結びつきがあるのも特徴。日本のメディアの中心と言っても過言ではありません。‌
また、民放キー局は「放送事業」に留まらず、資金力と知名度を活かした事業を展開していることも忘れてはなりません。例を挙げると、フジテレビジョンは都市開発事業、日本テレビ放送網はスポーツクラブ事業、テレビ東京はEC事業など多事業を展開しています。

‌NHK

NHKの画像です。‌日本唯一の公共放送、日本放送協会のことです。放送法の第15条には、以下のように記されています。

‌協会は、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、かつ、良い放送番組による国内基幹放送を行うとともに、放送及びその受信の進歩発達に必要な業務を行い、あわせて国際放送及び協会国際衛星放送を行うことを目的とする。

民放キー局との主な違いは、収入の大半が受信料で成り立っていること、そして番組制作費が多いことが挙げられます。2016年の決算資料によると約6800億円もの受信料を徴収しています。番組制作費も日本テレビの年間約980億円と比較して、報道取材費等を抜いた番組費は約1550億円になります。(2016年比較)総じて圧倒的な資金力が強みと言えるでしょう。

‌また民放キー局はリーマンショック以来、売り上げが低下するといった問題を抱えているにも関わらず、NHKは子会社や関連企業も多く日本のメディアの核となりつつあると言われています。

準キー局

‌キー局に準ずるという意味合いで、準キー局とよばれています。東京の港区に拠点を置くキー局に対し、準キー局とは在阪広域局のことを指します。言葉が難しいのですが、要するに関西版のキー局といったところです。関西圏にお住まいの方以外でも、「情報ライブ ミヤネ屋」で有名な讀賣テレビなどをご存知の方は多いのではないでしょうか?

‌ローカル局の欄で後に詳しくご説明しますが、法律によって、基本的に関東圏と関西圏、中部地方を除いて、1つのテレビ局は1つの県域にしか番組を届けることができません。ただ、準キー局の場合は関西圏、つまり大阪・京都・滋賀・奈良・兵庫・和歌山に放映する権利があるため、一般的なローカル局と比べて、規模が大きく影響力も大きいです。

ローカル局

‌基本的に1つの県域に絞って番組を配信するテレビ局のことをローカル局と言います。

‌例えば、TBS系列のIBC岩手放送は岩手県にお住いの方に限って番組を放送しています。この制度は県域免許制度というもので、関東圏(東京・千葉・埼玉・群馬・茨城・栃木・神奈川)と関西圏(大阪・京都・滋賀・奈良・兵庫・和歌山)、東海三県(愛知・岐阜・三重)を除いて1つのテレビ局は1つの県域に限られているという原則があります。この制度は1957年に策定されたもので、旧態依然としたあり方に批判が起こることもしばしば。しかし、テレビ放送事業は免許制度なので万が一ルールを破ってしまえば放送ができなくなります。

‌とはいえ民放キー局は、広告ビジネスを主としているため、番組を少しでも多くの人に視聴してほしいという思いがあります。そこで作られたのがネットワーク協定と呼ばれるものです。これはキー局が地方のテレビ局と協定を結び、全国各地に同じ番組と広告を提供するというシステム。この協定を結ぶおかげで、キー局にとっても、ローカル局にとっても恩恵があります。キー局にとっては免許を保有していない県域の視聴者に番組と広告を届けることができます。また番組制作費が集められず、24時間番組を放送することに苦労しているローカル局にとっても電波料金がもらえるというメリットがあります。そういったネットワークの中で地域に密着しているところがローカル局の特徴になります。

独立放送局

‌ネットワーク協定に属していない放送局のことです。放送局の数自体はあまり多くありませんが、関東圏を中心に20近い数の独立放送局があります。ネットワーク協定に属していると、排他協定などにより、番組を編成をするうえで制約を受けることが多くなり、その制約を受けないという意味合いで独立放送局と呼ばれています。「五時に夢中!」などでおなじみの東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)が代表的な独立放送局と言えるでしょう。‌

インターネットテレビ

abema TV‌このインターネットテレビの定義はかなり曖昧ですが、今回は便宜上「インターネット通信網を介して映像を配信するサービスやそれを運営する会社」とします。‌イメージしやすいように有名なサービスを挙げると、テレビ朝日とサイバーエージェントの共同出資で作られたAbemaTVや、日本テレビのHulu、NHKのNHKオンデマンドなどテレビ局と結びつきのあるものだけでも数多くあります。またニコニコ生放送のドワンゴやLINELIVEのLINEなどインターネットを得意分野とする会社も参入しています。
‌何と言っても、自分のスマートフォンやタブレット端末から視聴できるのが特徴。従来のテレビ局と同じように、広告収入でサービスを運営する会社もあれば、会員となっているユーザーから月額課金してもらうといったモデルもあるなど、サービスによって様々です。市場の将来性が見込める点などから多くのテレビ局も参入していますが、それだけではなく、違法にアップロードされた番組の映像に対抗するという役割も担っています。‌

さいごに

テレビ局の種類と、それぞれの違いについて説明してきました。みなさんのテレビ業界に関する知識が深まっていたら幸いです。
‌一口に「テレビ局」と言っても多くの種類があり、各テレビ局によっての役割が異なります。この役割をきちんと理解していなければ、自分がやりたい番組がどこでできるのか判断することができません。ぜひテレビ局の違いを理解し、自分のやりたいものがどこで実現しやすいのか考えてください。

‌もっと深くテレビ業界について知るために

‌‌テレビ業界の種類と仕事内容を知り、実際に働かれている社会人の方にお話を聞きたいと思った方も多いのではないでしょうか?
そんな時におすすめなのが、OB・OG訪問のマッチングサービス、Matcher(マッチャー)。

‌Matcherでは、所属大学や学年に関係なく、社会人の方にお話を聞きに行くことができます。自分の所属大学にテレビ業界に進んだ先輩がいないという方でも全く問題ありません。

‌またプロフィール欄には仕事内容が掲載されているため、営業職の方、IT職の方、構成作家の方など、自分が話を聞きに行きたい方を簡単に検索することができます。
テレビ業界の社会人に会いに行く【‌社会人の所属企業一覧(一部)】
フジテレビジョン、日本テレビ、NHK、テレビ東京、テレビ朝日、放送作家、他多数

ぜひ話を聞きに行き、みなさんの就活の成功に活かしてください。
今すぐ社会人に会いに行く

記事一覧